グルベンキアン美術館その2 [外国の美術館、博物館]
グルベンキアン美術館は、個人のコレクションだけあって、こじんまりと名品ばかりを
集めている。展示というより、邸宅の調度品を見て歩いているかのようだ。
まずは、サイドボードと古い時計のコーナー。
キャビネットやサイドボードの素材は、オーク、パイン、外国材。
ラッカー(塗装)、ルイ15世様式のブロンズの縁飾り、引き出しの取っ手など装飾が華麗。
天板は大理石。壁時計もブロンズ。
これは、天板に、違った種類の大理石を升目のように貼ったもの。色が上品できれい。
机の上の時計もお宝。
日本(中国)の山水画のサイドテーブル。
漆塗りの塗装に金泥仕上げの技法。(ヴェルニ・マルタン)
ルイ15世様式家具職人クラマー(Mathieu Guillaume Cramer)が 1785年にParisで制作。
テーブルの上のブロンズの置物は、彫金師トミール(Thomire Pierre-Philippe)が1810年に
制作したもの。
脚がまっすぐだからルイ16世様式の肘掛椅子。ゴブラン織りがみごと。
左後ろには、同じシリーズのソファー。
ニューヨークのフリック・コレクションもマリー・アントワネット使用のキャビネットがいくつも、
と、すばらしいコレクションだったが、ここのは厳選された逸品。センスがいい。
外の家が金網を張った窓越しに見える。夕暮れの景色がコレクションの壷を輝いてみせる。
次は、銀の食器
中庭があった。四方を建物に囲まれた中庭。今、見てきた展示室が向こうに見える。
桜のような花が咲いていた。3月なのに、ポルトガルは暖かいので、早い。
上の写真の右奥で、つつじもちらほら咲いていた。
タピストリーの屏風もあった。日本のものより背が高い。
ファブリック(布地)のコレクション。
ビロード。 ビロードで作った傘。南蛮の大名行列の絵に登場する傘。
アラビアの織物。模様がイスラーム。グルベンキアン氏は、トルコの生まれだったと思い出す。
第一次世界大戦中、アルメニア人虐殺があったためグルベキアン一家はロンドンに逃げた。
トルコの食器。図柄がイスラムっぽい。
日本の蒔絵の飾り棚もあった。
次回がグルベンキアンの最終回。印象派の絵画とルネ・ラリック部屋です。
豪華絢爛と言う言葉がぴったりですね。
色々なものが一度に見れてお得な気がします。
by ぎーこ (2010-05-30 07:53)
これは金ピカすぎて(^^;作風が違ってるみたいだけど、蒔絵の飾り棚がもしも偶然に是真作だったら、taekoさん的には更に面白かったでしょうね~。もう少し時代が古いものかな?。こんな物があるのも、いかにもポルトガルらしいですね。
それにしても、ほんとに見事で豪華な家具調度品類。ため息が出ます・・・。
この記事見るのが、目黒区美術館行った後で良かったかな(^^;。
これらはもう完全に王侯貴族クラスか超富豪クラスの為の物でしょうから、市民階級向けのアールヌーヴォーと比較するのはあまり意味が無いだろうけど、完全に霞んじゃうもの(苦笑)。
by yk2 (2010-05-30 07:59)
nice&コメントありがとうございます
▲ぎーこさん、そ!<絢爛豪華>でした。この言葉を思いつかなかった。
ルーヴル美術館にも、同じような家具があるけど、元宮殿で天井が高いルーヴルで
見ると、使われていた頃の王侯貴族の生活をまず思いうかべてしまいます。見る場所で、印象が変わるものですねー。
▲yk2さん、この飾り棚は、説明がほとんどなく、作者はわかりませんでした。木の軽さを感じる棚でした。是新の漆芸、「皇室の名宝展」での川之邉一朝の重厚さはないので、もう少し古い時代かと。でも「琳派展」での光悦の飾り棚を見たあとだと、、。とはいえ、漆を使った日本のものがコレクションにあるのは、うれしかったです。
目黒区美のガレ、いらしたんですね。石油王グルベンキアンの巨万の富のコレクションと日本のコレクターではスケールが違うから、仕方ないけど。
第一次世界大戦の不況下で、グルベンキアンは、ロシア政府から、ルーベンスと印象派をどんとまとめて破格の安値で購入したそうです。
by TaekoLovesParis (2010-05-30 10:03)
nice&コメントありがとうございます(逆順にお返事です)
▲chicoryさん、ポルトガル国内の観光地へは、バスがいろいろ出ています。
私もオビドスに行くとき、乗りました。でも、本数が少ないから、時刻表を見ておかないと。。
この美術館は、リスボン中心部から、メトロで10分くらい。メトロは便利です。英語よりフランス語のほうが通じるから、chicoryさんには、ポルトガル、おすすめです。
▲ぼんぼち*3さん、ポルトガルだから、蕎麦やおにぎりを売ってないですよー(笑)
キッシュは美術館のレストランでよく見かけるメニューです。
▲roseadagioさん、昔は字が読めない人がたくさんいたから、聖書でも絵が大きな役割をしてたんだと思います。私たちがラテン語の聖書を見るときも同じでしょうね。
首飾りは珊瑚だと思います。珊瑚は古くから装飾用に使われていたから、きっと、そう。
「夢の島」、dukeちゃんへのコメントに「かんぬき」って書いたから、恐怖かと思った?はは、違うのよ。かんぬきをかけて、もう誰も入って来ない、二人だけの秘密の
時間の始まりっていうのなの。
ポルトガル旅行は、いいですよー。そのときは、ぜひ、グルンベキアン美術館にいらしてくださいね。
▲aranjuesさん、今回は、つっこみがなく、おとなしいコメントですね(笑)
あ、ほめていただいたのに、こんな失礼なこと書いて、スミマセン。
▲hatsuさん、15世紀フランスのロココの世界は、ドレスもすてきで憧れます。
こんなドレスを着て、扇子を持ったら、笑いかたも「おほほ」になりますよね。お酒の飲み方も、”ずずず~”じゃなくて(笑) でも、ずっと続いたら窮屈だから、やっぱり、現代の私たちには、夢ですね。
▲pistaさん、私の記事にコメントをくださるりゅうさん、りんこうさん、yk2さん、いっぷくさんは、もう4年以上のお付き合い。みなさん、美術好きで、造詣が深く、ユーモアのセンスもあって、すてきなかたと常々思ってます。女性陣で古いおつきあいはバニラさん。
ヤン・ファン・デル・へイデンの消防士の絵は、覚えてなかったけど、調べたら、
『 ヤン・ファン・デア・ヘイデンは、17世紀オランダを代表する都市風景画家の一人です。また彼は消火活動にも興味をもっていた人物でもあり、消防ホースの発明者としても多くの人に知られています。』 って、書いてありました。
図録は買っておいたらよかった、って、こういうとき思います。
by TaekoLovesParis (2010-05-30 11:03)
私、ゴブラン織の椅子、好きですね~。格調高くて可愛いかんじ。
屏風も素敵です。
by ルビー (2010-05-30 13:45)
いいですねえ!
>>邸宅の調度品を見て歩いているかのようだ
こういうのが好きです。当時の住まいを想像して家の中を歩くのが好きです。
空調は、大丈夫でしたか? 目黒の庭園美術館では、空気がこもって気分が悪くなったことがありました。
Taekoさんのお好みとして、今まで訪れた国の中で、ポルトガルはどのくらいの位置にありますか?
by Bonheur (2010-05-30 14:49)
nice&コメントありがとうございます
▲ルビーさん、ゴブラン織りは、花柄が多いけれど、これは絵のような柄。細かいから織り上げるのが大変だったと思います。職人芸の質の高さですねー。実際に使っていたので、座る部分が少し、減ってるのが、よかったです。
▲Bonheurさん、庭園美の空調、わかりますよ。狭いのに大勢の人がはいるから
でしょうね。ここは空間にゆとりがあって、近代建築なので、空調は快適でした。
<今まで訪れた国の中で、> →頭のいいBonheurさんらしい質問ね。だって、
だいたい、みんな旅行記を書くときは、ほめるから、どこも一番の印象。
フランス、イギリス、イタリア、ドイツ、スイス、オランダ、スペイン、ポルトガル、北欧、それぞれ特徴があるけど、英、独はやはりマジメな感じ。イタリアはスリにご用心って言われて、気を抜けず。ポルトガルは、田舎っぽい所が、のんびりできていいんです。スペインより治安もいいし、猫は、いたかな(笑)。北欧はヨーロッパなので、他の
国々とさほど変わらず。
私のBonheurさんへのおすすめは、モロッコ。Bonheurさんは風景画がお好きだから、砂漠と山脈っていう景色もいいと思う。
by TaekoLovesParis (2010-05-30 15:14)
素晴らしいですね。これだけコレクションするグルベンキアンさんもすごいけど。やっぱり昔の王家御用達のものでこそ誕生する芸術ってありますよね。
今だったら。基本、売れるものベースの世の中ですもんね。
美しいものは、やっぱりできるだけ経験したいものです。
ラリック楽しみにしてます!!
by duke (2010-05-30 17:17)
こんにちは。
どれもこれも素敵なものばかりですね。この芸術品が守られてよかったです。
西洋のものも素敵なんですが、私は東洋のものや、イスラムのデザインに惹かれます。特にイスラムのは、アルハンブラ宮殿を見てから好きになったんです。魅力的ですね。
by coco030705 (2010-05-30 18:22)
お金持ちの親戚の家に遊びに来たみたいです(笑)。
高級なものばかりなのに、気取りすぎていないところが親しみが持てます。
繊細な模様の椅子にすごいなあとため息、魚の置物(?)に笑みが。
ランプでしょうか、かわいいですね!色も素敵。
3回に渡ってのご紹介ですし、すごく大きな美術館なんですね。
by 雛鳥 (2010-05-30 20:55)
素晴らしい調度品の数々にため息が出ちゃいます。。。
いちばん気になったのは魚の形の壷でしょうか、水差しでしょうか?
焼きものは中国っぽいけど、金の細工はヨーロッパ風に感じます。
トルコの食器も、こんな風なものがあったら欲しいなぁ♡という気になります。
by てんとうむし (2010-05-31 00:00)
ルイ16世様式は脚がまっすぐ、ルイ15世様式は脚が曲がってるんですか?。
金に糸目を付けず、集めたというコレクションの様子ですね。
by aranjues (2010-05-31 15:51)
トルコの食器、上の棚のは、お皿と比べると、大きいですね~。
ビールのジョッキみたい。
でも、ポルトガルだから、飲むのはワインなのかなぁ・・・。 水・・・?
中身を入れるとかなり重そうだけれど、家にほしいかも♪ 素敵な柄だし♪
by Inatimy (2010-06-02 04:44)
よく絵で見ていた行列の赤いかさがビロードで出来ていたとは。
調度品の数々は、ある程度広さのある部屋においてこそ。
午前中を過ごすモーニングルームに、とかね(笑)
by pistacci (2010-06-02 11:54)