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ストラスブール美術館展 [展覧会(西洋画)]

 渋谷のBunkamuraミュージアムで「ストラスブール美術館展、語りかける風景」を見た。
11日までなので、あとわずか。デパート内の美術館は、7時までやっているので便利。

 「語りかける風景画」とサブタイトルがついているので、風景画中心。
チラシに使われている絵は、アルフレッド・シスレーの「家のある風景」1873年

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 フランソワ=ルイ・フランセの「アンティーブの眺め」1894年。少し大きな絵。
アンティーブはニースとカンヌの間の町で、ピカソが半年間、山の上の城に住んでいた。
高台から眺める入江のようすは、今も変わらない。

StrsAntive.JPG

 私は、こういう大きな木がある風景画が、落ち着くので好き。

 海の絵もあった。
海景画は、17世紀にオランダで生まれ、19世紀にはロマン主義でドラマティックな絵
になった。ヘンドリク・メスダッハ(オランダ)の「海景」1895年。
夕陽の輝きを背にした船。夕陽の光の描き方がダイナミックで、しばらく見入ってしまう。

StrsMesdach.jpg

 シニャックの「アンティーブ、夕暮れ」 1914年。
さきほどと同じ、アンティーブ。南フランスなので、日没は8時過ぎ。夕暮れでも
こんなにきらきらと明るい。かなり大きな点描。

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 抽象に移行する少し前のカンディンスキーの「サン=クルー公園」1906年。
サン=クルー公園は、パリの西のはずれ、セーヌ川沿いの公園で、絵の上の方にある
ような大きな並木が公園の中にある。お散歩にいい場所。
絵の具を置いただけ、のようにも見える大きな点描の絵。グリーンの濃淡がきれい。
これは、ポストカードでなく、布製のコースターなので、正方形。実際の絵も正方形。

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 はいってすぐ、モーリス・ドニの絵。これも風景画?と思ったら、「人物のいる風景」
というテーマだった。絵のタイトルは「内なる光」1914年。
ドニの奥さんマルトが中心。娘1が花を、娘2が果物を捧げ持ち、娘3は手を組んで
祈りにはいるところ。宗教画の主題を家族愛に置き換えた絵。窓の外がフレスコ画ふう
なのは、宗教的主題を意識してのことと書いてあった。茶色のトーンにブルーが映えていた。

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 先日行ったオルセー美術館展と異なり、こちらは、すいていて、さらっと見れる。
ストラスブールに行ったとき、今回の絵を貸し出してくれた「古典美術館」と、「近代美術館」に
行ったので、見覚えのある絵があるかと期待して行ったのだが、ひとつもなかった。
 
 ここで絵を貼ったヘンドリク・メスダッハ、フランソワ=ルイ・フランセは、初めて名前をきく画家
だったし、アンリ・ジュベール(Henri Zuber)の「羊の群れ」の澄んだ空気、ヴァロットンの
「水辺で眠る裸婦」は、「ボールを持つ少女」が好きな人に見てほしい大胆さ。
ギュスターヴ・ブリオンの「女性とバラの木」は、優雅な日常。ゼーバッハのグレーの世界、
ユープレシェットの「イル川にかかる橋」などなど、ビッグネームでないけれど、印象に残るものが
多い展覧会だった。


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