ピカソ1932年展 [☆彡Paris 展覧会]
このうち100点あまりが展示されている展覧会。愛人マリー・テレーズを描いた有名な作品「The Dream(夢)」や「Girl Before a Mirror(鏡の前の少女)」も公開されている。
ピカソが、生前に「作品は日記のようなものである」と語った言葉を受け、この展覧会は
見る人に「作品は日記のように鑑賞できるのか?」という問いを投げかけている。
従って、ほぼ日付順に展示されている。
1月の作品 左:代表作「夢」個人蔵 1月24日
目を閉じてほほ笑むマリ-・テレーズ
右は「休息」1月 「夢」の数日前に描かれた。背景と、ソファー、色あいが似てるような。。
彼は作品を精力的に手がけたのです。1932年は、創意あふれる作品がたくさん生まれた、ピカソを語る
うえで重要な年です」との学芸員の説明が出てた。
2月の作品 「赤いひじ掛け椅子の女」
1932年、ピカソは、ノルマンディーの別宅ボワジュルー城で過ごすことが多かった。
「雨の下のボワジュール城と虹」
毎日描いた絵を展示してあるので、ボワジュール城の絵は何枚もあった。
風景画は珍しいと思って見たが、ピカソはここに住んでいたと後からわかった。
1932年の絵のモデルは、当時22歳のマリー・テレーズ。妻オルガはパリにいることが
多かったので、ピカソは、マリー・テレーズをモデルに、ボワジュール城で制作に励んだ。
ピカソがマリーテレーズに出会ったのは、5年前。まだ17歳だった。会った瞬間、ギリシア
彫刻の美を彼女に感じたそうだ。1932年、ピカソはマリーテレーズに夢中だった。
「葉っぱのある静物画」
代表作のひとつ「鏡の前の少女」は、割合、大きな絵。丁寧に描かれている。
(NY近代美術館蔵)
「眠る女性」(個人蔵) 透き通るような色使いがきれい。
「ペルシア風の服を着て椅子にすわる若い女性」
「読書」
Picasso 1932のサブタイトルは、Année érotique エロティックな年代。
「ピカソの表現方法は1年間で変化していて、年の初めの絵はマリーテレーズに対する攻撃的な欲望
が表れているが、年の終りの12月にはソフトなエロティシズムに変わる。大きなヌードの絵(注)は、
まるで画家が女性の体の中に抱かれているかのような印象」との説明がついていた。
(注)
「まどろむ女性」(ポンピドーセンター)
ピカソは、油絵13,500点、版画100,000点、挿絵34,000点、彫刻・陶器300点を制作し、
最も多作なアーティストとして「ギネスブック」に登録されている。エロティックな画家
として転機を迎えたのが、この1932年であった。
これは企画展なので1932年にこだわっているが、別部屋で他の年代の作品を見れる。
そこには妻オルガの肖像や、マリーテレーズの後の恋人=ドラマールの肖像をはじめ、
各年代の作品が展示されている。 <参照> 前記事 ピカソ美術館
先日の錬金術師のもそうですけど、
展覧会のテーマ設定に知的刺激を
受けます(^^) 凄いです(^^)
by middrinn (2018-02-20 07:46)
1月のほほ笑むマリ-・テレーズの絵
美しい絵ですね。顔の表情がとても素敵です。
ピカソは、マリー・テレーズに出会って描く意欲が湧いたことと思います。
出会うモデルも生涯にかかわる影響が大きいですね。
by アールグレイ (2018-02-20 20:37)
こんばんは。
いい絵がいっぱいですね。ピカソにとって、芸術活動の原動力は女性への恋愛感情なんでしょうね。
「夢」は本当にいい作品です。マリー・テレーズの美しさがわかります。「雨の下のボワジュール城と虹」も好きです。以前にも書きましたが、私はコート・ダ・ジュールのお城のピカソ美術館に行きました。ここにはピカソの陶器がかなりたくさん展示されていて、とても楽しい作品ばかりでした。
その次のマリー・テレーズがモデルの4作品も素敵です。一番好きなのは、
「鏡の前の少女」。色もいいし、ピカソらしい作品だと思います。
椅子に座っている若い女性の絵は、一瞬マティスかなと思いました。
「読書」は寒色系の美しい色彩のいい絵ですよね。
やはりピカソは天才の中の天才ですね。楽しい記事をありがとうございました。
by coco030705 (2018-02-20 21:44)
nice&コメントありがとうございます。
▲middrinnさん、「作品は日記のようなものである」というピカソの言葉を受けての展覧会というテーマは、フランスでも今までにないものと書いてありました。作品が多く、画風を変えて行ったピカソだから成り立つ展覧会だなと思いました。何日間も同じ題材で描いていたりしているのを見ると、日記なのねと伝わってきました。
▲アールグレイさん、<ほほ笑むマリ-・テレーズの絵>、幸せそうだなって思いました。「夢」というタイトルなので、夢でうっとりして身体半分がパープル色に染まってしまったのかしら。こんな配色、これ以前の絵ではなかったものですよね。私は好きです。モデルによって創作意欲が刺激されるのでしょうね。この数年後に出会う、「ド・ラマール」は唯一、ピカソの方で追っても追っても難攻不落の女性だったそうです。
▲cocoさん、<芸術活動の原動力は女性への恋愛感情>→私もそう思いました。画家は常に描きたい女性、美を感じる女性を探してるのかもしれませんね。バラの花を描くにしても、描きたくなるバラの花を見つけることが、第一歩なのでしょうね。
<椅子に座っている若い女性の絵は、一瞬マティスかなと思いました>→ 私もです。だから写真を撮りました。
コートダジュール、アンティーブのピカソ美術館、私は運転して山の上まで行ったら、妙に静かで変。改装で休館だったんです。いつかリベンジって思ってます。
by TaekoLovesParis (2018-02-21 00:35)
順に絵を見ていて印象に残ったのは、藤色と緑。
「赤いひじ掛け椅子の女」の絵以外にそれらの色が使われてて。
この色が好きだったのか、何か意味があったのか、日常に身近な色だったのか、
無意識のうちにカンバスに乗せた色なのか・・・不思議な感じですね^^。
by Inatimy (2018-02-21 23:18)
作品は日記のようなものである、なんですね。
芸術は作者の内面的必然性であるならば、それはある程度本当のことなんでしょうね。対象に触発されて、キャンバスに描かずにはいられなくなる。1932年は、マリーテレーズ。
鏡の前の少女とその下の「眠る女性」がいいな。^^
by moz (2018-02-24 08:32)
色使いがどれもステキですね~。
日付順に日記のように観賞できるのか?
という企画も面白いです。
女性が美しく感じるな。
子供の頃は、変な絵としか思えなかったのに^^;
雨の下のボワジュール城と虹もいいですね。
by ふにゃいの (2018-02-24 18:19)
nice&コメントありがとうございます。
▲Inatimyさん、<藤色と緑>私もここの「夢」「鏡の前、、」「マンドリン?」などで、体の中心線がラベンダー色、影というより骨格?と思いながら見ましたが、パステルカラーが美しいんですよね。淡く明るい色なので、全体の印象が軽く浮き立ちますね。たしかに緑も多いわ。効果的に使われていますね。青の時代、バラ色の時代、キュビズムから抜け出て、愛にあふれ、ハートマークが飛んでいるように見えます。淡い<藤色と緑>は、この年、ピカソが気に入っていた色、マリーテレーズへの愛の気持ちを表す色だったんでしょうね。
▲mozさん、<作品は日記のようなものである>、この言葉はピカソの中でも有名な言葉なようです。cocoさんがご覧になった大阪アベノハルカスの展覧会でも、この言葉が掲げられてました。
「眠る女性」は、少女のほほのふっくらしたようすも豊かな幸せを感じさせてくれますね。何気ないひとこまにピカソの筆のやさしさが表れてていいですね。「鏡の前」はキュートな感じなのに、あらあら涙。「ほんとは泣いてるんだね」というピカソのやさしさを感じます。1932年、恋は芸術の原動力という証明ですね。
▲ふにゃいのさん、<子供の頃は、変な絵としか思えなかったのに^^;>
→ 私もここでの絵を見て、ピカソの今までとは違う恋する顔を見た気がしました。少ない線、筆でさっと描かれた絵、単純化された美しさ、パステルな色合い、おっしゃる通り、女性が美しいですね。
「雨の下のボワジュール城と虹」、虹が画布いっぱいにアーチになって平和な楽園の感じ。ここにピカソとマリーテレーズが住んでいたと思うと、いっそう親しみをもって見れます。風景画の少ないピカソだから、これは特に1932年某月某日という日記になっていますね。
by TaekoLovesParis (2018-02-27 09:03)