ブランクーシ展(アーティゾン美術館) [展覧会(絵以外)]
アーティゾン美術館でのブランクーシ展、7月7日までです。
遅い紹介ですみません。
遅い紹介ですみません。
彫刻家コンスタンティン・ブランクーシ(1876-1957)は、ポスト・ロダンと
言われて久しい。ルーマニア出身で、ロダン工房に助手として入ったものの、
「大樹のもとでは、何も育たない」と1年ほどで工房を離れた。
言われて久しい。ルーマニア出身で、ロダン工房に助手として入ったものの、
「大樹のもとでは、何も育たない」と1年ほどで工房を離れた。
ブランクーシは、ロダンへの反発もあり、石の塊から形を直接彫り出す直彫り
の技法で作品を制作した。チラシの彫刻が初期の代表作「接吻」である。この
美術館の所蔵品で、石の直彫り作品を基に石膏で制作したもの。
形もロダンの写実とは異なり、シンプル。
360度、どの方向からも見れる展示なので、真後ろも見れる。
ロダンとの大きな違いは、写実を離れ、形の追求をし、抽象に向かったことで
あり、台座なしというスタイルもユニークだった。
ブランクーシは、8才年下のモディリアーニと同じく造形が原始的なアフリカ彫刻
に惹かれ、ドローイングも制作した。
スタンディング・ボーイ テンペラ画 1913年
アフリカ彫刻っぽい胴体だが、卵型の顔にブランクーシらしさが出ている。
卵型の顔の代表作は「眠れるミューズ」(写真なし)
金色の真鍮の表面をピカピカになるまで磨き上げているので、会場内で照明に
反射し、写真がうまく撮れなかった。
これは違う作品だが、卵型の顔かと思うけど、、「新生」?作品名不明。
NewYorkのギャラリーでの個展用に、有名写真家が撮影した自作の写真が
不満だったブランクーシは、自分で撮影を始めた。
ブランクーシ撮影の写真作品が53枚展示されていて、鏡面仕上げの彫刻作品に
光を集めたり、自然光の下で撮ったり、露光効果で光を拡散させたりと、
様々な技法を試みたようすがわかった。
会場は、ほとんどが撮影可なので、重要作品には、写真映えするように
赤い布が壁にかけてあった。自分の作品が写真でどのように見えるかは大切な
ことですものね。
この重要作品は「空間の鳥」1936年
「芸術作品か工業製品か」で、1927年に裁判沙汰になった作品である。
ブランクーシ展開催のために、前衛写真家がパリからニューヨークへこれを
持ち込んだ際、税関がこれを美術作品と認めず、工業製品と認定したため、
納得がいかない写真家が訴訟。裁判はブランクーシ側が勝訴した。
「翼のない奇妙な卵型の彫刻」「船の舳先」「三日月」などと悪口を言われた。
ブランクーシは、「これは鳥そのものではなく、飛翔をイメージしている」
と述べている。まさに抽象芸術である。
「空間の鳥」はサイズが微妙に異なる作品がいくつかあり、年代も異なる。
の技法で作品を制作した。チラシの彫刻が初期の代表作「接吻」である。この
美術館の所蔵品で、石の直彫り作品を基に石膏で制作したもの。
形もロダンの写実とは異なり、シンプル。
360度、どの方向からも見れる展示なので、真後ろも見れる。
ロダンとの大きな違いは、写実を離れ、形の追求をし、抽象に向かったことで
あり、台座なしというスタイルもユニークだった。
ブランクーシは、8才年下のモディリアーニと同じく造形が原始的なアフリカ彫刻
に惹かれ、ドローイングも制作した。
スタンディング・ボーイ テンペラ画 1913年
アフリカ彫刻っぽい胴体だが、卵型の顔にブランクーシらしさが出ている。
卵型の顔の代表作は「眠れるミューズ」(写真なし)
金色の真鍮の表面をピカピカになるまで磨き上げているので、会場内で照明に
反射し、写真がうまく撮れなかった。
これは違う作品だが、卵型の顔かと思うけど、、「新生」?作品名不明。
NewYorkのギャラリーでの個展用に、有名写真家が撮影した自作の写真が
不満だったブランクーシは、自分で撮影を始めた。
ブランクーシ撮影の写真作品が53枚展示されていて、鏡面仕上げの彫刻作品に
光を集めたり、自然光の下で撮ったり、露光効果で光を拡散させたりと、
様々な技法を試みたようすがわかった。
会場は、ほとんどが撮影可なので、重要作品には、写真映えするように
赤い布が壁にかけてあった。自分の作品が写真でどのように見えるかは大切な
ことですものね。
この重要作品は「空間の鳥」1936年
「芸術作品か工業製品か」で、1927年に裁判沙汰になった作品である。
ブランクーシ展開催のために、前衛写真家がパリからニューヨークへこれを
持ち込んだ際、税関がこれを美術作品と認めず、工業製品と認定したため、
納得がいかない写真家が訴訟。裁判はブランクーシ側が勝訴した。
「翼のない奇妙な卵型の彫刻」「船の舳先」「三日月」などと悪口を言われた。
ブランクーシは、「これは鳥そのものではなく、飛翔をイメージしている」
と述べている。まさに抽象芸術である。
「空間の鳥」はサイズが微妙に異なる作品がいくつかあり、年代も異なる。
「雄鶏」1924年 厚みがあるので、見る角度により違って見えて面白い。
ブランクーシは、フランスの国籍を得、マルセル・デュシャンやレジェ、
マン・レイなどと交流し、イサム・ノグチには直彫りを教えた。
パリのポンピドゥー・センターは、本館横にブランクーシのアトリエを
再現、展示している。ブランクーシ作品が、所狭しと無造作に置かれている。
パリのポンピドゥーセンターに・・そうなのですね。アーティゾン
美術館の展示は、まだ続きがあるのかと思って写真などはいい加減
に見てしまったおっちょこちょいです(><)。見落としていた事
や知らなかった逸話を教えて頂いて、ありがとうございます!
by うりくま (2024-07-05 21:11)
楽しみに出掛けましたし、好い展覧会だったとは思いますが、見せ方に戸惑いました。そこに意図したものが有ったのでしょうが、作品の題と制作年はやっぱりすぐ側に無いと困るなぁ~とつくづく思いました。全てがブランクーシの作品だけだったらまだいいんだけど、他の作家の作品が混じってるんでなんかモヤモヤ。そこにモディリアーニやブールデルが在っても、誰もブランクーシが描いた絵だとかブロンズだなんて間違えるわけがない?。果たしてそうかなぁ~みたいな。今回図録を買わないで帰って来ちゃったんで、写真は撮ったけど、このラファエッロみたいな顔をしたブロンズの頭部は若い頃のブランクーシの習作?。それとも他の誰かの作品?って具合に、判らないままにほったらかしにしてる(^^;作品も有ったりして。
by yk2 (2024-07-06 09:53)
芸術には正解がないので見る人によって評価がわかれますね。
by いっぷく (2024-07-06 19:33)
彫刻の美術展は、あまり行ったことがないのですが、食わず嫌いをしないで行ってみたほうがいいのでしょうね。どうしても、なんかカワイイとか、面白いとか、変なのとかのしょーもない感想になってしまいそうで(^_^;)
by ふにゃいの (2024-07-08 17:44)
バンクーシの接吻、丸っこくって可愛いですね^^
Inatimyさんのブログも見てきました。丸いのやら四角いのやら、いろいろあるんですね。でも全部なんだか素朴で可愛い。
by おと (2024-07-10 20:08)
コメントのお返事が大変遅くてすみません。
▲うりくまさん、ポンピドーに隣接してある平屋の建物「ブランクーシのアトリエ」のは入れば、すべてが見渡せる感じで、よく見ると、見覚えのある彫刻がここ、そこと置いてありました。彫刻作品は移動が難しいから、購入したい人には、アトリエで見てもらうようにしていたそうです。
アーティゾン美術館は、常設に好きな作品がたくさんあって好きな場所です。
by TaekoLovesParis (2024-07-18 18:10)
コメントのお返事が大変遅くてすみません。
▲yk2さん、この展覧会の企画者のコメントでは、「ブランクーシは年代でさほど作風が変化しないので、年代順にしなかった」のだそうです。でも、今までたくさんブランクーシ作品を見て来たわけでないから、通常に倣って、年代順のほうがわかりやすいですよね。
<他の作家の作品が混じってるんでなんかモヤモヤ。そこにモディリアーニやブールデルが在っても、、> ⇒ 同感! ブランクーシの金色の逆さYと並んで展示されていたザッキンの黒く薄べったい胴体像を「これもブランクーシだった?」と自分の記憶を疑うほどでした。
<ラファエッロみたいな顔をしたブロンズの頭部> ⇒ ブロンズの頭部ならブランクーシかと思うけど、私はその写真を撮ってないので、わからないです。新所蔵品のクレーの「双子」背景のブルーが綺麗で色合いがはっきり。面白くてかわいい作品、いいなと思いました。
by TaekoLovesParis (2024-07-18 18:31)