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エミール・ガレの生きた時代展 [展覧会(絵以外)]

  目黒区美術館に「エミール・ガレの生きた時代展」を見に行った。
以前のBunkamuraミュージアムの「ガレ展」サントリー美術館で見たのと
今回の、「ガレの生きた時代展」って、どう違うの?と思ったが、ちょうどその日は、
この隣の建物で、大学も会社も一緒だった友達が、生け花の社中展をしているので、
それを見る目的があった。
生け花展の受付には、着物姿のお嬢様が3人も立っていた。記帳して、「先生は、
いらっしゃいますか?」「はい、あちらに」。白いスーツ姿、「わ、すぐわかったわよ」
「×ちゃんこそ、変わらないじゃな~い」。そんなご対面を終えて、ガレ展会場へ。

gare0.JPG

 目黒区美術館に来たのは初めて。はいるなり、おやっと、思ったのは、世田谷美術館
の「オルセー美術館展」(アール・ヌーヴォー)に雰囲気が似てたこと。
でも、こちらの方が、私の好きなものがたくさん。

 すぐ目にとまったのが、ルイ・マジョレルの椅子と食卓テーブルと食器棚、海藻もようの
寄木・象嵌細工。隣のコーナーは、タンポポ模様の食堂セット。
マジョレルは、初めロココ様式の家具を作っていたが、ガレの影響で、植物模様を使う
アール・ヌーヴォー様式になった。

 ルイ・マジョレルの名前を知ったのは、映画「夏時間の庭」で。親が亡くなって、たくさんの
美術品を相続する子供たちの話。「これは、マジョレルの書斎テーブル」「これはウィーン
分離派のヨーゼフ・ホフマンの棚」と映画の中で紹介された。特に、マジョレルの書斎テーブル
と、ブラックモンの花瓶は、キーワードになるほどだった。

 そのヨーゼフ・ホフマンがデザインした花器も展示されていたが、ホフマンらしい白黒の
斬新なデザインのドクダミ模様のものだった。
ガレの家具もあった。「グラジオラス模様の楽譜棚」、「ボケの花のキャビネット」、
「麦と芥子のティーテーブル」など。どれもアール・ヌーヴォーの装飾が施されたり、脚が曲線
だったりと、典型的なもの。

gare4.JPG

 ガレといえば、やはりガラス器。
ポスターに使われている(下右)「アルプスのあざみ」の花器がマルケトリーで立体感があり、
華麗さと重厚さを合わせもった美しさ。
上の写真左は、芥子模様の花器、右は、蜉蝣(かげろう、トンボ)模様。透明感が美しい。

gare2.JPG

 これは、かなりダイナミック。花瓶の口からあふれるソーダの泡が装飾になってるのに
驚きながらも、黄色の花瓶の波もようとの調和に見入ってしまう。泡の表現も見飽きない。
右下に”galle”と、サインがはいっている。

 睡蓮文様花器は、口が青いすりガラスで、きれいな緑の睡蓮の葉と茶色の根の模様、
花瓶全体で池を表現していて美しい。もうひとつの睡蓮文様花器は、形が杯。大きく開いた
内側全体に一輪の睡蓮、葉が周囲を囲む。黄色と緑、暖色系の色あい。

 リキュールセットもあった。ドーム兄弟の酒器セットや花瓶、ランプも展示してあった。
どのガレ作品も、今、日々の生活の中で使ってみたいものばかりだった。現代のインテリア
にもすんなり合うと思う。

 これらはほとんど全部、滋賀県長浜市にある「黒壁美術館」の所蔵品と書いてあった。
長浜市は、元々は秀吉の城下町で、戦国時代以来、鉄砲の生産拠点として栄えた。
今は、観光に力をいれていると写真入りでの展示があったが、これほどのコレクション
をする財力は?誰がガレのコレクター?と気になった。


 

 京都のお土産。「シェアガタ」の抹茶テリーヌ。
高かったから半分分けと、切ってもらった。有名で、雑誌に出てるからと、
見せてくれたけど、覚えられそうもないので、携帯でカシャ。

 ホワイトチョコがはいっててしっとり、もったり、濃厚でおいしいです。
テリーヌのように見えるというだけで、食べた感じは、チーズケーキに近いです。

抹茶テリーヌ2.JPG 抹茶テリーヌ3.JPG
 


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コメント 25

にこちゃん

ソーダ発泡!斬新ですねー
この時代のモチーフって昆虫とか植物多いですが、
独特の雰囲気ありますよね。
しかも、結構自由な発想で実験的な空気もあったんですね。
by にこちゃん (2010-05-15 01:06) 

TaekoLovesParis

にこちゃん、コメントありがとう。この花器、茶目っけがあるのに、上品にまとまってるのは、ソーダの泡がとっても細かく、繊細に表現されてるからなんだと思いました。
大胆さと繊細さをうまく組み合わせてるんですね。
にこちゃんのお料理も、時々、大胆さと繊細さが同居して魅力的ですよ。
by TaekoLovesParis (2010-05-15 01:11) 

yk2

行く行く~!と云っておきながら、ま~だ行けてません、目黒のガレ展(^^ゞ。

「ガレの生きた時代展」だからガレだけに限定せずに、19世紀末のアールヌーヴォー展の様なものなのですね。マジョレルやホフマン、確かに『夏時間の庭』を見た人には楽しみかも。taekoさんが、世田谷のオルセー展より余程良かったと仰るので(僕には残念ながら・・・だったので)、かなり期待しちゃってます。
by yk2 (2010-05-15 08:45) 

coco030705

おはようございます。
素敵な美術展ですね。私もガレが好きです。やはりソーダの花瓶が目を引きますね。
長浜市にある「黒壁美術館」は2,3年前に行きました。有名な盆梅展を見に行って、
ついでによりました。ひとつひとつはよく覚えていないんですが、いい展示がされていたのは記憶に残っています。
「夏時間の庭」はぜひみてみなくてはと思いました。
by coco030705 (2010-05-15 09:28) 

pistacci

ガレというと爬虫類、とおもってたけど、こんな花器もあったのですね。
区立美術館でこういう展覧会が開催されるのは、いいなぁっておもいます。
・・あら、うちの市立美術館では特別展といっても発掘物くらいだったかな、っていう
感じです。
コレクターへの興味がわくの、わかります(笑)西洋美術館で松方氏の来歴を真剣に読んできた私です(^^;)
by pistacci (2010-05-15 11:44) 

aranjues

長浜にはガラス工芸の工房が幾つかあり、
かつては名古屋でバーのマスターだった知人もすっかり転職して
工房を開いています。行きつけ紙音のグラスのかなりは彼の作品です。
月末の週末にまた会合で上京、日曜日の午後、ひょんな事から
東京の美術館巡りにつきあうことになりそうです。何処へ行くかは知りませんが、
今年最初で、たぶん最後の美術館巡りになりそうです。また出来れば
記事にして報告します。ガッタイオーラ・ドルチは先送りとなりました。
by aranjues (2010-05-15 13:53) 

匁

ソーダの泡の装飾は圧巻です。
偶然に泡ができたのか?(まさか?)
遊び心で造ったったのか?
長浜は寅さんも行った町でしたか?
一度行ったことが有りますが
昔は栄えたことでしょうが
琵琶湖の北側の静かな城下町風情の残る所
を覚えています。
by (2010-05-15 21:44) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます
▲yk2さん、<ガレだけに限定せずに、19世紀末のアールヌーヴォー展の様なものなのですね> → はい、まさにその通りです。しかも、超高級品ではなく、普段、
使えるような親しみやすいもの中心です。ロブマイヤーのゴブレットやセーブルの
カップ&ソーサーなど、今も健在の会社のガラスや陶器が展示されてるので、余計、身近に感じるのかもしれませんね。別部屋がランプコーナーで、ティファニーやドーム兄弟のランプ。
目黒川に沿って歩いて行くのですが、新緑がきれいでした。

▲cocoさん、「黒壁美術館」にいらしたことがあるんですね!じゃ、有名なんですね。びわ湖のほとりの長浜っていう地名は知っていても、大阪のcocoさんが、盆梅展をわざわざ見に行く場所とは、知りませんでした。

「夏時間の庭」は、おすすめ。私は映画館で見たのですが、単館上映でした。DVDが出てると思います。ジュリエット・ビノシュが主演。美術品はオルセー美術館の貸し出しなんですよ。フランス映画らしい映画です。

▲pistaさん、サントリー美術館での「ガレ展」は、ジャポニズムというサブタイトル
だったから、北斎漫画からのトンボや爬虫類が文様に使われていたけど、お花も
多いんですよ。芥子、睡蓮、アザミ、蘭、プリムラなどなど。。
ブラングィン展にいらしたんですか?松方幸次郎の来歴を読んで(笑)。松方氏は、第一次世界大戦前に、戦争が始まれば船が必要と、造船に力をいれ、富を築き、美術品を収集しはじめたんですよね。初めは船の絵ばかりを買っていたっていうのが、わかるな、って思えたけど。だから、黒壁美術館は誰の財で?って思っちゃったん
ですよ。

▲aranjuesさん、<長浜にはガラス工芸の工房が幾つかあり>→ ガラス工芸が
さかんな市なんですね。「紙音」のマスターの三輪さんが、ベルギービールの講習会の講師だったんですよね。
日曜の午後、東京で美術館めぐり、きっと丸の内の「マネ展」では?
新幹線にすぐ乗れる場所で便利と、北九州の友達も、「マネ展」を見に来ました。

▲匁さん、匁さん、絵の構想が浮かんでらっしゃるのでは?ひょうたんと似た形ですもの。
長浜にお出かけになったことがあるんですね。寅さんも、なんですか。
静かな城下町なんですね。城下町の彦根には行ったことがあるけど。
by TaekoLovesParis (2010-05-16 01:17) 

pica

ガレの作品ははじめて知ったときから、とても惹かれました。
那須の美術館にも行きたいと思っています。
by pica (2010-05-16 02:25) 

ぶんじん

目黒区美術館、行ったことないですね。でも、ガレはやっぱりいいなぁ。こんなガラス、手間がかかって今じゃ造れないでしょうからね。
by ぶんじん (2010-05-16 09:29) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます
▲picaさん、那須にガレ美術館があるんですね。知らなかったけど、picaさんが、
書いてくださったので、調べて、わかりました。私が行ったことあるのは、諏訪の
北沢美術館ですが、有名な「ひとよ茸ランプ」が見れてよかったです。

▲ぶんじんさん、私も、目黒区美術館、初めて行きました。所蔵品がどれだけあるのか、わかりませんが、今回はほとんど全部、借り物です。JRの目黒駅から、それほど
遠くないので、私にとっては行きやすかったです。
工業製品がたくさん出まわってる今、これだけのものを造るのは、難しいでしょうね。
by TaekoLovesParis (2010-05-16 22:38) 

hatsu

「わ、すぐわかったわよ」
「×ちゃんこそ、変わらないじゃな~い」
久しぶりのご対面のやりとり、とっても素敵ですね~。

『夏時間の庭』、今youtubeで予告を見ました。
映画館では上映していないようなので、
ぜひDVDを借りて、観てみたいと思います^^
by hatsu (2010-05-17 06:28) 

ぎーこ

この抹茶テリーヌは良く雑誌で見かけます。
また頂いたことが無いのですが、今度見かけたら買ってみます。

黒壁美術館には行った事がないのですが、
すごく興味をそそられます。
黒壁スクエアといって街並みもステキと聞きますし、
近いとは言えませんが行ける距離なので足を伸ばしてみます。
by ぎーこ (2010-05-17 09:28) 

roseadagio

夏時間の庭という映画を見てみたくなりました。
ガレの作品は女性心をくすぐられます。
ペリエ・ジュエというシャンパンにガレの絵が描かれていること、最近知りました。
ん~、飲んでみたい。話がそれてしまって失礼致しました。
by roseadagio (2010-05-17 09:49) 

oyatu55

はじめまして☆
ご訪問&niceいただきましてありがとうございました!
抹茶テリーヌ、凄く美味しそうです~♪(^w^@
by oyatu55 (2010-05-17 19:09) 

ルビー

好きです、アール・ヌーボー!! 特に“ガレ”が私も大好き。
でもこのソ-ダの泡の装飾は初めてみました。すごい造形力ですねえ。
植物、昆虫のような自然素材というだけではなくて、曲線の妙をいろいろなところに見出していたんですね。素晴らしい。
by ルビー (2010-05-17 21:22) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます
▲hatsuさん、そーなの、彼女とは、私が25歳で退職して以来、会ったことがなかったんですよー。その頃、会社帰りにお花を習いに行っていたけど、先生に転身するとは、思ってなかったので、びっくり。若い男の人も結構習いに来るんだそうです。

「夏時間の庭」は、とってもフランスっぽい映画です。hatsuさんは、「アニエスの浜辺」見にいらしたんだから、きっと、フランス映画もお好きでしょ。

▲ぎーこさん、京都のそのへん中で売ってるものじゃないんですね。だから、買ってきたのが自慢だったのかも。たしか一本が3000円って言ってたから、お高いですよねー。材料厳選吟味だそうですが、その値段では、私には猫に小判だったかも。
黒壁スクエア、どなたかいらしたかたが、激ホメしてくだされば行く気になるのですが。。

▲roseadagioさん、地味な映画ですが、感心するところがたくさんあって、私は、
DVDで、もう一回見ました。
ペリエ・ジュエのベルエポックという、ガレの花柄のぶん、きれいですよね。
見てよし、飲んでよしと薦められて、買って飲みました。瓶を眺めながら、シャンパンの好きな人と飲むのがいいですよ。
渋谷・松涛のレストラン「シェ・松尾」には、ガレのランプが置いてありました。
目を留めて、「あ、これ」って言ったら、「はい、ガレです」と答えてくれました。

▲oyatu55さん、そちらへのコメントが遅くて申し訳ありませんでした。
ミッキーづくしの綺麗な写真、かわいかったです。TDLの上級者なんですね。

▲ルビーさん、テーブルや家具なども曲線を使うと優美さがでますね。私は
アールヌーヴォーが好きなので、家のダイニングテーブルも楕円の寄木風
脚が曲線のを使ってます。
ガレでは、昆虫よりも、睡蓮やたんぽぽ、あざみといった花シリーズのほうが
私は好きです。きっと、ルビーさんもそうだと思うけど。
by TaekoLovesParis (2010-05-17 22:28) 

aranjues

紙音の三輪さんとベルギービール講座の講師三輪さんとは
全く別人、三輪なんてそうそうある名前じゃないのに、私の周りには
もう一人旅行やクラシックホテル好きの三輪さんがいて、ややこしいのですよ。
コメントし忘れたことがあったので追加、抹茶のテリーヌ、すごく美味しそう
です。
by aranjues (2010-05-17 22:29) 

chicory

私も、このガレ展、行ったのですよー。すでにちょっと懐かしいです。
家から徒歩圏内なので、行きやすいのですが、目黒美術館、わりといい企画をしていると思います。
by chicory (2010-05-17 23:18) 

TaekoLovesParis

aranjuesさん、今、aranjuesさんの「お蕎麦」記事を読んできたとこです。
えー三輪さん違いだったんですね。紙音やって、酒問屋やって、幅広くご商売を、、
って思ってたんですよ。写真を拝見しても横顔とうつむき顔、どちらのかたも細い
お顔なので、違う人とは思いもしませんでした。さらに、三輪No3も、ですか(笑)

抹茶のテリーヌ、私もおいしかったです。でも、値段が高いので、自分で買うリピーターになるかどうかは。。だって、ひとりで、半分、食べれちゃいますよ。
京都のお土産では、「いず萬」の鱧かまぼこがおいしかったです。
by TaekoLovesParis (2010-05-17 23:21) 

TaekoLovesParis

chicoryさん、懐かしいとは、早い時期にいらしたんですね。
さくらで有名な目黒川のそばにお住まいなんですね。
歩いて行けるところに美術館があって、いいですねー。
一階にコーヒールームがあって、美術書も置いてあったから、
このそばに住んでいたら、読みに来るのに、って思いましたよ。
by TaekoLovesParis (2010-05-17 23:50) 

pistacci

こんばんは~ブラングイン展には行ってません。
いつだったか大部前のことです。
行きたいんだけど、いまは帝劇でいっぱいいっぱい。
あ、それほど通い詰めてるわけではありませんよ(笑)
ガレは清里の北澤美術館で見たのが印象的。
あちこちにあるのですね。
by pistacci (2010-05-18 00:32) 

TaekoLovesParis

pistaさん、ブラングィンは、すいてました。ゆったり見れてよかったです。
帝劇ね、私がniceをつけたとこに、「帝国劇場バージョン『レベッカ』」っていうのが、
ありました。
北沢美術館は、ガラスの美術館の草分け的存在ですものね。私も行ったことが
あります。ラリックもたくさんあるんですよね。ガレ作品は、フランスに次いで日本に
たくさんあるんです。ガレが日本の影響(ジャポニズム)を受けた作品をたくさん造ったから、特に日本人に人気があるんです。
by TaekoLovesParis (2010-05-18 23:28) 

duke

アールヌーボーのガラスものはとてもひかれます。
有機的で虫のモチーフとかがきれいで。
黒壁美術館ですか~。知らなかったです。
抹茶テリーヌ、おいしそうですね^^


by duke (2010-05-23 14:05) 

TaekoLovesParis

dukeちゃん、アールヌーボーの装飾は、無機質なコンクリートの建物を豪華にしてくれますよね。遊びがあるのは楽しいですものね。パリはアールヌーボーの建物がたくさん残ってるらしいので、今度、建築散歩をしてみようと思ってます。
by TaekoLovesParis (2010-05-23 15:07) 

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