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ヴォツェック(オペラ) [オペラ、コンサート、バレエ]

 秋はオペラシーズンなので、今晩も見に行った。
「ヴォツェック」、20世紀オペラの金字塔といわれている作品。
wozzeck.JPG

 こういう現代ものはあまり見なかったのだが、「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
意外におもしろかったのと、newyorkさんが時々紹介なさってる現代オペラの記事に
興味をひかれ、見たいと思うようになった。

 休憩なしで1時間半と短いオペラ。
無調音楽。半音階は、人の気持ちを表現するのにぴったり。
アリアも朗々とではなく、気持ちを吐露している感じ。
ストーリー: 貧しい兵士ヴォツェックは、大尉の髭剃りと、医者の実験台のアルバイトを
している。籍のはいっていない妻との間に子供もいるが、妻は鼓手長と浮気。
大尉と医者からは、日々、綿々と「道徳」について説教され、精神的に追い詰められた
ヴォツェックは、不倫の妻を殺し、自らも溺死する。

 救いがない話。いじめ物語。自己崩壊。見ているのが辛いと思っていたのに、いつのまにか
引き込まれていた。

舞台の上は10センチほどの水。低い土手があるので、オーケストラピットに水は来ない。
出演者は長靴姿。じゃぶじゃぶと水の中を歩いたり、はねたりと大変。
部屋は高床式に作ってあった。貧しいので、家具は何もない。
ヴォツェックが精神に異常をきたした後の場面では、オーケストラの数名が舞台に作られた
ひな壇で演奏をした。
舞台は水たまり状態なので、最後の挨拶のとき、指揮者も長靴で登場した。

wozzeck3.JPG

 亡くなった新国立劇場芸術監督の若杉弘が、ぜひこの作品を上演したいと自ら
指揮の予定だったが、ドイツ人のハルトムート・ヘンヒェンが振った。
 妻マリー役のU・H・フォン・デン・シュタイネン(Ms)が堂々とすばらしかった。
ヴォツェック:トーマス・ヨハネス・マイヤー(Br)
大尉:フォルカー・フォーゲル(T)
鼓手長:エンドリック・ヴォトリッヒ(T)
医者:妻屋秀和(Bs)
マルグレート:山下牧子(Ms)

  ☆ このオペラのきちんとした解説を「つるりんこ」さんが書いていらっしゃいます。

 全く甘さとは無縁のオペラだったので、最後にチョコレートの紹介を。
スペイン王室御用達というショコラテリア「カカオサンパカ」、丸の内。
pistaさんの記事と、チョコロさんの記事で見て、「いいなぁ」と思っていたぶん。
値段の割には。。。私は自分で食べちゃったけど、プレゼント用ですね。

Cacaosanpaca1.JPGChocoSpain.JPG

 

 


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よしあき・ギャラリー

素敵な文化的生活ですね。
いつも、指をくわえています。 ^^;
by よしあき・ギャラリー (2009-11-19 06:49) 

pistacci

記事の紹介ありがとうございます~♪
サンパカのチョコはまだ食べていません。じゃぁ、プレゼント待ちしています。
・・・っていうと、一生口に入らないなぁ(笑)
Taekoさんの記事の紹介のお蔭で、オペラって、斬新なものもあるんだなぁっと、
いつも楽しみです。
by pistacci (2009-11-19 13:27) 

katsura

>全く甘さとは無縁のオペラ
うむ、現代のものはそういうの多いですね。もう少し心がうtきたつようなものがあるといいのかな、とも思います(それはミュージカルになってしまうのか)。
by katsura (2009-11-19 16:07) 

チョコローズ

こういうオペラもあるのですね。私はバレエなら俗に言う”白いバレエ”、オペラも姫とか王が出てきたり悲恋だったりが好みなので、「救いがない話」という説明に???想像がつかないけど、いつの間にか引き込まれるのですね?
甘さを求めてのチョコレート、チョコは心のビタミンですから「ある」と思います。私もカカオサンパカのチョコは自分用に買いました。ご褒美チョコです。いつもご褒美しちゃってますけど。リンクありがとうございます。
by チョコローズ (2009-11-19 18:24) 

雛鳥

オペラで水を使う舞台って、珍しいですね。
(…って、よく知らないのですが、珍しいイメージで・笑)
コクーン歌舞伎を思い出してしまいました。
こういった変わった演出があるのは意外で、
オペラに“自由”というイメージが加わりました。
本当にTaekoさんは色々なことに精通していらっしゃって、
改めてすごいなあと思ってしまいます。
最後にはしっかりおいしいものも!
自分用に買う高級チョコは、特別な贅沢ですよね。
by 雛鳥 (2009-11-19 18:29) 

てんとうむし

うわぁ・・・チョコレート♡
昨日ザッハトルテを食べたばかりなのに、誘惑されてしまいます(笑)
by てんとうむし (2009-11-19 21:52) 

りんこう

ベルクはヴァイオリン協奏曲ぐらいした聴いたことがありません。
無調音楽はとっつきにくくなかったですか?
ベルクはクリムトと同じ墓地に眠っているはずなんですが、
クリムト墓参時にそのことを知らなかったので、ベルクのお墓参りはできずじまい。
帰国後に気づいてショックだった想い出があります…。またお墓のお話でした…。
by りんこう (2009-11-19 21:59) 

いっぷく

悲しくてつらいストーリーですね、何も死ななくてもと思いますが、
それは個人差がありますからね。
チョコレートは中身にある大きさより、箱の大きさぐらいのチョコを好きなだけかじりたいです。
by いっぷく (2009-11-20 00:01) 

りゅう

ベルク・・・なんだか難しそ~
今回のチョコはTaekoさんのご感想も甘さと無縁ですね♪(≧▽≦)b
by りゅう (2009-11-20 00:04) 

aranjues

この時間はボジョレー飲んでました。
たまたま、お店の時計が1時間くらい進んでいましたので(笑)。
現代オペラ、未体験、眠眠打破持って行かないとBGMになりそうです。
by aranjues (2009-11-20 09:17) 

aranjues

追伸、
次回の更新は26日にしましょう。カレンダーがビンゴです。
by aranjues (2009-11-20 09:37) 

roseadagio

記憶が定かではないのですが、多分一番最初に見たオペラがヴォツエックです。
ン十年前です。
迫力のある題名?なので覚えていました。
内容を全く覚えていなかったので^^;、興味深く記事を拝見しました。
お水がいっぱいとは、さすが新国の演出ですね。

by roseadagio (2009-11-20 13:57) 

つるりんこ

なかなか見応えのある舞台でした、
マクベス夫人も良かったですが、
ダイナミックな演出で芸術性もかなり高く、
余韻が残っています。
by つるりんこ (2009-11-20 17:44) 

匁

おはようございます。
Taekoさんそろそろパリ行きの準備で仕事も
忙しく進められているのかな?と
思っていましたが!!
you tube で ヴォツェック を聴くと
静かな音楽ですが、長靴とは想像つきません。
ちゃぷちゃぷらんらん 思うように動けないと思いますが
水張りの舞台とは!!
奇想天外な発想に驚かされます。

by (2009-11-21 08:22) 

Inatimy

どんな長靴だったのかなぁ。
私にとってオペラっておしゃれなイメージだから、
長靴も気になるところ。
意外と普通のゴム長かしら・・・。
by Inatimy (2009-11-22 08:22) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます
まず、aranjuesさんへ
ビンゴ、はずしちゃいました。私はチーム・エレガントの記録係りなので。
あ、でも、次、26日に更新すれば、まだいけるかな。

aranjuesさん、フライングでボジョレー、一番乗りだったんですね。
オペラは、途中、あめの紙を剥く音が、後ろでカサコソ。休憩なしは
寝ちゃったらアウトですものね。ドイツ語の響きは耳に残ります。
最初のセリフ「ラーングザム」(ゆっくり)のいやらしい言い方が
今でも耳に残って。。

▲よしあきさん、ありがとうございます。いいものを見るのは、とっても
刺激になります。でも、よしあきさんのようにご自分で作品を作られるほうが、
ず~っとハードルが高いですよ。観客はラクです。

▲pistaさん、<、、、一生口に入らないなぁ>
→ 私も同じ。だから、自分で買ってる(苦笑)
「プレゼントされるんだったらチョコレート」って何年も言い続けてるので、時々、
来ます。

▲katsuraさん、現代人っていうテーマのは、シリアスなときが多いですね。
心うきたつ恋愛ものは、昔からあって、もう出尽くしたっていうこと?
ま、オペラは悲劇がベースですけどね。

▲チョコロさん、<いつもご褒美しちゃってますけど>
→はい、その豪快なご褒美ぶりを見習いたいと思っています。
救いがない話に吸い込まれるのは、三面記事のドロドロでも書き方が
おもしろいとついつい読んでしまうのと同じで、やっぱり、よくできてる
んですよ。

▲雛鳥さん、<コクーン歌舞伎を思い出してしまいました>
私も同じです。勘三郎の、が浮かんだんだけど、演目が思い出せなかったから、
書かなかったんですよ。
ご褒美があると、メリハリがついていいですよね。

▲てんちゃん、<昨日ザッハトルテを食べた>
→ 私は、ザッハトルテに生クリームをたくさんのせるのが大好きで。。

▲りんこうさん、このオペラには序曲がなくて、ヴォツェックが大尉のひげを
剃ってる場面から始まり、「ゆっくり!」と大尉が文句を言う。会話に沿って
音楽が流れるので、会話の字幕を見ながら、歌を聴き、で、演奏があまり
気にならないのは、無調音楽のせいかもしれません。メロディが流れるより、
合ってたのでは、って思います。
このコメントもらってから、もう一度、りんこうさんの「グスタフ・クリムトに
会いに行った」を読んだんですよ。そしたら、ちゃんとベルクのことが書いて
ありました。「ヴォツェック」を私はまだ知らなかったんです。
by TaekoLovesParis (2009-11-22 22:29) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます
▲いっぷくさん、<箱の大きさぐらいのチョコを好きなだけかじりたいです>
→ 私もおいしいチョコをたーくさん食べるのが大好きです。友達の頂き物で
2万円のゴディバ、2段重ね箱をもらったとき、約半分を一晩で食べた楽しい
思い出があります。

▲りゅうさん、<感想も甘さと無縁ですね♪(≧▽≦)b >
→ コレ、読んだとき、もう、くすっと笑っちゃいましたよ。いつも、りゅうさんは、
うまいなぁ、って、感心しました。

▲roseadagioさん、そんな昔にごらんになってらしたんですね。
日本初演ではなく、新国初登場って、書いてあったから、他では上演された
んだなって思ってました。それがroseadagioさんのごらんになったぶんだった
んですね。

▲つるりんこさん、お返事が遅くて申し訳ありません。
つるりんこさんのオペラ記事は、すばらしく、完成度が高いので、きちんと
知りたいかたの役にたつと思うので、リンクをつけさせてくださいね。
私も、この日は、ワーグナーのときと客層が似ていると思いました。
同じ短いオペラでも、「サロメ」とは全然、客層が違いましたもの。

▲匁さん、you tube で聴いてくださったんですね。ありがとうございます。
今はもう、どんな曲と思い出せないので、私も聴いてみなくちゃ。
衣装がまた奇抜だったんですよ。大尉はおなかに詰め物をして誇張した腹ボテ。
医者は傷痍軍人みたいだったし。私が見た昔の舞台写真は、軍服。
軍服のほうがしっくり来ると思いました。最後に溺れ死ぬから、水を利用して
るんでしょうけど、ずっと水の中というのも、あまり馴染めなかったです。

▲Inatimyさん、はい普通のゴム長です。衣装もおしゃれとはかけ離れたもの
でした。貧乏ゆえに起こった実際の事件を元にしてるので、終始暗いんですよ。
だから、見始めは、「あ~こんなの来るんじゃなかった」って思ったんですが、
いつのまにか、、事件の行方は気になるんですよね。
by TaekoLovesParis (2009-11-22 22:55) 

roseadagio

Taekoさま、私がその昔見たのは日本人のみのオペラで、確か主役が津嘉山正種さん?というお名前だったか、四季出身?の役者さんでした。あまりに無彩色だったので、印象は強烈なのです^^;
昨日偶然父が見に行っていました。あっという間に終わったようですね。
by roseadagio (2009-11-22 23:17) 

TaekoLovesParis

roseadagioさん、津嘉山正種さん、実は知らないお名前だったので、検索をクリック
したら、奥様は「成田絵智子」さんという昔はかなり有名だったかたでした。
お父様、見にいらしたのですね。昨日が2回目だったですよ。1時間半の一幕、
休憩なしだから、すぐ終わりでした。↑でコメントをくださってる「つるりんこ」さんの
記事は、専門的な目できちんと書かれてらっしゃいますから、お父様がお読みに
なってもおもしろいかと思います。

by TaekoLovesParis (2009-11-23 00:13) 

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