ポンピドゥーセンターのドイツ表現派から1920年代まで [☆彡Paris 美術館]
ポンピドゥーセンターの常設展示は5階から順に下へ降りながら見るようになっている。
今回のまず最初の展示は、レジェの大きく明るい絵だった。
1_フェルナン・レジェ「2羽のオウムとのコンポジション」
オウムが2羽、いるのが見えますか?
ここでレジェが描いてる人物は、腕がキュビズムの円錐形を脱し丸みをおび、
お人形のように太くて可愛い。右側に見える高いビルは都市文明の象徴か。
明るいキュビズムになっている。
今回のまず最初の展示は、レジェの大きく明るい絵だった。
1_フェルナン・レジェ「2羽のオウムとのコンポジション」
オウムが2羽、いるのが見えますか?
ここでレジェが描いてる人物は、腕がキュビズムの円錐形を脱し丸みをおび、
お人形のように太くて可愛い。右側に見える高いビルは都市文明の象徴か。
明るいキュビズムになっている。
2 アルベール・マルケ「Nu au divan長椅子の裸婦」1914
マルケは仲良しだったマティスと共に、最初のフォーヴィスム展に出品したが、
穏やかな色調を好んだためフォーヴから離れる。たくさん描いた風景画は静かで美しい。
人物画には力強さがみられる。
マルケは仲良しだったマティスと共に、最初のフォーヴィスム展に出品したが、
穏やかな色調を好んだためフォーヴから離れる。たくさん描いた風景画は静かで美しい。
人物画には力強さがみられる。
余談:アルベール・マルケと「青騎士」メンバーのアアウグスト・マッケに
フランツ・マルク。ほぼ同年代。名前が似てて間違えることが多い。
マルケはフランス人で、「青騎士」のマッケとマルクはドイツ人。
フランツ・マルク。ほぼ同年代。名前が似てて間違えることが多い。
マルケはフランス人で、「青騎士」のマッケとマルクはドイツ人。
3,ヤウレンスキー_「Byzantineria」 1913
Alexej von Jawlensky(1865~19 41)ロシア出身、「青騎士」メンバー。
かなり強烈な人物画。ビザンティンだからモザイクふう、それともイスラムの女性?
Alexej von Jawlensky(1865~19 41)ロシア出身、「青騎士」メンバー。
かなり強烈な人物画。ビザンティンだからモザイクふう、それともイスラムの女性?
4,マティス 「白とバラ色の頭部」 1914年
モデルは長女。キュビズム。「金魚鉢のある室内」と同じくアトリエと窓、室外
を融合させようと試みていた。
モデルは長女。キュビズム。「金魚鉢のある室内」と同じくアトリエと窓、室外
を融合させようと試みていた。
5,アルベルト・マグネリ AlbertoMagnelli_「Exprosion Lylique」1918
マグネリはイタリア・フィレンツェ出身。正式な美術教育を受けていないが、
画家となるためパリにやってきて、ピカソ、レジェに出会う。
絵のタイトルは、叙情的な爆発。大きな絵。
マグネリはイタリア・フィレンツェ出身。正式な美術教育を受けていないが、
画家となるためパリにやってきて、ピカソ、レジェに出会う。
絵のタイトルは、叙情的な爆発。大きな絵。
6,アルベール・グレーズ(1881~1953)
セザンヌに影響を受け、景色にキュビズムを取り入れた作品。題名忘れ。
"The Tree" (French: L'Arbre) 1910 (Inaimyに教えて頂きました)
西洋美術館にグレーズの「収穫物の脱穀」という3mの大きな絵があるのだが、
キュビズムで何が描いてあるのかわからない。よく見ると中央に収穫をしている
農夫の姿が見えるような。。
セザンヌに影響を受け、景色にキュビズムを取り入れた作品。題名忘れ。
"The Tree" (French: L'Arbre) 1910 (Inaimyに教えて頂きました)
西洋美術館にグレーズの「収穫物の脱穀」という3mの大きな絵があるのだが、
キュビズムで何が描いてあるのかわからない。よく見ると中央に収穫をしている
農夫の姿が見えるような。。
7,クプカKupca
クプカはチェコの出身。
きれいな色の大きな絵なので目に留まる。タイトルわからず。
"Lignes animées" 1920/1933 (Inaimyに教えて頂きました)
以前の記事でも、クプカを取り上げている。
クプカはチェコの出身。
きれいな色の大きな絵なので目に留まる。タイトルわからず。
"Lignes animées" 1920/1933 (Inaimyに教えて頂きました)
以前の記事でも、クプカを取り上げている。
8,RobertaGonzalez 無題
ロベルタ・ゴンザレスはフランス系スペイン人。
父は彫刻家フリオ・ゴンザレス。ピカソのカタロニア芸術に影響を受けた。
4月から来年5月10日までポンピドゥーセンターで「ロベルタ・ゴンザレス回顧展」
を開催中。前記事「アートとモードの対話展」で、イッセイ・ミヤケの服と
並んで展示された絵の作者アンス・アルトゥングと結婚していた。いろいろな
タイプの絵があるので、回顧展は行ってみたい。
ロベルタ・ゴンザレスはフランス系スペイン人。
父は彫刻家フリオ・ゴンザレス。ピカソのカタロニア芸術に影響を受けた。
4月から来年5月10日までポンピドゥーセンターで「ロベルタ・ゴンザレス回顧展」
を開催中。前記事「アートとモードの対話展」で、イッセイ・ミヤケの服と
並んで展示された絵の作者アンス・アルトゥングと結婚していた。いろいろな
タイプの絵があるので、回顧展は行ってみたい。
9.マルセル・ブロイヤー「食堂用の机と椅子」1926
ポンピドゥーは、絵だけでなく、家具も展示している。
マルセル・ブロイヤーは、ハンガリー生まれ。バウハウスで学び指導もした家具デザイナー。
モダニズムの旗手。パイプを使った椅子が大ヒット。アメリカへ帰った後、設計士として
公共建築に携わった。パイプの椅子はバウハウスで同僚のカンディンスキーが褒めたので、
この部屋にカンディンスキーの絵と一緒に展示されているのだろう。
ポンピドゥーは、絵だけでなく、家具も展示している。
マルセル・ブロイヤーは、ハンガリー生まれ。バウハウスで学び指導もした家具デザイナー。
モダニズムの旗手。パイプを使った椅子が大ヒット。アメリカへ帰った後、設計士として
公共建築に携わった。パイプの椅子はバウハウスで同僚のカンディンスキーが褒めたので、
この部屋にカンディンスキーの絵と一緒に展示されているのだろう。
10 YvesTanguy_「Le Phare」(灯台)
イヴ・タンギー(1900~1955)はシュルレアリスムの画家。
20歳の時、軍隊で詩人で脚本家のジャック・プレヴェールと知り合い
映画製作に携わる。キリコの絵に刺激を受け独学で絵を学ぶ。
これは、幼い頃の寓話で、灯台へ枕木の道を歩いて登ろうとしている絵。
枕木にはピカビアの影響で実際のマッチ棒を用い、遠くに見える紙の船は、
ルネ・クレールの短編映画「幕間」からの引用である。自分は皮を
はがれた人として血管が見える姿。
イヴ・タンギー(1900~1955)はシュルレアリスムの画家。
20歳の時、軍隊で詩人で脚本家のジャック・プレヴェールと知り合い
映画製作に携わる。キリコの絵に刺激を受け独学で絵を学ぶ。
これは、幼い頃の寓話で、灯台へ枕木の道を歩いて登ろうとしている絵。
枕木にはピカビアの影響で実際のマッチ棒を用い、遠くに見える紙の船は、
ルネ・クレールの短編映画「幕間」からの引用である。自分は皮を
はがれた人として血管が見える姿。
11.Georges Blaque_Le duet 1937
ピカソと共にキュビスムの作家として知られているブラック(1882~1963)の
後期の作品。幾何学的な絵画から色彩豊かなスタイルへ転換した時代。
向き合って座る2人の女性。大きなモチーフの明るい壁紙の前にいる女性は歌い手。
手にドビュッシーの楽譜を持つ。暗い影の中にいる女性はピアノと一緒にいる。
閉ざされた空間の中だが、色のコントラストと明暗による影の対比で温かい雰囲気を
醸し出している。ブラックは音楽好きだった。
ピカソと共にキュビスムの作家として知られているブラック(1882~1963)の
後期の作品。幾何学的な絵画から色彩豊かなスタイルへ転換した時代。
向き合って座る2人の女性。大きなモチーフの明るい壁紙の前にいる女性は歌い手。
手にドビュッシーの楽譜を持つ。暗い影の中にいる女性はピアノと一緒にいる。
閉ざされた空間の中だが、色のコントラストと明暗による影の対比で温かい雰囲気を
醸し出している。ブラックは音楽好きだった。
12.Picasso_NatureMort au tete antique「古代ギリシア彫刻の頭部がある静物画」1925
ピカソ(1881~1973)は、長い生涯、何度も画風を変えたが、キュビズムの提唱者
として知られている。
この絵は、第一次大戦中に訪れたイタリアで古典彫刻に惹かれたのち、シュルレアリスム
グループに加わった頃のもの。静物画という昔からあるジャンルに石膏像の顔を持ち込むのは
衝撃的だったはず。暗い茶色と黒に対する白のコントラスト。ギターと楽譜、石膏像の頭部
が対称の位置に置かれている。正面にはギリシア風の花瓶。花瓶に石膏像の顔立ちが線で
描かれる。2次元のような3次元のような。。不思議な絵。
ピカソ(1881~1973)は、長い生涯、何度も画風を変えたが、キュビズムの提唱者
として知られている。
この絵は、第一次大戦中に訪れたイタリアで古典彫刻に惹かれたのち、シュルレアリスム
グループに加わった頃のもの。静物画という昔からあるジャンルに石膏像の顔を持ち込むのは
衝撃的だったはず。暗い茶色と黒に対する白のコントラスト。ギターと楽譜、石膏像の頭部
が対称の位置に置かれている。正面にはギリシア風の花瓶。花瓶に石膏像の顔立ちが線で
描かれる。2次元のような3次元のような。。不思議な絵。
13.GastonChaissac_Personage1962
ガストン・チェイサック(1910~1964)フランス・Avallonの靴屋の息子。
独学。画風はアール・ブリュットまたはアウトサイダー。デビュッフェに
大いに褒められた。
ガストン・チェイサック(1910~1964)フランス・Avallonの靴屋の息子。
独学。画風はアール・ブリュットまたはアウトサイダー。デビュッフェに
大いに褒められた。
最後に、
次の記事は、今、注目の斬新なデザイナー「イリス・ヴァン・ヘルペン」のファッションショー。
「アートとモードの対話展」でも、作品は出ていました。水着くらい布地部分が
少ない服です。一緒に展示されたのは、シャガール「エッフェル塔の花嫁、花婿」
見応えがあり、憧れます。^^v
by よしあき・ギャラリー (2024-06-21 04:54)
よしあきさん、そうおっしゃっていただけると、うれしいです。よしあきさんの「三浦海岸」は、少しフォーヴっぽかったですよ。
by TaekoLovesParis (2024-06-22 00:25)
これだけ近現代の絵画が並んでいる中で、当初は誰の絵にコメントしようかなぁ~などと思っていたのですが、気紛れで検索してみたイリス・ヴァン・ヘルペンの作品(https://artsandculture.google.com/story/MAVhbe0AS9KOLQ?hl=ja)がこれまで見た事も無い様な世界観で、もはや服飾デザインの領域なんて軽々吹き飛ばして異次元に在るアートだと感じ、驚愕しました。未来的だとか、そんな言葉が薄っぺら~~~く陳腐に思えてしまう。頭の中、一体どうなってるんだろう(^^;。
by yk2 (2024-06-22 17:51)
yk2さん、イリス・ヴァン・ヘルペンは、海、空、宇宙などの大自然、太古の時代の地球の始まりを意識した画期的なデザイン、しかもガラスや金属などの素材をペンチで曲げ、手仕事で糸状にしたり、と、ものすごく手がかかっている作業で作られている服なのです。今や作品が美術館に収められるほどで、まさにアート。サイトを教えてくださってありがとうございます。イリス・ヴァン・ヘルペン展の記事を書くのに役に立ちます。
by TaekoLovesParis (2024-06-23 17:44)
イリス・ヴァン・ヘルペン、オランダのマキシマ王妃が以前着ていたのをニュースで見たことがあります。着こなせてるのがすごい。マキシマ王妃、かなりオシャレです^^。(ご参考:https://www.25ans.jp/wedding/celeb/g60657800/queenmaxima-240514/)
そうそう、6のアルベール・グレーズの作品の題名は、"The Tree" (French: L'Arbre) 1910 です。
7のクプカのは、"Lignes animées" 1920/1933 です。
今回の記事の中で、一番気に入ったのは、13のガストン・チェイサックの作品^^。可愛いし、色使いも優しく綺麗で。
by Inatimy (2024-06-24 21:08)
Inatimyさん、マキシマ王妃の写真見ました。斬新なデザインだけど、王室の品位と威厳も示してますね。イリス・ヴァン・ヘルペンは、新しいことへの挑戦だけでなく、伝統的なものもみごとに作るんですね。ファッション展でもケープのものがいくつかありました。
題名がわからなかったものを教えてくださってありがとうございます。yk2さんから「またInatimyさんに丸投げ」って言われそうだけど、少しは調べたんですよ。で、ダメだったから、Inatimyさんの検索力に感謝です。
ガストン・チェイザック、がたがたの線で描き、ユニークで面白いですね。絵を見れば見るほど、構造を考えると、???ですが、色合いで救われます。
by TaekoLovesParis (2024-06-24 22:59)