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ファルスタッフ (新国立劇場) [オペラ、コンサート、バレエ]

Falstaff.jpg

新国立劇場で、オペラ「ファルスタッフ」を見た。
ヴェルディの最後のオペラで、シェイクスピアの「ウィンザーの陽気な女房たち」が原作。
同じシェイクスピア原作の悲劇「オテロ」のオペラ化に成功し、引退するつもりだった
ヴェルディだが、「ウィンザーの陽気な女房たち」の主人公ファルスタッフの個性に惹かれ、
オペラ化した。
ヴェルディのドラマティックで華麗な曲や歌、というより、原作の芝居が中心で、
見ていて笑えるし、楽しい。

演出は、ジョナサン・ミラー。「フェルメールの絵画を思わせる美しい美術・衣裳にご注目」
とチラシに書いてあったが、床の碁盤目模様と、フェルメール作品に「リュートを調弦する女」
があることくらいで、衣装はエリザベス朝様式、シェクスピア劇の衣装だと思う。

主人公ファルスタッフは元騎士の初老の男。昔は痩せていて、もてたらしいが、今は
大酒飲みの大デブ。それでも、自分では、もてると勘違いをしていて、未だに、せっせと
ラブレターを書いている。しかも同じ文面のラブレターを既婚の2人の女性に送り、
2人に同じ文面とばれてしまう。2人は「私たちはそんな軽い女じゃないわ。図々しい
ファルスタッフをやっつけましょう」と策を練る。

ファルスタッフには、グルジアのバリトン ゲオルグ・ガグニーゼ。
重量感のある素晴らしい声。明るく元気な声で陽気さを出していた。以前にサントリーホール
で聴いたコンサート形式のオペラ公演でのR・ブルゾンより軽く明るい感じ。
ラブレターをもらった女性の夫、フォード氏もバリトンで、マッシモ・カヴァレッティ。
長身で足が細い。ファルスタッフに比べると、容貌がす・て・き!明るくのびやかな声で、
生き生きとしていた。フォード夫人アリーチェは、アガ・ミコライ(ソプラノ)。
澄んだ声で賢く上品な女性を演じていた。日本人ソリストも混じっての出演だが、遜色なく
歌っていた。

指揮:イウ・アベル
ファルスタッフ:ゲオルグ・ガグニーゼ
フォード:マッシモ・カヴァレッティ
フェントン:吉田浩之
カイウス:松浦 健
バルドルフォ:糸賀修平
ピストーラ:妻屋秀和
アリーチェ:アガ・ミコライ
ナンネッタ:安井陽子
クイックリー夫人:エレーナ・ザレンバ
ページ夫人メグ:増田弥生

新国立劇場のロビーにもクリスマスツリーが飾ってあった。
tree.jpg

終了後は、オペラシティのクリスマスツリーを見ながら、テラス席で軽く泡で乾杯。
オリーブだけで終わるはずはなく、チキンバスケットに海老のアヒージョ、赤ワインと続いた。

 operacity.jpg

operacity_tree.jpg


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コメント 11

coco030705

こんばんは。
楽しそうなオペラですね。こんど映画のオペラに行ってみようかしらと思っております。
クリスマスツリー、きれいですね。ワインはやっぱり白と赤両方を飲まなくちゃ、ですね。先日私は女友達4人と南座で歌舞伎を観て、京都北山の、友達のご主人が会員になっていらっしゃるホテルに泊まりました。そしたら差し入れで白ワインとフルーツの盛り合わせが届いて、他の3人が飲まないので、私一人でほとんどいただいてしまいました!おいしかったです。\(^-^)/

by coco030705 (2015-12-10 21:41) 

TaekoLovesParis

cocoさん、NYのメトロポリタン劇場で上演したオペラを2か月後くらいに映画館で上映する「メトライブビューイング」、とってもいいですよ。大きなスクリーンなので、歌い手さんの表情もよく見えて、客席からより、その点はいいです。あと、幕間のインタビューが面白いし、そのオペラを多角的に捉えることが出来て、印象深くなります。3500円か4000円で安くないけれど、おすすめです。

お友達のご主人様が会員だから、白ワインとフルーツが届いたんですね。遅い夜でも、ワインとフルーツならいけますね。フルーツは色もきれいだし、ワインとおしゃれな組み合わせですね。ははは、ひとりで、かるーく、いっちゃいましたか!
by TaekoLovesParis (2015-12-11 00:07) 

moz

「フェルメールの絵画を思わせる美しい美術・衣裳にご注目」に先ず目が行ってしまいました。確かにポスターの女性、リュートを持って座っていて、フェルメールをちょっぴり、彷彿させますよね(笑) ^^
オペラもいいなと思いながら、なかなか身に行くことができません。ファルスタッフは見ていて楽しそうですね、一度行ってみたいと思っています。
気が付けば、12月も中旬になりそう・・・、なぜか分かりませんが、少し焦ってきました(笑)。
ぼくの今年のコンサートはN響の第9です。パーヴォ・ヤルヴィ、楽しみです。
by moz (2015-12-11 06:33) 

Inatimy

この作品とフェルメール、なにかしら関連があるのかしらと思ったら、
そうでもないんですね^^;。 話の舞台がオランダというわけでもなく。
私がパッと思い浮かんだフェルメールの作品は「恋文」でしたが、
あの楽器はリュートじゃなかったですね・・・。
青い光のツリー、寒色はこの時期寒そうに見えるけど、やっぱり綺麗です♪
by Inatimy (2015-12-11 19:03) 

yk2

大酒飲みの大デブの勘違いモテ男さんをやっつける話ですか。喜劇で楽しそうなのに、どこか自分も気がつかないところで笑われてる様な居心地の悪さを感じる男性も少なくないでしょうねぇ。僕も含めて、ですが・・・(苦笑)。人の振り見て我が振り直せ・・・みたいな(^^;。

まぁ、「フェルメールを思わせる・・・」なんて書くと、ちょっと文化度が上がる様な気になるんでしょう(笑)。舞台も見ずに、この写真だけでばっさり切るのは乱暴だろうけど、僕も市松タイルとリュートにしかフェルメールを連想できないし、それはあくまでフェルメールを思わせる・・・って書いてあるから、ここから探してみたわけで、自分から気づいたワケではなし(苦笑)。
by yk2 (2015-12-13 10:36) 

TaekoLovesParis

mozさん、<フェルメールをちょっぴり、彷彿させますよね>→ちょっぴり、ってところに、頷いちゃいます。私には、シェクスピアっぽい印象だったので。
オペラは、たいていオケの音で始まるので、オケがいいと気分が盛り上がります。ワクワク感、ね。私はオーケストラピットが見える場所が好きなので、一階のS席でなく、2階のA席にしています。

パーヴォ・ヤルヴィ、N響の新しい指揮者で期待されてますね。どんな第九になるのでしょうね。私は先週、日フィルの第九に行ったのですが、テノールはN響と同じく福井敬でした。福井さんは、日本で一番好きなテノールです。

by TaekoLovesParis (2015-12-15 00:47) 

TaekoLovesParis

Inatimyさん、この記事を書いた後で、リーフレットの制作ノートを読んだら、『舞台は17世紀のオランダ絵画の描写に基づいて、当時の生活を細部にわたって表現しました。というのも、シェイクスピアの時代のルネサンス家屋の内部描写を詳細に行ったのはオランダ絵画しかないからです』 つまり、シェクスピアの描いた人々を今、活き活きと見せるために、オランダ絵画を参考にした、ということなようです。
「恋文」の楽器、Inatimyさん、ちゃんと覚えてらっしゃるのね。私はどこかのコメントで指摘されてたように、大ざっぱ(おおらか)なので、リュートかと思ってました。シターンという楽器なんですってね。
クリスマスツリー:今年の東京は寒くないので、寒色の青も綺麗でした。
by TaekoLovesParis (2015-12-15 01:03) 

TaekoLovesParis

yk2さん、?って読み直してしまいましたよ。どこか、って、僕も含めて、ってところ。yk2さんは、大デブでなく、ミケランジェロのダビデ像でしょ。
このオペラのもとは、シェクスピアの「ウィンザーの陽気な女房たち」。シェクスピアの時代の英国は、肖像画が多くて、風俗画がない時代だから、風俗画全盛期のオランダ絵画から、室内のようすを推測したんですって。それで、フェルメールなのね、って、ようやく私も納得しました。チラシにいきなり、フェルメールの名前が出て、この写真だったので、うけ狙い?って思ってしまったんだけど。

by TaekoLovesParis (2015-12-15 01:29) 

yk2

ねーさん、やっぱりちょー大ざっぱ~。
僕がダビデって、まさか!。それはまるでサンマとマグロを一緒にしちゃう様なもんですよ~(苦笑)。

『恋文』に描かれてる楽器、これまでリュートじゃないだなんて、疑ってみたことさえありませんでした。僕も立派に大ざっぱ組でしたね(^^ゞ。いなちゃんはもちろん几帳面。

で、シターンって楽器は初めて知ったかも。リュートはギターで云うところのヘッドが折れてて複弦式のガット。シターンはネックまっすぐで金属弦なんですね、大ざっぱ(笑)に分けると。勉強になりました(^^。
by yk2 (2015-12-15 07:28) 

Inatimy

室内画ならフェルメールよりも絵画枚数の多い同時代のPieter de Hooch ピーテル・デ・ホーホにスポットが当たっても良さそうなのに・・・と思うも、日本じゃフェルメールが知名度ありますものね・・・。なんだかいつもフェルメールの陰に隠れてかわいそうだなぁ・・・いい絵多いのに。

いえいえ、私も楽器をきちんと覚えていたわけじゃなく^^;。
アムステルダム国立ミュージアムで観た「恋文」がパッと浮かんだんですが、
はて、あれはリュートでいいんだろうか?という自信のなさから、
念のために検索して調べたという・・・。 
リュートとシターンの違いも、ダビデ・yk2さんのコメントで勉強になりました^^。
by Inatimy (2015-12-16 16:58) 

サンフランシスコ人

ジュリーニ&ロサンゼルス・フィルの『ファルスタッフ』に行きたかったです...
by サンフランシスコ人 (2016-12-01 03:40) 

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