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さよならル・シャポン [閉店した店]

 ル・シャポンは、2013年2月11日まで自由が丘にあったビストロ。
 9年間、営業していたそうだが、私が初めて行ったのは2006年の年末。
親友Eのご主人(フランス人)がパリでやっていたブラッセリーに似た雰囲気の店
で、とてもくつろげた。フランスから空輸の素材を使ってのお料理はとても美味しく、
パリの味がして、うれしかった。
yk2さん、J嬢とのワイン会で、楽しい時間を過ごしたのもここだった。

2年前フランスに嫁いだJ嬢が、昨年秋、里帰りをしたので、ル・シャポンに集まった。
月曜日で定休日だったけれど、「Jさんが来るなら開けてあげますよ」と貸切!
店主岡田さんをはじめ、サーヴィスの石井さん、シェフ川崎さんも、
「Jさん、久しぶりですね~」とJを囲んでの話に花が咲く。

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Jが住んでいるロワール地方のロゼ「レ・ロマン」ジットンと、思い出のシャンパン
、ポール・デテュンヌのちょっと高級なブランノワールをyk2さんが用意。
私がモエの2002年。そしてお店おすすめの「コント・ラフォン」ロゼ。3人で4本。

集まる時、yk2さんはいつもエピソードのあるシャンパンを持ってきてくれたし、
Jは、「これいい生産者なんですよ」とおすすめのボトルをバッグから出した。
私は2人のおかげで、いろいろなシャンパンを飲む経験ができて、幸福だった。

この日、まずは「マッシュ」のサラダ。香りが良いのでサラダ嫌いの私でもこれはOK。
(と言いながらも、Jに手伝ってもらった)
次、ポークリエット、セップ茸のサラダ、仔牛のポワレ。

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Jが日本からいなくなって寂しくなったけど、毎年ボジョレー・ヌーヴォーはyk2さんと
ル・シャポンで飲むことにしていた。
2012年のはコレ。
次、オレロン島の牡蠣を白ワインで。

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仲良しの同僚Mとも、時々行っていたル・シャポン
今回も「この仕事終わったら、行きましょうね」と言っていたのだけど。。
昨年秋、9周年記念メニューの「オマールづくし」のコース。
前菜は、マッシュの上に海老・魚介のさつまあげ風のせ。


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メインは、オマール(伊勢海老)一尾のソテー。この美味しさは忘れられない。

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鴨肉のポワレ、ジロル茸添え。
ジロルはフランスの茸、味が濃くておいしい。

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[ー(長音記号1)][ー(長音記号1)][ー(長音記号1)]
他のレストランで一眼カメラを出して写真を撮るのは出来ないけど、ル・シャポン
では、カメラが趣味の石井さんがいろいろ教えてくれた。この日も紅葉写真を
撮りに行った帰りと言ったら、「たくさん撮らなくちゃ、上手くなりませんよ。」と
促され、おそるおそるカメラを出して撮った。

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サーモンの火入れ具合が絶妙でおいしかった。外だけ焼けていて中はレア。

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フランス産プーレジョンヌ(黄色い鶏)のチキンロール、ロマネスコ(カリフラワー)
紫カリフラワー、普通のカリフラワーのせ。

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海老のソテーと海老のすり身のソテー、クリームマッシュルームソース

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仔牛の料理。いつもあっさりめのソースがおいしかった。

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懐かしいお料理の数々。デザートではチーズケーキとプリンが大好きだった。

お店がなくなるのは、とっても寂しいけれど、お店の3人の方々が、これから
また新しい仕事で御活躍なさることを祈ります。


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モーツァルト・ロックオペラ [演劇、ミュージカル、Jazz]

ロックオペラ「モーツァルト」、評判になったパリ公演を日本用になおしたもの。
渋谷のシアターオーブへ見に行った。

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2年位前かしら、*パリ公演のDVDのことをInatimyさんの記事で読んで、YouTubeで
                          ( *記事の一番下です)           公演を見にいらした記事はここ → **
聴いてみた。ロックオペラなので、私が知っている東宝ミュージカルとは歌が違う。
Tatoue-moi というモーツァルトが歌う曲が気に入って何度もきいた。
それを日本で見れる!しかもモーツァルト役は中川晃教。東宝版のミュージカル
「モーツァルト」の主役を務め、とてもよかった。

今回のモーツァルトは中川晃教と山本耕史が、サリエリとモーツァルトを交互に
演じる。歌もセリフも2人分覚えるわけだから大変。

私が見に行ったのは、プレビュー2月9日。耕史モーツァルト+中川サリエリ。
日にちがその日しかダメだったのと、同行の友達が耕史ファンなので譲った(笑)

モーツァルトの才能に嫉妬するサリエリが時に語り手として出てくるのは、
映画の「アマデウス」に似ているが、妻になるコンスタンツェとの出会い、
コンスタンツェ家の人々を詳しく描いてるのは、ミュージカルとも異なる。
演出家フィリップ・マッキンリーがフランスから来日して、詳しく指導、日本版用
に改変したそうだ。

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幕が開いて、モーツァルトの父役高橋ジョージが歌うのだが、スタイルが悪すぎて。。。
コンスタンツェの姉アロイジア役のAKANEが姿形がよく歌も堂々と上手かった。
コンスタンツェはAKB48の秋元才加。かわいい。母親キムラ緑子は、欲丸出しの
図々しい役をコミカルに演じていた。
モーツアルトの曲もふんだんに使われていた。当時画期的だったドイツ語でのオペラ
「後宮からの逃走」を皆の反対を受けながらも作曲する場面では、後宮の序曲が
流れ、フィガロの結婚の曲、アイネクライネ、レクイエムなども流れていた。
モーツァルトの才能に打ちのめされるサリエリの歌のシーン、ダンサーズと一緒に
踊るのだが、中川サリエリは迫力があった。耕史はダンスが上手く、動きが軽やか。
欲を言えば、主役2人の歌がもう少したくさん聞きたかった。

さて、話変わって、思い出の「モーツァルト」2007年晩秋、帝劇。
モーツァルトは、中川晃教と井上芳雄のダブルキャスト。
私は、「エレンディラ」を見て気に入っていた中川モーツァルトで見た。

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東宝版モーツァルトは、「エリザベート」で有名なコンビ。ミヒャエル・クンツェ演出、
シルヴェスター・リーヴァイ作曲。
山口祐一郎がコロレド大司教。いつもながらに聴かせる歌だった。
モーツァルトの父は、市村正親。
コンスタンツェは、hiro
コンスタンツェの母は、 阿知波 悟美。貫録十分。
ナンネール(モーツァルトの姉) 高橋 由美子。
シカネーダー 吉野圭吾。細い体でのダンスが上手い。独特の世界を持っている。
男爵夫人 香寿たつき。宝塚時代から颯爽と素敵な香寿さん。

私が見た2007年の後、何回か再演されている。

2011年2月、金沢での「ミュージカル・モーツァルト」公演を見にいらした
pistacciさんの記事に、舞台の様子がちらりと説明されています。


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うかい亭・表参道 [レストラン(フレンチ)]

 何かのなりゆきから、友達Tの誕生日にごはんを食べることになった。
ということは、もちろん私がご馳走する。「どこがいい?」「どこでも」

どこにしようかな、と考えて、表参道に最近できた「うかい亭」を予約した。
以前、いっしょに「うかい鳥山」に行ったことがあるし、牛肉好きだから、
ちょうどいいわ。

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まずは、シャンパンDouramotで乾杯。
土曜日ランチだったので、「1時間半シャンパン飲み放題」があったが、お肉は
赤ワインがいいので、シャンパン+白ワイン+赤ワインのコースにした。

モザイクをはりめぐらした壁だが、イスラム風でないのは、青がないからだろう。
ビルの5階、床近くまで総ガラス張りなので、陽が差し込んで明るい。

前菜は、ヒラメのカルパッチョ+からすみのスライス、昆布と柚子の香りのドレッシング
つまり和風サラダ。レース柄の皿が美しい。
スープは鹿児島の安納芋なので甘い。とろ~り。
次に、目の前の鉄板で、係の人がホタテを焼いてくれた。

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サーロインステーキコースを頼んだので、お肉が焼かれる。かなり時間をかけて、
ていねいに焼く。とっても美味しいのは言うまでもない。手前に見える白いつけあわせは
新玉ねぎのスライス。お皿は有田焼き。原宿の街路樹のイメージをした特注品。
いつも季節の絵柄の皿を使っているとのこと。厳選された食器類が目を楽しませてくれる。
パン皿は、ロイヤルコペンだった。
係の人が焼きながら話してくれるので、私もこの間見た映画、ジャン・レノ主演の「シェフ」
のことなどを話す。目の前でガーリックライスも焼き上がり、赤だしと香の物が出てきた。

両隣とも各皿の写真を熱心に撮っていた。ブロガーなんでしょうね。

デザートは別室へ案内される。
まず、御口直しのシャーベットが出され、デザートを選ぶ。
友達は苺のショートケーキ。お誕生日と言ってあったので、HappyBirthdayと文字が
はいっていた。私はチョコレートパフェ。
さらにワゴンで小さい焼き菓子が登場。好きなだけとっていいのがうれしい。

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部屋のインテリアは、お花の使い方がとってもおしゃれ。毎日、お花屋さんが
来て手入れをしていくそうだ。

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美味しいのはもちろん、お客様を喜ばせる空間づくり。調度品もすばらしい。
接待用として人気があるのも当然と思えた。値段はランチコースが9450円+サーヴィス料
に飲み物で安いとは言えないけれど、妥当な線かなと思う。


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2012年秋の展覧会(3) [展覧会(日本の絵)]

5、「琳派芸術Ⅱ」展 (出光美術館)
2011年、抱一生誕250年記念の「琳派芸術Ⅰ、Ⅱ」が開催されたが、東日本大震災
のため、Ⅱは会期途中で終了になってしまった。1年半後、再度の展覧会だが、前回
見た人も楽しめるよう、展示構成をリニューアルしたそうだ。

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リニューアルとのこと。どこが変わったのかしら、でも前のをちゃんと覚えてない(涙)
はいってすぐが、金銀の抱一の屏風。
「風神雷神図屏風」、隣に「八ツ橋図屏風」、二曲の「燕子花図屏風」。どれも
まばゆく金ぴか。後ろ側に「紅白梅図屏風」と、抱一の屏風代表作が勢ぞろい。
なんて贅沢な部屋。

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次は、草花図の伝統がどのように引き継がれたかのコーナー。
宗達の伝統を引き継いだ俵屋工房の作品は「伊年」という印が押されている。
「伊年」の「草花図屏風」。

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この屏風の花の大きさに驚いたが、同じ「伊年」の豪華な「四季草花図屏風」
(金地に2段で花が図鑑のように描かれたもの)より落ち着いていいなと思った。
「伊年印」の伝統は、喜多川相説 →光琳 → 抱一→ 其一と受け継がれていく。
その流れを見ることができて興味深かった。相説の「四季草花図貼付屏風」は、
花が写生のように綺麗に描かれているが、意匠性はない。表装が派手。

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後の時代、抱一の「12か月花鳥図貼付屏風」の花は、花が大きく訴えかけてくる。

次の部屋は、抱一以前に江戸に琳派を伝えた人たち。江戸琳派の先駆者。
中村芳中の「扇面貼付屏風」

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俵屋宗理の「秋草図」は余韻を残す余白の使い方。洒脱な画風で江戸で人気があった
そうだ。二代目宗理が葛飾北斎と聞いて意外だった。

江戸っ子が洒落や機智を好んだことから、句を絵の中に書きこむのが流行った時代。
抱一の「住吉太鼓橋夜景図」(左)
水墨画のモノトーンに印鑑の朱色が粋。抱一40歳の時の作品で、この後、草花を
描くようになる。

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抱一の弟子其一の「桜坊図」 (右)
陽の当たっている葉と当たらない葉の大胆な対比を墨の濃淡でみごとに表現。
点在する赤いさくらんぼが愛らしい。

其一の作品コーナーがあり、白地に青波、扇面流の粋な描き表装の「三十六歌仙図」、
緑の葉にきゅうり、下にナス、色がきれいな「野菜群虫図」があった。

今回のリニューアルは、抱一を軸にして、宗達、宗理、其一らを配し、琳派の伝統と変化
を見せるという趣旨。タイトルも「琳派芸術」。
借りてきている作品もあるが、8割がたが出光美術館の所蔵品というのがすごい。

6、「はじまりは国芳」展

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あの面白い国芳の絵、しかも文化の日は入場無料!というわけで出かけた。
「はじまりは国芳」というタイトル通り、単なる国芳展ではなく、国芳から伊東深水
、江戸から昭和に至るまで、国芳ルーツの大勢の画家の絵や版画をみることができた。

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「近江の国の勇婦於兼」1832年
近江の国の怪力の遊女お兼が暴れ馬の引き綱を下駄で踏み付け取り押さえ
ている場面。国芳は西洋画を研究していて、馬の陰影の付け方などに西洋画
の影響が見られる。藍色が美しい。

国芳といえば、武者絵、合戦もの、猫。
これは単なる猫ではなく、猫がふぐの文字を作ってる面白さ。猫の体、柔らかい
んですね。

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「みかけはこわいがとんだいい人だ」という男のいかつい顔の絵は、よく見ると
裸の男たちで顔が構成されている。上の猫のふぐと同じしかけ。(写真なし)

国芳の弟子、月岡芳年の作品が多かったが、私はスルーして、昭和の鏑木清方へ。
清方は、芳年の弟子の水野年方に師事、美人画が秀逸。(左)

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ユニークなところでは、川瀬巴水の版画「木場の夕暮」1920年
川に映る電柱と橋、空の色。造形的な雲の形。安定した構図。色合いも郷愁をよぶ
昔の東京の風景。巴水は昭和の広重と呼ばれているそうだ。

伊東深水の「髪」1953年は、メアリ・カサットの浮世絵っぽい絵「浴女」を思い出した。
髪を洗うという動作からだろうか。

たくさんの作品があったが、どれも気楽にさらっと見れて、楽しかった。


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