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ホノルル美術館 [外国の美術館、博物館]

ハワイには、「ホノルル美術館」がある。友達の家から歩いて5分、目抜き通りに
面している。平屋で大きな屋根の建物。

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玄関をはいると緑濃い中庭があり、正面にマイヨールの彫刻「ペネロペ」が見えた。

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アジア、太平洋、欧米と、小規模だが建物が分かれている。
欧米美術から見ることにした。
はいって、まず目に飛び込んできたのは、ホイッスラーの大きな肖像画。
「黒のアレンジメントNo5」 18811年 静かで美しい。背景の黒と服の黒を分ける
毛皮の白、肌の白。
ホイッスラーは、絵の美学を追求、色にこだわり、色名を絵のタイトルにしたものが
多い。オルセー美術館にある絵も「灰色と黒のアレンジメント第1番 画家の母の肖像」

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単純化された胸像。わけありげで寂しそうな姿に見入る。
ヴィルヘルム・レームブルック(1891~1919)の「Head of a Thinker」1918
ドイツ表現主義を代表する作家で、生きることの意味を問うて、純粋化、抽象化
した作品を作り、これを制作した翌年、自殺をした。

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作品はほぼ年代順に展示されていた。

ロココの画家ブーシェが描く天使たち。「The Love Bire Catcher」 1731

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フランドル派などの絵、あまり大きくないモネの「水蓮」もあった。

これは、ルノワールの「The Washer Woman」1917
洗濯をしている女の彫刻。横に見えるのは、アンリ・エドモン・クロスの明るい点描。
「Landscape」1896年

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メアリ・カサットの「The Child's Caress」 1891
聖母子の構図だが、日常生活の一コマ、と説明がついていた。

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マティスの「Annelies,WhiteTulips and Anemones」1944
明るく華やかで目立っていたのは、隣がルドンだったから?
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ルドン「Lady of the Flowers」1890

セザンヌの小品もあった。
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友達が、「わぁ、色が綺麗で、これが一番好き」と言ったのは、
ロバート・ドローネー「The Rainbow」1913

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ブラックとレジェが並んでいた。
Blaque "Le Tapas Vert Green Carpet" 1921
Leger "Abstract" 1926

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ゴーギャンとゴッホ
Gauguin ”Two Nudes on a Tahitian Beach"1891~4
Gogh "Wheat Field" 1888

HonoluluGaugan.jpgHonoluluGogh.jpg

20世紀美術、不思議な絵のデ・キリコ「The Great Machine」1925年
イブ・タンギー、タイトル不明 1286年制作

HonoluluDeChrico.jpg HonoluluYvesTangy.jpg

最後の小部屋にあったイタリア人Marco Ricciの "Fantastic Scene with Ruins" 1728年 
モノクロの廃墟の絵のシリーズやピラネージの廃墟の版画もよかった。

こじんまりとしているが、有名どころが揃っていて、予想外に楽しかった。
このあと、日本コーナーに移動した。
昨春、三井記念美術館で、「ホノルル美術館所蔵・北斎展」を見たので、
浮世絵が充実しているに違いないと思っていたが、お茶道具や着物の展示が多く、
浮世絵はほんの少しだけだった。保存が難しいから、普段は、しまってあるらしい。


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angie17

ハワイでも美術館!
さすがです!
by angie17 (2013-09-16 16:55) 

チョコローズ

美術館の外観も、土地柄というか、ハワイらしい感じのする建物ですね。
浮世絵がたくさんあるなんて驚きですが、保存が難しいからしまうなんて・・・
大事にされてるって嬉しいですね。
by チョコローズ (2013-09-16 23:11) 

baby_pink

ハワイの平屋の美術館♪平屋なところが何だかとっても
落ちつくし、いいなぁ。。って思いました。
というのも、私の将来の夢が、お庭のある平屋のお家に住むこと。
(笑)なので^^つい嬉しくなっちゃいました~。
黒のアレンジメント・・・素適ですね~。。静けさに包まれる中、
婦人の美しさが一層ひきたち、大人の女性の凛とした強さ。
みたいなものを感じます。そして、まるで絹のような柔らかな白い肌
もうもう~~羨ましいです><笑
by baby_pink (2013-09-17 06:53) 

Inatimy

ハワイというと自然の中の観光しかイメージがなかったので、美術館でも楽しめるとは、
Taekoさんの記事を読んで、ますます行ってみたいと思いました。
日本の作品、どんなものがしまってあるのかしら・・・と気になり、美術館のサイトをのぞいたら、
とっても可愛い鳥と紫陽花を発見。 タイトルは"Bird on Hydrangea branch."
作者は幸野楳嶺。
他に20世紀で、Charles W. Bartlettの作品の"Taj Mahal by Moonlight"が美しく印象的で、
いつか実際に観に行けるといいなぁ。
by Inatimy (2013-09-17 19:50) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます
▲angieさん、予想外に所蔵品が充実していて面白かったです。時間がなくて、
行かなかったけど、ここのカフェもよさそうでした。

▲チョコロさん、建物がいかめしくないから、美の殿堂っぽくないですよね。
どこかの美術館の分館という感じ。明るくて開放的な建物でした。
保存が難しくないお茶の道具が展示され、茶道の説明がありました。着物は単衣の夏物ばかり。振袖はなし。暑い気候の土地柄なんですね。

▲pinkちゃん、広々とした真っ白の建物は緑に映えますね。こんなおうち、私も
住みたいです。でも、日本だと、お庭のあるおうちは、今の季節、門をはいったとたん、蚊にさされます(泣)。やっぱり夢はハワイの一軒家(笑)
黒のアレンジメント、この毛皮、ゴージャスですてきですよね。エゾイタチなんですって。圧倒的存在感。舞台に立つような感じありますね。

▲Inatimyさん、幸野楳嶺、初めてきく名前でした。調べたら、鳥の絵が多いですね。<Charles W. Bartlettの作品の"Taj Mahal by Moonlight">、月明かりが幻想的で素敵ですね。2つとも見た覚えがなしです。美術館は、しまってあるものが多い所、結構あるから、ここもそうなんでしょうね。
by TaekoLovesParis (2013-09-18 01:07) 

匁

ハワイと聞くと青い海とサーフィンそして活火山を
連想しますが、しっかりした美術館 「ホノルル美術館」 があるんですね。
サワイを連想する絵は虹の絵くらい?ですか?太平洋館にはいっぱいある?。
by (2013-09-19 09:57) 

coco030705

こんばんは。
ホノルル美術館、いい絵がたくさんあるんですね。すばらしいです。
特に「黒のアレンジメントNo5」がいいですね。マティス、ルドン、
ブラックとレジェもいいと思いました。
やはりTaekoさんの旅には美術館がつきものですね。一緒に楽しませて
いただきました。
by coco030705 (2013-09-19 21:45) 

TaekoLovesParis

匁さん、説明不足でした。ハワイらしいものがあるのは、「ハワイ州立美術館」なんです。ハワイで活動するアーティストの作品だけを集めてるんですって。ハワイはもともと芸術活動の支援に熱心なところで、100年前からオペラ・ハウスがあったそうです。トタン屋根で雨の音が響いたそうですが。
by TaekoLovesParis (2013-09-20 23:26) 

TaekoLovesParis

cocoさん、ほんとね、私の旅には美術館がつきもの、だわね。言われて初めて気づいてます。同じような印象派の絵でも旅先で見ると、違って感じる面白さもあります。
この近くに、オバマが青少年時代、住んでたアパートがありました。祖父母の家で、バラク・オバマ少年は、祖母に育てられたそうです。オバマの母はハワイ大学卒の白人で、インドネシア人と再婚したため、オバマを連れてインドネシアに渡り、数年後、オバマにアメリカの教育をうけさせるため祖父母にあづけたのだそうです。
by TaekoLovesParis (2013-09-21 00:05) 

coco030705

Taekoさん、オバマ大統領の興味深いお話をありがとうございました。
色々な、複雑ともいえる環境でまっすぐに育った人なんですね、きっと。
あの笑顔がいいと思います。でも日本にとってやさしい政治家なのかどうか。
これからも注目の人です。
by coco030705 (2013-09-21 12:27) 

moz

ハワイの美術館なんですね。こじんまりとしていて、かわいい感じの美術館みたいですね。
絵の並べ方が面白いです。ゴッホとゴーギャン、ブラックとレジェ、キリコとタンギーetc etc ・・・。似ていて、でも違っていて。
美術館の方のセンスが面白い。
タンギー好きなんです。空漠としていて、付け放すようだけれど、有機的で・・・なぜか惹かれます ^^
by moz (2013-10-01 05:30) 

TaekoLovesParis

mozさん、ハワイの中心街にある、ハワイで一番大きい美術館です。でも、
建物はいかめしくなくて、緑に囲まれた白い平屋、奥は二階建て。リゾートの
雰囲気でした。彫刻を間に配置したりで、とても見やすい展示でした。私たちに
馴染みのある印象派の作品が多かったのもよかったです。
タンギーの作品は、空漠、有機的、mozさん、いい言葉ですね!私には砂漠の
イメージ。不時着した宇宙空間の砂漠。そこに生息する不思議な生物に見えます。いろいろ想像するのは面白いですね。
by TaekoLovesParis (2013-10-02 01:00) 

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