パリ、2023年3月

フランス人のご主人を亡くした親友Eを慰めに行ったのは２月のパリ旅だった。
コロナの２年間、フランスでも病院のベッド不足のため、「自宅入院」。つまり
家での治療。毎日、看護婦さんが来て、週に一度、お医者さんが来る。
Eと電話で話し容体を聞くたびに、「なおるのだろうか？」と悪い予感がしていた。
献身的な看病の２年間、ご主人に寄り添っていただけの生活。亡くなった後は、
家に引きこもり、週に一度、ご主人の後輩ALが来てくれて一緒に夜ごはんという
暮らしだったので、足が弱り、私が行った時は300ｍ歩いては休む、だった。
だから、「3月にまた来るから、ちゃんと歩けるようにしておいてね。ラジオ体操も
毎日してね」と約束して別れた。

今までAFの飛行機代は、繁忙期を除けばビジネスでも40万円くらいだった。
それが、2月の時はビジネスが60万だったので、20万円のエコノミーにした。
今回は、春休みのせいかエコノミーでも73万と出たので、JALのサイトを見たら、
フィンランド航空との提携で40万円ちょっと。サーチャージが13万くらいらしい。
初めてのフィンエアだったが、シンプルで明るい機内。ヘルシンキまで13時間半。
乗り換えでパリまで3時間10分。乗り換え待ち時間2時間。ふ～。

セーヌ川クルーズ（遊覧船）
たくさん歩けないEだが、遊覧船なら座っていればよいので、乗ることにした。
「2003年、記録に残る暑い夏、N嬢も一緒にこれに乗ったけど、暑かったわね」
そうそう、川下りなら少しは涼しいかと涼を求めて乗ったが、夕方でも陽が長い
パリ、半端なく暑かったこと思い出す。
この日は曇り空。
セーヌ川クルーズは、いくつもの橋の下を通り抜けて、川岸に見える名所を放送で
案内する。6か国語で言うので、時々、日本語が聞こえる。

ノートルダム寺院。

焼けたのでは？　表は無事だったけど、中がほとんど焼けたので、裏側に回ると
修復工事中。大がかりな工事。

セーヌ川最古の橋だけど、名前は「ポン・ヌフ」（新しい橋）
橋の装飾が美しい。

パリで一番美しい橋。アレクサンドル3世橋。1900年の万博の時、ロシアの
アレクサンドル3世から寄贈されたもの。後方に見える建物は、万博会場だった
グランパレとプチパレ。金ピカのアールヌーヴォー建築。

ASSEMBLEE NATIONALE フランスの国会の下院（衆議院に相当）
元はルイ14世の庶子のブルボン宮殿。ギリシア風コリント式の列柱は、
マドレーヌ寺院と対応するよう後にナポレオンが付け加えた。

セーヌ川を挟んで、ASSEMBLEE NATIONALEの対岸は、コンコルド広場。
金色のオベリスクが木の間越しに見える。

次に、オルセー美術館が見え（写真なし）、さらにすすむと、

丸いドーム屋根の建物は、フランス学士院。
（同じく丸いドームのアンヴァリッドと間違えたので、Inatimyさんに教えていただきました）

折り返し地点のエッフェル等が見えてきた。

エッフェル塔手前の金色の玉ねぎ坊主は、2016年竣工のロシア正教会。

夕食
クルーズのあとは、タクシーで帰り、Eが用意してくれた夕食。
まずは、シャンパン。「カシスを入れてキールロワイヤルにしましょ。」

「あなたが好きそうなのを買ってきたわ」とハムやパテ。

デモとストライキ
行く前に、Eから「大きなデモとストがあるけど、あなたの来る日じゃなくて
よかった」と電話があった。パリでは、デモは届け出制なので、いつあるのか、
どこを通るのかがわかるようになっている。
行った翌々日は、デモの日だったので、家のTVで様子を見ていた。今、〇〇通りを
通りました」「今はオペラ座の所です」「警察・軍の機動隊と激しいもみ合いです」
「警官側の400人以上が負傷しました」

翌日、サンジェルマン・デプレのチョコレート屋・パトリック・ロジェへ行こうと
歩いていたら、ゴミが燃やされたあとがあり、まだ、焦げ臭いにおいがしていた。
デモの過激派は、路上に積まれたごみに火をつけたりする。
ストの影響で、ゴミ収集車が来ないので、ゴミが山と積まれているのだ。

日本では、桜がもう満開かしら、と思って歩いていると、桜の木が1本あった。
時々、一本の桜を見ることはあるが、並木は見かけない。

今回は、列車でレンヌに行き、美術館を見て観光をし、知り合いのご夫婦と夕食。
一泊して、ブルーノ･ル･デルフのチョコとガレットを買って帰る予定だった。
列車、ホテルを予約していたが、ストで列車がキャンセル。無償でほかの日に
「振り替えますと」メールが来たが、翌日もスト。その翌日は満席。
バスで行こうとチケットを予約したが、列車は所要時間が2時間だがバスは4時間半。
レンヌの知り合い（日本人）に連絡をして、また別の機会に、ということにした。

英国王チャールズ3世の最初の訪問国がフランスというので、話題だったが、
デモが過熱しているので、マクロン大統領と話し合いの結果、取りやめになった。
その結果、最初の訪問国はドイツとなり、ドイツ語でのスピーチが上手でユーモア
にも富んでいたので、拍手喝さいだったそうだ。

パリの話の続きは、次回に。

コメント 12

飛行機代の値上がり、すごいですね。それに、日本のニュースでも、デモやストライキの様子が放映されていて、その激しさに驚きました。それに、ゴミもたくさん出ていて、美しいパリが残念なことに。でも、日本人はやっぱりおとなしすぎるなと思いました。なんでこんなにおとなしくなってしまったのでしょう。国際的に見たら、危ないのでは（支配される？）。
チャールズ3世、とてもスピーチが上手ですね。イギリス人だからユーモアもあるし。日本の皇室は今のままでよろしいのでしょうか。
by coco030705 (2023-04-02 00:21) 

パリにおられるんですね！^ ^
お友達、首を長くして待っておられたのではないでしょうか。
春休みとはいえ、フライト料金、すごい値上がりですね。。
クルーズ船から見る景色って、また格別ですね♪
by おと (2023-04-02 05:43) 

飛行機高いですね。
川沿いの金色のロシア正教の建物はちょっと異質で悲しいかも。
なんとなく青グレイな感じの建物の並びが好きなので。
しかしコロナではコロナ以外の病気の方が
とても苦労だったり悲しい結果になった方が多い印象です。
by ふにゃいの (2023-04-02 20:17) 

taekoねーさんは何度もパリを訪れてらっしゃるから、それこそいろんなパリの顔、表情に触れる機会も多々有ったでしょうが、さすがに今回のご訪問タイミングは残念な事が多かった様ですね。
つい数日前のニュース映像で、フランスのゴミ清掃従事者がストライキを行っていて、その結果街中に溢れるが如く積まれたゴミの映像を見ました。日本人ならちょっと卒倒してしまいそうな光景だけど、まぁこれもフランスらしいと云えばそんな光景なのかしらんと、思わず苦笑いしてしまいました。それを、ねーさんのブログ記事でもこんな画像で目にするとは、夢にも思いませんでしたよ（＾＾；。
by yk2 (2023-04-03 01:11) 

あの・・・7枚目の写真、Institut de France フランス学士院です
（ルーヴル美術館そばのポンデザールの橋近くにある建物）。
で、ナポレオンの墓があるのは、Les Invalides アンヴァリッド廃兵院で、
丸屋根には金色が。セーヌ川クルーズからは丸屋根がかろうじて見えるくらいかな。
パンテオンはノートルダム大聖堂の南の方、聖ジュヌヴィエーヴの丘にあるけど
見えなかったような。パリって丸屋根が多いので、私も以前、かなり調べてました＾＾；。
ノートルダム大聖堂、まだまだ工事中ですよね。　2024年のパリのオリンピック開催に
合わせて一般公開が再開される予定だったけど間に合わないって記事を最近読んだところです。
一番最初の写真、すごく寒そうな・・・空港に雪が積もって・・・。
ヘルシンキでの乗り換え待ちのひとときかしら。
by Inatimy (2023-04-03 06:21) 

ロシアの上空を飛べないので時間がかかるのですね。
以前に乗ったフィンエアはヘルシンキまで９時間台でしたもの。
料金も高くなって、おいそれとは外国に行けそうもありません。
それでも、パリのお写真、惹かれます。
by ナツパパ (2023-04-03 09:55) 

Inatimyさん、ありがとうございます。
この時もそうだけど、いつも友達と喋ってるばかりで、ちゃんと観光してないので、何回も行ってるのに、わからない建物が多いのです。曇ってる夕方だとドームが金色に光らない？なんて考えてたので、教えて頂いてよかったです。ブルボン宮とコンコルドの写真も追加しました。
ルーヴルとオルセーは対岸にあって、見えるから近いかと思って、橋を渡って春いて行ったことがあるのですが、遠くて、セーヌの広さを実感しました。
by TaekoLovesParis (2023-04-04 00:56) 

ナツパパさん、9時間だったものが13時間半、2時間待ちの乗り換えで3時間10分。帰りには、滑走路が雪で除雪作業に手間取り。1時間以上遅れるし、、で、計20時間近くかかったのです。疲れました。
ヘルシンキの空港で待ち時間が2時間あったので、お土産屋さんへ寄ったら、ムーミングッズを売っていたので、ナツパパさんがムーミン美術館へいらした記事、オーロラ見物にいらしたことを思い出してました。リトルミーのキーホルダーを買い、さっそく使ってます。
by TaekoLovesParis (2023-04-04 01:11) 

cocoさん、デモには過激なグループがいるんですって。フランスはフランス革命も市民革命だったように、市民の政治参加への意識が強い国です。第二次大戦でパリがドイツ軍に占拠されても市民の抵抗運動がひそかに続き、１９６８年には学生運動が発端となった５月革命もありました。TVでも政治討論番組が多いです。日本の学生は、ことなかれ主義で政治への関心が低すぎると思います。
北朝鮮、中国の脅威が不安材料ですよね。
by TaekoLovesParis (2023-04-09 23:54) 

otoさん、書き方が悪くて、パリにいるのと勘違いさせてしまいましたね。
パリの親友は、PCを持ってないので、あちらにいる間は、ブログを見ることもなくて。そういう生活もたまにはいいです。
by TaekoLovesParis (2023-04-09 23:59) 

ふにゃいのさん、ロシア正教会の金ぴかのドーム。違和感たっぷり。数年前にたったそうなので、まだ新しいから、ぴかぴかです。金ぴかのアレクサンドル３世橋はロシアから献上されたように、ロシア宮廷とフランスは深い関係が昔からあります。ロマノフ王朝時代、貴族はフランス語がたしなみでしたし、フランス革命では、ロシアに亡命したひとたちがたくさんいました。
自宅入院という言葉、初めて聞きました。厳戒態勢で許可なしの外出は禁止という状態が続いて、日本より厳しかったと思います。解除は日本より早くて、街では２月に行ったときから、もうマスクをしてる人がいませんでした。でも、爪痕は残りますよね。
by TaekoLovesParis (2023-04-10 00:11) 

yk２さん、今、考えてみると、ストのおかげで中止したレンヌへの旅に関しては、列車代金、ホテル代などネット予約で事前にカード払いなので、金銭的にも損をしたわけです。どこへ出かけるにも、デモのことを気にしなければならず、不自由だったけれど、第一目的が友達のそばにいてあげることだったので、あまり腹は立ちませんでした。そもそもは、ウクライナの戦争による物価高、生活不安に端を発してるので、早く終結してほしいです。
by TaekoLovesParis (2023-04-10 00:18)