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20世紀のポスター【タイポグラフィ】 [展覧会(絵以外)]

  一昨日からの地震の被害が、どんどん広がっていく様子がTVに映しだされています。
マグニチュード9、1000年に一度の大地震という未曾有のものでした。
皆様も、それぞれ怖い思いをなさったことでしょう。帰宅も大変だったことでしょう。
そして、原発のこと、とても心配ですね。
自然の恐ろしさを改めて感じます。そして、被災地の方々のことを考えると、胸がつまる
思いです。まだ今後3日間は、地震の可能性もあるとのこと。
さらに、明日朝から計画停電が実施されますね。乗りきっていくしかないですね。

停電にそなえて、懐中電灯を買いました。今のはLEDなんですね。明るいです。
ラジオも必要ですね。



[かわいい]少し前のこと。
東京都庭園美術館で、「20世紀のポスター・タイポグラフィー」展を見たので、そのことに
ついて書きます。20世紀、つまり約100年前からの有名なポスターの展示。

ポスターの中で、文字は、情報を伝える大切な役目がある。
タイポグラフィーとは、活字の文字の表現方法。たとえば、現在、よく使われている縦横の
大きさが同じ「ゴシック体」(センセリフ)は、1930年頃、発明された。

私の気に入ったポスターをなるべく年代順に並べてみた。
(1) カッサンドル「食前酒DUBONNET」(1932年)。ユーモラスで楽しい。
買ってみようかな、という気にさせる。
cassandreDUBONNET.JPG

(2) カッサンドルの助手、レイモン・サヴィニャックも楽しい。
タイヤの「DUNLOP」社のポスター(1953年)
スキャンがうまくいかなくて、斜めになってしまったけど。。

DUNLOP.JPG

活字ポスターが一般的になる以前は、手描き文字だった。
(3) ホドラーの「ウィーン分離派(ゼセッション)展VER SACRUM(聖なる春)」
(1904年)のポスターは、アールヌーヴォー。
HodlerSECESSION.JPG


(4) マックス・エルンストのポスターは、ロンドンで開催された「シューレアリスム展」
(1936年)。当時のシュールレアリスムは、今、見ると、あまりシュールではない。
現在、国立新美術館で開催の「シュールレアリスム展」の広告とは、だいぶ違う。

MaxErnstSurrealism.JPG

第二次世界大戦が終わり、主流はモダンデザインで、商業広告がふえた時代。
(5) スイスのマックス・フーバーのグランプリ・レースの告知。
「モンツァ・グランプリ」イタリア(1948年)は、スピード感あふれるレース競技場。
その上に、文字が疾走する。当時としてはかなり斬新だったであろう。
MHuber.jpg

(6) イタリーの有名タイプライターメーカー「オリベッティ」社の企業広告(1942年)。
ジョヴァンニ・ピントーリの作品。目の検査のようなフューチャリズムは当時の流行だった。
Olivetti.JPG

(7) 日本光学工業の一眼レフカメラの広告「NIKON SP」(1957年)
東京オリンピックのポスターで有名な亀倉雄策の作品。
NIKON.JPG

(8) 1960年代には、ポスターにアメリカ文化の影響が出てくる。
ロバート・インディアナは、アンディ・ウォーホル、リキテンシュタインと並ぶアメリカを
代表するポップアーティストで、言葉と文字を使った手法が特徴。
新宿西口のビル前にも、赤い「LOVE」の文字のインスタレーションがある。
これは、ニューヨークのステイブルギャラリーで開催された「LOVE展」のポスター
(1966年)
LOVE.JPG

1980年以降は、パソコンの普及により、電子時代、DTPの時代となる。
文字もパソコンソフトで、容易に3次元(立体的)にできる時代となった。
(9) カリ・ピイッポの「ハムレットの公演告知」(1993年)
HAMLET、WILLIAM SHAKESPEARE の文字、何かを暗示するような「H」の文字
だけが横たわる。
Hamlet.jpg

 ポスターなので、絵画の流れの歴史とも、連動していて、興味深かった。
庭園美術館は、元朝香宮邸で、完成したのは、約80年前、アール・デコ様式。
20世紀を生きてきた建物なので、これらのポスターには、最適な展示場所と
思えた。(3月27日まで)


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