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ウィーン1900、クリムト、シーレ、ココシュカ展(1) [☆彡Paris  展覧会]

 年末に、1月23日まで開催のパリのグランパレの企画展「ウィーン1900、クリムト、シーレ、モーザー、ココシュカ」に行った。


それほど大勢並んでいないのだけど、行列の最後尾に「ここから2時間半待ち」のプラカードを持った係りの人。「えっ?」
でも、明日は休館日で翌日はもう帰国。覚悟を決めて並んだ。
オルセーやルーブルは観光客が並ぶけれど、こういう企画展はフランス人ばかり。
待っている間、ニースの美術館がよかったとか、マルセイユがいいとか話がはずむ。
「それにしても寒い~、足が凍えてる」なんて足踏みしながら。
あと30分の地点で紙コップのコーヒーが配られ少し温まる。(親切!)

    wienklimtathena.jpg

有名な2点。クリムトの「ユーディットⅡサロメ」(左)と、「パラス・アテナ」(右)
金色なので、目立ちます。
「パラス・アテナ」が発表されたときは物議をかもしたそうですが、今でもぎょっとします。
この絵で、クリムトは「ウィーン分離派」の先駆者といわれています。

アテナは学問と正義の戦いの神。崇高な存在という解釈が普通だったのに、クリムトは
アテナを自信過剰の狂気の存在として描いているのです。
金ぴかの兜にうろこ模様の胸甲、見るものを石に変えるというゴルゴンが胸に輝き、
右手に金の杖、左手に勝利の神ニケを持つ。左手(肩)の上にはフクロウがいる。
ゴルゴンとフクロウは、アテナのしるし。にらむような眼。こわ~い絵です。
 

これも有名なクリムトの「ダナエ」。恍惚の表情がなんともいえなくて。。。
こちらは挑戦的なアテナと違ってほっとします。



クリムトの風景画もいいです。


これもクリムト「青い帽子の女」



この展覧会はクリムト中心だけど、クリムトとエゴン・シーレを比較しているのが
興味深かった。このことは次回書きますね。


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コメント 4

りんこう

クリムト、シーレ、ココシュカといった人たちはウィーンで活躍した人たちですね。
時代的にはアール・ヌーヴォーの時代ですが、
この人たちの作品は華やかな感じではありませんね。
クリムトもキンキラキンの色使いをしていてもどこか暗い感じがする。
僕は正直ちょっと苦手なんですけれども。
でも、パリでこの企画展をご覧になったTaekoさんは、
とても通であるなあ。羨ましいなあと思った次第です。
by りんこう (2006-01-19 19:41) 

TaekoLovesParis

退廃的だからウィーン世紀末って呼ばれてますよね。
私の知ってる範囲では、クリムト好きは圧倒的に女の人が多いけど、展覧会には40代~の男の人が多かったです。
by TaekoLovesParis (2006-01-19 22:35) 

yk2

この記事は06年の1月かぁ。読んでませんでした。
さすがtaekoねーさん、いい展覧会観て来てたんですね~。

グランパレのポスター、使われている字体なんかも、いかにもウィーン分離派展らしくてかっこいいな~。今でも手に入る物なら、額に入れて飾りたいくらい。
ところで、日本だといまいち名前が通ってないモーザーがクリムトの名と並べられて展覧会名に冠されているのが「ほほぉ~」って感じです。きっと、日本人の僕らが思うより、パリでは断然評価が高いんですね。
by yk2 (2010-05-22 09:21) 

TaekoLovesParis

yk2さん、こちらも読んでいただいてありがとうございます。
これは、行列して見る甲斐のあった展覧会でした。
部屋にはいった途端から金色で華やか。壁全部がクリムトですから。
次の部屋もおもしろかったです。(次の記事)
ポスターの字体は、私もクリムトを意識してるな、と思いました。
簡単カタログの中のタイトルの字体もコレで統一してます。

日本では、印象派が大人気ですが、外国で絵を見ると、それは一部分と
わかります。ルネッサンス、バロック、ロココが充実しています。

企画展は、印象に残るいいものが多いです。
「ターナー、モネ、ウィスラー展」(似てるとこ探し)と、「パリ、ブリュッセル」という
1900年前後に焦点を当てた展覧会もよかったです。いつか記事にしようと思ってます。
by TaekoLovesParis (2010-05-23 18:10) 

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