ルネ・ラリック展 [展覧会(絵以外)]
ルネ・ラリック展 国立新美術館
これは、ケシの花のハットピン(帽子にさすピン):オルセー美術館蔵
花びらの部分は白いエナメルに金細工、めしべは輝くダイヤ、おしべはオニキス。
実に細かい細工でみごと!
ルネ・ラリックは、19世紀末フランス、アール・ヌーボーの時代に宝石(ジュエリー)デザイナー
として活躍した。そして、20世紀になってからは、アール・デコという時代の様式を受け、
ガラス作家として、花瓶、香水瓶、カーマスコットなどを制作した。
宝石をちりばめた優雅で斬新なデザインの金細工。
ブローチ、ペンダント、ネックレス、ティアラ、櫛、などが100点も並ぶ。
女性客が9割。友達どうしで語りあいながら、じっくり見るので、列が進まない。
遠巻きに見た。
アリス夫人をイメージして作ったブローチ(中央)
デザイン画の展示されているジュエリーもあったが、繊細で美しい絵。
カーマスコットも30点ほど展示されていたが、実際のクラシックカー「イスパノスイザ」
がトヨタ博物館から来て展示されていた。長さが5m75cmもある大型車だが5人乗り。
鍋島家の持ち物だったそうだが、実際に日本の道を走ったのだろうか。
花瓶は、ガレの流れをくむ花、カエル、トカゲ、雀のモチーフ。大胆で美しい。
ラリックが晩年、打ち込んだシール・ペルデュ(蝋型鋳造)の作品も展示されていた。
蝋型鋳造は、ブロンズや貴金属製品の鋳造法で、複数生産できない1点もの。
ガラス作品の優雅さに比べると、金属の硬さがある。
1925年パリのアール・デコ博覧会では、ラリック作の「ガラスの女神の立像」128本
を使った高さ15mの噴水塔が話題を呼んだそうだが、そのうち12本が展示されていた。
ガラスの女神 フランス各地の川や泉のイメージでひとつひとつ違っている。
この女神像のようなレリーフを玄関の扉に使っているのが、旧朝香宮邸。
現在は、東京都庭園美術館。建築設計にラリックが参加したアール・デコの邸宅。
この展覧会は年代順に作品を展示してあり、作品数も400点と多いので、満足度が高い。
最後にテーブルセッティングのコーナーがあり、さまざまなグラスが並んでいた。
ここになると、手が届くような気がしてきたのか、友達が「ああいうのほしいわね」と囁いた。
私が昨年 箱根ラリック美術館に行ったときの記事