クーカーニョ (セルリアン東急ホテル) [レストラン(フレンチ)]
「クーカーニョ」って、意味がわからないけど、変な名前なので覚えやすい。
今年、ミシュランの星をとった店。
渋谷のセルリアン東急ホテル40F.
すぐそばに東京タワー、向こうに東京湾まで見える見晴らしのいい所。
でも、東京の街は、建物の形も向きもさまざまで、、あまり美しいとはいえない。
タキシードの襟の形のナプキンが迎えてくれる。
「わ、おもしろい。写真撮っていいですか?」
「どうぞ。よろしかったら、後でたたみ方をお教えしますよ」と、親切。
大学の時の友人、M、Fとのランチ。
メニューの「ラピッドランチ」(4600円)を頼む。
Mが、「うさぎ?」ラビットじゃなくて、ラピッド(笑)
きれいなオードブルは、テリーヌ。
レッドムーンという皮が赤くて中が黄色のじゃがいもの下は、砂肝とチーズ。
さつまいものように見えるレッドムーンだけど、味はじゃがいも。
周りをベーコンで囲んである。グリーンマスタード添え。
つけあわせは、赤ワインで煮たりんご。
ごぼうのスープ。これが絶妙においしい。
ミキサーを使っているので、もったりとごぼうの重みと味を感じる。泡のカプチーノ仕立て。
チキンブイヨンでのばして、生クリームをちょっといれた、とのこと。ゆでたごぼうを散らしてある。
ニュージーランド産牛フィレ肉のステーキ、南仏野菜のせ。
ちゃんとお肉にコクがあっておいしかった。
友達2人は、カナダ産オマール海老。とってもきれいだった。
パンにつけるオリーブオイルが3種類。紫オリーブの実を細かく刻んだのを入れたぶんが
おいしかった。そういえば、この店は、「プロヴァンス料理」と書いてあった。
プロヴァンスだからインテリアも白が基調で明るい感じ。
やさしい味付けで、健康によさそう。盛り付けも美しい。
ここも最近はやりの白いお皿だった。
気に入ったので、また、行こうと思った。
オルセー美術館2008年冬(2) [☆彡Paris 美術館]
オルセー美術館での今回の企画展は、「ピカソによるマネの『草の上の昼食』の変奏」
これがマネの「草の上の昼食」
これをもとにピカソが、どんどん変奏していく20枚以上の絵が展示されていた。
う~ん、、最後の方は、もう原型を留めていなかった。
マネの絵は、何回見てもあきない魅力がある。
「バルコニー」 1868年 左端は、義妹で画家のベルト・モリゾ
「笛を吹く少年」1866年
闘牛場
ドガは、マネより2歳年下。
ドガ 「ベレッリ一家」 1858年
黒い服を着て、父の喪に服しているドガの叔母と娘たち。
右の少女が、じっとしているのに飽きているようすが、絵に活気を与えている。
ドガの叔母はフィレンツェの貴族、ベレッリ家に嫁いでいた。
「長いすにすわるモネ夫人」 1871年
モネ夫人カミーユ、静かな気配。この頃はもう病気だったのだろうか?
ギュスターヴ・モロー 「イアソン」1865年
クールベの「鹿」
この他にも鹿を描いた絵が数点あった。
ドラクロワのライオン、クールベの鹿は比類なき技だと思う。
ミレー「春」 1848年 虹が美しい!
農民を描いたものでは、私は、ミレーよりジュール・ブレトンが好きだ。
「落穂ひろいの召集」
ロートレック 左:「Justice Dieuhl」 右:「ベッド」
フレデリック・バジール 「ピンクのドレス」
木々が、人物を近くに、南仏のオレンジ色の屋根の家々を遠くに見えるようにしている。
印象派の先駆者バジールは南仏出身。裕福だったので、ルノワール、モネ、シスレーらを
支えたが、普仏戦争に志願、29歳で戦死したため、作品が少ない。
今回は、あまり時間がなく、たくさんの写真を撮れなかった。
デジカメの「ミュージアムモード」は、フラッシュなしで撮れるけど、色あいの違うものが
いくつもある。ガラスが光ってしまったものもあった。
きっと一眼レフだとうまくいくのだろう。
オルセー美術館2008年冬(1) [☆彡Paris 美術館]
オルセー美術館は、観光客に人気でいつも混んでいる。
このときも、「ピアソとマネ展」の看板の写真を撮ろうと思ったのに、待ち合わせの人や、
記念撮影の人で、人が途絶えることがなかった。
後ろに行列ができているのがわかりますか? 私も約1時間待ってはいった。
(ミュージアムパスを事前に買ってあれば、並ばずにはいれます)
1時間も外で寒い中待ったので、まずは、5Fのティールームに。
あらら、ここも行列。仕方なくカフェテリアに。コーヒーとマフィンで休憩。
美術館内は作家別にブースになっていて、わかりやすい。
地上階、アングルのすぐそばに、私の好きなシャヴァンヌ(Puvis de Chavannes)
のブースができていた。
ここも人が多く、なかなか誰もいない写真が撮れなくて、、。
タイトル不明 の3点と書いたら、Inatimyさんが教えてくださいました。
左から、
「La Vigilance」(警戒、監視) 「L'Histoiore」(物語) 「Le Recueillement」(瞑想)
「希望」
小さいながらもインパクトのある絵。
破壊された城を背景にモデルの少女が、白い布をかけてすわっているのは盛り土を
した墓。きっと戦争のあとだろう。
少女が差し出しているのは、平和の象徴のオリーブの枝。
遠く地平線のかなたに夜明けの光が薄ぼんやりと見え、新しい希望の朝であるとわかる。
「髪結い」 古典的主題のきれいな作品。
(大きな写真は、yk2さんのところで見てください)
左「鳩」1871年 右「気球」1870年
この絵に関しても、yk2さんのところにくわしい説明があります。
シャヴァンヌは、19世紀最大の壁画家といわれ、壁画が多い。
静かな詩情あふれる画風 は、公共の建物にぴったりだったのだそう。
上の「希望」の少女が、白い服を着たヴァージョンは、壁画となっている。
私は、シャヴァンヌの詩情と共に、優雅さと色合いも好きだ。
以前に書いたシャヴァンヌに関する記事(絵も見れます)
すぐ横は、アングルとアングル派の人々の作品。
有名な「泉」
さて、5Fにあがってみると、特別ブースに、縄を張って祭られていたのが、「新規購入作品」
エミール・ベルナールの「象徴的な自画像」
ベルナールと同じ頃の画家、アンリ・エドモンクロス(Henri-Edomond Cross)の
「夕景」(L'air du soir) 1893年
エドモン・クロスは、シニャック(Signac)に誘われて、2年間を南仏でいっしょに暮らし、
この絵を描いた。エドモンクロスの手法は大きな長方形の点描。南仏らしい光あふれる
場所だが、夕方の空気は、光を和らげ、全体がやさしい色のトーンになっている。
後ろに船が見えるが、地平線と水平線が色の濃淡だけで暗示されているかのようだ。
この絵の構図は、シャヴァンヌの「楽園」にヒントを得ているとのこと。
(同じ時期、同じ場所で触発されながらシニャックが描いた絵、「ハーモニー」は、ここ)
同じく、エドモンクロスの「金色の島々」(Les Iles d'Or)
「金色の島々」というタイトルなのに、島は遠い。砂、海、空の色のグラデーションがきれい!
隣は、George Lemmen "La plage à Heist-1891" この2点だけ、額が白で目立っていた。
ルノアールのブースもあるが、貸し出し中の絵が多かった。
「大きな裸婦」 実際、大きな絵で目だっていた。
「モスク、アラブの祭」1881年
ルノワールらしくない主題かなと、注目。
城が見える城砦のような場所でのアラブ祭り。下から眺めているような構図がおもしろい。
とりあえず、今回はここまで。
続きは次回。
2009年正月 [シャンパン・ワイン・ビール]
①元旦
シャンパン(ルネ・ジョリRJ)と、日本酒(大関の長兵衛)。
お正月らしく風格のある黒いボトルのお酒で。
② 新年会(高校の友達中心の悠遊会9名)
「いつもブログに出てくるルネ・ジョリって、これなのね~」とM子ちゃん。
今まで持ち寄りだったけど、今回は、会費制。
近所で評判のお刺身をとったら、メニューがついてきて(驚)。
欠席のN嬢、早くよくなってね。
手前の赤いのと黄色は赤、黄ピーマンを焼いて皮をむきマリネにしたもの。Aさん作。
③ 弟の家で。
弟の奥さんは、てんぷらが上手。この日もエビのてんぷらがぷりぷりしておいしかった。
「最近、私、シャンパンが好きになったんですよ」という弟の奥さんのために、
いただきもののシャンパン、『エドシック・モノポール Blue Top』と、ワインを持って行く。
弟は角煮が得意。「今日のは、蛸がはいってるからね」
「聖護院大根も煮たけど、食べないでしょ」(はい、食べません) エビの後ろに見えている。
「これ、コクがあるし、喉越しもよくておいしいです~」って、シャンパンに義妹は大喜び。
ピノ70%だから、ね。私も好きなタイプだった。
オーストラリアで最も古いワインメーカー「ペンフォールド」のRWTシリーズ。シラーズ。
もらったけど、素性がわからなかったので、ネットで調べたら、1万円以上していた(!)
香りもよく芳醇。酸味も渋みもない。
次回はまた、パリの話。
今回は②を記事にしないと、「写真撮ったのに、私たち出ないわね」って、言われそうだから。
コメント欄は、なしにしときます。
2008年クリスマス [☆彡Paris 街歩き]
2008年クリスマスイブ、12月24日の夜、シャンゼリゼ通り
向こうに見えるのは、チュルリー公園の観覧車。
同じ場所で、振り返ってみると、向こうに見えるのは、凱旋門。
これは、ロンポワン・シャンゼリゼ付近の池。キラキラときれい!
「クリスマス用の花」と書いてあるのを買って帰った。
フランスでは、クリスマスにおよばれをすると、花を持って行く人が多いそうだ。
左奥に見えるのが、クリスマスツリー。
友達の家では、テーブルセッティングができていた。
おなかがすいていたので、このオレンジを食べたかったけど、ガマン。。
クリスマス・ディナーは、正式には夜中の12時から食べ始めるのだそう。
「でも、待てないでしょ」と言われ、E夫妻と私、3人のディナーが始まった。
① 生牡蠣とシャンパン。
牡蠣は、Eが数えて、「54個だから、ひとり18個よ」
牡蠣には、茶褐色のパン・ド・セーグル(全粉粒パン)をあわせるのが決まり。
エビも、レモンとマヨネーズで食べるとおいしい。
② フォアグラ。ブルーベリーといっしょ。
これは、ひとり2個づつ。トーストした食パンと、甘い白ワイン「ソーテルヌ」。
この組み合わせが、絶妙。
③ メインディッシュは、カレイの香草オーブン焼き。
取り分けているところ。手前はつけあわせのポテト。
④ クリスマスケーキ。
フランスのクリスマスケーキは、ビッシュ・ド・ノエル(薪の形のロールケーキ)。
イチゴののったショートケーキは、見当たらない。
近所で見つけたビッシュに、「愛」という文字があったので、びっくり。
でも「愛」の字がはいってるのは、8人用の大きいのだったので、これでガマン。
4~5人用。和という字がある。横のチョコプレートには、「平和栄」と。
TVをつけると、「木の十字架少年合唱団」が世界のクリスマスソングを歌っていた。
「次は、日本のクリスマスソングです」、、何の曲かと思えば、
「雨は夜更け過ぎに雪へとかわるだろう。サイレントナイト、ホーリーナイト、、」
「これが、日本のなのね」と言うと、Eが「え?この歌、きいたことない」
そうよね、Eはもう日本で暮らした年月よりフランスでのほうが長いんだから。
☆☆☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆
この日の午前中は、買出しに行った。
これが魚屋さん。「あら、こんなきれいに飾ってるのね」と、Eが笑う。
いつもはそっけない店だそう。手前ピンクの塊は、エビのようなカニ。
左奥に見えるのがたらばカニの脚。
買ったのは、カレイ。1キロ34ユーロ。2キロあったので、約9000円。(1ユーロ=130円)
E家の台所の流しで、水をかけているところ。 香草を載せオーブンで焼いた。
2005年のクリスマスもパリだった。来年も。。(希望)
パリの3つ星レストラン(2) [☆彡Paris レストラン・カフェ]
Eと私は、シャンゼリゼの「フーケッツ」Fouquetで、dukeさんとその友達Kを待っていた。
私は、ミュスカ、Eはカンパリを頼んだ。一緒に運ばれてきた紫色のオリーブがおいしい。
いつものように、他愛もないことを2人でしゃべっていると、映像から抜け出てきたように
美しい人が目の前に、、dukeさんだった。
dukeさんは、So-netの友達だけど、高校の後輩。
行く先は、パリのはずれ「ブーローニュの森」の中にあるレストラン「ル・プレ・カトラン」。
4人でのプチ同窓会。
「ブーローニュの森」は広大。森の中をかなり走って、ようやく着く。
ルイ16世の狩猟場の館だった建物を 「ル・ノートル」が買い取ってレストランにした。
小鳥のさえずりも聞こえる。
Eは、ここのサロンで結婚披露パーティをしたという思い出がある。
内装は上品でモダン。白い蘭が似合う。中国っぽいひょうたんが飾ってあった。
相談の結果、何皿もでる「おすすめコース」にする。
1、桃のリキュールのシャンパン。 香りがよくて、うっとり♪
2、森のきのこのスープ、ムース仕立て。
和を意識したような器。お茶碗のよう。
最初に向こう側にあるミルクピッチャーのような器の、何だったか、、を入れるのでした。
3、サーディン(鰯) 3種類の小皿料理で構成。
①スープ 「わぁ、きれい!」と声をあげてしまう美しさ。
②オイルサーディン風(缶の形の器)、フランスパンのかりかりトーストつき。
③から揚げ、置き方がおしゃれ。緑はバジルだったような。。
4、ワインの写真を撮り忘れ。
ジュブレィ・シャンベルタン 1998年
「これがあうと思います」とソムリエ氏にすすめられ、Eは「そうね、この年はいい年よ。
フットボールが優勝した年ですもの」
フランス人は、フットボール(サッカー)好きだから、こういうジョークは受ける。
5、ホタテ貝 これは4種類の小皿。
①熱く焼けた石の上にホタテがのって来た。白いのは塩。これは、ひっくり返した所。
②ホタテ、胡桃ソース 濃厚です ③ホタテ、りんごソース やさしく甘いです
④ホタテ、レモンソースだったような。。
6、手長エビ
①ラビオリ、ぷりぷりっのエビがどんとはいっていた。上は泡立てたムース。
②から揚げ 素材の良さで勝負。
③てんぷら風。アジアチックな甘いソースをかける。食べ終わったあとでスミマセン。
7、鹿のワイン煮、チョコレートソース。
お肉にチョコレートって? と思ったけど、意外に合う。横のつけあわせはパスタ。
これは、赤ワインにすごくあうので、あっというまにグラスがからになった。
赤ワインのブランドは、全く忘れ。。
Kちゃんは、お肉が食べられないので、お魚に代えてもらった。
私たちも味見させてもらう。
8、チーズ
ワゴンがやって来た。好きなだけ食べていいんだけど、もう、おなかがいっぱい。
モン・ドールとカマンベール、ブリーにした。
9、デザート
①いきなり、お重がやってきてびっくり。中はこれ、羊羹ではなくヌガー。
「シェフは、日本で勉強しました」、とサービスくんが言っていたから、和のテイスト。
見た目が和で、味がフレンチ。「これは食べないでお持ち帰りにしましょう」、と
相談していても日本語通じないからOK(笑)
②カフェ・エスプレッソというシェフ自慢のデザート。
「壊れたかと思ってびっくりしたわ」と、Eが言ったけど、飴細工の繊細なケース。
コーヒー風味のチョコレートムースやアイスクリームでパフェ風。
③バナナのババロワふう。ピーナッツバターソース。ラムレーズンアイスクリーム添え。
バナナだし、、、おなかいっぱいだし、、皆も残してるし、、で、私も途中でやめた。
12時の予約で、ここを出たのが4時。
dukeさんもKちゃんも、礼儀正しく控えめだけど才気煥発。
私たちとは、かなり年の差があるのに、話がどんどんはずみ、あっという間の4時間ランチ。
ナイフやフォークは、「クリストフ」で、お皿は、どれも独創的な形。
まず、「目で見て」、味わう。懐石料理の心がはいっている。
とにかく見た目重視で楽しさ満載、シェフのフレデリック・アントンが鬼才といわれるのも
納得だった。