ニューヨーク近代美術館 [外国の美術館、博物館]
ニューヨーク近代美術館は、MoMA(The Museum Of Modern Art NewYork)、
モマと呼ばれている。五番街からすぐ、街の中心部にある。
入場料は25ドルと高いが、20世紀の芸術作品を一堂に集めた質の高い美術館。
今、国立新美術館で回顧展開催中のジャクソン・ポロックの作品に目が行く。
左手前にあるのは、アルバート・ジャコメッティのThe Chariot(1950).
古代エジプトの戦車のような2輪車の上に表情のない細長い人物。(小さくて見えないですね)
ジャコメッティの彫刻の人物は、細く長い。筋肉はない。
壁面を飾るのは、マーク・ロスコの作品No10(1950)。(左)
今までロスコは、赤い色のばかり見ていたので、青が清々しく感じる。
右は、デ・クーニングの「WomanⅠ」、女シリーズのNo1(1950)
初めて見たときは驚いた絵も、なじみになってくると、愛嬌があるように見える。
とはいえど、荒々しい筆致。
(下左) コミックの一部を拡大するという新しいスタイルを築いたリキテンシュタインの
「溺れる女」(1963)。上にあるセリフは「BRADに助けを求めるくらいなら溺れた方が
いいわ」。彼女の目には涙。ここでの波は北斎の波のようでもある。
アンディウォーホルの「金色のマリリンモンロー」(1962)
マリリンを金色に封じ込めた。
ジャスパー・ジョーンズのアメリカの国旗を使ったアート(1961)
これは、美術でなく、旗そのものという論議を巻き起こした。
日本ではあまり知られてないロバート・ラウシェンバーグ。
パリのポンピドゥ・センター(近代美術館)で、彼の展覧会を見たが、う~ん、、
全くわからなかった。異種を組み合わせて、、で、何を表現?
そのうち、わかる日がくるかもしれない。
以上、ジャコメッティを除き、全部、アメリカ人の作品。
これも、ポンピドゥで見ているイタリアの未来派ボッチョーニのブロンズの彫刻
「空間におけるユニークな連続的形態」 のっしのっしと歩く四角く変形させた
鋼鉄ジーグという印象。
右うしろの壁の絵は、レジェの「The Exit of the Russian Ballet」(1914)
さて、次は絵画。
セザンヌの「The Bather」(1885)。従来の逞しい肉体の男性ではなく、現実味
のある体型で、うつむく男。輪郭線が際立ち、色彩表現もすばらしいので、発表時、
注目された。
ゴーギャンの「運河で洗濯する女たち」(1888)
ゴーギャンが住んだポン=タヴェン地方の伝統、白い頭巾をかぶっている女たち。
左:「ルーラン氏の肖像」(1889)
ボストン美術館の「ルーラン夫人の肖像」と、背景が同じ。
右は、「星月夜」(1889)サンレミの精神病院から見た夜空。
アンリ・ルソー「眠るジプシー女」(1907) 詩的な光の月。遠くの山並み。
ライオンは眠る女のそばにいるが、食いつくようすはない。楽器が抒情的な雰囲気。
私は、ルソーの中で一番好きな作品。
クリムト「希望Ⅱ」(1908)
ピカソ「アヴィニオンの娘たち」(1907) 有名な大作。キュビズムを編み出した作品。
アフリカ彫刻に影響を受けた。横にある小さい絵は、「眠る女の頭」(1907)
ピカソとくれば、次はマティスでしょう。赤いスタジオ(1911)
かなり大きな絵。絵の中に絵がたくさんピンアップされている。
ブランクーシの彫刻。
右端は、Socrates。頭が大きいからソクラテス?オーク材の木彫。
中央の金色は、Malle.Pogny(ピオニー嬢)Ver1 女の人の顔になっている。
左奥は、The Cock(1924) 木彫。
右奥は、Maiastra(1910) 3つのパーツに分かれた人間。積み上げ型が美しい。
シャガールやロートレック、モディリアーニ、ミロ、クレー、さらに、ダリ、ムンク、
カンディンスキー、、、、20世紀の画家の作品が全部ある、といっても過言でないと思う。
庭には数々の彫刻が配置され、すばらしい美術館だが、混むので、入場するために
並ぶことが多い。
さすがに、見慣れた作品が多いですね。
by よしあき・ギャラリー (2012-04-01 06:21)
「眠るジプシー女」、「アヴィニオンの娘たち」等すごい絵がいっぱいです。
常設展で25ドルはお高いですけれど、それでもこれだけのものがそろっているのだから仕方ないのでしょうね ^^;
アメリカの美術館はまだいったことがありません。
でも、一番質の高いのは、アメリカの美術館なんですよね。
by moz (2012-04-01 18:54)
こうやって見ると、印象派も”古典”なんですねぇ。近代美術がこれなら、現代美術はもはや解釈不能か。
by ぶんじん (2012-04-01 19:39)
楽しそうですね
こちらも、わくわくします。
アンリ・ルソー「眠るジプシー女」は、この後のストーリーで
横尾忠則さんが ライオンが美女を食いつくして 骨になったところを
描いた絵を見ました。そこで
匁はてんびん座から来た女がライオンをたたきのめした場面を描きました。
by 匁 (2012-04-01 21:22)
nice&コメントありがとうございます
▲よしあきさん、アメリカンポップアートの作品は、見る機会が多いし、意外性に、
はっとして、覚えていますよね。
▲mozさん、数か月前に値上げをしたそうです。不景気で、スポンサーの企業が減ったからなんですって。時節柄、、ですね。
第二次世界大戦前、自国の政府から弾圧された前衛芸術家の作品をアメリカは、受け入れ、支援してきました。新しいものを受け入れる風土がニューヨークにはあるんです。さらに、その資金力で、いいものをたくさん持っています。有名どころ、勢ぞろいですものね。いつか、ぜひ、お出かけください。
▲ぶんじんさん、20世紀が近代なので、19世紀の印象派は、それからすると、古いわけですよね。現代美術は解釈不能でも、見てると楽しい、っていう作品がありますね。どれが次世代に残るか、考えながら見たりもします。
▲匁さん、横尾忠則の解釈をなるほどね!と思いながら読みました。でも、私は、
このライオンは、女を食べない、と思いたいです。匁さんのアイディア、ライオンをたたきのめす「てんびん座の女」に拍手をおくります。
by TaekoLovesParis (2012-04-01 23:38)
このマチス、可愛いですねー。 好きです。
私は、むかーしMOMAに初めて行った時、ミュージアムショップがすごく楽しくて、わくわくしたことを覚えてます。
by ルビー (2012-04-03 01:13)
ジャコメッティの作品に筋肉はない・・・って、taekoねーさんらしい見方で愉快です。そもそもが、肉がついてなくて“筋”しかないじゃん(笑)。
こうしてMOMAの収蔵品で20世紀アメリカ美術と19世紀ヨーロッパ美術を見較べると、つくづくアメリカ美術ってのは「アメリカの、アメリカによる、アメリカのための美術」だな~、って僕には思えます。とは云え、印象派だって19世紀末当時にはアヴァンギャルドなアナーキスト集団だと思われていたわけで、やがていつかはポロックやクーニングも古典に含まれる日が訪れるんでしょう。
リキテンシュタインやウォーホルは中学生くらいの時はすっごくかっこいいなぁ~って思ってたんだけど・・・、今は、うむぅ~・・・ですねぇ。ファッショナブルなモノにはサイクルが有ると云うコトで(^^;。
by yk2 (2012-04-03 01:42)
最近ポン=タヴェン地方のビスケットを買ったところで、
ゴーギャンの絵にほんのり親しみ感じました(笑)。
ルーラン氏の肖像、何枚もあるって以前Taekoさんがおっしゃってましたね。
オランダのクローラー・ミュラー・ミュージアムのと、壁紙が違うのがまた面白いです。
また別の部屋なのかしら。
描かれてる壁紙が気に入ってポストカード買うこと、たまあります。
ふふ、先日のセザンヌの静物画とか。
by Inatimy (2012-04-03 21:25)
「星月夜」観たいです!
Taekoさんはセザンヌのパンツ男がお好きだということを
再確認させていただきました!(≧▽≦)b
by りゅう (2012-04-03 22:33)
MOMA、ポロックにロスコ、その他有名な作品がたくさんですね~見に行きたいです。
by nyonyo (2012-04-03 22:44)
こんばんは。
かなり前に行きました。だいぶ忘れてますが、一番上のジャクソン・ボロックの
作品、ゴッホ、クリムト、ピカソ、それにダリの女性の肖像画(?)か何かで、
すごく細密な絵を覚えています。ここの庭に、山羊の彫刻がありませんでしたか?
なんとなく気に入ってました。おもしろい美術館ですね。また行きたいです。
by coco030705 (2012-04-03 23:05)
nice&コメントありがとうございます
▲cocoさん、そう、お庭に彫刻があって、山羊は疲れ気味にだらっとしたぶんでしょ。ピカソの作品でした。ニューヨークに来ると、パリもいいけど、ニューヨークもいいな、と
思います。ルーヴルよりメト、オルセーよりMoMAの方が魅力があるので~。
▲nyonyoさん、MoMAは魅力的な作品がたくさんあります。絵画、彫刻、建築や工業デザイン分野もあって、全部見ようと思ったら何時間もかかります。
by TaekoLovesParis (2012-04-04 22:48)
nice&コメントありがとうございます
▲ルビーさん、マティスの絵、自分のスタジオを描いてるんですよね。置いてある絵が劇中劇ならぬ「絵中絵」。どれもいかにもマティスという絵なので、微笑んでしまいます。ミュージアムショップはとっても人気なので、どんどん拡張しています。でも、私には、いいものは少ない気がしました。
▲yk2さん、この彫刻は、車輪も薄くてジャコメッティっぽいんですよ。上の方に細い人がいるので、まさにジャコメッティ、ですよね。私の友達Y子は、枯れ木で、ジャコメッティの彫刻っぽいオブジェを作って、パリでの個展で発表して、うけてました。
第二次大戦後は、戦場だったヨーロッパに変わり、アメリカが芸術の中心。新しいものが好きなアメリカだから、「アメリカの、アメリカによる、アメリカのための美術」は、ポップアートや抽象表現分野で際立ってるんでしょうね。
リキテンシュタインやウォーホル、もう古典っぽい感じがしました。60年代、オールディーズの音楽、それより前ですものね。
by TaekoLovesParis (2012-04-04 23:16)
nice&コメントありがとうございます
▲Inatimyさん、ポン=タヴェン地方のビスケットって、白い頭巾をかぶったブルターニュ衣装の人がパッケージの絵に使われてたりしてるの?ブルターニュはバターがおいしいから、きっと、ビスケットもおいしいんでしょうね。日本で「アンリ・ル・ルー」の「塩バタキャラメル」っていうのが人気なの。口に入れるとじわっと濃厚なおいしさが広がっていく。値段、かなりお高いです。
「ルーラン氏の肖像」は、Inatimyさんのクローラー美術館記事で、見てみました。
背景もちょっと違うけど、顔つきがもっと違ってました。あっちのは、大きく目を見開いてました。セザンヌの幾何学もよう壁紙、あれは記憶に残りますね!
▲りゅうさん、この「星月夜」、オルセーの「ローヌ川の星月夜」と共にいいですね!
セザンヌはね、一枚だけひとつの壁面にかかっていて、注目されるように展示してあるの。たぶん大事な絵。オルセーの5,6名の水浴の絵で、約1名パンツは後姿だったけど、この人は、決心して水浴っていう表情。背後にサントヴィクトワー山が見えて、青い色系だから、これは、りゅうさんの好みだろうなぁと思って載せたのに、再確認って(^^;)+バシッ
by TaekoLovesParis (2012-04-05 01:02)
いいですね~ わたし好みの作品ばかりで、行ってみたいです♡
by バニラ (2012-04-05 05:37)
バニラさん、私もロスコの前に立ったとき、「バニラさ~ん、こんな色の知ってた?」
と、ひっそり話しかけてました。バニラさんには、オトニエル、名和晃平、と現代作家をおしえていただいたので、MoMAは、絶対バニラさん向き!と思いましたよ。
by TaekoLovesParis (2012-04-05 23:02)