ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション [レストラン(フレンチ)]
六本木ヒルズができたときの開店だから、もう5年になる。
「気軽に、というけど、いい値段よ」と、友達からきいていたので、近寄りがたかった。
でも、日曜日、行きたかった店が満席だったので、行ってみることにした。
全部がカウンター席。お寿司屋からヒントを得たそう。
気軽に、1皿、1グラスから注文できる、とのことだが、初めてなので、7800円のコースにした。
シャンパンは、ブルーノ・パイヤール1種類だけ。
120mlと、メニューに量が書いてあったのに、にやり。
多いとか少ないとか言う人が、いるんですね~(笑)。
大きいサイズのマグナム瓶から、注がれました。
私はシャンパン+オレンジジュースのミモザにした。
手前のグラスにはいってるのは、突き出し。
2層になっていて、下が赤ピーマンのペーストで、上の白い泡は、トマトを泡だてたもの。
「トマトのくさみがないのが特徴です」との説明。
トマト嫌いの私でも食べられる。
前菜の ズワイガニとピーマンのペースト。
下の線状のもようは、ソース。茶色がバルサミコ、黄色が、、忘れちゃった。
さらに右の白いスプーンの野菜ソースをかけて食べると複雑でおいしい。
アスパラのスープ、ホタテの刻み身がはいっている。カプチーノ仕立て。(泡立て)
以上、ここまで、野菜の香りをひきたたせる料理の数々。繊細でおいしい。
「肉料理のおすすめは、本日はほろほろ鳥のロースト。840円増しですが」をとった。
手前右は、レバー。中が赤いので、「こういうふうに赤いもんなんですか?」
ときいてみると、「はい、そうです」
私はよーく焼いたレバーじゃないと食べられないので。。(泣)
脚の部分も骨に近いところは、赤みを帯びていたので、、ソースが強い味なら
それで食べちゃうけど、ソースはあっさり。
デザートのマンゴーアイス、パフェ。
シャンパンは1700円。ワインは一番安いのがチリ、2番目に安いのが、、忘れたけど、
フランスワインは2480円。たくさん飲むとかなり高くなる。
カウンターの向こうがオープンキッチン。従業員の数が多く、きびきび働いていた。みんな若い。
インテリアも赤と黒、スタイリッシュ。透明なケースに野菜を入れて、インテリアとして見せているのは
上手。にんじんのかつら剥きをもテープのように美しくケースにはいっていた。
カップルのほかに、若い女の人の2人連れも多かった。
人それぞれ、好きずきだけど、私は、恵比寿(ラ・ターブル・ド・ジョエル・ロブション)の方がいいなぁ。
昨夏、行ったときの写真はこちら
<追記> 好くんのブログに 店内の写真を交えてランチのようすが詳しく紹介されています。
小沢征爾指揮のオペラ [オペラ、コンサート、バレエ]
小沢征爾の指揮が見たいという友達につきあう。
(写真は、文化会館の前に飾られている人形)
小沢征爾は、現在、ウィーン国立歌劇場の音楽監督を務めているが、
彼がウィーン国立歌劇場にデビューしたのが、この「エフゲニー・オネーギン」だった。
ウィーンなのでドイツ語で歌われていたものを、プーシキンの原作であるからと、ロシア語で上演。
主役のタチアーナがミッレーラ・フレーニ、オネーギンがヴォルフガング・ブレンデル、
フレーニのご主人のニコライ・ギャウロフがグレーミン公というすばらしいキャストだった。
この大成功で、今の彼の地位があるといわれてもいる。
小沢は、日本でも年に数回、コンサートやオペラを指揮している。
私は、このオペラの曲もストーリーも、何も知らずに行ったのだが、感動的だった。
チャイコフスキーのロマンティックで華やか、時に寂しげな音楽。これに魅せられる。
トランペットやホルン、フルートなど、管楽器のソロの部分が多く、語りかけるかのよう。
昔の小沢征爾は、体全体で指揮をしていたが、白髪の今は、手首から先での表現力がすばらしい。
繊細さが出ているオーケストラ演奏だった。
ロシアが舞台なので、幕があくと後方で雪が降りしきっている。
家の中といえど、家具はいすに見立てた箱だけの単純な演出。
みんな、お芝居がとても上手。「土地を守る」、というセリフが出たときには、
「桜の園」や「かもめ」など、ロシア文学の演劇舞台を思い出すほど演技が上手。
登場人物の個性がはっきりと伝わってきた。
ブレンチゥのレンスキー、イェニスのオネーギン、マタエワのタチアーナ、カッシアンのオリガ
どの人の歌もすばらしかった。
チケットはA席で32000円と安くはないが、それだけの価値があった
これより数日前、原宿・表参道「KAWAI楽器」のホールでのピアノコンサートへ行った。
ここのコンサートは、たいていいつも休憩時間にコーヒーとケーキが出るのでうれしい。
コンサートが終わった後の食事は、夜9時頃なので、場所が限られる。
青山の新しい紀伊国屋の前のビル地下にある「ル・カフェ・ベルトレ」に4人で行く。
レストラン・ランス・ヤナギダテの経営のカフェで、ラストオーダーが10時半。
まずは、キールで乾杯。
このサーモンは、みんなで取り分けたのだが、ドレッシングがおいしかった。
サラダ(写真なし)も取り分けて食べた。
私がとった仔羊のソテー。
デザートのフルーツポンチもワインがよくしみていておいしかった。
値段をはっきり覚えていないけれど、思ったより、ずっと安かったのでお得だと思った。
インテリアも赤と黒で、壁にワインセラーがあり、なかなかおしゃれな空間。
本店のヤナギダテは、1万円以上するレストランで味はいいのだけれど、隣とテーブルが
くっつきすぎ。私が行ったとき、隣の席が、声も態度も大きい男の人2人だったので、
よい思い出がない。(完全にその2人に圧倒されてしまった)
魔弾の射手(オペラ)、和食 [オペラ、コンサート、バレエ]
オペラ「魔弾の射手」を見に新国立劇場へ行った。(初日、4/10)
ウェーバーの作曲で、序曲と、「狩人の合唱」は知っているけど、オペラを見るのは初めて。
いきなり幕が開き、狩の名手マックスが不覚にも農夫に破れ、悔しがっている。
芝居が続き、序曲は? と思っていたら、静かにあの「秋の夜半の~♪」のメロディが始まった。
霧深いドイツの森の雰囲気を弦がじわじわと、そしてホルンのこもり気味の音が響く。
「魔弾の射手」は、それまでオペラといえばイタリアものしかなかった時代に、
初めてのドイツ人作曲家のオペラということで評判になり、詩人ハイネが
「街を歩くと、あちこちから、オペラの曲が流れてきて、うるさいほど」と書いて
いるほどの熱狂的な歓迎ぶりだったらしい。
舞台は「森」と、ドイツ人好み。物語も、恋愛もあるが、悪魔対人間という魂の葛藤で、
これまたドイツっぽい。ファウストを思い出す。観客も男性が多かった。
狼谷のシーンでは、大きな蜘蛛が舞台を這いまわり、空には赤い火の車が見えていた。
照明が上手で、スペクタクル感をいっそう盛り上げていた。
演出も指揮者も主演の歌手もドイツ人。脇を大島幾雄、平野忠彦、池田直樹といった
重鎮の歌手たちが固める。長身の妻屋秀和の白い衣装の隠者もよかった。
アガーテ役のエディット・ハッラーも堂々と聞かせたが、従妹役のユりア・バウアーが
きゃしゃな体でかわいく演技が上手だった。
指揮者のダン・エッティンガーは、なかなかの好青年。私はクライバーンのレコード版が
頭にしみこんでいるので、モダンな演奏のように思えた。
衣装は日本人。ひびのこづえ。
舞台あいさつで本人が着ていた黒のロングワンピースもスカートのひだ奥が
ベージュと白になっていて、すてきだった。
友達7人と会食(悠遊会)。
3年前に亡くなった仲間R子のお墓参り、武蔵小金井の多摩墓地の帰りなので、
JR中央線、三鷹駅北口横のお寿司屋さん「福松」。
N嬢が「こぎれいなお寿司屋なので、はいってみたら、牛丼の松屋のやってる店
だったのよ。でも、おいしかったから」 と決めてくれた。
「松屋本社」という新しい銀色のビルで、1階は「松屋」。
地下に降りていくと、
個室なので、ちゃんと写真を撮れたのに、話と食べるのとで、煮物、突き出しの写真なし。
5250円のコース(飲み物つき)に追加のお酒と部屋代1000円で6500円也。
「前回のお墓帰りは、フランス料理(リストランテ大沢・武蔵小金井)だったから、
今回は和食で」と、いつもながらに名幹事のN嬢の企画でした。
モーリス・ドニ美術館 [☆彡Paris 美術館]
ポルトガルの帰り、パリに2泊した。
他の6人はローマに行ったが、私はお宿(親友宅)のあるパリに。
今回は携帯が外国でも使えるタイプなので、空港で公衆電話を探さないですむ。
ゆうゆうとタクシーの中から、「今、タクシーに乗ったから、30分後には着くと思う」
「遅かったわね~おなかすいたから、食べ始めちゃったけど」
私がハムとシャンパンが好きなので、いつも最初の晩の食卓はこんなふう。
「高そうな名前のシャンパンにしといたわ。ロスチャイルド」「財閥だから?」「そう」
ロートシルト一族は何軒かあるが、これは、アルフレッド・ロートシルト。
「写真撮るなら、あなたが買ってきたポルトガルのハムを見えるようにおかないと」
リスボンの空港でたくさん売っていたのが、チーズとこのオレンジ色っぽいハム。
ホテルの朝食にもいつも並んでいた。燻製っぽい香りがおいしい。
山羊の絵のチーズもおいしかった。ポルトガルのチーズは有名なんだそう。
翌日、
「ねぇ、どこ行く?この前閉まってたあの美術館は?」
モーリス・ドニ美術館。閉まってたのはクリスマスだったからと後でわかった。
車は年代物のシトロエーンDS。乗るとガソリンのにおいがする。
私はいつも助手席で、地図係。
モーリス・ドニ美術館の建物は、ルイ14世の時代に建てられた老人病院。
昔のままの階段。 中庭の「弓をひくヘラクレス」はブールデルの彫刻。
ドニは、晩年、この建物を買って「小修道院」と名づけ、家族とともに住んだ。
礼拝堂の内装やステンドグラスもドニが構想をねって、芸術家たちに作らせたもの。
右のステンドグラスは、ドニの描いた「ジャンヌダルク」
この部屋には、ドニの「永遠の春」という壁画が飾られている。
他の部屋には、ドニの絵の他に、ナビ派の画家のセリジュエ、ベルナールなどの絵もあった。
「ナビ派の美術館」と案内書に書いてあったが、ドニ以外の絵は全部で20点ほどしかない。
この絵は、1921年「テラスでの夕べ」 ドニの作品。
古きよき時代、幸せな家族のくつろぎの時間。宗教心あついドニだったので、
中央の少女が朗読をしているのは、聖書であろう。
昨年、オルセー美術館の「モーリス・ドニ展」で見た絵がいくつもあった。
お客さんは私たち3人だけだったので、部屋から部屋へ移動すると、見張りの人も
ついてきて、美術館というより、お屋敷を見学しているようだった。
この美術館のホームページは、
http://www.musee-mauricedenis.fr/
ここはパリから西へ20キロの郊外、サンジェルマン・アン・レイという町。
美術館の近くにルイ6世が築いた城があり、考古学博物館になっている。
恐竜の時代、人類が現れた時代、アルタミラの洞窟絵、石器時代、鉄器時代と、
発掘のようす、道具の歴史など、わかりやすく説明、陳列されていた。
<付記> この美術館に、Inatimyさんが、2011年5月にいらした記事をご参照ください。
写真もきれいです。
モディリアーニ展 [展覧会(西洋画)]
国立新美術館の「モディリアーニ展」は、展示数150点、今までにない規模ときいていたが、
pistacciさんの記事で、彼特有の「長い首、アーモンドの瞳」の人物画は、原始美術の影響を
うけていると知り、さっそく出かけた。
plotさんの記事、パルミジャニーノの「長い首の聖母」とモディリアーニの類似点考察も
心に残っていたし、昨年のBunkamuraでの「ジャンヌとの物語」に焦点をあてた
「モディリアーニ展」も記憶に新しい。
モディリアーニ(以下モディとよぶ)は、1884年、イタリアに生まれる。
幼い頃、商人の父親が破産、体も弱かったため、中学校を途中でやめ、絵の学校に
はいる。人物に興味をもち、彫刻家を志す。
1906年、芸術家の多く集まるパリにイタリアから移り住む。
彫刻家ブランクーシに憧れ、紹介してもらう。
ブランクーシの当時のアトリエの再現 パリ・ポンピドーセンターに常設。(2008年3月撮影)
ブランクーシは、アフリカやオセアニア、東南アジアなどの原始美術にヒントを得て、
形態を極限までに単純化した。
右上の細長い金色の「鳥」や、卵型の「眠れるミューズ」(下の写真)が代表作。
モディの描く女の人に似ていませんか?
これはこの美術館の「パリの異邦人展」で展示されていたような。。
モディは体が弱かったため、力仕事の彫刻は断念。絵に方向転換。
原始美術への憧れから、当時の作品は、「カリアティッド」が何枚も何枚も。
カリアティッドとは、ギリシア建築の梁を支える女人柱のこと。
優美だけど、力強く簡素化された形。
紙に青鉛筆で描かれている。 1913年。
そして、「大きな赤い胸像」。大仏を思い浮かべてしまう。
横に並べたのが、初期の肖像画「ライモンド」。
20歳で夭折した詩人、レイモン・ラディゲ。(レイモンはRaymondと書く)
この2枚の絵、形が似ている!
これが、モディの人物画の原点と思えた。
この3年後、1916年「CD夫人」
この時期はまだ背景が暗い色。
次第に背景が明るくなる。
「黒いドレスの女」(左) 「珊瑚の首飾りの女」(右)
「ロジェ・デュティエール」
彼は、展覧会で彼の絵を全部買ってくれた人。モディは愛を持って描いたはず。
やさしい眼差し。スタンドカラーで首が長く見えない。
そして、後に妻となるジャンヌが登場。
3枚ジャンヌの絵が並ぶ。
パンフレットの絵は、この横向きジャンヌ。
横向きの人物画はめづらしい。
当時、風紀違反で、画廊のショーウィンドウからはずされた裸婦
ジャンヌの絵を見ていると、映画「真実の愛」のいろいろなシーンが思いおこされ切ない。
実際のモディ、ハンサムなんですよ~。そしてイタリア人の陽気さ。当然、すごくもてて。。
でも、お酒におぼれ、いつも貧乏。体をこわし35歳で亡くなる。
彼の死の2日後、身重の妻ジャンヌは飛び降り自殺。
展示されている肖像画には、ディエゴ・リベラ、スーチン、キスリング、ローランサン、
画商ズボロフスキーなどがあり、「こういう人だったのね」と、改めて見るのも楽しい。
男の人の肖像画は、どれも衣服の襟で首が目だたなかった。
6月9日まで開催。火曜日が休館。7月からは大阪国際美術館にて開催。
さくらの季節のランチ2つ [レストラン(フレンチ)]
今の季節は行く先々で、さくらが目を楽しませてくれます。
日比谷公園の中にある「南部亭」でランチ。
元は蕎麦屋だった建物をフランス料理のレストランにしています。
あまり広くない店内なので、どの位置からも公園の緑の木々が見え、ゆったりと過ごせます。
ここから桜の木は見えないけれど、公園の中には桜の木があちらこちらにあります。
私が行った10日くらい前はまだつぼみでした。
お料理の写真は撮りにくかったので、友達を撮った写真の手元です。
オードブル、フランス風寿司飯の上下がアナゴ、押し寿司づくり。
デザートのチーズケーキとオレンジアイスクリーム。
オードブル、スープ、肉または魚料理、デザート、コーヒー、グラスワインで5200円。
さて、一昨日、もうどこでも桜は満開。
新宿の住友ビル48Fから見た新宿御苑。緑の木々の中に白っぽいのが桜。
あいにく曇り空。
和食の店「みのきち」。玄関で靴を脱いで畳の部屋に通される。
伊予柑酒が、前菜についてくる。
鯛と湯葉のお造り。砕いた氷の上にのっている。
春野菜のたきあわせと、さわらの幽玄焼き
これにご飯と味噌汁、グラスワインで5000円なり~。
この後、国立新美術館のモディリアーニ展に行った。
その記事は次回に。