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マルモッタン・モネ美術館 [☆彡Paris 美術館]

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マルモッタン・モネ美術館というと、「この間、東京都美術館で展覧会があった」と
思い出すかたもいると思う。モネの「印象ー日の出」が来日して、かなり盛況だった。

マルモッタン美術館は、パリ16区、ブーローニュの森に近い静かな住宅街にあり、
モネの「印象・日の出」を持っている。モネの死後、次男からモネの作品がたくさん
寄贈されたことから、マルモッタン・モネ美術館と改称した。
建物は男爵の狩猟用別荘であったものをマルモッタン氏が購入、邸宅に改造した。
現在は
フランス政府の管理である。

20年位前までは、こじんまりとした邸宅美術館だったが、今は、収蔵品がふえ、
改築、見応えのある美術館である。
円形の「睡蓮」部屋で、ゆっくりと、たくさんのモネの睡蓮の絵を続けて眺めることが
出来るのもこの美術館の特徴となっている。

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(以上2つの写真は、図録から、以下の写真はパンフから)

これが、モネの「印象ー日の出」、印象派の語源になった作品。
日本での展示を終え、目立つ場所に展示されていた。

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マルモッタン・モネ美術館は、その名の通り、モネの重要な作品が多い。
(左)チュルリー(1876年) (右)アルジャントゥイユ付近の散歩(1876年)

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(左)ヨーロッパ橋、サンラザール駅(1877年) 

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右の絵は、モネではなく、ヨハン・ハインリッヒ・シュミット(1716~1815)の
「フランス元帥・ナポリ国王のヨアキム・ミュラがカプリをとれ」と命じている場面」
ミュラは騎馬策に長けた元帥で、ナポレオンの妹を妻とし、フランスの統治する
ナポリの国王であった。
もちろん、モネ以外の作品も多い。

1、ベルト・モリゾ
ベルト・モリゾの作品は、子孫の寄贈により、この美術館が世界で一番多い。
ベルト・モリゾは画家だが、マネのモデルもつとめ、マネの弟と結婚した。
これは、マネが描いた「ベルトモリゾの肖像」(1873年)

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モリゾ自身の作品は、
(左)立葵 (右)ブージヴァルの庭でのウジェーヌ・マネ(モリゾの夫)と娘

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(左)舞踏会にて(1872年)

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上の右は、カイユボット「雨のパリの道」(1877年)
シカゴ美術館の同名の絵より前に描かれたものだろうか。さざ波のような
雨のようすがみごと。


(左)アレキサンドリアの聖カトリーヌ(15世紀)
(右)ベルト・モリゾ「ジュリー・マネとグレイハウンド犬ラエルト}(1893年)

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2、この他に、ポール・マルモッタンの家具コレクションの貴重なものが多々ある。
ナポレオンの命によりつくられた置時計「地理時計」には、12枚の陶磁製の
メダイヨンがはめこまれ、その美しさに目を見張った。
16世紀、中世の版画や絵画のコレクションも貴重な作品揃いで素晴らしい。

3、企画展「HAHNLOSER夫妻のコレクション」には、私の好きな絵が
多かったので、それは次回の記事に。

外に出て見ると、この時期、パリの夕暮れは早いので、もう月が出ていた。
月の下には、ライトアップされたエッフェル塔が見え、とても綺麗だった。
「あ~パリだなぁ」と思える光景。

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コメント 7

コザック

こんにちは。
すごい!やはり現地で観る作品たちは品揃えも違いますね(^^)
ベルト・モリゾ肖像を見ると本当にきれいな人だったんんだなぁ~とおもっちゃう。
彼女の作品はやさしいタッチが魅力!何点かまとめて観れるのはうらやましいです。
パリの薄暮はライトアップもあいまって静かできれいですね(^^)/
by コザック (2016-01-17 13:25) 

coco030705

こんばんは。
建物からして素敵な美術館ですね。モネの睡蓮の絵こんなにあるなんてすばらしいです。ベルト・モリゾの映画、昨年見逃してしまいましたんで、DVDで観ないと。
作品もいい絵ばかりですね。
カイユボット「雨のパリの道」はブリヂストン美術館に来てましたかしら?カイユボット展は観て、とてもよかったです。ブリヂストン、閉館中なのが残念ですね。
最後のパリの夕方の風景、素敵ですね。こんな平和そうなところでテロが起こるなんて、考えられませんね。悲しいことです。
by coco030705 (2016-01-18 00:08) 

yk2

そういや、去年見逃したモネ展はマルモッタンからのコレクションからだったんだなぁ~って、今更ながらに思い出しました。今も福岡で巡回中なんですね。
僕はパリのマルモッタンは行ったことないけど、2004年に東京都美術館で開催されたマルモッタン展には出掛けていて、その時はモネと並んで、いや、むしろモリゾの方が主役級の扱いでした。それだからか、マルモッタンと云うと、モネよりモリゾの方を僕は思い出しちゃう(^^。今回taekoさんがここに載せられているモリゾ作品はその時ほとんどが出展されてました。まだ幼かった頃のジュリーが描かれている作品がやはり印象深くて、だから後々、ジュリーの日記を読んでみようって気になったんでしょうね。
by yk2 (2016-01-18 23:57) 

moz

やはり、絵ってそれぞれの家があるのだなと、そしてその家、収蔵されているところで見るのが一番なのでしょうね。その場所に展示されているのを見てこそ、その絵画なのかなって思います。
マルモッタン・モネ美術館もそうなんだろうな ^^
東京都美術館での水連や日の出は素晴らしかったけれど、この美術館で見たら落ち着きとか格調とか色彩もetc etc ・・・、雰囲気が全然違うのだと思います。
本場で、大好きになったモネの絵を見てみたいです。
カイユボット、さすがなんですね。モリゾもたくさんあるんですね。
by moz (2016-01-20 07:27) 

Inatimy

マルモッタン・モネ美術館で観たモネの絵でパッと思い浮かぶのは、
風車も描かれてた「オランダのチューリップ畑」。
それと「フジ」。ジヴェルニーのモネの庭にあった橋が藤棚になってたなぁと
今ふと思い出したり。
モリゾの絵では、バラがある「ブージヴァルの庭」が特にお気に入りです^^。
「ブージヴァルの庭でのウジェーヌ・マネと娘」も微笑ましいですね〜。
13~16世紀の細密画もカリグラフィー好きにはたまらない魅力でした♪
by Inatimy (2016-01-20 17:10) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます。
▲コザックさん、そう、本場は建物が、まず違います。邸宅美術館って落ち着きがあって素敵ですよ。昨年公開されたベルト・モリゾの映画は、肖像画よりヴィジュアル的に劣ってたので、イマイチでしたが、姉のエドマがいつも一緒にいたという様子やモリゾ家の様子、普仏戦争という時代背景がわかり、モリゾの絵への親しみが増しました。
パリの夕暮れ、エッフェル塔から回転しながら放たれるビーム光線がとても綺麗でした。夜空の月と相まって絵画的でした。

▲cocoさん、モリゾ、美人でしょ?なのに映画では、、(私の感想)
モネの睡蓮を円形の部屋に飾るアイディアは、オランジェリー美術館よりこちらの方が先だったのでは?以前は邸宅の端の円形部屋だったのですが、今は改築して、専用に作った部屋で、たぶん、見やすくなっているのでしょう。絵の年代が書いてあるので、「これは目が見えなくなった頃ね」とわかります。
カイユボット「雨のパリの道」は、ブリヂストンのカイユボット展に来てました。シカゴ美術館に同名の絵があって、どても大きい絵で、人の顔もはっきり見えます。これは雨にけぶって、顔がほとんど見えないでしょ。どちらが先に描かれたのかしら。パリの夕暮れ、心に沁みるものがあります。住みたいって思います。

▲yk2さん、「福岡で巡回中」とは!「印象、日の出」の絵はパリの本家で見たばかりなのに、と思って、福岡展サイトを見たら、2月から展示されるんですね。代りに今は「ヨーロッパ橋サンラザール駅」が展示されていて、東京都美術館の時と同じに入れ替えをするんですね。ちなみに、マルモッタン美術館のチケットは、ヨーロッパ橋の絵でした。
2004年の「マルモッタン美術館展」がほとんどモリゾ展だったのは、「ルアールコレクション」がマルモッタンに寄贈されたからだったのですね。ルアール夫人はドニが描いた「3つの肖像のルアール夫人」、ルノアールの「ピアノを弾く少女たち」のクリスティーヌ。その息子のエルネスト・ルアール(ドガの弟子)がモリゾの娘ジュリーと結婚。彼らの息子ドニ・ルアール、つまりモリゾの孫のコレクションだったのですね。「ジュリーの日記」は、私も読んだので、モリゾの孫って?と、興味がわきました。印象派の画家たちの普段の生活が、少女ジュリーの眼を通して平易な文章で描かれた面白い本でしたね。


by TaekoLovesParis (2016-01-23 16:18) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます。
▲mozさん、絵は展示場所で印象が変わりますね。特に睡蓮は円形の部屋で連作でずらっと見ると立体感が出るので、実際に庭で見ているかのようです。でも、それを体験するなら、オランジェリー美術館の方がずっと良いです。マルモッタンのは、年代がバラバラなので、つながっては見えなくて。。
モネはやはり実力が違う、と、どの美術館で見ても感じます。知ってる作品が多くなるほど、親しみを覚えますね。
モリゾのコレクションは充実していますから、モリゾファンはこの美術館、外せないと思います。

▲Inatimyさん、モネの「オランダのチューリップ畑」は、今、福岡のマルモッタン展で展示中です。その絵は、私も覚えてるんだけど、「フジ」は見た覚えがなくて。
実際、モネの庭に、藤棚、ありますね。藤がこんな所にと、驚いたけど、いつかのInatimyさんの記事に、パリでの藤の花の写真がありましたね。とても何気なく咲いていたので印象深かったです。
モリゾは庭や緑あふれる戸外の作品、マネが出てくる絵がいいですね。
<13~16世紀の細密画もカリグラフィー好きにはたまらない魅力でした♪ >→
素人の私でも思わず目をこらして見てしまいました。すばらしかったです。美術館のパンフにも写真が載ってました。自慢の品なんですよね。



by TaekoLovesParis (2016-01-24 02:01) 

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