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大原美術館 [日本の美術館]

 大原美術館は日本を代表する美術館の1つで、岡山県倉敷市にある。
倉敷の実業家 大原孫三郎が1930年に創設した日本初の西洋近代美術館
である。大原氏は、倉敷の洋画家 児島虎次郎をヨーロッパに留学させ、西洋
の優れた絵画を収集させた。さらに、第二次世界大戦後、孫三郎の嫡子、総一郎
がコレクションを拡大した。

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建物は、ギリシア神殿のような太い柱を持つ堂々としたものだ。
入口左には、ロダンの「洗礼者ヨハネ」、右には「カレー市民のジャンデール」の
彫刻がある。洗礼者ヨハネは、東京上野の西洋美術館にもあるが、右手は天を
指している。「カレー市民」全員も西洋美術館の前庭にあるが、その中の一人で
カレー市の鍵を持っているのが、ジャンデールである。

所蔵品の中での一番は、エルグレコの「受胎告知」。
日本にあるのが不思議とまで言われている。
そのせいか、元大原孫三郎の事務所だったという人目をひくツタのからまる情緒
あるレトロな建物は、「カフェ・エルグレコ」という喫茶店。
「ずっと昔に来た時もはいったっけ」と思い出しながら、今回もここで休憩。
コーヒーが美味しい。

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「睡蓮」は、児島虎次郎がモネから直接購入。ゴーギャンも虎次郎の購入品。
セガンティーニの「アルプスの真昼」、シャバンヌの「幻想」、セザンヌの「水浴」
シニャック「オーヴェルシーの運河」、ロートレック「マルトX夫人の肖像、ボルドー」
ピサロ「りんご採り」、ホドラー「木を伐る人」など、今まで、東京で開催された
企画展で見たものが多い。つまり有名な作品をたくさん所蔵している。
ひとつ、ひとつの展示室は小さく、見やすい。

虎次郎のコレクション第一号は、アマン=ジャンの「髪」。
アマン=ジャンは当時、フランスで人気の画家。この絵を買ったことから、
アマンジャンと親交ができ、モネやマティスを紹介してもらったそうだ。
虎次郎の絵は、こちらで。http://taekoparis.blog.so-net.ne.jp/2013-07-15

初めは西洋美術だけだったコレクションも、今では、日本の近代から現代洋画を
分館に展示し、浜田庄司、バーナードリーチなどの陶器を工芸館に置いている。

中庭には、彫刻がある。正面の白い漆喰壁の建物が工芸館。
彫刻は、ロダンの「歩く人」。

大原4.jpg


奥は、ヘンリームーアの「横たわる母と子」、手前は、イサムノグチの「山つくり」
工芸館の方には、柳原義達の「道標、鳩」があった。

大原3.jpg

モネの「睡蓮」にちなんで、水蓮の池が作ってあった。
これは、昨年秋なので、花が咲いていたが、3月の今は咲いてないでしょう。

大原すいれん.jpg 

倉敷市は、掘割と柳で江戸の風情を残した街。
散歩やショッピングが楽しい場所です。


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コメント 7

moz

一度だけ行ったことがあります。
書いて頂いている通り、受胎告知を始めとしてすごい絵が目白押しの美術館ですね。確か佐伯祐三もあった記憶が?
もう一度行ってみたいです。 ^^
by moz (2015-03-08 07:42) 

coco030705

こんにちは。
昔行ったことがあるのですが、受胎告知は覚えておりますが他の作品は
覚えていません。いい作品が目白押しですね。ぜひまた行きたいです、こちらからは近いので。カフェ・エルグレコもなんとなく覚えています。素敵ですよね♡

by coco030705 (2015-03-08 08:27) 

hatsu

18年ほど前、一度行ったことがあります^^
そしてたぶん「カフェ・エルグレコ」で、
初めてエスプレッソを飲んで、苦くてびっくりしました(笑)。
あんまりコーヒー飲まなかったのに、なんだか分からず頼んだんですょね。
懐かしい思い出です^^
by hatsu (2015-03-08 08:57) 

匁

「ずっと昔に行った時」は小さな川の側にあったような気がします。
二度目に行った時はその川の両側が綺麗になって美観地区に指定されていて驚きました。
一日では全部見れなかったことを
思い出します。
by (2015-03-09 13:30) 

yk2

僕も随分と昔に1度だけ行ったことがあります。あまりにも昔過ぎて記憶スカスカですけど(^^;。

児島虎次郎のリンク、エミール・クラウス展の時のですね。久し振りに図録を見返しました。あの時の『和服を着たベルギーの少女』は大原所蔵なんですね。じっくり絵を観に行きたいなぁ~。


by yk2 (2015-03-10 01:10) 

Inatimy

私も大昔に一度だけ行ったことがあります。
でも何を観たのか今となってはさっぱり^^;。
隣のカフェのエルグレコで珈琲を飲んだのは覚えてるんですが・・・。
その数年後、倉敷に行った時には、美観地区で「ままかり」を食べ、酒屋さんで
青いガラスの丸い水差しみたいなのに入ったお酒を買って・・・と
食べたり飲んだりは記憶にあり^^;。
でもカフェの名前のおかげで覚えたので、スペインにいた時にトレドへ、
エル・グレコの絵を観に行ったんですよ^^。
セガンティーニ、シャヴァンヌ、ホドラー・・・と後になって知った画家も
たくさんいるので、今なら違った見方ができるかも。
また大原美術館へ行ってみたくなりました♪
by Inatimy (2015-03-11 08:14) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます。
▲mozさん、佐伯祐三、ありましたよ。パリのちょっとうらぶれたカフェのテラスと文字の広告、という絵。mozさんが佐伯祐三ファンなのを知ってたから、「mozさん」って思いました。ルオーの「道化師」もありました。王様の顔も。
こことブリヂストンは西洋絵画の個人美術館の双璧だと思います。

▲cocoさん、私も20代の時に行っただけで、覚えてた絵は、受胎告知だけ、カフェ・エルグレコに行ったのは覚えてて、とcocoさんと全く同じ。だから、今回、どの絵も初めて見るのと同じで、興味深かったです。工芸や近代日本画部門も面白くて、あっというまに時間が過ぎました。

▲hatsuさん、カフェ・エルグレコはエスプレッソの思い出なのね。私は以前、行った時は、雨が降ってて、木の枠の大きな窓から外を眺めたというのしか覚えてなくて。。クラシックな店内は昔のままでした。

▲匁さん、お濠のような川ですよね。周りに蔵や白いなまこ壁の家があって柳の木。昔にくらべると、お店がたくさん出来て、一大観光地になってました。
所蔵品が多いから、丁寧に見たら、一日かかりますね。

▲yk2さん、私も以前行った時は、たくさん絵を知らなかったし、興味も薄かったから、ぜんぜん、覚えてなくて。。でも、今回は、知ってる画家ばかりだから、面白かったです。児島虎次郎は、別格扱いで記念館になってます。山羊が桜の木の下で草を食む大きな絵「春の光」のような季節ももうすぐですね。

▲Inatimyさん、やっぱりInatimyさんも、「受胎告知」とカフェね(笑)
美観地区で、私は従妹のオススメに従い、老舗の廣栄堂で和菓子、豆専門店で豆菓子を買いました。
トレドには、1泊して、アルカザルとか大聖堂は行ったけど、美術館に行けませんでした。レンタカーを運転して行って、スペイン語表記ばかりで結構大変でした。


by TaekoLovesParis (2015-03-12 02:29) 

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