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怒れるオルランド [オペラ、コンサート、バレエ]

バロック音楽の代表格であるヴィヴァルディ作曲のオペラ。
イタリアのオペラは、ヴェルディ、プッチーニ作品の上演が多く、次いで
ロッシーニ、ドニゼッティだと思う。
ヴィヴァルディは「四季」が有名で、ヴァイオリン協奏曲は私も小学生の時、
練習した懐かしい曲だが、オペラを作曲しているとは知らなかった。
ヴィヴァルディオペラの上演は、日本でなかったと思うが、今回、DVDで
見て、華やかな舞台で面白かったので簡単にご紹介。

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幕が開くと、弦楽四重奏楽団で20~30人編成。中央にチェンバロ。指揮者が
これを弾きながら棒をふる。
幕が開くと、左手にオルランドの姿が見え、右手には、ターバンを巻いたインドの
衣装の召使たち。船を漕ぎ、帆を巻き、大慌て、一斉に海に飛び込む。難破か。
舞台中央が明るく照らし出されると、洞穴のような宮殿に魔女が召使にかしずかれている。
Orlando.jpg
魔女は、恋人メドーロが行方不明と泣いているインドの王女アンジェリカを慰めている。
勇敢な騎士オルランドは、アンジェリカに一目惚れ。強引に愛を迫る。そんな折、
難破船から命からがら脱出したメドーロが倒れているのをアンジェリカが見つけ、
熱い抱擁を。そこにオルランドが現れたので、アンジェリカは「彼は弟」と言い、
メドーロを逃がす。そして、オルランドに、「私たちの愛のために、『若返りの水』
が欲しいわ。怪物が番をしているけど」と頼み、出かけたオルランドを魔女の采配で
石牢に閉じ込め、その間にメドーロと結婚式を挙げ、2人の名を木に刻む。
白い馬に乗り天から降りてきた騎士ルッジェーロに一目惚れした魔女は、魔力で
彼を虜にする。恋人ブラダマンテは2人の様子を見て絶望。しかし、オルランドの仲間
が、魔女の魔力を解いたので、ルッジェーロは恋人の元に戻り、オルランドは石牢から
脱出。しかし、アンジェリカとメドーロの結婚の署名が刻まれた木を見て、絶望する。

@出演:
Orlando  Sonia Prina
Angelica     Michela Antenuellicci
Aliciana      Lucia Cirillo
Bradamante    Loriana Castellano
Medoro           Konstantin Derri
Ruggiero         Luigi Schifano

オルランド役は、メゾの女性。勇敢な騎士という役柄を無骨な騎士と表現し、
上手かった。特に歌の朗々たる響きが耳に残る。
騎士ルッジェーロもメドーロも、カウンターテナー。
カウンターテナーの高い声にに初めは驚いたが、馴染んでくると心地良い。
特に一幕終わりの方のメドーロの心がにじみ出るアリアがよかった。
主役はオルランドだが、魔女アルチーナの出番が多くアリアも突出して多かった。
すてきだったのは、騎士ルッジェーロ役のルイジ・スキファーノ。
彼のサイトで、このオペラの一部分が見れます。



Luigi Schifano

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yk2

この作品にはアングルらの画から、その画題に興味があるので見てみたいと思ってますが、オペラは僕にはどうも依然として敷居が高くって(^^;。

オルランド役が男性じゃなく女性が歌うことが通例になってるそうですけど、何か理由が有るんですかね?。イギリスの女流作家バージニア・ウルフが同じタイトル名で小説を書いていて、そちらは映画(僕はDVDで見ました)にもなっているし、つい先日NHKのBSでオペラ化されたプログラムも放映されてましたが、主人公のオルランドは当初男性なのに、永久の若さと不死を与えられ、長き眠りの後に目覚めると女性に変身しているファンタジー。映画の主演も始めから女性( ティルダ・スウィントン)が男性役をこなし、ジェンダーの超越みたいなものがテーマ。この『狂えるオルランド』と両方を見たら、そこから何か解る事があるのかしらん?。
by yk2 (2022-06-04 09:44) 

TaekoLovesParis

yk2さん、書き忘れてました。「オルランド」のもとになってるのは、イタリア人ルドヴィーコ・アリオストの叙事詩「狂気のオルランド」。長編なので、いろいろな部分を取り上げて、オペラ化されたそうです。テーマは、オルランドのアンジェリカへの恋と狂気。そこにもう一組、ブラダマンテとルッジェーロの恋愛も加わり、すべてを采配する魔女がいるというストーリーです。作者アリオストがしっかり時代考証をしてなかったので、荒唐無稽な部分も多々あり、それがファンタジーで面白くなったそうです。

オペラのストーリーからすると、アングルの「アンジェリカを救うルッジェーロ」は、組み合わせが違う。オペラの物語以前に、ルッジェーロはこういう勇敢なことをしたのかも。ルッジェーロの恋人ブラダマンテは勇敢なフランス女性。騎士の格好で登場。そして恋人の心変わりにも耐え愛の力で勝つという役柄。ブラダマンテとルッジェーロのカップルがエステ家の創始者と言われてます。

私も女性がオルランド役を歌うのはなぜかわからないけど、それに加え、主役の男性2人がカウンターテナーなのはもっと疑問。バージニア・ウルフの小説では、オルランドは長い眠りから覚めると女性に、、トランスジェンダーですね。調べたら、そのオペラは、ウィーン国立歌劇場で上演され、川久保玲が衣装を手掛け、評判になったとのこと。映画にもなってるなら、これは探せば見れそうです。
by TaekoLovesParis (2022-06-04 10:59) 

ナツパパ

ヴィヴァルディの音楽は愉しくて派手ですものねえ。
いかにもイタリア風...きっとオペラも愉しい音楽なのでしょうね。
聞いてみたいなあ見てみたい...ワグナーよりかは好きになりそう(笑)
by ナツパパ (2022-06-05 09:23) 

coco030705

こんばんは。
このオペラ面白そうですね。衣装がとても素敵です。

私も映画で見たような気がしたので、映画.comで調べてみました。
とても荒唐無稽なストーリーなのですが、かなり面白そうです。
DVDがあったら、観てみたいと思います。映画.comのあらすじを添付しますので、お時間のある時にご覧いただけたらと思います。
「怒れるオルランド」あらすじ
青年たちが女性的な装いを好んだ一六世紀末エリザベス一世(クェンティン・クリスプ)の治下、晩餐の宴で青年貴族オルランド(ティルダ・スウィントン)は女王に詩を捧げた。女王はオルランドの若さを愛し「決して老いてはならぬ」という条件つきで屋敷を与えた。まもなく女王は崩御、次いで父親も亡くなり、オルランドはユーフロジニと婚約する。大寒波で氷の都となったロンドンで、新国王ジェームズ一世に挨拶するロシア大使一行の中に美少女サーシャ(シャルロット・ヴァランドレイ)を見たオルランドは、ひと目でとりことなり愛を誓う。二人はロンドン橋の上で落ち合い旅立つ約束をするが、サーシャは現れず、失恋したオルランドは六日間昏睡状態に陥る。眠りから覚めたオルランドは詩作に没頭するが、尊敬する詩人(ヒースコート・ウィリアムス)から罵倒され詩作も断念し、オレンジ公ウィリアムに申し立てオリエントの国へ大使として旅立つ。十年の月日がたちオリエントになじんだオルランドにアン王女からバース勲位が授けられた。授勲式の夜、親しい王(ロテール・ブリュトー)が敵国の急襲を受け、戦いになった。敵兵が死んでゆくのを見たオルランドはショックのあまり二度目の昏睡に陥る。二日目に目覚めた時、オルランドは女になっていた。イギリスに戻り貴婦人として社交界にデビューしたオルランドはハリー大公のプロポーズを断る。「自然よ、私をあなたの花嫁にして」と大地に向かってオルランドがつぶやいた時、突然馬にまたがったひとりの男が現われた。アメリカ人の冒険家シェルマディン(ビリー・ゼイン)とオルランドは恋に落ち、甘美な一夜を過ごす。翌朝、ヴィクトリア女王の使者が「男子を産まねば財産は没収する」という通達を持ってきた。旅立つシェルマディンを見送ったオルランドはやがて身重の体で戦場を逃げまどう。時は移り、現代のロンドン。オルランドは出版社に原稿を持ち込む。そして幼い娘をサイドカーに乗せ、百年前に失った屋敷を観光客として訪れ、自分の肖像画を見るのだった。(終) 
by coco030705 (2022-06-05 23:06) 

TaekoLovesParis

ナツパパさん、その通りです、ヴィヴァルディの曲、弦がシャカシャカと鳴り響いてました。バロック音楽と舞台装置で、あっという間に、古い時代にいざなわれます。ワーグナーの重厚・壮大さとは違いますね。ワーグナーのオペラの時はお客様に男性が多いです。
by TaekoLovesParis (2022-06-09 16:31) 

TaekoLovesParis

cocoさん、「オルランド」という映画があるとは知りませんでした。
あらすじを読むと、時代はエリザベス1世統治下の英国になってるんですね。オルランドは惚れっぽいし、恋が上手く行かないと昏睡状態に(笑)。さらに最後は現代のロンドンに出現。かなりドタバタで時代がとぶから、舞台装置に苦労するオペラより映画の方が合ってますね。ティルダ・スウィントンは、「サスペリア」で、準主役のダンス教師、インパクトの強い役、さらに老医師(男)も特殊メイクでこなすという離れ業、男女両方を演じた女優なので、オルランドにはぴったりなのでしょうね。私も見てみたいです。

映画「オルランド」はヴァージニア・ウルフの原作で、オペラにもなっていますが、「怒れるオルランド」とは別物みたいです。
by TaekoLovesParis (2022-06-09 16:58) 

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