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川村美術館でマティスとボナール展 [日本の美術館]

 川村記念美術館は、千葉県佐倉市にある。
大日本インキの創業者、川村氏のコレクション。
東京駅から電車で1時間、さらにバスで20分という不便な場所だが、新緑の美しい
この季節、ドライブにはちょうどいい。

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 鳥が飛んでいるのが見えますか?
大きな池には白鳥が泳ぎ、散策路もあるのどかな場所。
美術館は写真の右隅にちょっとだけ見えている白い円形2階だての建物。
グリーンが多く、ゴルフ場のふんいきもある。

 個人コレクションなので、点数は多くないが、レンブラント、ルノアール「水浴する女」、モネ「睡蓮」、
シャガール、ブランクーシ、マレーヴィッチなど、良いものがそろっている。
特に20世紀アメリカ美術は、ステラ、ロスコに各一部屋とって展示をしている。
バニラさんの記事も参考にどうぞ)

 前に行ったとき、渋滞でひどく時間がかかったので、家を8時半に出た。[車(セダン)]
日曜日だったので、高速もすいていて、9時半着。
少し絵を見てから、レストランで休憩。モーニングサービスの時間で、下の写真のセットが
コーヒーつき800円。

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 今、開催中の企画展(25日まで)は、「マティスとボナール・地中海の光の中へ」
ふたりの共通点は? 
共に、地中海沿岸の太陽がいっぱいの地に住み、まばゆい光の絵を描いたこと。
ふたりは親交があり、書簡を交わし、お互いに支えあった。

 まず、ボナール作品から。
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 初期、日本に憧れていた頃の作品。
左が「山羊と遊ぶ子供たち」、右が「りんごの収穫」 2つで一対をなす大きな絵。
高い位置に地平線がある構図は日本の浮世絵の影響。

 ボナールは、当時、出始めたカメラ「ポケット・コダック」を買い、入浴好きの妻の姿を
撮り、作品を仕上げる参考にした。 
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 地中海のまばゆさは、この作品。「陽のあたるテラス」
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 ボナール最後の作品は、「花咲くアーモンドの木」
途中で筆がもてなくなって、甥に指示して、左下の黄色の点を描かせ、完成させた。
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 マティスの、「鏡の前の青いドレス」
昨年秋のフィラデルフィア美術館展の「青いドレスの女」と同じ服。

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 「緑の大理石のテーブルの上の静物」
マティスは、お気に入りのコレクションや植物をテーブルの上に、どれもが等価になるよう
配置した。曲線で描かれたテーブルの上のものと、市松模様の直線が響きあっている。

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 これは、2004年西洋美術館の「マティス展」のときの看板の絵。
赤い背景にはいってる黒の波型の線は、解き放たれた窓からはいってくる空気や風を
あらわしているのだそう。

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 ボナールを知らないけれど、招待券とドライブの魅力で、つきあってくれた友達は、
「マティスの方が馴染みがあっていい」と言っていた。


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