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PARIS オートクチュール展 [展覧会(絵以外)]

「PARIS オートクチュール展」を三菱一号館に見に行った。
これは、パリの市庁舎で開催された「オートクチュールの歴史展」をこの会場に
合わせて再構成したもの。   (5月22日まで開催)
HautCouture.jpg

オートクチュールは、高級な注文服のことで、19世紀後半のパリでシャルル・ウォルトが始めた、
チラシに使われている衣擦れの音が聞こえそうな豪華な「ジャガード生地のドレスと金ラメ入りニット
のアンサンブル」は、クリスチャン・ラクロワがウォルト偲んで1991年に発表したもの。
つまり、「これぞオートクチュール」というものでしょう。

会場、はいってすぐは、ウォルトのコーナー。赤に黒の大胆な刺繍のあるケープ。
夜会服の上にはおっていたのでしょうね。同じくウォルト作の毛皮のマフとストール。
喪服もあったが、とっても細いウェスト。コルセットの時代。

ポール・ポワレのイヴニングドレスは、すとーんとした直線的な身体を締め付けないもの。
当時、脚光を浴びて人気があったのもわかる。ラウル・デュフィはポワレのデザイン画を
描いたりもしていたが、ここでは彩色した木版画によるお店用レターヘッド。

扇子、香水、ハンドバッグ、帽子など、どれも手のこんだ豪華な手仕事の品。

次の部屋は撮影OKだったので、スマホで写真を撮る人が大勢。

今でも着れそうなのが、ジャン・パトゥのジャケットとドレスのアンサンブル。1939年
重量感あるビーズ刺繍。照明でキラキラしていた。
後ろに見えている背中が大きくあいたドレスが、グレのイヴニング。1934年。

ParisHautCouture.jpg

黒のドレスばかりの中で、目立ってたいたのが、ゴルチエの「青い鳥」2006年。
グレへのオマージュの作品。グレはプリーツが得意だったので、プリーツを使っている。

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バレンシアガ、スキャパレリと知ってる名前のドレスが出た後は、ディオールのドレスが続々現れた。
左は2014年、右は1952年。

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ヘップヴァーンが「ローマの休日」で来てたような王女様ドレス。

友達と、「昔これ、あったわよね!」と顔を見合わせたのが、ピエール・カルダンのドレス「的」。
白地にジャスパー・ジョーンズの「弓矢の的」のような大胆な柄。元祖日本人モデル松本弘子
が着て雑誌に出たそう。

シャネルだが、デザイナーはカール・ラガーフェルト。1995年
スーツのように見えるがワンピース。

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駝鳥の羽根を緑にそめたものとピンクのシルクタフタのバラのコサージュつき。
とろりとした絹地に、真珠やビーズで刺繍があしらわれ豪華。

バレンシアガ 「イヴニング・ドレスとペティコートのアンサンブル」1967 年
シルクの光沢。美しいピンク。オストリッチの羽根が使われている。
しかし、私にはマタニティドレスのように見えてしまう。

HautCouture4.jpg

キャサリン妃のウェディングドレスを担当したアレキサンダー・マッキーンのパンツスーツは、
地味なジャケットの裾に柄物スカーフがついたような奇抜なデザイン。「これなら着れる」と
友達が言うが、私は遠慮しておく(笑)

ドレスは、オートクチュールよりも安く簡単に手に入るプレタポルテ時代になり、メゾンの数は
激減したそうだ。そんな時代だからこそ、モードの歴史の展覧会が大切なのだろう。
この展覧会を企画したオリヴィエ・サイヤール氏は、2011年にブルーデル美術館で開催した
「マダム・グレ展」が評判になったことで、今回、抜擢されたそうだ。

オートクチュールでいちやく有名になったパリだから、「モード美術館」があり、いつでも
服のファッションの流れを見ることができる。また時々、興味ある企画展も開かれている。
2004年に見た「ディトリヒ映画衣装展」もよかったし、ランヴァンの展覧会もよかった。
パリに旅行のかたにオススメ。


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コザック

おおおお行かれましたか(^^)/
Taekoさんの感想が聞いてみたかった!
やはりフィルターが違うと素敵なレビューになりますね☆
ディオールは私も目が釘付けになりました(^^)
by コザック (2016-05-17 00:58) 

moz

ポスターを見て気になっていた展覧会です。
会場も三菱一号館ということで、ぴったりな感じですね。^^
オートクチュールはアートの世界、女性には特に興味津々の世界なのでしょうね。
ご紹介いただいた中ではゴルチエの「青い鳥」が気になりました。
実際に着るのは? って思いますが、きれいなドレスだなぁ~ ^^
何かの劇の遺書のような感じですね ♪
by moz (2016-05-17 06:33) 

angie17

昨年の、銀座のDior展も素敵だったけど、
こちらも素敵ですね~。
オートクチュールドレスは、やはり特別感がありますね。
by angie17 (2016-05-17 17:42) 

TaekoLovesParis

コザックさん、今再び、コザックさんのオートクチュール展レポを読みました。自分が実際に見てから、読むと3D映像のように、くっきりと展覧会が浮かんできます。部屋に入るなり、ジェダイのマントに目が行き、「これね!」と笑いました。私がレイア姫に、と思ったクリーム色のレース地のドレスはシャネルだったんですね。一緒に行った友達は、シャネラーだから、「あら、これは随分ダサイわね」と不愉快そうでした。この展覧会で見る限りでは、ディオールに軍配って思ったわ。
私が行ったときも男の人が多くて意外でした。
by TaekoLovesParis (2016-05-17 21:53) 

TaekoLovesParis

mozさん、男の人でも、おしゃれな人や流行に敏感な人は気になりますよね。
オートクチュールはその時代の絵画を取り入れ、時代を映してるって、わかりました。デュフィがデザイン画を描いたり、スキャパレリのケープは、有名画家の絵を柄にしたものだったり、パコラバンヌの宇宙時代のようなメタリック素材の服、カルダンのポップアート柄の取り入れなどなど。。
「青い鳥」は素材がシルク・オーガンジー。ふんわりとした感じで素敵でした。

by TaekoLovesParis (2016-05-18 00:57) 

TaekoLovesParis

angieさん、Dior展は無料なのに美しく、充実していましたね。こちらは1700円。
わりとすぐ見終わってしまったので、友達に「高いわね」と言ったら、「パリから大事に運んで来るのよ。そしてまた、マネキンに着せるんだから高いの、当たり前」って言われてしましました。ここでも、Diorは印象に残る作品が多かったです。チラシのラクロワ、使ってる生地の素材がいかにもラクロワだな、って思いました。
by TaekoLovesParis (2016-05-18 01:03) 

Inatimy

1952年のディオールのドレス、これ、スゴい♪ ドレスのフォルムはシンプルだけど、
刺繍のデザインがとっても素敵。ビーズとか、いやオートクチュールだから、
もっと高価な宝石とかついてそうですね^^。 完成まで大変だったろうなぁ・・・。
これらの高級な注文服を身につけた人たち、一つの服を何回くらい来たんだろう。
洗濯ってできるのかしら・・・なんて考えるところが庶民ですね^^;。
皆、身につけるものに敏感で、またあの服?なんて言われるから
1回着て終わりとか・・・。
by Inatimy (2016-05-18 22:45) 

ぼんぼちぼちぼち

うっとりするようなドレスの数々でやすね!
22日までなのでやすね。
明日行くことにしやす
by ぼんぼちぼちぼち (2016-05-19 15:43) 

yk2

チラシのドレスがすごいですね~。上半身がニットで下がジャガードって、この手の服が必要とされる場を考えると、ちょっとアンバランス(?)っぽくも思えるけど、こんだけぴかぴかゴージャスだと「なんか文句ある~?」って感じで、ねじ伏せられますね。金のチカラ技で四の五の云わさぬ迫力(^^;。

taekoねーさんのお出かけ用には、いなちゃんも絶賛のディオールの1952年の白いドレスがよござんすよ。白地に黒の刺繍柄がビアズリーの版画みたいだもん。サロメちゃんぽいイメージで、ぴったり(笑)。
by yk2 (2016-05-20 07:22) 

ナツパパ

贅を尽くし手間を掛け、夢のようなドレスなのでしょうね。
こればかりは実際に行ってみないと...テクスチャーなど、分からないでしょうね。
by ナツパパ (2016-05-20 10:32) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます。
▲Inatimyさん、1952年のディオールの白いサテンのドレス、とっても素敵でした。豪華なんです。刺繍も手が込んでいて見入ってしまうけど、さらにパールやラインストーンが散りばめられてました。これだけの手仕事ですもの、完成まで、かなり時間がかかりますよね。だいたい一回着るだけでしょう、「○○の時着た服」って説明がついたりしてたので。だから、そんなに汚れず、こうやって50年後に展示できるのでしょう。ウェディングドレスも一回だけ、という場合が多いし。

▲ぼんぼちさん、まさに、「うっとり」です。楽しんでらしてくださったかしら。私と友達は、この後、「ごはん、どこに行く?高級なところにしましょうね」でした。

▲yk2さん、豪華なドレスをすすめてくださってありがとう。でも、おすすめの理由がサロメじゃ、ちょっと不満、と、思ったけど、ここに載せてる写真からは、なるほどビアズリー! 本物は重たそうなほどの刺繍と光もの(宝石まがい)で重量感があるから、版画は連想できないんだけど。
ラクロワは素材の組み合わせ方や色づかいの派手さで、驚かされることが多いの。友達にラクロワ好きだった人がいて、、、今は日本から撤退?

▲ナツパパさん、豪華なだけでなく、手仕事の素晴らしさに敬意を表しちゃいます。今、こういうドレスは、アカデミー賞の授賞式で需要があるのかしら。

by TaekoLovesParis (2016-05-21 01:09) 

pink

taekoさん、ご無沙汰してます♪
お元気でしたか^^
ドレス、素適だなぁ。。
やっぱりオートクチュールは品もあり、又、豪華ですね。
どれも素敵すぎて選べないけれど
オードリーが着ていたような白いドレス
ウエストがキュキュッ!てしまっていて
コルセットつけるの大変だろうなぁ。。
でも、オードリーならスリムだからすんなり入るのかしら??
なんて余計なことを考えてしまいました。笑
でも、おしゃれは我慢ですものね^^
踵が痛くても、寒くても、おしゃれの為には
ある程度、女性は辛抱しなくていけないのかも知れません。><笑

by pink (2016-05-23 09:23) 

TaekoLovesParis

pinkちゃん、お返事遅くてごめんなさい。
<踵が痛くても、寒くても、おしゃれの為には>って、pinkちゃん、夏の黒いサンダル個性的で素敵よ。どこで見つけたのかしら?って思いました。スカート(ワンピ)とよく合ってるわ。踵、痛くてもガマンね(笑)
素敵な服、気に入った服を着てると、うれしいですよね。仕事も上手くいく気がするわ。
白い紫陽花の写真、ういういしくて爽やか、いいなぁ。
by TaekoLovesParis (2016-05-25 21:42) 

pink

こんばんは^^
お返事、大丈夫ですよ~
こうやって、お話できるだけでうれしいです☆
黒いサンダルも、褒めていただいてうれしいです
あのサンダルはコール・ハーンの新作です
皮も柔らかくて足首周りをホールドしているようなデザインだけれど
痛みもまったくなく履き心地がとてもいいです^^
でも本当に、taekoさんおっしゃる通り、素敵な服、気に入った服を着ているだけで
仕事もうまくいく気がしますよね。
せっかく女性に生まれたんだもん。ファッションもおいしい料理も楽しめたらいいな。
(女性って贅沢.。plus食いしん坊ですよね。あ、それは私の事か^m^笑)
おやすみなさい。


by pink (2016-05-26 00:37) 

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