グルベンキアン美術館 [外国の美術館、博物館]
ポルトガル旅行を決めたとき、「あそこに行こう」と思ったのは、グルベンキアン美術館。
2008年に行ったとき、こじんまりとセンスのいい空間、厳選された作品群に魅了されたが、
ゆっくり見る時間がなかったので、ぜひもう一度、と思っていた。
M子ちゃんが、「私も行くわ」といっしょに来てくれた。
平屋の細長いコンクリートの建物。バウハウスふう。
グルベンキアン氏はアルメニア人。石油で財をなし、晩年をリスボンで暮らし、
死後、莫大な財産と美術品をポルトガル政府に寄付した。
<1.European Art>
11世紀から12世紀半ばまでのコーナーは、宗教的なもの中心。
きれいな色刷りの聖書や、聖書物語の象牙のレリーフがすばらしかった。
明るく照明され、庇つきの額で目だっているのが、ギルランダイオ(Ghirlandaio,Domenico)
の「若い女の人の肖像」 Florence1485 テンペラ画
ボッティチェリの「春」と同年代の作品。宗教画の流れを感じる敬虔な顔つき。赤い服と
首飾りが美しい。
フランス・ハルス(Hals,Frans)
「Portrait of Sara Andriesdr.Hessix」 Holland 1626 油彩
「レンブラント?」と思ったら、ハルスのだった。生き生きとした表情をとらえるのが上手い
ハルスの「陽気な酒飲み」(RIJKS)や、「リュートを弾く道化師」(ルーヴル)の絵は、一度
見たら忘れらない。 この肖像は、真面目な表情。
レンブラントの「パラス・アテナ」 Holland 1660
派手な羽飾りのついた黄金の鎧兜、気品あるまなざしの美少年。
クリムトの「パラス・アテナ」とは大違い。
パラス・アテナって、ミネルヴァ=知の女神じゃなかった?と調べてみたら、これは少年
だけど、①ゴルゴンの首 ②ふくろうと、「パラス・アテナ」のしるしが2つあるから、文句
なしに決まり。手に持った盾に「ゴルゴンの首」がついていて、ゴルゴンの目が光ってる。
「ふくろう」は紋章でついてるそうだけど、どこ?
ルーベンス(1577~1640)の「ヘレナ」
この美術館自慢の所蔵品。等身大のように大きい絵。
画家の王と呼ばれるバロックの巨匠ルーベンス。
羽根、リボン、レースなど、装飾の多い豪華な衣装が、ふんわりとみごと。
ロイスダール(1628~1682)の「ハールレムの風景」
ハールレムは、ロイスダールが住んでいたオランダの地名。
私は、17世紀のオランダの風景画が落ち着いていて、結構好き。
木々や動きのある雲、水辺にかわいい家という風景がいいなと思う。
ヤン・ファン・デル・へイデン Jan van der Heyden(1637~ 1712 )
*表記と年号なおしました。Inatimyさんありがとう
ロイスダールと同時代の、オランダの風景画家。
やはり、木々と雲、水、家の絵。
廃墟や架空の景色ばかりを描くユベール・ロベールも、わかりやすいので、
彼の絵を発見すると、うれしくなる。これは「Scene of a park」
フラゴナールふうのロココ、夢の景色。滝がすばらしい。
隣に、本家フラゴナールもあった。「夢の島」
全体のトーンが暗くて、あまり夢の島には思えなかった。
-------- --------これだけ見ただけで、もうランチ休憩。
ここのカフェテリアは、なかなかよかった。
お昼の時間を過ぎていたので、もう、お客さんがいないテラス席。
お皿を鳩が、つっついていた。
ホワイトアスパラ、キッシュ、ミートパイ、トマトのファルシー(ツナを詰めている)を
2人で分けた。どれも、ちゃんと繊細なつくりで、とてもおいしく、にっこり。
続きは次回に。
<2.Decorative Arts & Silverware>と、18,19世紀のフランス絵画の記事です。