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「工藝2020」展(東京博物館) [展覧会(絵以外)]

上野のトーハクへ「工藝2020」展を見に行った。
コロナのために事前予約制とのことだったが、先週行った友達が、
「混んでないから、入り口で普通にチケットが買える」と言っていたので、
予約なしで行った。

工藝2020_ちらし表.jpg

トーハクの表慶館が会場。
天井が高く広いので照明が暗く感じる。
1階は重鎮の人たちのコーナーで、撮影可だが、こんな写真しか撮れない。


工藝_宮田.jpg


今日、11月3日、文化勲章を天皇陛下から頂いた人形作家「奥田小由女」の作品
「海から天空へ」。ブルーが美しい。人魚のような海の精だろうか。赤ん坊連れもいる。
この写真より、実物のほうがずっと美しく品がある。

工藝奥田人形.jpg

漆工の人間国宝「室瀬和美」の「柏葉蒔絵螺鈿六角合子」
金・銀・銅の柏葉。端正な美しさ。

室瀬_漆柏葉六角.jpg

戴金飾箱。戴金は、キリガネと読む。
江里朋子「静夜思」彩色した桐と桑の箱に金箔とプラチナ箔の細く切った線状のもの
を貼ったもの。精密な作業。

工藝_キリガネ.jpg

こちらは大胆な色使い、構図の戴金。
月岡裕二「切金砂子彩箔「凛」、彩色した箔を細かい粉(砂子)にして貼っている。

工藝オキーフ.jpg


漆工の伊藤裕司「赤富士」色漆に金箔、蒔絵。
写真ではわからないが、絵と違って厚みがある。

赤富士.jpg


今泉今右衛門の「色絵雪花薄墨墨はじき雪松文蓋付瓶」
工藝 今右衛門.jpg


陶芸は、今右衛門、樂直入、三輪休雪、備前、などの伝統的なものに他に、
形、柄が楽しい個人作家のものも数点あり、面白かった。
染色の着物や布地にも、美しさに見入るものがいくつもあり、感心する。
日本の伝統工芸の精密さ、美しさ、素晴らしさが伝わってくる良い展覧会だった。



外に出たら、5時だったが、薄暗くなり博物館のライトアップが始まった。

工藝展博物館.jpg


暗くなったので、夜ご飯はどこで食べようかということになり、上野なのでトンカツ。
「ぽん多」へ行った。何十年かぶりなので、場所が不確かでGoogleMapのお世話になる。
メニューは、「あなごフライ、イカフライ、、、トンカツ」と5種類。
友だちが、「ほんとにここ?」「何で?」「トンカツ屋なのに、トンカツが1種類だから」
白っぽい仕上がりで軽く、柔らかさ、この上なし。
もちろん、美味しかったです。


工藝_ぽんた.jpg



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ふにゃいの

海から天空へ、ほんとブルーがステキですね。
お顔立ちもきれいです。
衣が白っぽいとんかつ、好きです。
by ふにゃいの (2020-11-03 17:35) 

Inatimy

工藝の展示、面白そうです。サイト覗いてきました。伝統的な手法をベースに新しい試みや現代的なデザインも加わってとっても新鮮。
「柏葉蒔絵螺鈿六角合子」は柏の葉っぱの形がオシャレです。重なり具合もよく。
カラーを象った切金砂子彩箔「凛」も上品で。細やかな線で浮かび上がってくるような。
「色絵雪花薄墨墨はじき雪松文蓋付瓶」もシブい色だけで作られた雪のある世界がたまりません、松の色が映えますね。
と書いてて、植物をモチーフにしたものって私、好みのようです^^。
by Inatimy (2020-11-03 21:44) 

TaekoLovesParis

ふにゃいのさん、人形作家の奥田小由女さんは83才だそうですが、TVのニュースで見たら、お綺麗なかたでした。若い感性の作品ですよね。色が素敵で、造形は、たおやかで、天女を思わせる雰囲気、実物はもっと綺麗でした。
by TaekoLovesParis (2020-11-04 23:12) 

TaekoLovesParis

Inatimyさん、1時間で簡単に見れるかな、と思ったのですが、どれも、じっくり見せるものばかりでした。先日のパナソニックの工芸の展覧会より、漆、染色、切りがね、戴金、木彫、陶器などなど、幅広い分野で素晴らしかったです。
「柏葉蒔絵螺鈿六角合子」は、品よく、落ち着いた豪華な作品でした。蒔絵で螺鈿、素晴らしいです。カラーを象った切金砂子彩箔「凛」は、ジョージア・オキーフの絵のよう、それをキリガネの砂子で表現、そばで見ると、金の砂子がキラキラ輝いてとても綺麗でした。
「色絵雪花薄墨墨はじき雪松文蓋付瓶」は、薄墨色とこの緑、白、という3色が織りなす松模様が計算されつくした,、非の打ちどころがない美だと思いました。
植物模様は、昔から工芸には多く使われますね。日常、見慣れている植物が模様になっているのを見ると、落ち着きますよね。
by TaekoLovesParis (2020-11-04 23:30) 

moz

コロナ下でも、ちゃんとアート生活を送られているんですね。流石TaekoLoveaParisさんです ^^v
海外からの作品が少ない今でこそ、日本のアート、工芸品を愛でるのはいい時なのかもしれませんね。見せて頂いて結構な粒ぞろいの作品だと思いました。
「海から天空へ」、「凛」いいな。
しめは、トンカツ!! お供はキリンラガーっていうところも、グッときました!!
独特のトンカツで美味しそう。今度行ってみますね ^^
by moz (2020-11-05 13:58) 

匁

みんな凄い一品ですね。
今回、中止にならず開かれたんですね。
by (2020-11-05 21:27) 

yk2

ほんと、taekoねーさんはアート生活続けておられますね。僕なんか今年は1月に西洋美術館と横浜美術館にそれぞれ1度行ったきり。どうしても観たい展覧会があるのなら、電車の混雑を避けていっそクルマで行こうかしらん・・・などとも考えるけど、上野辺りの駐車場事情を考えると、結局何だかそれも億劫になってしまって。

現代工芸を観る機会って、僕にはこれまであんまり無くって、竹橋の近代美術館工芸館に立ち寄った折、目にするくらいでした。その工芸館が石川県に移設されちゃったので、あちらに行かないと今後は観るチャンスも少なくなっちゃうのかななんて思ってたんですが、そうかトーハクの表慶館かぁ。室瀬和美さんの『柏葉蒔絵螺鈿六角合子』を観てから常設にも立ち寄れば、その日の展示品にも依るけど、安土桃山の名品や光琳の蒔絵箱なんかと500年の時系列で見較べる、なんてことも出来ちゃうわけですね。なんて素敵!(^^。
by yk2 (2020-11-06 07:54) 

coco030705

こんばんは。
どれもこれも、ステキな作品ですが、私は「切金砂子彩箔「凛」に惹かれます。
ものすごく細かい作業なんですね、気が遠くなるような。
トンカツ美味しそうですね。食べたいです。
by coco030705 (2020-11-07 22:48) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます。
▲mozさん、コロナ自粛で、レストランへは行くのが恐々ですが、美術館は、予約制なので、私が行ったところは、どこもすいてました。渋谷のBunkamuraミュージアムでも、話し声ひとつしない状態なので、私の友だちが、いつものように小声で話しかけてきた途端に係の人が来て、「お静かに願います」と注意されました。
工芸品は、細工が細かいので、丁寧な仕事に見入ってしまいます。見終わったときは、日本人であることを誇らしく思いました。
この店は明治時代の創業でトンカツ発祥の店す。創業者がウィンナ・シュニッツエルを真似て作ったとのこと。ご飯またはビールと一緒で3500円くらいですが、おいしいです!

▲匁さん、どれも、素晴らしいの一言です。足を止めて見入る作品ばかりで、思いのほか、見るのに時間がかかりました。
日展も六本木の国立新美術館で開催中です。匁さんが大きな作品で入選なさったのは、もう何年前かになりますね。

▲yk2さん、展覧会の再開以来、細々ながら行きました。大掛かりな是非見たいというものは今の所ないので、心穏やかです。上野は公園口前広場の改良工事で、駅の横にあった駐車場がなくなり、ちょっと遠い京成駐車場しかないです。
もともと工藝を見るのは、好きだったけれど、「明治時代の超絶技巧展」や「柴田是新展」で、見る範囲が広がり、目を覚まされた気がしました。やはり蒔絵に眼を奪われます。なるほど~時間に余裕を持って行けば、常設展の展示と見比べることができますね。で、常設の展示には、どんなのがあったっけ?とyk2さんのサイトのトーハクお花見記事を見てきました。いつ見ても名品は素晴らしいですね。

▲cocoさん、「凛」は、モダンで明快な絵が下地。テンペラ画の石膏技法で花の部分が盛り上がってます。立体的なのです。そして金の砂子でキラキラ光る、、じっと見てると、作者は、どんな人なのかしら、と思う時があります。月岡裕二さんはお父様もおじい様も代々、有名な砂子師です。
by TaekoLovesParis (2020-11-08 22:11) 

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