レオナール・フジタ展(横浜そごう美術館) [展覧会(西洋画)]
1月までやっていた上野の森美術館の「レオナール・フジタ展」(りゅうさんの記事を参照)
を見逃したので、この展覧会の広告を見たときは、うれしかった。
さっそく14日(日)、会期2日目に行ったら、とてもすいていて、ゆったりと見れた。
そもそもは、2006年に国立近代美術館で見た「藤田嗣治展」。
とてもよかったので、いつか、またフジタ作品をまとめて見たいと思っていた。
1992年にパリのオルリー空港近くで、フジタの4枚の大きな壁画が発見された。
長年放置されていたため、傷みが激しく、修復に6年かかり、ようやく上野の森美術館
で、初公開されたのだった。
今回は、①大きな4枚の壁画、②晩年精魂傾けて取り組んだランスの礼拝堂の壁画、
③フジタが国内で手がけた大きな絵という構成。
①、②は上野の森美術館での展示と同じで、③が新企画。
目玉となる4枚の大きな壁画は乳白色。誰もいない会場。近くでよーく見ると、
「ライオンのいる構図」のライオンは、やさしい顔立ち。たてがみや檻の木目が細い線で
ていねいに描かれている。それぞれの場で三々五々ポーズをとっている人たちは、きっと、
何かのストーリーがあるのだろう。想像を巡らせながら見るのもおもしろい。
この隣にあった「争闘」、筋肉隆々シリーズには、ちょっと引いてしまったが、ミケランジェロの
システィナ礼拝堂の「最後の審判」をまねたと聞いて、挑戦者フジタの試みと納得がいった。
初めて日本を後にしたときからずっと、世界レベルを目指していたフジタ。
ミケランジェロを目標にしたのも当然のことのような気がする。
パリで成功していたフジタだが、新たに群像表現にとりくみ、父に会うために
帰ってきた日本滞在中にも、大阪そごうの壁画、銀座コロンバンの天井画、志摩観光
ホテルの食堂の壁にかける絵など、大きい絵を制作した。
優美でモダンな女性たちが描かれている。
洗礼をうけ、レオナルド・ダヴィンチにちなんだレオナールという洗礼名になってからの
宗教画が、意外によかった。
「最後の晩餐」も「十字架のキリスト」もリアリティの中に、foujita独特の優美さがあり、
見ていると、清らかな気持ちになる。浄化という言葉が浮かぶ。
foujitaが79歳で壁画を手がけたランスの礼拝堂は、シャンパン会社「MUMM」の構内にある
とのこと。いつか行ってみたい。
横浜の人から、「山手十番館」のマドレーヌをいただいた。
バターたっぷりで、実においしい。
この包装紙を見て思い出したのは、先週行った、同じそごう美術館での「川上澄生展」
yk2さんのブログで見て、おもしろそうと、湘南の帰りに寄った。
でも、この包装紙のデザインを手がけたのは、「生悦住喜由」(イケズミキヨシ)
大正時代の横浜を実際に見た年代の人。木版の作品。