ホキ美術館

千葉市のはずれ、昭和の森の隣にある「ホキ美術館」は、日本で初めての写実絵画専門の美術館。
医療用品の会社ホギメディカル社長の保木氏の美術館で、2010年に開館した。

現代的なコンクリートの建物で、森に面した側に嵌められたガラスには、昭和の森の大きな木々
が映るようになっている。（写真はチラシより）

＊以下、写真は全部、チラシからです。

現代の写実絵画の第一人者、森本草介。ホキ氏のコレクションのきっかけは森本の絵
だったので、作品がたくさん展示されている。
「アリエー川の流れ」2013年は、横が２ｍ近くある大きな絵

森本草介の裸婦は実に美しい。セピア色の画面が昇華されたような美しさを醸し出す。
「横になるポーズ」1998年

写実絵画は、細密画で、1枚の作品を描くのにとても時間がかかる。
実際に作品を見ると、写真からではわからない立体感や工夫がはっきり
わかり興味深い。

森本草介は数年前に亡くなったので、現在のリーダー格は野田弘志だろうか。
写真とは違う奥行きのある深い景色。
「摩周湖、夏天」　1999年

藤原秀一「宝筺院秋図」2011年
こちらも写真では表現できない光の当たり方が、景色に神秘性を添えている。

五味文彦「樹影が刻まれる時」2015年
強烈な光が一枚、一枚の葉を浮かび上がらせる。克明に描かれた葉。
この写真からは、伝わらないのが残念。

人物画もある。
小尾修「流」2016年
「鼻筋の横に光っているのは涙？」と友達がきいてきた。
涙にしては不自然、陰影効果があるようにつけられたもの。
この作家は、ほかの絵でもきらりと光る小さい真珠の粒の連続を目立たせたい
ところに入れていた。

面白い！カブトムシの標本。昆虫図鑑より精密に描かれているのでは？
島村信之「夢の箱」2017年

羽田裕「初秋の桜島」2017年
山裾の緑の木々の部分を強調するために金色の針金がはめられていた。

塩谷亮「月光」2017年
塩谷さんの人物画は美しく気品があるので、私は好きだが、これは、竹を描いた作品。
屏風を意識しているのだろう。月光というタイトルから、かぐや姫が浮かぶ。

チケットは、原雅幸の「ナローカナルのボート乗り場」2017年だった。

窓からメインの建物が見える部分には、板谷波山、富本憲吉の陶器も数点あった。
レストラン、カフェも併設されている。丁度お昼どきで、レストランが居心地良さそう
だったが、残念なことに「本日は予約で満席」と書かれていた。

写実画は、わかりやすいから、誰が見ても楽しめる。しかも、よく見ると実際の風景以上、
人物以上に描かれているので、「え～、こんなに、、」と引き込まれる。
東京から少し遠いけれど、おすすめの美術館です。

☆コザックさんがいらした時の記事です。建物の外観写真が３枚ありますし、
美術館全体についても的確な説明です。　

☆SORIさんがいらした時の記事です。大変、詳しく、書かれているので、
いらっしゃるかたの参考になると思います。

コメント 15

こんばんは。
私も好きな美術館です。東京からのアクセスは悪いけれど無理してでもいく価値を見出せる美術館ですよね☆
森本草介さんの画が多数ありますが、いくらでも観ていられる作品ですね。きれい～という言葉しかでてきません。
展示替えあったらまた行く予定です(^_-)-☆

by コザック (2018-05-04 01:43) 

TaekoLovesParisさん おはようございます。
私も2014年1月20日にホキ美術館に行きました。この時に初めて写実絵画を知りました。すごいの一言でした。すばらしかったです。
by SORI (2018-05-04 07:51) 

こんにちは。
外観からして素敵な美術館ですね。どれをみても写真と見まごうばかりの写実性ですね。私は「横になるポーズ」「夢の箱」（写真としか思えません）「月光」です。こういう写実絵画はどこかで1，2点はみたことがあるのですが、写実絵画専門の美術館というのは面白いと思いました。千葉県とは遠いですが、いつか行けたらいいなと思います。


by coco030705 (2018-05-04 09:15) 

コザックさん、いらした時の記事にリンクをつけさせていただきました。
何回かTVでとりあげられているのを見、さらにコザックさんの記事で読み、ぜひ行きたいと思っていたのが、ようやく実現です。車じゃないと面倒な場所ですよね。

by TaekoLovesParis (2018-05-04 09:36) 

SORIさん、いらした日にちを書いてくださったので、そちらの記事で検索しました。ホキ美術館の記事にリンクをつけさせていただきました。くわしい内容なので、私もじっくり読ませていただきました。
by TaekoLovesParis (2018-05-04 09:40) 

cocoさん、ここはちょっと辺鄙な場所なので、なかなか行かれなかったのですが、連休なので友達に車で連れてってもらいました。
見ごたえがありました。写実絵画は一見、写真のようだけど、奥が深いです。神秘的な感じが絵から感じられます。ここに展示されている作家たちの小さな作品を売っているコーナーがありましたが、１００万円以上していました。
by TaekoLovesParis (2018-05-04 09:46) 

ここはぼくも好きです。絵に描かれた対象物の存在感に圧倒されます。ここを訪れると写真はどうしていつも写実に勝てないんだろうと考えてしまいます。
by gillman (2018-05-04 10:10) 

gillmanさん、やはりここ、ご存知でしたか。
<絵に描かれた対象物の存在感> →　特に対象物が重厚になって古風な雰囲気を醸し出している静物画は、写真での表現は難しいなと思いましたが、「決定的瞬間」は写真の得意技ですね。
写真は写実を超えられない、絵の制作にかけている時間の多さでしょうね。
by TaekoLovesParis (2018-05-04 10:41) 

こんばんは
まだ、行ってません。超細密画は怖くて足が進みません。
そう言っても、そろそろ見ていないと？と、思っているんですが？
海も近いし、海なし埼玉からは夏がいいのかな？と考えています。

by 匁 (2018-05-05 20:09) 

５，６年前に行きました。細密画は昔から結構好きです。
by U3 (2018-05-06 05:53) 

新しい美術館なんですね。ホキ美術館初めて知りました。
写実絵画も素晴らしいですね。確かに写真みたいだけれど、写真以上に物の人の実際、本質を表せるのかもしれません。
日本にこんな美術館があるのはいいな。
カブトムシの標本、変わっていますよね、これも見てみたいです。
by moz (2018-05-06 11:50) 

こんな素敵な場所知りませんでした。
美術館も素敵ですが、予約で満席だった美術館内のレストランが気になっちゃいました。
確かにお食事も美味しそうですね。
ランチだけでなくディナーも充実なんてすごい。
by チョコローズ (2018-05-06 23:26) 

塩谷亮さんの描く人物画ってすごくリアルですよね＾＾。
スケッチツアーでオランダにも来られたことがあって・・・って、
お会いしたことはないんですが、ブログされてるので、それを拝見してたという・・・。
この竹の作品も緻密に描かれてそうですね。
by Inatimy (2018-05-08 06:41) 

千葉県はなかなか行く機会がありませんが
写実絵画専門というのが面白いですね。
光の描き方とか興味湧きますね。
by ふにゃいの (2018-05-12 21:43) 

「写実絵画」って、おもしろいですね。
本当に写真みたい＾＾
「樹影が刻まれる時」、陰影と光に引き込まれますね。

三渓園、ぜひいらしてくださいね～。
by 初夏（はつか） (2018-05-15 12:00)