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ワルキューレ [オペラ、コンサート、バレエ]

 新国立劇場に、ワーグナーのオペラ「ワルキューレ」を見に行った。
休憩2回で5時間15分という長丁場なので、5時に始まった。

Walkure.JPG

 この演目は、「ニーベルングの指環」というワーグナーの超大作オペラの一部。
序夜が、「ラインの黄金」、第一夜が、「ワルキューレ」、第二、第三もある。

 ワーグナーは男性ファンが多いので、この日も男性客が多かった。あちこちで
熱く語っているのが聞こえてくる。いいな[わーい(嬉しい顔)] と思う。

 オーケストラの前奏はなく、唐突に始まる。
ロンドンで好評だったというキース・ウォーナーの斬新でモダンな舞台演出。
椅子2つと机、結婚写真のはいったフォトスタンド。これらは全部普通の3倍の大きさ。
歌う人間が小さく見える。神にくらべて人間が小さいという意図なのか?
空間と照明を上手に利用して、奥行きや光と闇を表現していた。

 行く前に、あらすじを読んだけれど、登場人物が多すぎるし、神と人間がごちゃごちゃ
になって、さっぱり。。。字幕を一生懸命読むことにしよう。

  [ひらめき]  [ひらめき]  [ひらめき]
 主演は全員、世界で活躍するワーグナー歌手。堂々と安定した歌唱力。
もちろん、きれいなドイツ語。重厚さに聞き入ってしまう。
時々、聞こえる「ワルキューレの騎行」(昔の映画、地獄の黙示録に使われた曲)で、
眠くならない。オーケストラはメリハリがあって、管楽器が気持ちよく響いていた。
「この指揮者、前にも見ましたよね」とオペラ友Mが言う。昨年「魔弾の射手」のときと
同じダン・エッティンガー。

 神々は、長いものを上にはおり、神と人間の区別は衣装でつくようになっていた[ハートたち(複数ハート)]
三幕目は、病院のような舞台装置でびっくり。しかも戦乙女(ワルキューレ)たちが
移動ベッドを走って押し回る。[目]

  最後のシーンで、主神ヴォータンがアイパッチで現れたときは、「トム・クルーズ!」
映画「ワルキューレ」で、ヒトラー暗殺計画を企てる将校役のトム・クルーズに似ていたから。
ヒトラーがワーグナー音楽に傾倒していたことを、オペラを見ていて思い出した。
英雄崇拝、権力志向、戦い、神々と人間の苦悩というテーマが、勇壮な管楽器の響きと
共に伝わってきたからだ。台本はワーグナーが中世ドイツの英雄叙事詩をもとに書いた。

 ヒトラーで思い出したのが、手塚治虫の「アドルフに告ぐ」
奇想天外な発想だが、おもしろかったので、まだ本棚に並んでいる。
高校の同級生のEちゃんが、ドイツ語版作成に携わり、全5巻が完成したとのことなので、
取り寄せてもらった。1巻12ユーロ。
漫画だから、絵を見て、字を見て(知らない単語だらけ)、日本語を推測し。。
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