マテウス城のぶどう [旅行(ヨーロッパ)]
持ち帰りの仕事 で、ワインは飲めないんだけど、
clos-du-meix さんのサイトを読んでいると、ぶどうに想いをはせてしまう。
私が今まで食べた中で一番おいしかったぶどうは、ポルトガルのマテウス城のもの。
マテウス城(上の写真)で、開催される声楽のマスターコースに参加する親友に
ついて行った。「オブザーバー(見学者)制度があるから行こうよ。めったに行かれない
山の中のお城だから」 と言われ喜んでついて行った。
パリで乗り換えてポルトガルの首都リスボンに着くと、もう夜。
夜の山道の運転は危ないから、リスボンに一泊して、翌日、町を観光してから行く
とのこと。空港でレンタカーを借りる。
翌日、夕方、山道を登ってお城の入り口につき、友達が慣れたようすで挨拶すると、
門番さんがガラガラと大きな音のする年代物の鉄の扉を開けてくれる。
中にはいって、まず見えるのは左右の馬小屋。右手の馬小屋はモダンに改装してある。
今はコンサートホールとして利用してるのだそう。
私たちも最初の夜、マダム・ベルガンサの生徒の演奏会を聴いた。
テレサ・ベルガンサは往年のスペインのメゾソプラノ。
未だに華やかですてきな雰囲気をもっていた。
この写真は中庭。イスラムっぽい回廊式の建物。ここにレッスン室がある。
友だちがレッスンを受けている間、私はこの庭のベンチで鳥のさえずりを
聞きながらぼ~~っとしていた。
庭師が何人もいて、いつも手入れをしているフランス式庭園。
向こうに見える白と茶色の石は、マテウス家の「家紋」
そして植栽も家紋の形に。
こちらの写真の建物もレッスン室に使っていた。
庭にいると、レッスンの歌が風にのって、きこえてくる。
もちろんレッスンを見学することもできる。
マーラーの「さすらう若人の歌」を課題曲として持って来た日本人は、かわいそうなほど
何回も何回もドイツ語の歌詞だけ言わされていた。外国人だから発音ダメというのは
許されない。
受講者15人、先生2人。歌のレッスンと発声レッスンを各々の先生につく。
合間には、自分でさらう。かなりハードなスケジュール。
日本人の受講者は3人。初めて会った人たちだが、来るだけでも大変な場所
なので、その苦労話から、すぐ仲良くなる。
見学者は私の他にもう1人。合唱の指揮をなさってる方。
見学費は5万円。宿泊費は別に払う。
夜の食事のときは、お城の御当主である伯爵夫妻も同席なさる。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
私たちの宿泊所は、ここから5~6分歩いた所にある新しい建物。
毎朝、宿泊所からここに来るのに、下の写真のぶどうのアーチを通る。
(友だちが写っている部分は、ぼかしをいれました。)
「これ、とって食べていいんだよ。おいしいから~」と友だちが言う。
朝露に濡れたぶどう、冷たくておいしい!かなり大粒でやさしい甘み。
私が今まで食べた中で一番おいしかった。
このぶどうが、ポルトガルを代表するワイン、「マテウス」のもと。
昔は、「マテウス」城のまわりでワインが作られていたので、以前の
マテウスワインのラベルは、このお城の写真だったそう。
マテウスワインは1000円くらいの発泡ワイン。
でも、お城の中、だんろのあるダイニングルームで食べる夕食のワインは、
キャラフにはいった普通の赤ワインでした。