印象派への旅 海運王の夢 [展覧会(西洋画)]
東京・渋谷Bunkamura ザ・ミュージアムで
「印象派への旅 海運王の夢」 バレル・コレクションを見た。
この展覧会は、福岡県立美術館からスタートしたので、それを見た友達Kuが、
「マネのバラとへブローのピンクのバラが良かった」と、2つの写真が載ったちらしと
手紙を送ってきた。
「行ったら、感想、ブログに書くから」と返事したけど、遅くなって。。
「印象派への旅 海運王の夢」 バレル・コレクションを見た。
この展覧会は、福岡県立美術館からスタートしたので、それを見た友達Kuが、
「マネのバラとへブローのピンクのバラが良かった」と、2つの写真が載ったちらしと
手紙を送ってきた。
「行ったら、感想、ブログに書くから」と返事したけど、遅くなって。。
産業革命の時代、スコットランドのグラスゴーで海運業で成功したバレルBurrell(1861〜1958)
がコレクションをグラスゴー市に寄贈。英国以外にコレクションを貸し出さないという条件つき
だったのだが、今回、改修工事のため、特別に日本にやってきた。
海運王オナシスは、マリア・カラスと別れた後、ケネディの未亡人オナシスと結婚し
話題になったが、海運で成功すると巨大な富を得るらしい。Burrell氏のコレクションは
西洋美術全般にわたる錚々たるものだが、今回は、印象派のみがやってきた。
有名な画家の良いものが一点づつ勢ぞろい。さらに仕事柄、海に関連する絵が多い。
0、ドガの「リハーサル」1874年頃 上のチラシに使われている絵。
リハーサル中の踊り子たち、衣装をつけて立ったままの踊り子の衣装を針を持ち繕う女性、
繕いの順番待ちの踊り子、指導の先生と、それぞれが異なる動き。練習場の風景の臨場感。
色彩も豊か。
1、ルノワール「画家の庭」1903年頃
まさにルノワール色
まさにルノワール色
2、セザンヌ 「倒れた果物籠」1877年
果物の絵は多いが、籠が倒れているのは、初めて見る。
果物の絵は多いが、籠が倒れているのは、初めて見る。
3、マネ「シャンパングラスの花」1882年
小さな作品なのだが、色彩がきれいで品がある。
小さな作品なのだが、色彩がきれいで品がある。
福岡展のチラシには写真があったのに、東京展のにはなかったのが、サミュレル・ジョン・ペプロー
の「バラ」。中国風の花瓶に入った何輪ものピンクのバラ、暗い背景で浮かび上がって見え美しい。
よく見ると、花瓶は後方にもうひとつあって、そこに入ってるバラもせりだし、全体で一塊のバラ
に見え豪華。ペプローはグラスゴー出身。
の「バラ」。中国風の花瓶に入った何輪ものピンクのバラ、暗い背景で浮かび上がって見え美しい。
よく見ると、花瓶は後方にもうひとつあって、そこに入ってるバラもせりだし、全体で一塊のバラ
に見え豪華。ペプローはグラスゴー出身。
同じくグラスゴーのジョゼフ・クロホールの「二輪馬車」は水彩画に見えない水彩画。
着飾った女性を乗せて止まった馬車を真横から描いていた。当時のグラスゴーの街は、
このような雰囲気だったのだろうか。
ヤーコブ・マリス 「ペットの羊」1871年
かわいいの一言!
ヤーコブ・マリスは、オランダのハーグで活動したハーグ派の人。
かわいいの一言!
ヤーコブ・マリスは、オランダのハーグで活動したハーグ派の人。
撮影可 ウィリアム・マクタガート 「海からの便り」1887年
浅瀬で子供たちが何かを採っている。この写真では小さくてわからないが、瓶と籠を
持った少女が、海の底をつついてる少年に話しかけている。何かとれたらしい。
マクタガートは、子供のいる海の絵をたくさん描いている。
浅瀬で子供たちが何かを採っている。この写真では小さくてわからないが、瓶と籠を
持った少女が、海の底をつついてる少年に話しかけている。何かとれたらしい。
マクタガートは、子供のいる海の絵をたくさん描いている。
マクタガートの「満潮」=誰もいない浜辺に押し寄せる波の絵もあった。
4、ブーダン「トゥルーヴィルの海岸の皇后ウジェニー」1863年
これはチラシの裏表紙に使われていた絵。
19世紀半ばには、パリから近いトゥルーヴィルは、保養地として人気があった。
当時流行の裾が広がったドレスの女性たちの中心にいる白いドレスの女性がナポレオン3世の
皇后ウジェニー。後景、海に近い所で水遊びをしている人々は、服装から庶民とわかる。
5.撮影可 ブーダン 「ドーヴィㇽ 波止場」1891年
小さい作品ながら、美しい。青空、白い綿雲、白い帆の船。
ノルマンディー地方の港町ドーヴィㇽは、保養地として貴族が訪れていた。
ブーダンは、ノルマンディー地方の港町ルアーブルで育ち、戸外での制作を若きモネに
教えた。
小さい作品ながら、美しい。青空、白い綿雲、白い帆の船。
ノルマンディー地方の港町ドーヴィㇽは、保養地として貴族が訪れていた。
ブーダンは、ノルマンディー地方の港町ルアーブルで育ち、戸外での制作を若きモネに
教えた。
6、撮影可 シダネル「月明かりの入江」1928年
街並み、バラの庭など、花の絵のイメージが強かったシダネルだが、海の絵も!
船だけが停泊する誰もいない静かな海。月明かりの色合いが象徴派的。
シダネルの「雪」、窓から見た白一色の世界もよかった。
7、撮影可 クールベ「マドモアゼル・オーヴ・ドゥ・ラ・オルド」1865年
めずらしいクールベの人物画
眼力の強い女性。日傘をさし、青いストライプの服、空の雲が夏を思わせる。
8、ゴッホ「画商アレクサンダー・リード」(写真なし)
画商アレクサンダー・リードは、バレル氏などスコットランドの美術愛好家に、
この時代のフランス絵画を紹介した人物。ゴッホの弟で画商のテオと親しかった。
画商アレクサンダー・リードは、バレル氏などスコットランドの美術愛好家に、
この時代のフランス絵画を紹介した人物。ゴッホの弟で画商のテオと親しかった。
3つの部屋に分かれていて、最後の部屋が撮影可です!
30日までと、あと3日しかありませんが、巨匠作品が多いので楽しいと思います。
こんばんは。
気になって行きたいと思っていたのですが、ついに最終週となってしまいましたか。うーん見に行きたいです。でも渋谷は苦手。
印象派のみの来日とのことですが、コレクションの趣向がなんとなくわかりますね(^_-)-☆
by コザック (2019-06-28 00:34)
チケットは持ってるんですが、まだ行けていません。明日明後日は混むんだろうなぁ・・・。金曜は夜開催があるので今晩って手もありなんですが、お天気どうなんだろう?(^^;。
で、「印象派のみが」って、また例に拠ってtaekoねーさんザックリと書いておられますが、これはもう性格が「大らか」なので仕方ない・・・(笑)。
展覧会には未だ行けてないのに、何故か図録がもう手元にあるので、それを眺めた「印象」でお話をさせて頂くと、「印象派はいつから印象派になったのか」ってのも、この展覧会のテーマの1つみたいで、印象派以前のリアリスムに分類される画家の作品(コロー、ドーミエ、クールベなど)やプレ印象派的なブーダン、僕は印象派じゃないよ!と最後まで言い張った(笑)マネ、当時のフランスのリアリスムに影響を受けたオランダやイギリスの画家たちの静物画・風景画が本展の中心の様に思います。セザンヌをどう見るかにも依りますが、「典型的」な印象派作品はドガとルノワールくらいでしょ。
僕の個人的な感覚では、バレルさんの出身もあって、同じbunkamuraで2005年に開催されたスコットランド国立美術館展と近いイメージに思えました。あの展覧会で知ったスコットランドの画家、アーサー・メルヴィルとウイリアム・マクタガートの水彩画がこの展覧会にも出展されているそうなので、残り3日だけど必ず観に行こうと思っています。
by yk2 (2019-06-28 07:29)
こんにちは。
いい作品がそろってますね。どれもこれも秀作だと思います。
私は、マネ「シャンパングラスの花」、マリス 「ペットの羊」(羊がペットだったんですね)、シダネル「月明かりの入江」が好みです。
シダネルは以前、京都伊勢丹の駅美術館で展覧会があって、その時好きになりました。
by coco030705 (2019-06-28 09:42)
nice&コメントありがとうございます。
▲コザックさん、「印象派への旅」というサブタイトルなので、印象派のみ、って書いたけど、印象派より、少し前と少し後も含んでいます。一緒に行った友達は、「知ってる名前の画家ばかり」と喜んでいました。一人1点か2点ずつの展示ですが、どの作品もとってもいいんですよ。ぜひ、ご覧になってほしいけど、渋谷が苦手なコザックさん、さらに雨の渋谷じゃ、ちょっとムリかな。
▲yk2さん、金曜日、台風の雨は早朝で終わったから、展覧会、ご覧になったことでしょう。図録が先に手に入った、、買ったと書いてないから、どこかから来たらしい。「読んでから見る」、それはいい方法。
<印象派はいつから印象派になったのか」ってのも、この展覧会のテーマの1つ> → そうだったのね! コローは新古典主義から写実主義なのに、と合点がいかなかったけど納得。「印象派への旅」って印象派へ行く道程ね。図録の解説は役に立ちます。買えばよかったわ。今回、スコットランドやオランダの知らない画家も多かったから、その人たちのことも知れるし。
海の絵が多かったから、晴れ晴れとした気持ちになりました。海で遊ぶ子供の絵、マクタガートのと、ブロンメルスの「浅瀬を歩く」を見た時に、私も
「スコットランド国立美術館展」を思い出しました。yk2さん、記事を書いてましたね。いま、読んでみたら、ざっくりじゃない、丁寧な記事でした。
これはもう性格が「きっちりと」(ほんとうか?笑)
▲cocoさん、どれも日本初来日です。シダネルの絵を見たとき、cocoさんが好きなシダネル、と思いました。撮影不可だったので、ここに載せてない「雪」、雪の静けさが伝わってくる、雪の粒を感じる素敵な絵でした。
静岡、広島の巡回で、大阪、京都、神戸がないんですね。
by TaekoLovesParis (2019-06-30 01:04)
ドガのこの絵が主役なんでしょうか?
電車などの広告でも門外不出? とかでしたよね。
今年はファム・ファタルの年だと思っていますが、印象派もやっぱりいいですよね b^^
上野の松方さんの派チケットを買ってあるので見に行きたいと思っています。 ^^
シダネル「月明かりの入江」良いな ^^v
by moz (2019-07-01 09:07)
mozさん、ドガのこの絵「リハーサル」が主役です。これは「踊り子」たちですが、対角線に人物が配置されている、日本の浮世絵に倣った構図で、珍しい作品なのだそうです。バレル氏はドガ作品を気に入っていて、20点も持っていたとのこと。シダネルのこの絵は、よく港を撮ってらっしゃるmozさんは、お好きだろうなと思いました。ずっと印象派を見続けると飽きるけど、たまに印象派をはさむと、ふるさとに帰ったうような懐かしさがあって落ち着きますね。
by TaekoLovesParis (2019-07-02 00:25)
是非観たいので滑り込みで間に合うかと思っているうちに終わってしまいました。w
by gillman (2019-07-02 20:06)
gillmanさん、会期の終わりが近づくにつれ、いろいろ用事が入ってきて、ということ、多いですね。有名な画家の作品でも、あまり興味をそそられないのもありますが、この展覧会は、良い作品ぞろいでした。
by TaekoLovesParis (2019-07-03 00:19)
マネのバラ、ぺプロ―のバラ、どちらも優しくて美しいですね。
あぁ、そして。
ドガの「リハーサル」、とても可愛いですね♡
by 初夏(はつか) (2019-07-04 13:23)
トゥルーヴィル、パリから近いとあったので地図で調べたら200km・・・。ノルマンディー地方のTrouville-sur-Merの事ですよね? 川を挟んでドーヴィルの向かいの。 当時の自動車でも最高50〜60km/hくらいだから、かなり時間かかりそう^^;。
紹介されてる絵画の中で一枚選ぶなら、シダネル「月明かりの入江」。
ちょっと緑がかったような様々なブルーの色調がなんとも言えず美しく。
月明かりの夜の色がこんな風に見えるなんて、シダネルってロマンチックだな。
そう言えばシダネルって、ノルマンディ地方にすごく近いジェルブロワにアトリエを
持ってましたね。パリからジェルブロワに寄って、それからドーヴィルの方に旅するのも
いいなぁ・・・と夢が膨らみます^^。
by Inatimy (2019-07-04 23:25)
初夏さん、バラは絵に描かれることが多いけれど、いつまでも印象に残るのは少ないです。これは2点一緒に覚えておけそうです。「リハーサル」は手前の人たちがなければ、いつものドガのバレエですが、この手前の人たちがいることで、絵全体の雰囲気が変わりますね。面白い絵だなって思いました。
by TaekoLovesParis (2019-07-06 11:39)
Inatimyさん、トゥルーヴィル、パリから近いと説明に書いてあったので、そのまま書きましたが、私もノルマンディだから、近い?とかすかな疑問でした。ブーダンはノルマンディのルアーブル在でモネを指導したのだし。
調べました。
1863年にパリからの鉄道が開通し、6時間で、ドーヴィㇽへ行けるようになり、駅の名前は、Trouville-sur-Mer、ここの領主が宮廷に影響力があったため貴族たちが保養に来るようになり、豪華なヴィラやホテルが建ったのだそうです。
ドーヴィㇽへは行ったことがありますが、今でこそ、高速を使って日帰りができますが、片道6時間列車に揺られ、昔はちょっとした旅でしたね。
シダネルはこういう靄がかった景色や花のある街路の絵が多いですね。象徴派の影響が入ってます。ジェルブロワは、シダネルの提案でバラがたくさん咲くバラの町ときいてるので、私も行ってみたい場所です。
by TaekoLovesParis (2019-07-06 12:01)