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スペイン旅行(2)セビリア・コルドバ編 [旅行(ヨーロッパ)]

 3日目、スペインの誇る新幹線AVEに乗って、南下、セビリアへ行った。
マドリッドのアトーチャ駅は、1992年セビリア万博のために開通したAVE用に
新しいホームが作られ、旧ホームは、アーチ型の高い天井を利用して、植物園
のような演出で、カフェや売店が配されている。
テロ事件があったせいか、AVEに乗るには、空港のようなX線検査機を通す
ものものしい荷物検査があった。
(アトーチャ駅では、2004年3月11日にイスラム過激派による爆破テロ事件で191人が死亡、2000人が負傷した。
私はその2年前と3年前にマドリッドに行き、アトーチャ駅の建物に親しみを持っていたので、この事件の報道を食い入るように眺めた。)

Atocha.JPG

 ユーレール・スペインという外国人限定のスペイン国鉄(renfe)3日間乗り放題
切符163ユーロ(22000円)を予め日本で購入、AVEの座席指定券も購入しておいた。
セビリアまでは2時間半。

AVE.JPG

 車窓には、点々と背の低いオリーブの木が植えられた乾燥した黄土色の土地が
続き、ドンキホーテのラマンチャを通り抜ける。人の住んでいる場所があまりない。
イヤホーンが配られ、車内のスクリーンで古い映画がはじまった。
荷物検査、映画上映と飛行機のようだが、車内は新幹線と変わらない。

 セビリアは、スペイン第4の都市で、アンダルシア地方の中心都市。
セビリアは8世紀にイスラム教徒に征服され、11世紀にはイスラム教徒たちの
政治・文化の中心の町であった。13世紀に、セビリアはキリスト教徒たちの手に
わたり、イスラムの寺院(モスク)は、キリスト教のカテドラル(聖堂)につくりかえ
られた。
手前が、インディアス古文書館(世界遺産)。
奥の尖塔が大聖堂(世界遺産)のヒラルダの塔。モスクに鐘楼部を増築して
キリスト教式にしたもの。高さ96m。
イスラムの町という雰囲気、と、思いませんか?

Giralda.JPG

ArchivoIndias.JPG

Cathedral1.JPG

観光用に街中には、馬車が数台、走っていた。

大聖堂は世界第3位の大きさを誇る。
(1位ローマのサン・ピエトロ、2位ロンドンのセントポール)
入り口(チケット売り場)は行列。暑かったけど、しかたない。並んで待った。
入り口にある女神像は、ヒラルダの塔の尖塔部に取り付けられているのと同じもの。
手に持つ半円形の旋が、風見で、塔の上で実際に風の向きを知らせている。

Cathedralfront2.JPG Giraldacopy.JPG

内部は、あっと驚く、金ピカぶり。そして天井までの高さが何メートル?スケールの
大きさに驚く。下の写真が主祭壇。大勢の見物人で、近くに寄るには時間がかかる
ので、遠くから撮影。

CathedralSaidan.JPG

コロンブスの墓。
棺は当時の4人の王たちに支えられている。
コロンブスは、セビリアからアメリカ大陸発見の大航海に出航した。
その記念にと、500年後の1992年、セビリアで、万博が開催された。

Colombus.JPG

さきほどの高さ96mのヒラルダの塔に登った。ちょっと疲れたが、
セビリアの町が一望の下。
すぐ下の青いドームは、王室礼拝堂。向かい側がアルカサル(宮殿)。
その向こう闘牛場は円形のスタジアム。

fromGilarda3.JPG

 セビリアは、新大陸から流入する金・銀で町が大きく栄えた。その時代の記録が
インディアス古文書館に保存されている。

 スペインに来てから、タクシーに良い印象がないので、セビリア駅から聖堂へは、
バスに乗ろうと思ったが、ターミナルに目指す21番がない。バスの路線図を見ていると、
おばさんが、スペイン語で、どこへ行くの?のようにきいてきたので、「プエルタ・デ・ヘレス、
カテドラル」と言うと、「これは巡回バスだから、遠回りしちゃうけど、サン・セバスチャンで、
降りれば、歩いて5分」と、図を示しながら教えてくれた。バスはすぐ来て、乗ったが、
バスの中に停留所名を書いたものがない。運転手さんにサン・セバスチャンに来たら
教えて」と、頼んで、一番前に座った。巡回バスなので、町の中を抜け、川を渡り、万博
会場跡を通り、、、本当に聖堂に近づいているのか、不安になって来た頃、川の向こうに、
シンボルマークの「黄金の塔」が見えた時はうれしかった。
帰り、タクシーは5分ほど、10ユーロくらいで駅についた。行きは30分かかったのに。。
 

[新幹線] 次、セビリアから列車で1時間、コルドバへ。マドリッドへの途中下車の旅。
コルドバもセビリアと同じく、イスラム文化の中心だった町。
こちらは、新大陸の恩恵が少なかったため、イスラムの面影がそのまま残っている。
メスキータ(世界遺産)
増築を重ねているが、8世紀に建てられたモスク。

Minarette.JPG

オレンジの木が茂る回廊に囲まれたパティオ(中庭)。

Mezquita.JPG

Minarette3.JPG

メスキータの外側は、白い壁の土産物屋がずらっと並んでいた。

Mesquitaoutside.JPG

白い壁の家が続く路地一帯は、ユダヤ人街(世界遺産)
白い壁に飾られた花が美しいとのことだったが、右の写真のカフェのように、
青い植木鉢があっても中は枯れた草。夏だからだろう。

Judaya.JPG JudayaCafe.JPG

朝9時半にマドリッド駅出発、夜8時にマドリッド着という日帰りの旅。
セビリアには、おいしそうなレストランがあったけれど、ここでゆっくりして、AVEに
乗り遅れちゃまずいでしょ、と、横目で見ながら、駅構内で軽食だった。

★コメントは歓迎ですが、忙しいので、お返事ができるかどうか。。


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コメント 17

ぶんじん

世界一の国だったのがわかる、豪華な建物ばっかりですね。さすがだなぁ。
駅のカフェで軽食ってのも嫌いじゃないです。行き交う人々を眺めるの、なんか楽しいですよね。
by ぶんじん (2011-09-11 18:52) 

TaekoLovesParis

ぶんじんさん、どれもスケールが違います。高いので仰がないと写真が取れ
ません。聖堂のステンドグラスは、75枚もあるんですよ。
コロンブスの墓は、キューバのハバナ大聖堂にあったのが、キューバ革命の後、
ここに運ばれて来たのだそうです。
駅のカフェは、もう、乗り遅れないっていう安心さがありますね。
そう、いろんな人たちが出入りするのを見てるのも面白いです。
by TaekoLovesParis (2011-09-11 19:55) 

pistacci

セビリアというと理髪師、セビリアオレンジのマーマレード、・・と続いちゃうのですが、こんな栄えた街なのですね。無敵艦隊がいたのでしたね。
主祭壇の金ぴかにはびっくりだけど、塔からながめた街並みの色合いはシンプル。
そのあたりがいいな。
by pistacci (2011-09-12 11:15) 

ララアント

こんばんは!
Taekoさんとしては精力的に観光(?)なさったようですね!
大聖堂の内部の金ピカには驚きました。。
観光客が多いのですね!
by ララアント (2011-09-12 21:09) 

匁

AVEはなかなかのスタイルですね。
フランスの技術で作ったのかな?
セビリアのタクシードライバーさんは親切みたいでしたね。
1万円盗られずに済んで?!却ってバスに乗ったことが悔やまれたりして。
スペインは美人が多いみたいですが
まだ闘牛士には会ってないみたいですね。
楽しみにしています。
by (2011-09-12 21:14) 

yk2

“ラ・マンジャータ”なオンナ・taeko、『ラ・マンチャの男』の舞台を素通りする、って?。せっかくすぐそばまで行ったのに、勿体無いな~(笑)。
by yk2 (2011-09-12 22:04) 

TaekoLovesParis

pistaさん、セビリアはスペインの南、海をはさんですぐアフリカ、つまり昔はローマ
だった所なんです。オリーブと小麦をローマに供給してたそうです。ローマ帝国の滅亡と共にイスラム帝国になり、また、レコンキスタ(キリスト教国土回復)で、キリスト
教になり、大航海時代には、金銀が流入と、栄えてたから、フランスにとって憧れの
異国の町だったんでしょうね。だから、オペラの舞台として、セビリアが選ばれ、カルメンもセビリアですものね。

ところで、セビリアの理髪師を書いた「ボーマルシェ」って、帝劇ミュージカル「マリー・アントワネット」に出てきたボーマルシェ伯爵なのね。山路ボーマルシェのとんでる演技が浮かんできて、いやいや何とも。。(笑)やまぐちカリオストロ様より私にはインパクトありましたもの。
by TaekoLovesParis (2011-09-12 23:49) 

Inatimy

ヒラルダの塔からの写真、私もずいぶん昔に同じ角度で撮ったので、
比較しながら拝見しました。 木々が成長してます~。
この街の街路樹はオレンジなので、冬に旅するとオレンジの実がたわわ♪
行きの30分のバスは、市内観光兼ねてと考えればまだお得かも。
南部は夏の間かなりの水不足になるので、植木鉢まで余裕がないのかもしれませんね。
3日間乗り放題のチケット・・・この先の旅の展開が楽しみです♪
by Inatimy (2011-09-13 18:26) 

りゅう

立派な大聖堂、素晴らしい街並み!
充実した日帰り旅行ですね♪
セビリアというと、
「セビリアの理髪師」とサッカーチームしか思い浮かびませんでした。。。(^_^;)
by りゅう (2011-09-14 00:33) 

kazu-m

スペインは、とても好きな国ですが、行くごとに征服者としての面も、垣間見えてくるような気がします。
カテドラルも、完成までに200~300年、重厚で美術的にも素晴らしいですが、信仰の力と、カトリックの権力にも驚かされました。
セビーリャで、もっとも印象に残ったのは、メスキータです。
ローマ時代の柱の上に、イスラム風のアーチ、そしてその上にはカトリックの構造物が覆う。
ヨーロッパの戦争は、破壊と抹消だとばかり思っていた僕の考え方は、根底からひっくり返りました。
丁度復活祭のパレードもあって、異国情緒をとっても強く感じる町でした。
AVEのデザインもおしゃれになりましたね。
by kazu-m (2011-09-14 21:55) 

baby_pink

セビリアと言ったら『セビリアの理髪師』を思い浮かべます^^
それに大聖堂の素晴らしさに感動。。。✿
天井の高さにも、緻密な計算をかんじますよね。
イタリアの大聖堂の壁画の色彩にも感動しましたが
また違った金ぴかにも、びっくり豪華さと荘厳な雰囲気が
またお国柄が表れていて素敵ですね☆
by baby_pink (2011-09-14 22:03) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます。
▲ララアントさん、はい、新幹線で2時間半、大阪へ行って、帰りに名古屋で
下車のような旅でした。乗り遅れないようにと緊張しました。建物や街路樹が
イスラム的なふんいきなので、ヨーロッパの征服されたり、したりの歴史を
感じます。一点豪華主義とうことで、アルカサル(古い城)は見ずに帰ってきて
しまいました。

▲匁さん、AVEは、スマートでかっこよかったです。スピードはフランスのTGVの技術導入で、車両はドイツの技術だそうです。ユーレイルでドイツやフランスから
高速鉄道が乗り入れて来るので、同じ規格でないとまずいんでしょう。
おっしゃる通り、バスに乗ったことを悔やんでいたのですが、友達が、
「あれは思い出に残る経験だったわよね」と言ってくれたので、ほっとしました。
スペインは、豊満で美人な人が多いので、匁さん、ノックアウトされちゃうかも。

▲yk2さん、「ラ・マンチャの男」の舞台となった地方は、やせた薄茶色の土が
延々と続く砂漠っぽい台地。退屈で刺激が少ないこんな場所だから、ドンキホーテが夢を見てしまったのかなと思いました。食べ物が美味しそうな所ではないから、
yk2さんの期待するような「ラ・マンジャータ」ぶりは発揮できませんよ。
by TaekoLovesParis (2011-09-16 07:35) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます。
▲Inatimyさん、<木々が成長してます~。>→ なるほど、って思いました。
昔に比べると、カメラが進歩しているから、かなり遠くまで見えますね。
地平線の向こうは海?川?とか、闘牛場のように見えるけど違う?とか、向こうの
方に見える2つの塔は?と思っても、うすっぺらな「マップル」というガイドブック
では、何もわかりません。ちゃんと探せばいいのに、帰ってきてから、急に忙しくて。。
オレンジがなっている季節、すてきでしょうね~。ここだったら冬もそんなに寒く
ないでしょうし、また行ってみたいです。
市内循環バスは、万博のパビリオンだったような所を通ったので、セルビアで
万博があったことを思い出しました。
by TaekoLovesParis (2011-09-16 07:51) 

Inatimy

ちなみに右奥に見えるのは、グアダルキビール川と、橋2つ。 
手前がPuente de las Delicias プエンテ・デ・ラス・デリシアス、奥の棒が経ってるように見えるのがPuente del V Centenario プエンテ・デル・キント・センテナリオ かな。
左奥の2つの塔は、万博の会場だったスペイン広場の建物だったように思います。 半円形の建物の両端にある尖塔。 この広場のタイル張りの壁や橋がキレイだった思い出が♪
by Inatimy (2011-09-16 21:39) 

TaekoLovesParis

Inatimyさん、グラッシャス!
昨日、PCを買い替えたので、セビリアの地図がすいすい見れるようになりました。
Inatimyさんの説明と合わせて、地図を見たら、市内観光経路がわかりました。
川を渡って、プリンシパル公園の横を通って、まっすぐ行かずにさらに離れ、
ようやく大きな橋を渡りました。デリシアス橋だったんですね。マリア・ルイサ公園の横をずっと通って、サン・セバスチャンについたのでした。
つまりグアダルキビール川を渡って対岸に行き、また渡って戻ってきたんですよ。
川は目印になっていいですね。

スペイン広場、行かれなったけど、すてきな所のようですね。
タイル張りがイスラムふうだったんでしょうね。
by TaekoLovesParis (2011-09-16 23:55) 

いっぷく

一度ここで馬車に乗った思い出がよくて、再度行ったときには
スペインの友達を誘って馬車に乗りました、はじめはちょっと気恥ずかしいけど昼でも夜に乗っても楽しめますよ。
アトーチャ駅構内の植物さらに増えて茂っている様子。
やはりあの事件の2年前にこの駅に行ったので、やはりテロ事件のニュースを当時、心配する気持ちで食い入るように見ていました。
by いっぷく (2011-09-17 07:05) 

Sakae

あこがれます。なんと文化の深いこと。
by Sakae (2011-09-17 22:45) 

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