ウィーン世紀末展 [展覧会(西洋画)]
日本橋の高島屋で開催中(10月12日まで)の「ウィーン世紀末展」を見た。
19世紀末のウィーンは、芸術が花開いた時代で、絵画のクリムト、エゴン・シーレ
、ココシュカ、建築のオットー・ワグナー、音楽ではワルツのシュトラウスなどが有名。
← クリムトの「パラス・アテナ」
展示は、クリムトより少し前の時代の絵からはじまる。
ウィーン名所のプラター公園やシュテファン大聖堂、そして森を描いた絵。
以前に見て、詩的な荘厳さが気になっていた森の絵のシンドラーの作品もあった。
木々の葉が黄色くなりかけた秋のプラター公園で休日を楽しむ人々の絵が記憶に残る。
「プラター公園の木」は幹に大きな穴のある童話に出てくるような一度見たら忘れられない木。
シュトラウスの演奏で、ワルツを踊る女の人たちの絵も衣装が美しく印象深い。
「フーゴ・ヴォルフの書斎」の絵はちょっと感動。ヴォルフの「メーリケの詩による
歌曲集」を毎日聞いていた頃があったので。
クリムトとシーレのコーナーは、
左:クリムト「愛」 金で表装した掛け軸のような絵
中央部に抱き合う恋人たち。上に配された人の顔は何を意味するのか? 幻想的な絵。
右:若くして亡くなったクリムトの弟エルンストの作品「宝石商」
クリムトは、幻想的世界だけでなく、こんな絵も。「画家カール・モルの娘マリー」
カール・モル「庭のテラス」
エゴン・シーレは、クリムトの弟子。28歳で亡くなった。
自画像が1枚もないクリムトに対し、シーレは自画像が多い。
この自画像、頭の右横に花瓶を描いているのは、ゴーガンの自画像のマネと説明がついていた。
強いまなざしが印象的。
「ひまわり」 枯れたひまわり。
よく見ると下には満開の美しい色の花。希望や生命力を表しているそうだ。
←「アルトゥール・レスラー」
体をひねって不自然なポーズ。レスラーは、シーレの後援者。
誰か(名前忘れ)の描いたグスタフ・マーラーの自画像もあったが、
作曲家アーノルド・シェーンベルグ自身の筆による絵が3点あったのには驚いた。多才な人だ!
☆2005年末、パリで見た「クリムト、シーレなどウィーン世紀末展」(1)の記事はこちら
(2)はこちら
高島屋には、フランスのチョコレートコンクールで最高賞をとったパスカル・カフェ(PascalCaffet)の
ティールームがある。エクレアを食べた。中のクリームはヴェネズエラ産カカオ70%のチョコクリーム。
もったりとして濃厚で、甘みが少ない本格派。