桂林(ホテル・メトロポリタン池袋) [レストラン(中華)]
東京でも銀座、新宿、渋谷は人と会う機会が多い場所だけど、池袋は馴染みの
ない人が多いと思う。私は西武池袋線に乗って小・中学校に通ったので、池袋は
身近な場所だった。その後、引っ越し、使う私鉄が違うと、池袋は縁のない場所に
なってしまった。
遠い池袋でも行きたい店がここ、ホテルメトロポリタン2階の中華「桂林」。
ランチタイムのお料理を2品選べるセットが2000円台でとてもお得だったので、
よく利用していたが、メニューを見たら、今もあった。
夏のある日の夜、4人で予約をしたら、奥の静かな所をご用意しました、と、
半個室の雰囲気。
私の好きなものばかりの前菜。クラゲ、タラバ蟹、チャーシュー。
これ、もう一度食べたいなぁ。。。
次の海鮮スープはもちろんフカヒレ味。筋で春雨のようにはいってるフカヒレが好きで
姿煮は食べられるけど。。ホタテとネギ、茸がサフランソースで黄色。
以下、説明略。たぶん見てわかるお料理だと思う。大食漢4人だったので、コースでは
足りなくてアラカルトで追加もした。
夏の日らしいデザート。
「日の木」(麻布十番) (注)この店は閉店しました。
だいぶ前、今年のお正月明けに行った店。
デパートに卸してる老舗のお肉屋さんがやっているステーキの店。
美味しいし、値段が手頃だから、と誘われて行った。
ステーキ屋だからアメリカをイメージしたログハウス(木の小屋)。広い空間。
観葉植物が所々に配置されていて、椅子テーブルも木のぬくもりが伝わる。
コースを頼んだので、これが前菜。おいしいけど、見場が素人っぽい。
角切り(多分切り落とし)ステーキに白髪ねぎ添え。生春巻きにマヨネーズ絞りだし。
キッシュ。バジルソースが合わない。なくていいのに、、なんて批評しながらワインを
飲んだ。
このあと、自慢のメンチカツ。メンチカツは、あつあつ、ジューシーで柔らかく
お肉の味がみっしり。付け合せにサラダとスパゲッティ。
ステーキもとっても美味しかったけど、この前菜→メンチカツ→ステーキ
というボリューミイな流れは、かなりのがっつり系。
レストランだけど家庭の味に近い。洋食屋さんの料理。
これはこれでよい、と思ったけど、その日、お客さんは、広い店内にあと2組。
それもアラカルトで頼んで、さっと帰ってしまった。
この夏、閉店したそうだ。お肉屋さんの経営で、国産牛一頭買いという素材
の良さがウリだったけど、それをどう演出するかが難しいのね、と思った。
リゴレット(新国立劇場) [オペラ、コンサート、バレエ]
秋、オペラシーズン開幕だけど、最近、新国立劇場に行かなくなったのは、
以前のものと同じ演出での公演が多いからだ。けれども今回の「リゴレット」
は新演出。オペラ友の同僚と期待して出かけた。
珍しく早く着いたので、ロビーの写真を携帯で撮った。
今回の演出は、ドイツの鬼才、アンドレアス・クリーゲンブルグ。
ヴォツェックで水を使った斬新な演出をした人。
従来は16世紀のマントヴァが舞台で、幕が開くと、宮殿の豪華なサロンなのに
今回は、3階だてのホテル(安アパートにしか見えない)が舞台で、時代は現代!
私は馴染めなかったけど、歌はどの人もすばらしかった。
特に、マントヴァ公のウーキュン・キムの声が素晴らしい。遠くまで届く張りのある美声。
姿が朝青龍似なので、女好きの軽いマントヴァ公とはだいぶ違うのだが、声は甘い。
聞いてみてください。
http://youtu.be/0N_PnlyLFbk
リゴレット(バリトン)は道化師。障害で背中が丸いが、美しい娘ジルダを男手ひとつで
大切に育てている。ジルダは毎週教会で見かけるマントヴァ公に恋をしてしまう。
リゴレットをからかおうと、マントヴァ公の家来たちが、ジルダを誘拐し、宮殿に連れて
行く。家に帰ってきたジルダをみて、リゴレットは怒り、娘を凌辱したマントヴァ公
に復讐を誓う。マントヴァ公に恋するジルダは必死で父をなだめる。
2幕より、リゴレットとジルダの二重唱
「リゴレット」の原作は、「王のおたのしみ」。レミゼのヴィクトル・ユーゴー作。
この原作は、フランソワ1世をモデルにした実話だったため、ヴェルディは
タイトルを「リゴレット」、舞台をマントヴァに変えて上演許可をとった。
オペラだから、当然、悲劇で終わる。
第3幕で、マントヴァ公が有名なアリア「女心の歌」を歌い、マッダレーナを誘惑。
ジルダにマントヴァ公をあきらめさせようと、その場をのぞき見させるリゴレット。
「美しい愛らしい娘よ、ベラ フィリアデラモーレ♪」とマッダレーナを口説くマントヴァ公、
「笑わせないでよ」といなすマッダレーナ。覗き見しながら「私にも同じことを言った」と
悲痛なジルダの歌声、なだめるリゴレット。それぞれの胸の内の声が重なる4重唱。
今回のではないけれど、参考に、リゴレット4重唱
今年はヴェルディ生誕200年。ヴェルディのイタリアオペラは、感情を表現
する歌がすばらしく、管弦楽が歌をもりたてる。
2013年10月16日公演
指揮:ピエトロ・リッツォ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
リゴレット:マルコ・ヴァラトーニャ
マントヴァ公爵:ウーキュン・キム
ジルダ:エレナ・ゴルシュノヴァ
スパラフチーレ:妻屋秀和
マッダレーナ:山下牧子
最初にも書いたが、今回は早く着いたので、開演前にロビーでコーヒーを
飲んでいたら、高校の同級生でコーラスのサポーターのBBくんが通りかかった。
BBくんは、ネトレプコの大ファンで今夏もザルツブルグとプラハの音楽祭に
ネトレプコを見に(聴きに)行ったそうだ。
「でもねー、子供産んでから太っちゃってね、昔のほうがもっときれいだったなぁ」
(プリマドンナは容姿も大切なのね)
フレンチキッチン(ハイアット六本木) [レストラン(フレンチ)]
「フレンチキッチン」は、六本木のハイアットホテルのコーヒーハウス。
明るく広いモダンな空間。おしゃれな感じがするのは場所柄だろうか。
ゆったりとランチをした。
上は前菜。さんまとじゃがいものテリーヌ。
下左は真鯛のポワレ、右は豚ばら肉のコンフィ。
お料理はどれも正統派で美味しい。
最近、よく見かけるのは、取っ手のついたグラタン皿タイプの白い器。
前々記事のアニヴェルセルでも使われていた。
デザートは、洋ナシのキャラメリーゼしたコンポートとアイスクリーム。
フレンチのランチの後だから、渋谷Bunkamuraミュージアムの「レオナール・フジタ展」
を見たいと友達が言うので、そちらに廻った。
年代順の展示。フジタは今から100年前の1913年に渡仏。アンリ・ルソー、パスキン、
モディリアーニらの作品が実際に展示してあり、彼らの影響を受けながら、画風を確立
していったことがわかるようになっていた。
第一次世界大戦が勃発し、日本からの送金が途絶え、貧困生活をしながら、パリに
とどまり、独特の乳白色の下地の裸婦にたどり着き、画壇の寵児になった。
フジタの裸婦は、面相筆(日本画の極細筆)を使い墨で輪郭をとっているのも特長
だが、こういう絵が間近に見れる展覧会だとそれがはっきり見て取れた。
猫の描写がすばらしい。こんなにリアルだなんて。。
タピスリーの裸婦1923年 京都国立近代美術館
第二次世界大戦時にパリで描かれた「ピアノと娘」は、個人蔵で今回初披露。
黒塗りのピアノを背景に黒い服の金髪の少女。何を見ているのか顔は真横を向いて
いる。大戦中だからか、暗い色合い。
もうひとつ印象に残ったのは、2枚の対の大きな絵「植物の中の裸婦」。
もとはGHQで来日した人のために描いた屏風だったそう。鮮やかなブルーの背景に
シダ、ソテツ、バナナなど熱帯系の緑濃き植物が額縁のように周囲を囲み、中央に
金髪の裸婦。アールヌーボーの系譜?
今回の展覧会は、子供をモチーフにした絵が半分を占めている。
実際にパリの住居に飾っていた15センチ四方のタイル絵。当時のパリのいろいろな
職業をこどもたちで表している。床屋、煙突掃除屋、パン屋など。。。
フジタの描く子供は真ん丸の顔で額が広い。かわいいというより、何かメッセージ性
がある気がする。
それは人生の後半でフジタが洗礼を受け、レオナールという洗礼名をもらい、子供の
顔をはめ込んだ十字架(展示されていた)を作ったりするほど深く宗教に入っていった
ことと関連があるのかはわからない。
大回顧展ではないものの良い展覧会だった。
以前に見た「レオナール・フジタ展」 横浜そごう美術館
(私は、これの方が今回のより良かった)
国宝 興福寺仏頭展 [展覧会(絵以外)]
2009年、東京国立博物館での「国宝阿修羅展」を覚えていらっしゃるかたも多いと思う。
あれは興福寺の阿修羅像であり、展覧会は空前絶後の観客がはいった。
興福寺といえば、阿修羅像なのだが、今回の「仏頭」も白鳳期の名宝、さらに木造の
「十二神将立像」も国宝で素晴らしい。
展覧会場は、東京芸大の大学美術館。
お寺の広間を思わせる照明を落とした空間、左右に十二神将立像が並び、
一番奥に大きい仏頭が人の背の高さ位の位置で置かれていた。
「白鳳の貴公子」と呼ばれる穏やかながら威厳に満ちた若者の表情。
阿修羅の時もそうだったが、仏頭は360度、ぐるっとまわって見れる。後ろは
穴があき空洞、横に廻ると耳も切れているのがわかる。満身創痍。
それもそのはず、この仏頭は685年に山田寺の本尊として作られた丈六(4.85m)
の大仏。後に、この大仏の素晴らしさを聞いていた興福寺の僧たちが、荒廃していた
山田寺からこれを持ち去り、東金堂の本尊とした。
1411年、東金堂は火災にあい、仏頭を除く本尊は崩れてしまった。
1937年、東金堂解体作業中に台座の中から、仏頭が発見された。実に500年ぶり
のこと。直ちに国宝となった。
VRの映像で、仏頭を復元して見せていた。
仏頭の取り巻きとして造られた12神将立像だが、仏頭が行方不明になって以来、
並んで展示されたのは初めてで、600年ぶりのことだそう。
この一体、一体の彫刻は表情豊かで味があり、見て楽しい。
各々、頭の上に印として12支獣をつけ、さまざまなポーズをとっている。
伐折羅(バサラ)大将立像(鎌倉時代13世紀)
バサラはサンスクリット語でダイヤモンドの意味なので、金剛力士と起源が同じ。
頭の上の印は、犬。ガラス玉で光る眼をかっと見開き、吠えるが如くに口を開け、
恐ろしい形相。こわそうでしょ。
これらの展示室は3階で、2階の展示室には、同じく国宝・木造12神将立像の
板彫があった。どれも威嚇する姿勢の厚さ3㎝のレリーフで、如来の台座に
はめこまれていたらしい。とてもきれいに残っているので、睨みつける表情が
よくわかった。
この他に、厨子や絵画もあり、とても見ごたえのある展覧会だった。
11月24日まで 東京・上野・芸大美術館
アニヴェルセル・カフェ&レストラン [レストラン(フレンチ)]
表参道に面したカフェの草分け、白い建物、赤い庇の「アニヴェルセル・カフェ」が、
リニューアルして、食事部門を充実させ店名にも、レストランという文字が加わった。
カフェなので、夜、遅い食事に便利。
5時半に始まり8時に終わるオペラ「イル・トロヴァトーレ」を見に行った帰りの食事
をここにした。スプマンテで「はい、お疲れさまでした!」がいつも私たち流。
鶏レバーペースト+くるみ入りライ麦パン。生クリームと細かく刻んだ杏がかかってる。
(800円)
ソフトシェルの海老ピリ辛揚げ。甘めのスプマンテによく合った。
レストランになったので、本日のおすすめを書いた黒板を持ってきて、料理内容を
説明してくれた。聞くだけきいて、結局、黒板メニューを頼まなかったので、
「私たち、ちょっと意地悪?でも、好きなのがなかったからしょうがないわよね」
お魚、お肉、一皿ずつ頼んでシェア。
お魚料理は、鰆のグリル、ブールブランソース(軽いバターソース)、松茸、里芋
いんげん添え。里芋のソテーの食感がシャキシャキで美味しいし、松茸が入ると、
高級感が出る。(2600円)
お肉料理は、松阪ポークのグリエ。
松阪牛は有名だけど、松阪ポークなんて初めて聞く。覚えてもらいやすい
でしょうね。ジューシーで美味だった。(2200円)
外のテラス席でワイングラス片手に楽しそうに語らう人たちが見える。ようやく
涼しくなってきたから、夜風をうけながら気持ち良さそう。
私たちは、「今日のトロヴァトーレ、コンパクトにまとまって、歌も上手くてよかった
のに、お客さんが少ないのが残念ね。」
「チケット売るのも難しいんでしょうね」
「アズチェーナ役は堂々として声量も表現力もあってメゾの良さが伝わってくるわね」
「大貫さんが出ると、舞台がしまるわね。イタリアで何年もオペラ歌ってたんでしょ」
なんて、話しながら、赤ワインを1本、あけたところで閉店の11時。
さくっと帰った。