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プラハ国立美術館展(ルーベンスとブリューゲル) [展覧会(西洋画)]

  東京・渋谷、東急Bunkamuraのミュージアムで開催中のこの展覧会、
初日に出かけ、そのうち記事にしようと思っていたら、もう会期は明後日まで。

 

 ↑
 ヤン・ブリューゲル(父)の「夏景色」
昨年の「ベルギー王立美術館展」の「イカロスの墜落」を思い出させる海、船、木々、遠景の景色。
衣服の色が赤、というところも似ています。
ブリューゲルはファミリーで絵描き。農民と田園の情景を多く描いています。



見えにくいけれど、皆でオートミールを囲んで食べている「緑のフランドル村」
フランドル地方は現在のベルギーの北部。

 ↑
「東方三博士の礼拝」
フランドル地方の雪景色。この絵は部分なので、東方三博士は左端の黄色い服。
2人しか見えません。ひざを折って祈っています。

 ブリューゲル・ファミリーの中でも、ヤン・ブリューゲルは「花のブリューゲル」と呼ばれ、
背景が黒の花の絵をたくさん描いています。

 

ルーベンスは、ブリューゲルと同時代、同じフランドル地方ですが、
躍動感あふれる宗教画、肖像画の名手で、工房には弟子もたくさんいて
成功を一身にうけている人でした。バロック芸術の代表者といわれています。

 ↑
「カエサルの凱旋」の部分。もっと横にいろいろ描かれている大作。
ルネッサンスの巨匠「マンテーニャ」の同じ題名の絵をモチーフにしています。

     ←ルーベンスの「聖アウグスティヌス」 これも大きな絵で圧倒されます。

 当時のフランドル地方は、神聖ローマ帝国で、ハプスブルグ家支配下。
チェコのプラハも同じくハプスブルグ家の支配のもとにあったので、絵が運ばれて行き、
コレクションが充実しているのだそうです。

こじんまりとしているけれど、印象に残るいい絵がたくさんある展覧会でした。


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コメント 34

nico

ルーベンスと言えば、フランダースの犬。
ネローーーッ!!  L(゜□゜ L)
失礼致しました。
豪華な絵ですねぃ。
by nico (2007-07-20 21:22) 

noriko

きょう電車の広告を「いつ行こうかなぁ。。。」と考えながら見ていたら会期は今週末までだったのですね。
Taekoさんに見せていただいたので、ちょっぴり行った気分になって、がっかり感から救われました♪
by noriko (2007-07-20 21:26) 

iruka

京都の美術館に、たまに出かけます。
平安神宮の傍で、近くのお店で割引券を買い
人の少ない時に説明を受け 感激したことがあります。
絵から当時の服装や建物がよくわかります。^^
by iruka (2007-07-20 22:41) 

いっぷく

ブルーゲル大好きですが親でも子供でもどちらも区別なく好きです。
実のところどちらでもいいので、どちらか気にしてないからいつまでたっても
ブリューゲルは一人のよう。
そんなわけでフランドル絵画は偽物でもいいから部屋に飾りたいですね。
by いっぷく (2007-07-20 23:12) 

yk2

てんとうむしさんのコメント読むまで、もう終わっちゃうってすっかり忘れてました(汗)。洋一さんのウィーンのお話読んで、ブリューゲル観に行こうかなぁって思ってたんですよね。

明日、気が向いたらふらっと出掛けてみようかな。Bunkamuraはさほど混まないだろうし。
by yk2 (2007-07-20 23:27) 

雛鳥

なんと偶然!私、今日見てきました!
思っていたよりも全体的に地味目でしたが、
本当に良質な展覧会だったと思います。
雪景色の「東方三博士の礼拝」が、親しみやすくて好きでした。
ルーベンスの「聖アウグスティヌス」も、迫力でしたね。
絵の前の椅子に座って、眺めてしまいました。
これからのBunkamuraの展覧会は、気になるものが盛り沢山ですので、
期間を気にしつつ、見に行きたいと思っています。
by 雛鳥 (2007-07-21 00:04) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます。
▲nicoさん、え?もう12時だから、ネロって?(笑)
ネロ少年が見たかったルーベンスの大きな絵。。かわいそうな話ですね。

▲てんとうむしさん、会場がデパートだから、セール見がてらもう一回行ってもいいなぁと思っていたのに、あと2日。何でも早めが一番(苦笑)

▲irukaさん、平安神宮の広さがいいですね~。赤い鳥居ももちろん。
京都の美術館は行ったことがないです。ふんいきがありそうですね。

▲いっぷくさん、実は私も区別が面倒だから、ブリューゲル・ファミリー
としてしまいました。ブリューゲルの田園風景にNYの美術館で会ったり
するとうれしいですね。ウィーンの美術史美術館のブリューゲル&レンブラント部屋の大きいこと!ものすごい数の作品がありました。
フランドル絵画は、部屋にかけると和みますね。

▲yk2さん、私もplotさんの記事で、カレンダーのブリューゲル作品のこと
初めて知りました。ブリューゲルはどれも素朴でやさしく、癒し系。
レンブラントの大きな作品からはパワーをもらえます。
作品数もさほど多くないからふらっと立ち寄りでOKですよ。
by TaekoLovesParis (2007-07-21 00:09) 

pistacci

いい絵ばかりですね~。
「緑のフランドル村」明るい色彩のせいもあってか楽しそう♪
赤い大きな器から取り分けて食べるの?
「東方三博士の礼拝」に似たような絵を西洋美術館でみたような気がするのですが、あれもブリューゲルだったかなぁ。
こうして、blogで目にする機会が増えたから、おかげさまでこのごろちょっと西洋画にくわしくなっちゃった♪ ありがと。Taekoさん♪
by pistacci (2007-07-21 00:14) 

TaekoLovesParis

雛鳥さん、今日いらしたんですか!
一枚、一枚、質の高いものが多かったですよね。
やっぱりカタログ買えばよかった、ってちょっと反省。
アウグスティヌスの迫力に対し、天使が実に愛らしく、巻き毛が柔らかくふわっとしているんですよね。
雛鳥さんのひとつ前にniceをつけてくださっているplotさんの前回の記事、
「ウィーンからプラハへ」ウィーン美術史美術館をごらんになってみてください。ブリューゲルの名作「雪中の狩人」が見れますよ。
by TaekoLovesParis (2007-07-21 00:19) 

TaekoLovesParis

pistaさん、ブリューゲルの描く農民は、生活を楽しんでて、いいなぁと思います。素朴で明るくて勤勉。
オートミールは(赤くみえるけど茶色)木のボールに直接スプーンをいれて食べてます。素朴でしょ。
西洋美術館常設にブリューゲルあったかな?わからないけど、ブリューゲルを知ってると、楽しくなると思う。
by TaekoLovesParis (2007-07-21 00:31) 

miku

ブリューゲル、好きです。
ちょっととぼけたところとどこか皮肉なところが。
黒い背景の花の絵もいいですね。
by miku (2007-07-21 00:49) 

Wino

ブリューゲルはバベルの塔の人?
ピーター ブリューゲルはこどもですか?
by Wino (2007-07-21 00:56) 

aia

Bunkamuraの展覧会、結構好きです。なかなか頑張ってますよね。
ブリューゲルの絵の中では、よく見るといろんな人がそれぞれいろんなことをしているので、それを追っていくのも楽しいですよね。
by aia (2007-07-21 03:36) 

Inatimy

以前だったら、、「え?これ夏?」と文句のひとつでも言ってるでしょうけれど、夏にしろ冬にしろ空の色が鈍い色、っていうのが今、身にしみてよく分かります・・・。 
ブリューゲルは、もう誰が誰だか・・・父だの、息子だの、ヤンの息子もヤンだし、そのまた息子も、絵描いてるし、父ヤンの娘の婿も絵描きで、そっちもまた父と同じ名前だし・・・あぁ、複雑。
by Inatimy (2007-07-21 06:08) 

匁

Taekoさん おはようございます。
なるほどそれでプラハにあるんですね。
ルーベンスとブリューゲルはベルギー、オランダの画家と思っていたので 何でチエコ? と思っていましたが戦利品のような関係で内陸に持っていかれたんですか!!了解いたしました。
ルーベンスの「カエサルの凱旋」は流石大作ですね。
0時半 元気な様子
お身体に気をつけてください。
by (2007-07-21 07:23) 

りゅう

おはようございます♪
ヤン・ブリューゲル(父)の「夏景色」素敵ですね~(^_^)
BunkamuraPLAZAのスペシャルビジュアルツアーをチェックしました。
あんな風に歯を抜かれるのは嫌です!
見ているこっちも痛くなってきますよーーー(≧▽≦)b
昨年のベルギー王立美術館展では、グッズショップでパトラッシュのぬいぐるみが販売されていました。手にしてみたものの、『パトラッシュを買うなら図録を買え~』という声が何処からともなく聞こえ(笑)、後ろ髪を引かれる思いでそっと元に戻しました~(=^_^=) ヘヘヘ
by りゅう (2007-07-21 09:56) 

りんこう

プラハを2度訪れた僕ですが、プラハ国立美術館展は取材していないのです!
別に避けているわけではありません。行ってみたいけれど時間が無いのです。
ここはミュシャの作品やアンリ・ルソーの自画像があるはずで、
その印象が強く、それらが来るのか知らんと早とちりしてしまいましたが、
今回の展示はフランドル絵画ですね。
で、この展覧会まだ行ってません。行ってみたいけれど時間が無いのです。
時間はつくらないとダメなんですね。
by りんこう (2007-07-21 10:26) 

背景が黒い花の絵とても気に入りました。
by (2007-07-21 13:59) 

印象に残るいい絵がたくさんある、素敵ですね。
色彩が奥深い?という表現があっているかわかりませんがとても惹かれます。
Bunkamuraの周りはどこでお茶をしようか迷ってしまいますね(^^)
by (2007-07-21 14:15) 

nicolas

やっぱりバロックな風味ですよねー
ブリューゲルの絵は、そのままゴブラン織りにしたいようです。
特に2枚目が素敵になりそうです♡
フランドル・・・ヨーロッパはかつて領土がアチコチ行き来してて、
そういう意味でも芸術は二の次にされそうですが、
やっぱり宗教のお陰ですね。こうして育んだのを感謝したいキモチです。
by nicolas (2007-07-21 14:18) 

Wino

ヨーロッパの王族同士のつながり。
面白いですね~
by Wino (2007-07-21 17:36) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます。
▲mikuさん、そうこの農民たち、ユーモラスですよね。丸いからかな?
黒い背景の花の絵の花瓶は中国製。花はどれも季節が違うので、想像して描いたんですって。

▲winoさん、そう、「バベルの塔」の人です。親子ともピーター・ブリューゲルで、父ピーターの兄弟がヤン・ブリューゲル。息子も同じヤン・ブリューゲルで活躍。親子が2組でややこしいですね。

▲aiaさん、Bunkamuraの展覧会のあと、「ル・シネマ」で映画も、と考えて
はみるけれど、展覧会を見たあとは、ぼ~っとしているのが好きなので
お茶して、食べるものやワインを買って帰るだけです。

▲Inatimyさん、
<「え?これ夏?」と文句のひとつでも言ってるでしょうけれど>
→ここに反応して笑いました。。オランダの空には四季がない
んですね。4枚、水関連の小品が並べてあって、解説に「四季のうつろいが、、」と書いてあったので、真剣に見たのですが、水辺の朝もやとか
夕暮れはわかっても四季がわかりませんでした。わからなくても
へんじゃないんですね。

▲kitaさん、戦利品、そんな感覚ですね。いいものだけ持っていくん
でしょうね。もう元気になりました。ありがとうございます。12時になる
から寝なくちゃ(笑)

▲りゅうさん、やっぱり「夏景色」はりゅうさんのツボ(笑)
「歯抜き屋」。この絵描きさんはカラバッジョに憧れていたので、カラバッジョふうのリアリティです。昔はこんな職業があったんですね。
<『パトラッシュを買うなら図録を買え~』>
→これには大笑い。で、図録買ったんですよね。
by TaekoLovesParis (2007-07-21 23:35) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます。
▲りんこうさん、今回のプラハ旅はスメタナホールコンサートにスメタナ
博物館と、スメタナづくしでしたね。
<ミュシャの作品やアンリ・ルソーの自画像>
→そうなんですか。じゃ、日本にこれだけ貸し出しても大丈夫ですね。

▲範子さん、範子さんのアイコンもヤン・ブリューゲルの花の絵のイメージです。誰かの絵の上に、このタイプの花を額縁ふうに、花輪として描いたものもあり、着想がおもしろいな、と思いました。

▲sakikopさん、花の絵の黒も奥行きを感じさせる黒ですよね。
農民の絵だと茶色と緑、さまざまな茶色とさまざまな緑がありますものね。
お茶は近場のドゥ・マゴ。食事はデパート正面のVironや同じBunkamuraのイ・パニーニだったり。

▲にこちゃん、バロック風味って、にこちゃんらしい言葉。
2枚目、たしかに~ゴブランにいいですね。壁にかけてもいいし、この図柄だったら、ポーチでも。ビルロイ・ボッホの10年くらい前の食器シリーズに、ブリューゲル風の絵柄があったでしょ。
宗教と王様。権力のところにはお金だけでなく、いい芸術品が集まってますものね。

▲winoさん、ヨーロッパでのハプスブルグ家の力は強大ですね。
マリーアントワネットもウィーンからフランスへ嫁ぐし、娘たちが各国の王室
へ嫁いで、支配をひろげていくんですよね。
by TaekoLovesParis (2007-07-22 00:12) 

aranjues

美術館とは縁のない生活送っていますが、プラハ国立美術館だけは
行ったことがあります。でも、ほとんど覚えておりませんが、
ルーベンスの「聖アウグスティヌス」は覚えております。
名古屋では開催されないのでしょうね。名古屋であれば、
ちょっと行って見たいような気がしますが。。
by aranjues (2007-07-22 13:54) 

ルーベンス。。。たいした人物と思います。書きかけの私の記事があります。再び連動記事で、頑張って仕上げます!
by (2007-07-22 15:44) 

TaekoLovesParis

aranjuesさん、プラハにいらしたのですか。うらやましいです。
「聖アウグスティヌス」は法衣の刺繍がみごとで、この衣装からも位の
高い人とわかりました。
by TaekoLovesParis (2007-07-22 23:36) 

TaekoLovesParis

Ikesan,じゃ、私も引き続き、ルーベンスの記事にします。レストラン記事
を後回しにして(笑)
by TaekoLovesParis (2007-07-22 23:38) 

バニラ

やっぱりブリューゲルの花の絵に惹かれるかな...
昔はみんなでこんな風にオートミールを本当に食べたのかしら。
おもしろいなぁ~
「東方三博士の礼拝」はどこかで見た記憶が... この絵も好き。
ルーベンスは天使が本当にかわいいですね。 赤ちゃんを抱っこしたくなっちゃった♪
by バニラ (2007-07-23 09:10) 

かよりん

ブリューゲルは結構好みです。
ルーベンスは、私もフランダースの犬ーネロー最終回ー「パトラッシュ、僕は見たんだよ。一番見たかったルーベンスの絵を。」という図式が成り立ってます。(笑)
by かよりん (2007-07-23 21:47) 

こんな素敵な絵画展をやっていたのですね。。。
見逃した~。
渋谷方面には、あまり行かないので、広告もチェックしてませんでした。
残念。。。
by (2007-07-23 22:52) 

berry

「花のブリューゲル」だったら馴染みがあります。
1枚目の「夏景色」は(ブラウザのせい?)絵全体の色がグリーンという感じに惹きつけられました。衣服の赤がポイントに?
「カエサルの凱旋」の部分は、部分とは言え、力強さと歴史的背景とちょっと暗めの色が重々しく、大作なんだと思い知らされました。
by berry (2007-07-24 16:51) 

katsura

ルーベンスの女性たちは、全体的に豊饒としかいいようがありません。油断なるまじ、って心境にさせられます。
by katsura (2007-07-24 23:57) 

Nicoli♪

プラハ国立美術館行きましたー。
でも、忘れてしまった。ここでお勉強♪
by Nicoli♪ (2007-07-29 10:08) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます
▲バニラさんは、お洋服でも黒をきかせたものがお好きだから、絵も
黒が背景のブリューゲルですよね。
外で働いた後に食べるオートミールは、おいしいんでしょうね。
「東方三博士の礼拝」はブリューゲルの他にも、いろいろな人が描いて
います。わかりやすい主題だからでしょうね。

▲Taddyさん、当時のフランドル地方の農民は割合豊かな暮らしむき
だったようです。農民と頬のこけた男の絵があって、「貧しい服装から
すると農民とは階級が違うようだ」、と解説がしてあったので。

▲かよりん、私もルーベンスの名前は、「フランダースの犬」で覚え
ました。そしてフランドル地方の冬が厳しいということも、ね。

▲りんりんさん、そういえばBunkamuraは展覧会の広告が少ない
ですね。渋谷の東急デパートの隣というのも私には魅力です。

▲Berryさん、一枚目は緑っぽい絵なんですよ。だから赤が映えて
見えます。緑の木々と青い海、青い空、、ヤン・ブリューゲルの得意の
パターンです。花の絵のヤン・ブリューゲルのお父さんです。
カエサルの凱旋は、どこにカエサルが?と探したけど、これは「部分」
だからいないんですね。

▲katsuraさん、<油断なるまじ>に、ニヤリ

▲Nicoliさん、プラハにもいらしたんですか。いいなぁ。
中世が残っている都市ときいているので、いつか行ってみたいです。
by TaekoLovesParis (2007-07-30 22:59) 

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