東京近代美術館で好きな作品 [展覧会(日本の絵)]
東京・皇居東御苑のそば、竹橋にある「近代美術館」は、今、予約制となっているが、
私が行った平日は、すいていて、予約なしで入れた。
「眠り」という企画展を開催していたが、私は時間もなかったので、常設コレクションだけを見た。
常設コレクションは、「撮影禁止」と書いてあるもの以外は撮影可。
季節に合わせて入れ替えがあるので、初めて見る作品がいくつもあった。
私が行った平日は、すいていて、予約なしで入れた。
「眠り」という企画展を開催していたが、私は時間もなかったので、常設コレクションだけを見た。
常設コレクションは、「撮影禁止」と書いてあるもの以外は撮影可。
季節に合わせて入れ替えがあるので、初めて見る作品がいくつもあった。
小杉放菴 「椿」みごとに咲き誇っている椿の横にな伸びた枝ぶり。
一匹の猫がアクセントになっている。
一匹の猫がアクセントになっている。
左:速水御舟「丘の並木」1922年
風景を描いているが、絵の構造としては、ただ樹木を並べた静物画のようでもあるので、
神秘的な雰囲気を醸し出している。
右:小林古径「りんご」1942年
リンゴが3つ。色も置かれかたもさまざまで三種三様。
桃のようなリンゴ、黒いリンゴ、梅の実のようなリンゴ、着想が面白い。
しかも古径なので、リンゴは端正に描かれている。
風景を描いているが、絵の構造としては、ただ樹木を並べた静物画のようでもあるので、
神秘的な雰囲気を醸し出している。
右:小林古径「りんご」1942年
リンゴが3つ。色も置かれかたもさまざまで三種三様。
桃のようなリンゴ、黒いリンゴ、梅の実のようなリンゴ、着想が面白い。
しかも古径なので、リンゴは端正に描かれている。
藤島武二「アルティショ」1906年
アルティショは、アーティチョークのこと。
絵の中に黄色い本を描くのはゴッホがしばしば行っていた。ゴッホは自分が好きな
作家の本のタイトルを書いたのだが、藤島は自分のサインを書き込んでいる。
アルティショは、アーティチョークのこと。
絵の中に黄色い本を描くのはゴッホがしばしば行っていた。ゴッホは自分が好きな
作家の本のタイトルを書いたのだが、藤島は自分のサインを書き込んでいる。
向井潤吉「ダリア」1919年
藁ぶき屋根の家をたくさん描いている向井潤吉にしては、珍しい花の絵。
藁ぶき屋根の家をたくさん描いている向井潤吉にしては、珍しい花の絵。
梅原龍三郎「薔薇図」1940年
梅原は晩年のルノワールに学び、大きな影響を受けた。
ルノワール風の色彩の薔薇の絵。
須田国太郎「書斎」1937年
花瓶に活けた花は、外からの光で形が判別できない。「書斎」というタイトルから
わかるように花の横には本が積まれ、その向こうに画家本人のシルエットが浮かぶ。
須田は、京大で美学や美術史を教える研究者でもあったので、自分らしさを表す書斎を
このように描いた。
花瓶に活けた花は、外からの光で形が判別できない。「書斎」というタイトルから
わかるように花の横には本が積まれ、その向こうに画家本人のシルエットが浮かぶ。
須田は、京大で美学や美術史を教える研究者でもあったので、自分らしさを表す書斎を
このように描いた。
坂本繁二郎「水より上がる馬」1937年
坂本の作品は、このブルーと茶色の淡い色彩で表されることが多いので、
見たとたん、「坂本繁二郎」と思った。
坂本の作品は、このブルーと茶色の淡い色彩で表されることが多いので、
見たとたん、「坂本繁二郎」と思った。
坂本の馬の絵の隣にあったのが、この馬の絵。
作者の名前、初めて聞いた名前で、覚えることができなかった。
*これを読んだ友達が、さきほど、「あいみつ」と教えてくれました。
靉光(あいみつ)1907年~46年 「馬」1936年 目が光っているのが見えますか?
他の作品「目のある風景」や「鳥」でも、目に特徴があった。
フジタ「争闘」1940年
タイトル通り争う猫、体当たりで宙に舞うものまでいて、顔つきも怖い。
全部で15匹? 修復が済んでの展示と書いてあった。
タイトル通り争う猫、体当たりで宙に舞うものまでいて、顔つきも怖い。
全部で15匹? 修復が済んでの展示と書いてあった。
猫と椿、キレイですね~。
生で観たら、きっと素敵だろうな~!
by angie17 (2021-02-04 15:10)
訪問いただき、ありがとうございます。
撮影が可能なものがあるとは驚きです!
by an-kazu (2021-02-05 07:42)
椿はとてもきれいですね。
ニャンコかわいいし。
りんごがやはり面白いし
なんとなく色合いが好きです。
by ふにゃいの (2021-02-05 22:51)
放菴の『椿』を初めて観たときは吃驚しました。「えっ!、この時代の日本にアメショーってもういたの?」って(^^。
植物の描写が写実的で、尚且つ猫が銀色(=月を連想・・・笑)だからかなぁ、それだけで、なんとなくこの屏風画は抱一の系譜にある様に僕には見えちゃってるんですよね~(^^;。
放菴は牛の絵も結構描いているので、この年末年始は年賀状やブログのご挨拶用画像に使える絵がないかと、数年前に没後50年で開催された展覧会(於:出光美術館)の図録をよく見てました。放菴と名乗った時代の日本画も悪くないですけど、僕は洋画家だった未醒時代の作品がより一層好きだなぁ。東京国立近代美術館の常設に行って、その日に彼の『水郷』がもし展示されてなかったとしたら、かなりガッカリしちゃいますものね(^^。
by yk2 (2021-02-05 23:40)
こんばんは。
一枚目の猫と椿の取り合わせ、いいですね。椿が美しいです。トラ猫はおとなしそうですね。
掛け軸2枚も美しいです。表装というのでしょうか、それが絵を引き立てているなと思います。
ゴッホが黄色い本を自作の中に?!知りませんでした。今度よくゴッホの絵を眺めてみます。
お花の絵「ダリア」も「薔薇図」もいいですね。須田国太郎の「書斎」は好きな絵です。
坂本繁二郎の絵はこの色彩が特徴的ですね。きれいだと思います。
フジタの「闘争」は何度か見たことがあります。本物の猫のけんかもジャンプ力がすごくて、すさまじいですから、けっこうリアルな絵かもしれませんね。
by coco030705 (2021-02-05 23:53)
nice&コメントありがとうございます。
▲angieさん、今はちょうど椿の季節なので、「ここにも椿が」という感じで、ショーケースに近寄りました。咲き始めの白木蓮との取り合わせで絵に品格がでている気がしました。猫が、花には無関心という表情なので面白かったです。屏風なので、実物は大きいから、細かいところまで見れて楽しかったです。
▲an-kazuさん、戦闘機格納の遺構が気になったので、過去記事も読ませていただきました。こういうものは、歴史のひとつとして残しておいたほうが良いですね。
▲ふにゃいのさん、椿の季節なので、目も椿に吸い寄せられました。猫が椿には眼もくれず、自分本位なのが猫らしくて面白いです。リンゴも色が変わっているけれど、椿同様、日本画なので筆のタッチが繊細で、見ていると、しみじみとした良さを感じました。
by TaekoLovesParis (2021-02-06 18:53)
「椿」素敵ですね、私もyk2さん同様アメショーにびっくりでした。
ちょっと首が長い気もするけど。
銀地に黒の模様のアメショーを持ってくることで、椿の赤が目立ちますよね。
白い花の方はモクレンかな。
藤島武二「アルティショ」は、濃厚な色。
アーティチョークの花ってもう少し淡い紫だったような気がしますが、
クロスに負けないしっかりとした色調ですね。
その花の色に補色の黄色い本を持ってくるところ、映えますね。
梅原龍三郎「薔薇図」色はルノワールっぽいけど花の描き方など
雰囲気がアンリ・マティスの描く花っぽい感じもして面白く^^。
by Inatimy (2021-02-07 00:36)
いなちゃんに横レスすみません(^^ゞ
>ちょっと首が長い気もするけど。
現実よりもさらにこのネコのフォルムの優美さを強調するために、アングルの『グランド・オダリスク』に倣って、意図的に頸骨2、3個増やしてます(うそ^^;)。
by yk2 (2021-02-07 09:26)
yk2さん、「椿」の制作年を書き忘れてました。1937年。56才の時の作品です。アメショーは戦前にはいなかったのでは、と私も思ったので、調べてみたけど、Wikiに「1990年代後半ごろより流行しはじめ」と書いてあるだけで、日本上陸がいつなのかはわかりませんでした。
<抱一の系譜>と言われて浮かぶ花の屏風は「燕子花図屏風」。燕子花の葉先で横に広がっているものが、椿の枝の横への広がりに重なって見え、燕子花の間に見える白い花が、ここでの白木蓮。蜻蛉が猫はちょっと無理があるかな。
斜め横へと流れる椿の花の配置は、鈴木其一の「朝顔図」ですか、ね。
放菴の『水郷』、知らなったので、検索して見ました。シャヴァンヌの「貧しき漁夫」の構図。白鳥、鴨、あひる?など水辺の鳥が生き生きと描かれてますね。洋画家でシャヴァンヌに傾倒していた時代もあったとは。。出光での回顧展、見たかったです。文部省買い上げだから今は近美の所蔵品なんですね。
by TaekoLovesParis (2021-02-07 12:29)
cocoさん、ゴッホが作品の中に黄色い本を描いているのは、「石膏のある静物」で、本は2冊。一冊はモーパッサンの「ベラミ」Bel-Amiで、テオへの手紙にも「ベラミ」のことが書かれているそうです。
須田国太郎の「書斎」は、初めて見る作品でした。「犬」が有名ですよね。遠くの人家を背景に暗闇の中に立つ犬。シルエットのように浮かぶ。不思議な絵です。
花の絵は好きなので、和みます。
by TaekoLovesParis (2021-02-07 13:11)
Inatimyさん、猫の首に関しては、yk2さんがお答えくださってるので(笑)
猫が絵の中でいい感じにアクセントになってるのは、屏風では、速水御舟の「翠苔緑芝」の黒猫が浮かびます。
藤島武二の「アルティショ」、実際、かなり暗い画面です。ほんとのアーティチョークはもっと綺麗な薄紫ですものね。藤島武二は特定の誰かというより、いろいろな画法をとりいれているので、これも、セザンヌっぽかったり、ゴッホぽかったり、、という気がしました。たしかにこのテーブルクロスは印象的ですね。これも次のダリアもクロスに皺を寄せている辺りがセザンヌの影響でしょうか。
梅原の「薔薇図」はルノワールより明るい色彩で、Inatimyさんがおっしゃるように薔薇の花がマティスっぽいですね。
東京近代美術館は、所蔵作品が多いので、常設展は季節に合わせて展示をしているようです。
by TaekoLovesParis (2021-02-07 13:26)
yk2さん、見事な解説に感謝します^^。なるほど。
アングルの絵画「アクロンに勝利したロムルス」では馬の首が短いような気がするけれど、
あれは頚椎2、3個減らしてるんですね〜。
Taekoさん、速水御舟の「翠苔緑芝」画像検索で見てみました。
すっきりした空間の美ですね。
黒猫というと、菱田春草の「黒き猫」もなかなかの可愛さです^^。
by Inatimy (2021-02-07 21:55)
Inatimyさん、菱田春草の「黒き猫」、記事にしてないけれど、近代美術館の「菱田春草展」2014年で見ました。柏の葉?の黄色を背景にして、黒猫のふわっとした毛並みの表現がすばらしいですね。「柿に猫」という作品でも、黒猫がぴょんとはねて、こちらへ向かってくるポーズが愛らしいんです。春草は36才で亡くなって、、残念です。
by TaekoLovesParis (2021-02-09 00:37)