イグレック 丸の内 [閉店した店]
<この店は閉店しました>
イグレックは、アルファベットの「y」のフランス語読み。
新丸ビル5Fにあるフレンチのレストラン。
前に行った「オーグードジュール(新丸ビル)」の隣の店。
大きく開放的な窓から、東京駅がすぐそばに見える。
赤い扉に「y」の文字だけの店構えは、格調高い雰囲気だが、都会的でカジュアル。
私が食べたランチコースは、①冷たいコーンスープ。
②前菜、さんまのトマトソース。
お皿に穴があいているのは、下が深皿になっていて、そこにナス、ピーマン、ズッキーニ
などの温野菜があり、落ちたトマトソースをからめて食べるしかけ。
③メインはお魚にした。スズキのソテー。
横にのっているのは、友達が「こんなに食べられないから」と、分けてくれたポークの煮込み。
やわらかくて味がしみていて、おいしい。
デザート。グラスにはいっているのは、夏みかんのゼリー。
ここのお料理は、バター、生クリームを使わず、素材から出るjus(汁)を生かすのが特徴。
健康的なフレンチ。このランチは3990円。
神戸の北野ホテルの経営だそう。
売店もあって、焼き菓子やクッキーを売っている。おいしいので、手土産におすすめ。
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その数日後、友達F宅でのランチ。Fは、メキシコに住んでいたので、テーブルクロスや
お皿もメキシコふう。
パルメザンチーズにバルサミコをかける。
10年ものというバルサミコは、とろ~っとして甘みもあり、黒蜜のよう。
バルサミコは、何年ものかで、値段が全然違う、って教えてもらった。
前菜、炒めたナスに鶏のささ身トマト、きゅうりを散らしたサラダ。
「これなら食べられるでしょ?」「あなたが好き嫌いが多いから、メニューに苦労するのよ」
と、友達2人から言われてしまう。
ワインは、ラベルが読めない文字で、「?」、輸入元ハンガリーと書いてあった。
そういえば、トカイワインも変な字がはいっていたっけ。
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Fがお手伝いをした日本メキシコ友好400年記念という、オペラ「夕鶴」に友達Neと行った。
メキシコ人の歌手が、日本語で歌う。上手な発音! 「スペイン語と日本語は発音が
似てるのよ」と、Neが言う。 それでも字幕はあった。
オペラといっても、セミ・ステージ形式なので、舞台左側にオーケストラ、右側に高さ20センチ
ほどの台があり、それが舞台。歌手は全員適役。ラテン系なので、お芝居が上手。
細やかな心情も伺えるほど、なりきっていた。
衣装が美しく、舞台映え。「つう」の白い服の袖は、初めたっぷりしているのが、後半は
痩せたことを表すために、細くなっていた。「運づ」、「惣づ」という「与ひょう」をそそのかす
2人が、ピカソの「アルルカン」(道化師)を思い出す衣装。三角のとんがり帽子をかぶって、
見ているだけで笑いそうになった。
後半からは、皇后様がお見えになり、会場の大学学長、坂東真理子さんがご挨拶をなさっていた。
ジョン・エヴァレット・ミレイ展 [展覧会(西洋画)]
渋谷の東急Bunkamuraミュージアムへ、「ミレイ展」を見に行った。
この展覧会は、ロンドンの「テート・ブリテン」、アムステルダムの「ゴッホ美術館」で開催されたものの巡回展。
ミレイは、英国ヴィクトリア朝を代表する画家で、Sirの称号を得ている。
ミレイの代表作は、シェークスピアのハムレットに題材をとった「オフィーリア」。
気ちがいを装った恋人のハムレットに「尼寺へ行け!」と言われ絶望。さらに父まで殺され、
気が狂ったオフェーリアは、川辺に咲いている花を摘もうとし、足を滑らせ、川に落ち、
水死してしまう。
「オフェーリア」を題材にした絵は多いが、これほど美しいのは、少ない。
手に花をもち、自らの意思で沈んでいくような、恍惚の表情。
花はあとから、書き添えられた。
ミレイの絵は、美しく、女性好みなのか、観客の8割が女性だった。
展覧会は、絵が描かれた年代順に展示されていて、わかりやすい。
ミレイは、早くから天才振りを発揮、11歳でロイヤルアカデミー付属美術学校に入学。
最初に展示されていたのは、10歳の時の石膏デッサン。陰影が見事。
これは、20歳の作品。「両親の家のキリスト」
大工仕事を手伝っていたキリストが、指に釘を刺し、血がでたところ。
「大丈夫、痛くないわよ」とマリアが慰めている。血を洗う水鉢を持っているのはヨハネ。
21歳の作品「マリアナ」。シェークスピアの「尺には尺を」という作品からヒントを得て
テニスンが書いた詩の主人公マリアナ。
モザイクがきれいに描かれた窓からの光が右下の足元をはっきり照らしている。
床に落ち葉があっても気づかないのは、マリアナが婚約者にふられ、深い絶望にいるからとのこと。
ミレイは、評論家のジョン・ラスキンと親しくしていて、一緒にスコットランドに行った。
その途中、ラスキンの妻エフィーを描いた水彩。「エフィー・ラスキン」
エフィーはアンティークレースの収集家だったので、服やヴェールのレースがみごと。
後に、エフィーは、ミレイの妻となった。(!)
長女が初めて教会へ行ったときの様子。「初めての説教」。いじらしいほどの緊張ぶりが伝わってくる。
この作品が人気だったので、続編として描かれた、「2度目の説教」(右)。2度目になると、こっくり、こっくり。
探検家「Sirウォルター・ローリーの少年時代」
船乗りが語る冒険話を夢中になってきいている。モデルはミレイの2人の息子。
パリ万博で金賞をとった作品、「姉妹」。モデルはミレイの3人の娘。
これもレースの質感がすばらしい。
若い頃のミレイの作品は、あまり大きくないが、後年は巨匠レンブラント、
ベラスケス、ティツァーノに自らを重ね合わせ、大きな絵を描くようになる。
「ハントリー公爵夫人」 かなり大きな絵。
同じ英国の肖像画家ゲインズバラを思わせる作品だが、顔と背景にミレイらしさがある。
「ベラスケスの思い出」
遠くから見て、「え?ベラスケス?」と思ってしまうほどの作品。
ミレイは、これを描く前に、ルーブルで、ベラスケスの「マルガリータ」を見ていたので、
英国人の女の子をモデルに、スペイン風の衣装を着せ、髪型もマルガリータふうで、
オレンジを手に持たせた。
英国のロイヤル・アカデミーがベラスケスの「女官たち」を購入していたので、べラスケス
の画風を研究、作品を仕上げ、ロイヤル・アカデミーのディプロマとして提出した。
最後には、ミレイの好きなスコットランドの風景画も展示してあった。
見ごたえのある展覧会だった。ミレイだけの展覧会というのは、本国英国でも少ないそうだ。
もっと読む ↓
てんとうむしさんのとっても詳しい記事があります。写真もたくさん見れます。
パリの朝市(池袋) [閉店した店]
この店は閉店しました。
ニースでのDB先生のレッスンから帰国した友(歌姫)から、「ごはん食べよう」と電話。
「いつものとこ?」「そう」
私たちのいつものとこは、前記事にもあるパリの朝市(池袋・東武百貨店15F)
「ニースでフランス料理ばっかりだったんじゃないの?」
「今回は、Hさんと私と2人だけだったから、DB先生が家に泊めてくれたのよ。そしたら
先生がベジタリアンで、ヘルシーメニューばっかだった。」
前菜は、焼きなすの詰め物にトマトソース。イベリコ豚のチョリソーの細かく刻んだののせ。
カレイのキノコ詰め、海老のアメリカンソース
北海道産コーンのスープ(写真なし、おいしかった!)
子羊のシチュー、パイ載せ
ケーキ盛り合わせ(好きなのを選ぶ)
「ところで、ずっとネット見てないから、わからないけど、シカゴのブログ書いた?」
「うん、書いた。Neから『まだぁ?』って、仕事中にメールはいったし」 (2人で笑う)
シカゴでの話をすると、
「やっぱりね~、アメリカは、ニューヨーク以外は一人で歩くのこわいよ」
毎夏、世界各地でのDB先生のマスターコースに参加で、旅慣れている歌姫にも
言われてしまう。
ニースでも、この夏、韓国人の門下生がレンタカーを盗まれたり、スリにあったりしたそうだ。
「東洋人は、ねらわれやすいから」
「シカゴでそんなファーストフードばっかりじゃ、機内食のほうがまだよかったんじゃない?」
「アメリカ国内はファーストでも、りんごとバナナがぽんと配られて、りんごは丸かじりするの。
柔らかくておいしかったけど」
日本→デトロイトの機内食(business class)
海老のチリソース(中華丼っぽい)
この記事を書くために、管理ページを開いたら、アクセスランキングが「28位」
私はいつも1000番台だから、「えっ?どうして?」と、アクセス解析を見たら、
yahooとGoogleの検索から大勢が、「ロシア・アヴァンギャルド展」の記事に来ていた。
この展覧会でのシャガール3点が、パリのシャガール委員会から「にせものでは?」
と指摘されたので、25日からの大阪での巡回展には、展示をしないというニュースが
出ていたのを思い出した。
展覧会の主催者、東急Bunkamuraは、モスクワ市近代美術館のコレクションを借りただけ。
モスクワ近代美術館は「学術的調査も行っており、作品は真正である」と反論しているそうだ。
シカゴ美術館(2) [外国の美術館、博物館]
印象派が充実している美術館だが、アメリカ美術のコレクションも充実している。
スーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」の前よりも、もっとにぎわっていたのが
この絵の前。 皆、「ほら、これ」とか、「あった!」なんて言いながら、はしゃいで見ていた。
「アメリカン・ゴシック」 (Wood作)
農夫とその娘を描いていて、質素な服だが表情は理性的。アメリカでは、とっても有名な作品だそう。
メアリ・カサットの「沐浴」
母子のやさしく細やかな愛情を描くことに関して、天下一品のカサット。
上から見たような構図や、大胆な縞模様の服は、日本の浮世絵からの影響といわれている。
同じくカサットの「バルコニーにて」
カサットのことに関しては、yk2さんの詳しい記事があります。
エジプトの工芸品もあった。
初代シカゴの「証券取引所」を取り壊す時、移築したもの。
かなり大きな部屋。シンプルな構成だが、細部は贅沢で栄華がしのばれる。
ピカソ、題名は?
「The Red Armchair」1931(Inatimyさんがに調べてくださった)
マティス 「テーブルの上のりんご」
再び印象派に戻って、
コローの「傷ついたエウリディケー」 背景は、コローのいつも描く森。
モネ 「プールヴィルの崖」
この絵のモデルは、亡くなったモネ夫人カミーユではなく、2番目のモネ夫人アリスとその娘。
そのあたりの事情は、pistacciさんの記事にあります。
ミレー 「オーヴェルニュにて」 構図がおもしろい。力強さよりも軽やかさ、優美さがある。
こちらは、英国ビクトリア朝時代のジョン・エヴァレット・ミレーと似た画風のロゼッティ。
亡くなった妻がモデル。妻は、ミレーの最高傑作「オフェーリア」のモデルでもあった。
今、渋谷のBunkamura「ジョン・エヴァレット・ミレー展」で、「オフェーリア」を見ることができる。
マネにしては珍しい宗教画。「兵士に侮辱されるキリスト」。
イエスの視線は天を仰ぎ、3人の兵士たちはイエスに屈辱の言葉をあびせている。
それぞれの人物が肖像のように描かれているところに近代性がある。
ムリーリョ 「キリストを指差すバプティスマのヨハネ」
ムリーリョの聖母子や子供は無垢な美しさ。ここでのキリストもヨハネもすっきり描かれている。
パロマ展での絵を思い出すような宗教画。
Francesco de Mura という作者の「Charity」1743/44 (Inatimyさんthankyou!)
部屋の中で目立ってきれいだった。
ライト設計の高級住宅街 [旅行(アメリカ)]
ライトの家とスタジオは、郊外のオークパークという閑静な高級住宅街にあり、
ライトの設計による26軒の立派な邸宅が今でも残っている。
オークパークへは、美術館のすぐそばから電車で20分。
駅を降りてから、地図を見ながら歩く。2ブロックほどで、緑豊かな公園が見え、
ここから、ライトの住宅街がはじまる。
この家は、Moore Dugal邸 (1895年)
ライトに、仕事がたくさん来ない頃、友人のMoore氏が依頼した家。
Moore氏の希望で、英国チューダー王朝風だが、塀のブロックはライト好みのマヤ建築風装飾。
旧帝国ホテルにもこんな丸い石の装飾が使われていたような。。
私が写真を撮った邸宅は、歴史的建造物と看板があったものだが、
実際、今も住んでいたり、売りに出されているものもあった。
一番上の写真のライト邸を横から見た所。
随所に装飾が施されていた。
ライトの邸宅に隣接しているこの白い家は、スタジオ(設計事務所)。
予約制で、邸宅内、スタジオ内を見学できるが、1週間前で満員だった。
高級住宅地なので、人が全くいない。昼間でも誰も歩いていない。
しーんと静まりかえって、、、こんな所で、撃たれたらどうしよう、と急に心配になって、
もう1ブロック先のヘミングウェイの家も、その他、有名邸宅も見ずに、ライト邸を見た
ところで、足早に引き返した。
ひとり旅はこわい、と思った。
往復に使った電車は、シカゴのダウンタウン内では、高架になっていた。
摩天楼の中をくぐりぬけて、ガタゴトと走る。手前に見える白いのがプラットホームの屋根。
ホームとホームをつなぐ木造の橋から撮った写真。
どこまで乗っても一律2ドルと安い。
駅を出た所で、マックを発見。
昼のごはんがまずかったので、マックなら大丈夫(*^^*)
日本の100円マックと同じく、1ドルメニューがあり、今週の1ドルは「ダブルチーズバーガー」。
喜んで持ち帰り用に2個買った。ところが、50メートル歩いたら、またマックがあり、さらに、
またマック。。シカゴはマックの発祥の地で、角々にある。もっとホテルに近づいてから買えば
よかった。。
ホテルは、映画の撮影にもよく使われる装飾がすばらしいヒルトンだったから、
ドアマンが立っているのを見たとたん、マックの袋を提げて、は場違いかな、って思った。
部屋でコーヒーをいれて、ようやく、ゆっくり、くつろいだ。
シカゴ美術館(1) [外国の美術館、博物館]
アメリカの3大美術館は、ニューヨークのメトロポリタン美術館、ボストン美術館、シカゴ美術館
と、書いてあるのを所々で眼にしていた。メトロポリタン美術館、ボストン美術館は2回行ったけれど、シカゴ美術館は行ったことがなかった。
昨年、シカゴに行った友人が「美術館がとってもよかったです。印象派が充実していました」と、カイユボットの「雨の日」の絵葉書をくれたので、行きたい気持ちに拍車がかかった。
「雨の日」は、パリのオペラ座付近が背景。大げさなほどの遠近法。雨に濡れた歩道のつややかさ。
友達を誘ったら、「ビジネスの街には興味ない」と断られ、ひとりで行くことにした。
美術館の建物の周囲は、広い公園で、気持ちがいい。
この美術館の代表作品は、スーラの「グランドジャット島の日曜の午後」。
大きな絵。作品の寄贈者の遺言で、「額は白、壁は卵の殻色。門外不出」と指定されて
いるので、ここでしか見ることができない。
各部分の点描がそれぞれ違ったタッチで、とてもていねいに描かれていて、完成に2年かかった
というのがうなずける。スーラは31歳で亡くなった。
この美術館の所蔵品は、4人のコレクターの寄贈から成り立っているので、
それぞれのコレクションごとの展示。だから、たとえば、コローが、こちらにあったり、
あちらにあったりする。
今回は、改装中ということもあって、有名な作品は、どれも貸し出し中。
「We don't have it. It's on tour now」 とか、「Sorry,It is gone」って。
でも、そのぶん、ふだん見れないガイドブックに出ていない作品が見れた。
モネも「積みわら」でなく、「小屋」 清々しいきれいなパステル調の色づかい。
これは、青がきれいな 「The beach at Sainte-Adresse」
ロートレック,22才の作品「Portrait of Jeanne Wenz」
意志の強い女性であると感じさせる。
マネ「水を飲む少年」 大胆な構図。実に生き生きとしている。
ゴッホ。まだ渦巻いていない頃。いろいろな種類の緑が混ざり合ってきれい。
同じくゴッホ 「Mrs.Roulin」 肖像画になっている郵便配達夫の奥さん。
手にもった綱で、ロッキングチェアーを揺らしている。
これと背景の花が微妙に違うバージョンのものが、ボストン美術館にある。
シャガール 「白い十字架」
フランスに移住したものの、ロシアへの望郷の念が絶ちがたく、哀愁を帯びた作品。
当然のことながら、アメリカの画家の作品もたくさんある。
メアリ・カサットの「入浴」(左)と、「バルコニーにて」(右)
中庭のテラス。レストランのテラス席があるが、ひとりなので、カフェテリアにした。
頼んだのは、「スモークドハム」
つけあわせの野菜は、「Sweetpoteto」と書いてあったけど、味は(まずい)かぼちゃ。
それに冷凍人参とズッキーニと何かの炒めたもの。
ハムがナイフでなかなか切れないほど筋がある肉。塩味も薄く無味なので、マスタードの
いろいろな種類をつけてみたけど、、半分も食べられなかった。
飲み物つきで10$。アメリカの食事は、味がビミョーというのがある。