フリック・コレクション [外国の美術館、博物館]
フリック・コレクションは、ニューヨークにあります。
鉄鋼で財をなしたフリック氏が収集した美術品のある邸宅がそのまま美術館になっています。
美術品のために設計した豪華な邸宅で、入り口横は、ブーシェの部屋。
壁一面、ブーシェの絵、連作で実にみごと。こんなロココ調の絵に囲まれるとヴェルサイユ宮殿の
一間にいるかのようです。
ブーシェの部屋はもうひとつ小さいのがあって、「四季」の連作がかかっています。。
これは、秋と冬。冬の絵はロシアに憧れて描いたもので、ロシア風の衣装
ロココが好きだったフリック氏は、フラゴナールの部屋 も作りました。
恋愛の経過を描いた連作11枚は、ちゃんとストーリーになっています。
左は、「逢引き」、後からそっと忍び寄って驚かせようかな、という様子。
右は「栄冠」、楽しそうな恋人たちです。
優雅でロマンティックな世界ですね。
背景の彫刻と木々が、ストーリーをもりあげています。
美しい夢のようなロココ部屋から出て来て、眼にとまったのは、
ブロンズィーノ「Lodovico Capponi」(1550)
緑色が美しい。500年位前の作品なのに、保存がよいのか、輝いていた。
ブロンズィーノはメディチ家のお抱え絵師。Lodovico Capponiは、メディチ家の
騎士見習いで、白と黒のこの服は、メディチ家の騎士の制服。
★★★
この美術館に来る日本人は、ロココ作品よりもフェルメールがお目当てだそう。
3点あるのですから。
フェルメールは、光の使い方で評判の画家ですが、光に照らされて、表情が語りかけるかのようなのです。実際に見るとそれがよくわかります。実にいきいきとした表情で声が聞こえてきそうです。
ロココとフェルメールだけのご紹介でしたが、英国風景画、肖像画のコーナーもすばらしく、
さらに、ゴヤ、ヴェラスケス、エル・グレコ、レンブラント、ミレー、ルノアール、アングル、、
どれも名品ぞろいです。*いつか、これらの記事も書きたいと思っています。
*2012年に再訪したときの記事です。