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リゴレット(新国立劇場) [オペラ、コンサート、バレエ]

秋、オペラシーズン開幕だけど、最近、新国立劇場に行かなくなったのは、
以前のものと同じ演出での公演が多いからだ。けれども今回の「リゴレット」
は新演出。オペラ友の同僚と期待して出かけた。
珍しく早く着いたので、ロビーの写真を携帯で撮った。

Rigoletto2.jpg

Rigoletto.jpg

今回の演出は、ドイツの鬼才、アンドレアス・クリーゲンブルグ。
ヴォツェックで水を使った斬新な演出をした人。
従来は16世紀のマントヴァが舞台で、幕が開くと、宮殿の豪華なサロンなのに
今回は、3階だてのホテル(安アパートにしか見えない)が舞台で、時代は現代!
私は馴染めなかったけど、歌はどの人もすばらしかった。
特に、マントヴァ公のウーキュン・キムの声が素晴らしい。遠くまで届く張りのある美声。
姿が朝青龍似なので、女好きの軽いマントヴァ公とはだいぶ違うのだが、声は甘い。
聞いてみてください。

http://youtu.be/0N_PnlyLFbk

リゴレット(バリトン)は道化師。障害で背中が丸いが、美しい娘ジルダを男手ひとつで
大切に育てている。ジルダは毎週教会で見かけるマントヴァ公に恋をしてしまう。
リゴレットをからかおうと、マントヴァ公の家来たちが、ジルダを誘拐し、宮殿に連れて
行く。家に帰ってきたジルダをみて、リゴレットは怒り、娘を凌辱したマントヴァ公
に復讐を誓う。マントヴァ公に恋するジルダは必死で父をなだめる。

2幕より、リゴレットとジルダの二重唱

 http://youtu.be/IFX6Ctaeayg

「リゴレット」の原作は、「王のおたのしみ」。レミゼのヴィクトル・ユーゴー作。
この原作は、フランソワ1世をモデルにした実話だったため、ヴェルディは
タイトルを「リゴレット」、舞台をマントヴァに変えて上演許可をとった。

オペラだから、当然、悲劇で終わる。
第3幕で、マントヴァ公が有名なアリア「女心の歌」を歌い、マッダレーナを誘惑。
ジルダにマントヴァ公をあきらめさせようと、その場をのぞき見させるリゴレット。
「美しい愛らしい娘よ、ベラ フィリアデラモーレ♪」とマッダレーナを口説くマントヴァ公、
「笑わせないでよ」といなすマッダレーナ。覗き見しながら「私にも同じことを言った」と
悲痛なジルダの歌声、なだめるリゴレット。それぞれの胸の内の声が重なる4重唱。

今回のではないけれど、参考に、[黒ハート]リゴレット4重唱

今年はヴェルディ生誕200年。ヴェルディのイタリアオペラは、感情を表現
する歌がすばらしく、管弦楽が歌をもりたてる。

[リボン]2013年10月16日公演
指揮:ピエトロ・リッツォ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
リゴレット:マルコ・ヴァラトーニャ
マントヴァ公爵:ウーキュン・キム
ジルダ:エレナ・ゴルシュノヴァ
スパラフチーレ:妻屋秀和
マッダレーナ:山下牧子

最初にも書いたが、今回は早く着いたので、開演前にロビーでコーヒーを
飲んでいたら、高校の同級生でコーラスのサポーターのBBくんが通りかかった。
BBくんは、ネトレプコの大ファンで今夏もザルツブルグとプラハの音楽祭に
ネトレプコを見に(聴きに)行ったそうだ。
「でもねー、子供産んでから太っちゃってね、昔のほうがもっときれいだったなぁ」
(プリマドンナは容姿も大切なのね)


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コメント 7

angie17

ほんと、朝青龍にソックリ(笑)

貼って下さったリンクを、全部聞いてみました。
4重唱は迫力ありますねぇ。

by angie17 (2013-10-22 16:21) 

TaekoLovesParis

angieさん、リンクのyoutubeをきいてくださってありがとう。
4重唱は、日本人ので、字幕が出るから、歌の意味がわかっていいですね。
迫力あるでしょ。皆、それぞれ違うことを歌って、掛け合い状態なのに揃って
不思議な魅力です。
by TaekoLovesParis (2013-10-22 23:53) 

yk2

4重唱は、結局、一番期待していたパフォーマンス無しで終わってしまった映画・『カルテット』の俳優陣の顔を思い出しつつ聴かせて頂きました。これって、ご期待どおりのコメントですかね?(笑)。

オペラにほとんど興味が無い割には(^^ゞ、水の演出の『ヴォツェック』も『リゴレット』も何故かNHKのBSで観てたりしますが、このリゴレットはどうなんでしょう?。朝青龍なマントヴァ侯もですが、舞台美術や衣裳もかなり・・・ですねぇ(苦笑)。
by yk2 (2013-10-23 01:27) 

SORI

TaekoLovesParisさん おはようございます。
魅力的なストーリーです。でも悲劇で終わるのですね。
高校の同級生に新国立劇場であえるとは、なかなかの偶然です。
by SORI (2013-10-23 05:45) 

Inatimy

ホテルが回って、斬新な衣装も面白く、中央で歌ってる人に注目しつつも、
ついつい周りの人の動きやドレスの美しさを目で追ってしまいますね。
シンプルな安アパート(笑)に見えるから、よけい衣装が際立つのかしら。
「リゴレット」の公式サイトでストーリーを読みましたが、呪いの言葉も受けず、
殺されることも痛い目見ることもなく、なんの報いも受けず、
マントヴァ公はそのまま野放しでいいの?なんて思ってしまいました~。
新国立劇場での公演では来年5月の『カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師』が気になるところ。
カヴァレリア・ルスティカーナって、あのキレイな間奏曲のですよね。
by Inatimy (2013-10-23 17:29) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます
▲yk2さん、このオペラを見たあと、映画「カルテット」の結末のことをしばらく考えていたんだけど、あの4人の俳優が口パクで歌ったら歌ったで、また違和感があって、ブーイングになるかもしれない。それなら、いっそ、歌の部分はナシに、っていうダスティン・ホフマン監督の考えだったのかな、って思えてきました。監督自身が歳をとってるから、引退すると昔のような声が出ないって、よくわかるんだと思う。

リンクのyoutubeで4人の俳優の顔を思い出しながら、聴いてくださったのね。yk2さん、「カルテット」についての記事を書いてますものね。NHKBSで、「魔笛」を見た記事もありましたね。ドミンゴの「リゴレットinマントヴァ」と朝青龍キムの「リゴレット」、演出違いのものを見比べるって面白いでしょ。

▲SORIさん、ジルダに同情しながら見てしまいます。オペラって、たいていは
悲劇なんですよ。喜劇はオペラ・ブッファって呼ばれてます。
同級生に会うなんて偶然!音楽関係の人やオペラ友に会うことはありますが、
この同級生がオペラ好きとは知らなかったので、よけい驚きました。

▲Inatimyさん、マントヴァ公のまわりにいる女性役はダンサーの人たちです。
ドレスが一人一人違って華やかですよね。歌ってるテノールのウーキュン・キムは韓国人。今、注目されてる若手テノールです。韓国で世界的に活躍する先輩としては、ソプラノのスミ・ジョーという人がいます。世界的に活躍の日本人歌手がいないのは残念だけど、ピアノ、ヴァイオリンなど器楽ならいますね。
マントヴァ公は、「女心の歌」の軽やかさに象徴される如く、何の痛みも感じない人なようです。だから余計にジルダがかわいそう。

カヴァレリア・ルスティカーナ、そう、あの静かできれいな間奏曲のオペラです。
この間奏曲が流れて前半、後半とわけてるけど、一幕と短いので、もっと短い
「道化師」といっしょに上演されることが多いです。道化師はいいですよー。
by TaekoLovesParis (2013-10-24 01:07) 

moz

朝青龍似? ほんとですね 笑
でも、素敵な歌声です。
変なことに感心してしまいますが、youtube ってすごいですね。見てこられたものがインターネットでまた見られるなんて・・・。^^
ヴェルディ生誕200年、ワグナーもなんですよね。まさに歌劇、楽劇の年です2013年。普段2人ともあまり聞かないのですが、今度のお休みにはジークフリートとか聴いてみようかと ^^

by moz (2013-11-01 08:14) 

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