SSブログ

芭蕉 <奥の細道からの贈り物> [展覧会(日本の絵)]

  「芭蕉」の書の展覧会に誘われて、出光美術館に行った。
芭蕉は江戸時代の俳人。突出した書の名手で、美しい仮名書跡。
芭蕉の生涯は、俳風の変化で三つに分けることができ、それにつれて、仮名の書風も
変遷を辿ったことが、この展覧会でよくわかる。

 ■第一期 深川に住んでいた時代
 
 
          basyou2.JPG   

 右: 櫓声波を打て 腸氷る夜や涙   ばせを
 左: 三日月や 朝顔の夕 津ぼむらん  

   「ばせを」が芭蕉なんですね。若くはつらつとした字。


 ■第二期
旅、漂白の時代。一番充実した筆力。「奥の細道」に旅立つのもこの時代。
小杉放庵が描いた「奥の細道 発足」という絵が展示してあった。
 「弥生末の七日、明ぼのの空朦々として、、、、、上野、谷中の花の梢、又いつかはと心細し」
と絵に書いてあり、桜の梢が旅立つ姿の芭蕉の頭上に描かれていた。

Basyou1.JPG 野をよこに むま引むけよ ほととぎす

 絵は、森川許六。
意味は、ほととぎすの声の方向に、むま(馬)をひきむけよ、野原をよこぎって
馬子に命じてるのだそう。黒羽(栃木県)での句。那須高原ですね。 

  高校1年のとき、古文は「奥の細道」。先生が、朗々と句を読み上げていたのを
思い出す。今は万葉集の研究で第一人者の先生。

 ■第三期 
軽みの世界。筆が非常に細くなり、朦朧。
自筆の絵を入れるようになった。

           basyou3.JPG 蓑虫の 音を聞にこよ 草の庵

 字が小さく弱々しい。第一期とははっきり違いがわかる。

 会場での展示作品は、短冊、掛け軸、巻紙、扇面など、さまざまな形だった。
 
[黒ハート]併設の「仙崖展」がとてもおもしろく、仙崖が人気なのがよくわかった。


 出光美術館はお堀ばた、帝劇の隣。9階にあるので、大きな窓からの眺めがすばらしい。
その上、お茶のセルフサービスがある。[るんるん]

 「書」といえば、ブログ友のaranjuesさんなので、最後にビールの画像を。
「横浜ビール」、これは黒ビール、INDIAって書いてあった。Tちゃんからのいただきもの。

yokohamabeerSS.JPG


nice!(50)  コメント(25)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 50

コメント 25

aranjues

芭蕉の書は初めて観たかも。
絵と違い、書は書いた人の人生が書に現れそれが
魅力だと思うんですね。この書には落款がなさそうだから、
ばせを、、この3文字が作品をしめてます。
神奈川は湘南から箱根にかけて結構有名な地ビール醸造所が
あるんですが、横浜ビールって飲んだ事無いんです。
INDIAは文字通りインドの事で、かつてインドがイギリスの植民地で
あった頃、インドに滞在するイギリス人向けに長い船旅にも耐えうるよう
ホップを大量にいて(ホップは防腐作用があります)アロマと強い苦みの
ビール、IPA、インディアペールエールを作りました。ちなみにこのビール、
IPAですよ、黒ビールじゃないと思いますが。まだ空き瓶残ってたら
確認してみて。色、どう見てもダークゴールド、黒には見えませんが(^.^)。
今夜もベルギービール飲んできてへろへろです。
by aranjues (2009-10-01 01:08) 

TaekoLovesParis

aranjuesさん、こんばんは。
一番にお越しいただいて、うれしいです。
ビールは、そう、黒じゃなくて、この色でした。すみません、私の守備範囲は、
普通のビールか黒ビールか、だけだったので、黒のほうに振り分けました。
中間のダークゴールドもあったんですね。色だけからいくと、ハーフ&ハーフに
近いのに、味的にはこちらのほうがずっとインパクトあり、でした。
なるほど~長旅に耐えられるように、だったんですね。
苦味のある味の由来がわかって、すっきりです。ありがとうございます。
by TaekoLovesParis (2009-10-01 01:20) 

匁

≪万葉集の研究で第一人者の先生≫
こんな立派な先生に教わると良いですね。
学ぶことも好きになる思います。
それにしても綺麗な流れるような字ですね。
俳句 文字を職業としているから当然と言えば当然ですが。

新常用漢字を注視していますが、これからは学校でも
読み、書き、に 打つ
が加わり、ますます綺麗な字どころか書けなくなります。

横浜ビールいただきました。
by (2009-10-01 08:00) 

Bonheur

渋いですね~。芭蕉の直筆が見られるなんて凄い。
私も仕事抜きで全国行脚したいな~
by Bonheur (2009-10-01 08:01) 

いっぷく

「古池や蛙飛び込む水の音」=芭蕉 というのばかり覚えていますが
俳句に絵が添えられているんですね、なかなか趣がありますね。
バランス的にも3期の小さな文字より第2期のほうがいい感じです。
by いっぷく (2009-10-01 08:41) 

釣られクマ

一枚目の掛け軸の字、なんて書いてあるか読めませんでした^^;
by 釣られクマ (2009-10-01 09:15) 

miku

第三期の軽みを帯びた字が好きです

仙崖展も楽しそうですねー

by miku (2009-10-01 18:49) 

berry

小学生のとき文通してたコが芭蕉が好きと書いてあったので
図書館で芭蕉の俳句集(だったかな? 奥の細道かも?)を
借りて来て句全部便せんに書きました。信じられない枚数?(^^;)
そのコびっくりして喜んでくれたこと思い出しました。
今だったら . . . 添付ファイルのメール(パソ)ですね。(笑)
ほんとぉ〜に美しい仮名書きですね。
黒ビールじゃない?aranjuesさんのコメントで納得(笑)
まだまだビールの季節です〜〜♪
by berry (2009-10-01 19:55) 

てんとうむし

芭蕉は文才だけでなく画才にも恵まれていたんですね!
どの時代にもそれぞれのよさがありますね。
高校の授業で「月日は百代の過客にして・・・」と暗記のテストがあったのを思い出しました。筆による原文が読めたら素敵だろうなぁ。。。。

横浜ビールにはいろいろ種類があって、ボヘミアンスタイル・ピルスナー、ヴァイツェン、アルト、ホワイトのほかにもいろいろ♪
こちらのインディアは開港当時のビールを現代風にアレンジしており、2008インターナショナルビアコンペ金賞獲得だそうです^^

by てんとうむし (2009-10-01 21:45) 

pistacci

最後の写真で、思わず笑っちゃいました。
これからBeerの画像は、この形式で?(笑)
出光美術館は帝劇チケットをみせると割引アリなのですが、、、、観劇の時は、じっくり美術品をみる気持ちになれなくてその特典をつかったことがありません・・。

by pistacci (2009-10-01 22:09) 

TaekoLovesParis

pistaさん、最後の写真でしょ。aranjuesさんのマネしてみました。
そしたら、aranjuesさんが一番に、ビアカフェ帰りのほろ酔い(へろへろ)で
見てくださったので、うれしかったです。ブログって、こういうのおもしろいですよね。
帝劇チケットで割引あり、なんですか。でも、やっぱり、私も、観劇当日は行かない
です。ミュージカルと和物が多い展覧会、同じ日には相容れないですよね。
by TaekoLovesParis (2009-10-01 23:59) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます
▲匁さん、先生は無駄なくきちっと教えてくださいました。私たちが卒業してから、
大学の教授になり、有名になったので、すごい人だったのだと後からわかったのです。
芭蕉の字は、ずっと見ていたいほどでした。
パソコンの普及で、漢字を忘れますね。読めても書けなくなってしまう。
御礼状のパソコン書きは、ちょっとね、って思います。

▲Bonheurさん、旅好きのBonheurさんだから、全国行脚ですか~。
出光美術館は、芭蕉の直筆をたくさん所蔵してるんですよ。企業がもうかった時、
美術品を買うのは、いいことだなと思います。

▲いっぷくさん、俳句に墨絵が添えられているのは、実際に見てもいいですよ。
落ち着きを感じます。句に絵を添えるようになったのは、第二期以降です。
それも最初は画家に頼んだのに、次第に自分で書くようになったのは、「これくらい
なら、自分で書ける」と思ったからでしょうか。絵に力がはいっていくに連れ、字が
小さくなったのかなとも思えたり。。。



by TaekoLovesParis (2009-10-02 00:26) 

エリザベート

芭蕉にたいするイメージが変わりました。。この字を見るときっと真面目な人だったのでは・・?と。。。
by エリザベート (2009-10-02 17:14) 

yk2

どうせaranjuesさんの真似をするんでしたら、写真もピクセル数を合わせてばーん!と大きい写真にしなくっちゃ(笑)。

俳画は趣があって良いですね~。
一句詠じた後に毛筆でサラサラっと描けたなら格好良いなぁと思うけど、僕に描けそうなのはせいぜい仙崖を真似るくらいデス(=要はちび太のおでん“□△○”ね・・・^^;)。
by yk2 (2009-10-02 22:14) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます
▲エリザベートさん、たしかに、芭蕉の字はきちっとしていますね。ていねいにゆっくり書いたのでしょうか。字は性格をあらわすのでしょうね。隣に仙崖の書と絵があったので、大きく違っていておもしろかったです。

▲yk2さん、わかってるくせに、そういうコメント書く(ブツブツ)。写真はaranjuesさんと
力量が大きく違うから、大きくできないんです!
えっ仙崖?仙崖のマネはちょっとやそっとじゃ。。私が気に入ったのは、
「そしるなよ 庭のあたりに 菊の花」 他人をそしったりしてると、庭に聞いてる人
がいるかもしれない っていう意味なんですって。もちろん菊が描いてあったけど。
yk2さんは、蕪村を真似て、一句詠んでいらしたじゃないですか。絵のかわりに写真で、っていう記事。
by TaekoLovesParis (2009-10-02 23:43) 

hatsu

俳句に自筆の絵って、ステキですね。
私は第一期の感じが好きです^^

横浜ビール、いま冷蔵庫で冷えてます。
今夜あたり、飲んでみようかしら♪
by hatsu (2009-10-03 07:52) 

まさみん

書風の変遷を意識してみるとなるほど、随分と変化しているのですね。
第3期は、筆使いが卓越してきたからこそ、細筆で細かい表現なのでしょうかね。
はかない感じがでていますね。
by まさみん (2009-10-03 11:10) 

angie17

芭蕉→ビール・・・
あはは、好きですっ。
by angie17 (2009-10-03 16:25) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます
▲hatsuさん、横浜ビールはいろんな種類があるみたいですね。hatsuさんは、
どれをお飲みになったのかしら。
さらさらっと句を書いて、さらに余白に絵を描く、風流でかっこいいですよね。

▲まさみんさん、一般に若いときは角ばった字で、だんだん丸くなってくるみたい
です。<はかない感じ>、おっしゃるとおりですね。

▲angieさん、句を愛でてからビールですね。逆は?(笑)


by TaekoLovesParis (2009-10-04 01:15) 

duke

書がきれいですね。
こういう流れるようなかなの書や、簡素な中に品と味わいのある感じを見ると、日本人で良かったなと思います。
by duke (2009-10-04 01:23) 

TaekoLovesParis

dukeちゃん、短冊や表装も日本らしくて、いいですよね。
by TaekoLovesParis (2009-10-04 01:28) 

Inatimy

余白の残し方、文字のレイアウト、そこまで美の世界ですね♪
シンプルな色だから余計に調和が大切なのかも。
ビール、泡の部分まで美味しそう♪
by Inatimy (2009-10-06 05:48) 

SILENT

こんにちは
はじめまして
最近俳句を始めました
俳人は まず 句を書いてから 絵を描くそうですね
晩年の蓑虫の 句と 絵が 広がる世界を感じさせてくれますね
間が いいですね

by SILENT (2009-10-06 07:33) 

TaekoLovesParis

SILENTさん、こちらこそよろしく。
俳句の世界は奥が深いと聞きます。「もののあはれ」を感じる秋ですね。さらっと句と墨絵がある掛け軸、落ち着くので好きです。
by TaekoLovesParis (2009-10-07 00:51) 

TaekoLovesParis

Inatimyさん、日本画は「間と余白の美」ですものね。墨の濃淡で表現するモノクロの
世界だからこその味わいですね。カリグラフィーと共通するものもありますか?

by TaekoLovesParis (2009-10-07 00:56) 

コメントを書く

お名前:
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0