「DADA」 パリ、ポンピドーセンターでの企画展 [☆彡Paris 展覧会]
常設の充実ぶりはもちろんのこと、ここでの企画展は質が高いのです。
今回は「DADA」
ダダイズムと日本語では言っていますね。
この写真はカタログの表紙。
ソフィー・アルプの1920年の作品「ダダ 頭」
ダダは20世紀初め、全世界に広がった芸術的運動。
起源は第一次世界大戦さなかの1916年、スイスのチューリッヒで、
その時代の価値観を変えるための試みでした。
ダダは破壊運動と誤解されることが多いけれど、逆に生産的です。
ダダは印刷物、写真、ラジオ放送などを通して表現され、閉塞した
その時代の社会を批判しました。
アーティストたちの独創性に富んだパフォーマンス、詩、コラージュ
などによる表現が、20世紀を代表するような作品をうんだのです。
これはオランダのポール・シトロエーンのコラージュ「メトロポリス」
パリのいろいろな建物が貼り絵されています。
マン・レイの「ニューヨーク」という作品と比較されることが多い
のだそうです。
初期のダダの代表格は、ジャン・アルプ。
ストラスブルグの出身なので、私のブログのストラスブルグの所
でも紹介しています。
アルプは数枚の紙きれを貼り付けたコラージュを発表。
その後はさまざまな形を薄い木材で表現しています。詩的で暖かみがあります。
右は奥さんであるソフィー・アルプの作品。
ダダといえば必ずとりあげられるのが、マルセル・デュシャン。
モナリザに髭を描いたり(左の写真)、便器の写真、これでも芸術だぞ。
グロス(Grosz)はベルリンのダダの重要メンバーでした。ナチに反対し
コミュニズムに共鳴、攻撃的な絵画を続々発表。
最後に私の好きなピカビアの絵。ユーモアが感じられるのです。
円の中に丸が1,2,3,4、、、(左) 右は犬の調教
この展覧会はワシントンのナショナルギャラリーとニューヨークのMOMAに
よる企画、構成です。このあとワシントンで2006年2月19日から
5月14日まで、ニューヨークで6月16日から9月11日まで開催されます。