オルセー美術館のラファエル前派展 [☆彡Paris 展覧会]
フランス旅行の記事は、今回が最後です。
オルセー美術館でも、たいていは、何かの企画展が行われている。
今回は、「愛と死のバラード」と題した英国ラファエル前派(1848~1875)の
絵と写真展だった。
ラファエル前派は、英国ヴィクトリア朝のミレイ、ロセッティ、バーン・ジョーンズ
に代表される。夢や幻想の世界が多く描かれ、描かれる女性は美しい。
会場というほど広くはないブースに入ってすぐ、目立つのは、この絵。
ロセッティの「青い絹の服のジェーン・モリス」 金色の額縁に収まり、ライトを
浴びていた。
(撮影禁止なので、これは本から)
写真家JohnRobertPersons撮影の「ジェーン・モリス」(1865)は、
ロセッティからの依頼で撮った写真。絵の中でジェーンが着ているドレスは、
この写真を参考に描いたと、わかる。顔は、写真より、だいぶ美しい。
ジェーンは、ロセッティのモデルをつとめ、後にウィリアム・モリス(*)と結婚した。
ロセッティは、彼女をたいそう気に入っていたので、ショックだったとのこと。
写真より、ロセッティの絵の方が格段に美しいのが、うなづける。
(*)デザイナー、アーツ&クラフツ運動
ロセッティは、詩人でもあった。25歳のときに書いた詩「祝福されし乙女たち」
をイメージしたクレヨン画「恋人たち」。
黒のクレヨン一本で表現。これもジェーンがモデルの習作。
下もJohnRobertPersonsが、ロセッティからの注文で撮った写真。
ロセッティの絵に出て来るドレス、ヘアスタイルになっている。
参考にした写真と絵を並べて展示しているのが興味深かった。
ロセッティの描いた「ジャンヌ・ダルク」もあった。
同じくラファエル前派の中心人物、エドワード・バーン・ジョーンズの
「Princess Sabra」も美しい絵。
Bunkamuraの「ミレイ展」で見たジョン・エヴァレット・ミレイの「マリアナ」の
小さいサイズも展示されていた。
隣の部屋は、「グスタフ・マーラー展」だった。
はいると、交響曲4番が流れていた。マーラーの直筆の楽譜が展示されていて、
さらに曲のイメージに合う絵がかけてあった。クリムトの緑一面の野原の絵。
10枚組のレコードのジャケットも展示されていた。
奥さん「アルマ・マーラー」の写真や、ロダンの「マーラーの肖像」もあった。
なぜマーラー?と思ったら、没後100年なんですって。
ブールデル美術館の記事をのせたので、オルセーの「ヘラクレス」の写真。
彫刻は型があると、同じものがいくつも作れる。
これは、2階に展示されているので、天井が近い。
同じく2階に展示されているジョセフ・ベルナールの「ダンスをする母と子」(右)
左のタイトルは、?。 優美で単純な線洗練されていて気に入っている。
オルセー美術館は、1年前に行ったときは、撮影OKだったが、今はダメ。
というわけで、写真はなし。
今回、初めて見た絵で、印象に残ったのは、Cuno Amietの「冬景色」
画布一面に雪。山岳地方の平原。点のように小さい郵便配達夫の描く
シュプールがくっきり。よく見ると、雪は真っ白ではなく、いろいろな色が
混ざり合っている。景色の中に溶け込んでいける絵。
友達の家での夕食は、羊の腿肉(gigot)。これがハンパじゃない量。
大皿に載ってるのが、私ひとり分。向こうのお皿の野菜(マッシュルーム、ポテト、
いんげん)を自分で適量とってね、となっている。
サラダは、マッシュ(つまみ菜のようなぶん)、キュウイ、りんご、グレープフルーツ、
、、、。フルーツだけとって食べたら、「果物はそっちの籠にあるんだから、野菜も
ちゃんととりなさい」って、言われてしまった。
果物籠の小ぶりメロン、とっても甘くておいしかった。
デザートは、プティフール(小さいケーキ)にアイスクリームと生クリームと巨大苺。
さらに、シャンパンには、イースターエッグのチョコ。Ju..から「汽車の中で食べてね」
ともらったぶん。
ワインやシャンパンをたくさん飲み、おいしいものを食べ、お喋りして、の~んびり。
緑いっぱいで丘が果てしなく続く景色を眺め、さらにパリでは、絵も見て、と、6泊とは
思えない充実した日々だった。 (また行きたくなる~)
オルセーいいですね~^^
私もロセッティのこの絵は大好き。
モリスも好きだなぁ。
by あやっぴぃ (2011-05-28 12:45)
ロセッティのモデルがウイリアムモリスと結婚していたなんて、興味深いエピソードですね。マーラーといえば先日、アルマ・マーラーの苦闘の映画みたいのをテレビでみたところです。芸術家は皆、激しい人生だわ。ご友人宅のお食事もすてき。
by ルビー (2011-05-28 13:56)
オルセー、パリに行くと必ず足を運びます(といっても、パリにはもう4年も行っていないけれど)。撮影禁止になってしまったのですね!残念~。企画展は確かにNGでしたが、常設もですよね。残念すぎる。
お友達との充実した時間を過ごされたご様子。素晴らしい旅でしたね。私も垣間見させていただき、癒されましたよ~。
by Bonheur (2011-05-28 16:40)
たしか、ロンドンへ行く予定が直前に予定変更したんですよね。
それでこれだけめいっぱい楽しめちゃうなんてすばらしいですね。
また遠からず行かれそうな気がします(笑)。
by aranjues (2011-05-28 17:43)
たまたま 今朝の日経に「世界8年都心部ランキング」に 東京はパリに次ぎ2位と。
企業立地や鉄道網を評価と。。。
1位のパリで6泊・・・ 有意義に過ごされたのも うなづけますね!!
私にとってはヨーロッパは憧れの地でしたが もう時間はなく 娘の住む
オーストラリアへ出かけるのがやっとやっとです^^;
ブログ上で いろんな情報を得られ あたかも その場所へ出かけたように感じ
そして楽しませていただけたことに とても満足しております。
ありがとうございました。。。
by ララアント (2011-05-28 17:49)
こんばんは。
ウィリアム・モリスの奥さんがこの方、ジェーン・モリスなんですね。
とても美しい人ですね。素敵。
ウィリアム・モリスといえば、ヴィクトリア&アルバートミュージアムに
作品が展示されていましたね。一時、日本でウィリアム・モリスのデザインを
ブラウスなどにして売り出していたときがあったんですよ。東京ブラウスが
販売元でした。何を隠そう私も一着持ってました。
by coco030705 (2011-05-28 21:55)
cocoさん、私もモリスデザインのブラウス持ってました!近所のデパートに
リバティコーナーがあって、そこに、モリスデザインのタグのついたのが、
あったんです。東ブラ製品だったんですね。
今、考えると、リバティプリントは、インテリアに使った方がいいかもー。
ヴィクトリア&アルバートミュージアムは行ったことがないんです。でも、
ロンドン在の「いっぷくさん」の記事で、モリスデザインのものを大々的に
おいていること、離れた場所だけど、「レッドハウス」というジェーンのため
に建てた家のことを読み、いつか、と思っています。
ロセッティにとって、ジェーンは、「運命の人」と言われてるの。長い間、
自分のモデルだったエリザベス(ミレイのオフェーリアのモデル)と婚約
した直後に出会い、婚約してる身だし、と、迷っているうちに、自分の弟子の
モリスと結婚してしまう。エリザベスと結婚した後も、ロセッティの激しい恋心
が続いたので、エリザベスはアヘン中毒になって自殺。ロセッティは罪悪感
に悩み、、という話なの。それほど、ジェーンは美しく魅力ある人だったようです。
by TaekoLovesParis (2011-05-28 23:04)
nice&コメントありがとうございます
▲あやっぴいさん、一番にコメントありがとう。
一番上の絵、ジェーンモリスは美人だし、ドレスの青がきれい。薔薇の花が
かすんじゃいますね。このテーブルの上にチーズケーキは合わないでしょうね(笑)
▲ルビーさん、芸術家は激しい魂が、作品をつくるパワーになっていくんでしょうね。
人を真剣に好きになることで、知ること、得るものって、新鮮でしょう。
アルマ・マーラー=恋多き女、といわれていますね。相手がビッグな人ばかり
というのが何よりすごいです。映画のタイトルが苦闘なんですか。本当は、恋より
も作曲したかったからかしら?
▲Bonheurさん、オルセーの撮影禁止は残念ですよね。マナーの悪い人がいたのかしら? ルーヴルはOKでした。で、写真が撮れなかったけど、印象に残った絵、
「冬景色」は見ながらBonheurさんのことを思い出してました。スイスの山の景色
なんですもの。(こだわってる私・笑)
▲aranjuesさん、そう、友達に「ひとりで大丈夫でしょ。いってらっしゃい」と
断られたときは、がっかりしてたのに、サンセールのJu..とパリのE子のおかげで
楽しい日々でした。なにごとも積極的に!と思いました。
by TaekoLovesParis (2011-05-28 23:34)
オルセーはいつも何か企画展をやっているのですが、観たことあったかな?
つい、常設展示だけで済ませてしまうんですよね。もったいない。
でも、「マーラー展」は気になりますね。オルセーでマーラーか。
そうそう。今年はマーラー「没後100年」ですもんね。
↑さっき「生誕100年」という阿呆なコメントをしてしまったので、消去して再コメント。
うわあ。恥ずかしい…。
by りんこう (2011-05-29 00:27)
nice&コメントありがとうございます
▲ララアントさん、1位パリ、2位東京ですか。企業立地に鉄道網頷けますね。
パリは面積が、山手線の内側と同じくらいなので、端から端へ行くのにも、
さほど時間がかからず、便利です。
お嬢さんを持つ友達が、「娘が一番頼りになるし、話相手になるのよ」って、
言ってました。ララアントさんもメルボルン行きが楽しい息抜きの日々に、
なられることでしょうね。
▲りんこうさん、オルセーもルーヴルも夜間開館の日があるので、旅上手な
りんこうさんには都合がいいでしょう。オルセーの企画展は、普通チケットに
2ユーロプラスくらいだったと思います。
マーラーの時代のウィーンは、クリムトやココシュカが活躍していたから、
絵と音楽を結びつける企画は難しくなかったんでしょう。展示してあった
交響曲のレコードは、りんこうさんには、興味あるものですね。
by TaekoLovesParis (2011-05-29 00:31)
おいしい料理や楽しい会話に、美しい景色や芸術。
Taekoさんのお話で、私もフランスを満喫しました~^^
特においしいものには(笑)。
素敵なワクワクをありがとうございました。
羊の腿肉(gigot)、おいしそう♡
by hatsu (2011-05-29 07:01)
ロセッティとモデルのジェーンにそんな話(cocoさんへのコメント返信内容)があったとは吃驚!です。それも、ジェーン・モリスがウィリアム・モリスの奥さんになっても恋い焦がれて、それが原因でミレイの『オフィーリア』のモデルにもなった奥さんがアヘン中毒で自殺だなんて、事実そのままでハムレット並の悲恋小説に仕立てられそうですね。
リバティ・プリントって最近はあんまり聞かなくなった(僕は、ね^^;)けど、今回のお話のお陰で、今後あの手のファブリックを目にしたら、即ジェーンの肖像が浮かんで来そう。
by yk2 (2011-05-29 08:34)
nice&コメントありがとうございます
▲hatsuさん、料理と景色と芸術、三拍子揃ってるんですもの。満足度が高かった
わけね、と自分で納得してます。ジゴgigotは、E子のご主人Eの大好物で、1週間
食べないと禁断症状。E子が「Eが食べたそうだから、今日は、ジゴが食べたいって言ってね」と言うの。小声でささやかなくても、日本語わからないから、大きな声
で、大丈夫なの(笑)
▲yk2さん、ラファエル前派は、恋愛関係も自分たちの狭い範囲で、いろいろと。
ミレイは、ラファエル前派の思想的リーダーであるジョン・ラスキンの肖像画を描くために、田舎の家に滞在。絵が完成した頃、ラスキンの奥さんはミレイと恋仲。結局、離婚してミレイの奥さんになったんです。
妖艶な美しい人の裏には、シェイクスピアの国らしいストーリーがありますね。
by TaekoLovesParis (2011-05-29 09:41)
Taekoさんへ
↑のモリス、ロセッティ、ジェーン&エリザベスについての色々な
知識、さすがでいらっしゃいますね。とても興味深かったです。
有難うございました。
by coco030705 (2011-05-29 10:18)
オルセー美術館でも写真撮影禁止ですか?!
次回行く時は気を付けます。
やっぱり、人物画は顔ですね。
どうやって顔に焦点を当てるか、見る目を持っていくか?
ただ、その他の画面を 黒 にしてしまってもダメだし。
花を描くのにも明るさ等に注意が必要ですね。
勉強になりました。
by 匁 (2011-05-29 11:30)
cocoさんへ
cocoさんなら、この話、興味持ってくださるだろうなと思って、書いたので、
読んでいただけてうれしいです。
by TaekoLovesParis (2011-05-29 12:50)
匁さん、匁さんのところは、負けがこんでるからって、コメント欄なしだったので(笑)、
こちらで。切り絵は、輪郭線がはっきり出るし、背景とのコントラストが強く出て、また別の面白さがありますね。主題がスポーツだから、はっきり軽快なのは好感が持てます。特に最後のタイガーズカラーのひょうたん「それ行け」がよかったですよ。
人物画の顔は、本人より数倍、美しく描くと気に入ってもらえると、画家の人が
言ってました。
by TaekoLovesParis (2011-05-29 13:05)
イギリスの画家はまったく知らないので、興味深く見させていただきました。
人物画の顔は、本人より数倍、美しく描くと気に入ってもらえると、画家の人が
言ってました。>まさに宮廷画家の世界ですね。
羊、大好きなので・・・よだれが・・・
by kazu-m (2011-05-29 17:20)
kazu-mさん、イギリスでは風景画のターナーが有名ですが、他は、
興味のある人だけにしか、わからないかもしれませんね。
貴族や王様の国なので、肖像画も伝統があります。だから威厳あるように
描いたり、美しく描いたりだったんでしょうね。
羊肉は、日本人にはあまり好まれないけれど、食べつけると、味の薄い
フランスの赤身牛肉よりおいしいですよね。赤ワインと合いますねー。
by TaekoLovesParis (2011-05-29 22:54)
これも行こうかどうしようか迷ってた展示です。
「mort」って単語が目についたので怖いのだったらヤダなぁ・・・と。 心配無用でしたね。
ラファエル前派の絵って、描かれてる女性が美女揃いで、
あごのラインが印象的なものが多いですよね。
しかも顔を上にあげた上向きのポーズが多いから。
それにしても、本当に内容の濃い滞在6日間・・・私には体力的にも真似できません(笑)。
ちなみに、ジョセフ・ベルナールの左のタイトルは
"Porteuse d'eau" 1912 「水を運ぶ女」でした。
by Inatimy (2011-05-30 17:11)
綺麗なお姉さんがいっぱい!
ラファエル前派、いいですね~
マーラーの展示もとっても興味深いです!!
O(≧∇≦)O イエイ!!
お野菜・・・ Σ(ヾ ̄▽ ̄)ヾ!!
by りゅう (2011-05-30 22:10)
Inatimyさん、ベルナールの彫刻のタイトル調べてくださってありがとう。
すっきりとした体の線がきれいで、好きなんです。
そうねー、mortだと、誘われませんよね。
ラファエル前派は、幻想的な世界なので、挿絵のような感じを受けます。
そうね、この時代は、とがった顎が美人の条件だったのかしら。
美術館めぐりは足が疲れるので、適度にお茶してます。
by TaekoLovesParis (2011-05-31 00:29)
りゅうさん、<綺麗なお姉さんがいっぱい>→ りゅうさんのツボでしたね(笑)
マーラーもお好きですものね。日曜の夜、NHKで、マーラーの交響曲3番、
チョンミュンファ指揮のをやってました。
私はじゃがいも、きのこ、インゲンは食べてます。
by TaekoLovesParis (2011-05-31 00:37)
あーん、日本でやってたら絶対行ったのにーーー!!
うふふ、写真よりも美しい肖像♪
ロセッティと同時代に生きていたら、私もこんな風に描いてほしいって依頼したくなっちゃいます(笑)
by てんとうむし (2011-05-31 22:54)
てんちゃん、ミレイ好きのてんちゃんは、行きたいでしょ。
ロセッティに描いてもらった肖像画なら、美しい人って、100年後まで、
自慢できるわね。でも、もう、ロセッティは、いないのよね。
by TaekoLovesParis (2011-05-31 23:11)
ラファエル前派、特徴的である種の詩的なものにあふれていると思います。
見ていて引き込まれてしまう。自分もロセッティは興味あります。
なるほど、ジェーン・モリスさんの写真ははじめてみましたけれど、絵の雰囲気そのままなんですね。そして、かなり美人(笑)
ものすごく昔、ロセッティの絵が何枚か来た時に見たことあります。もた、実物を見たくなりました。
by moz (2011-06-06 05:29)