京都 天ぷら・まつ [和食の店]
9,10日(土、日)に京都へ出かけた。
ネットで調べたら、紅葉が始まっているのは、ほんの少しのお寺だけ。
庭園が綺麗な南禅寺・天授院に行った。一か所だけ赤くきれいだったが、
まだ2枚目、3枚目の写真のような状態だった。あいにく小雨模様。
京都では、紅葉の他にもうひとつ目的があった。おいしい和食!
ごちそうしてくださったのは、大阪在のFさん。Fさんは4~5年前、フランス滞在時の
面白い話をSo-netで記事にしていた。Jが同じ関西人どうし、友達だったので、
私も一緒に食べたり、飲んだり、、足利のcoco-farmワイナリーにも行ったっけ。
自由ヶ丘のシャポンにもね。
長いこと独身を楽しんでいたFさんだけど、今年、結婚。フランスへの新婚旅行帰り、
東京で会った。奥さんDはめっちゃ楽しい人でお酒が強い。趣味は食べることらしい。
「京都にいい店あるんですよ。ご案内したいわ~。今度、来てください」
Fが車でホテルに迎えに来てくれて「まつ」へ。嵐山、渡月橋近く、桂川沿いの道に
面した店。カウンターから桂川が見える。この間の台風の洪水であそこまで、水が
来たという跡が生々しい。
「食材が半端ないんです!」というDの言葉通り。
突出しは、あんのう芋の、、(黄色)と、さんまの、、
季節の柿の葉が添えられていた。
クラゲのようなのが出て来て、何だろう?
ごはんと牡蠣を牡蠣の煮こごりで包んだもの。
鍋に入れて火にかけると、煮こごりが溶けてだし汁となり、おじや風。
お造りの鯖はさっきまで活きていたもの。しょうゆを使わず、塩とカボス、ショウガで食べる。
青魚なのに、白身のような味。しかも、ぷりぷりっ。
この店は器がどれも素晴らしい。これは、魯山人の「福」と書いてあるお皿。
ハモ、舞茸の天ぷらは、軽く揚がっていて、さすが、てんぷら屋さん。
これもお椀が豪華。お椀の中身は、京都の白みそで車海老と九条ねぎ。
「うちのは、ホンモノの車海老ですから」と、活きている車海老を見せてくれる。
鱧を焼いて、松茸の焼いたのと盛り合わせ。薄いたれをかけて食べる。
これは、尾形乾山の皿で。美術館に飾ってあるような乾山の皿を惜しげなく
使う!感激。
このあと、天ぷらがひとつ、ひとつ、揚がって、出てきた。熱々を食べるから、
写真を撮るヒマがなかった。白子の天ぷらは初めて食べた。
次が、すごい逸品。近江牛のローストビーフにウニをのせてある。
「くるっと巻いて食べてください」。口の中で肉汁とウニが混じってフォアグラのよう
に感じる。濃厚で美味しい。
〆はそうめん。氷の器で出てきた。つゆは鮎を発酵させたもの。濃厚でクセがあるが、
美味しい。デザートは、プリン。上に栗のマッシュが載っていた。
東京から食べに行く価値があるお料理だった。
Fさん&D、ごちそうさまでした。
印象派と世紀末美術・三菱一号館美術館「名品選」 [展覧会(西洋画)]
三菱一号館は、場所と建物が好きな上に、良い展覧会が多いので、昨年、
同伴1名可の年間パスポート5000円を買った。「シャルダン展」「クラークコレクション展」
「浮世絵展」、そして今回の「名品展」と計4回、シャルダンは2回行ったから計5回、
二人でなのでとてもお得だった。来年は、、と思ったら、年間パスポートは中止になっていた。
サービスしすぎ、だったのね、と思った。
「名品展」は、おなじみの作品が出ることが多いのだが、今回のは、初お目見えのが
3分の2を占め、意外な面白さだった。
チラシは、ルノワールの「長い髪をした若い娘」1884年。
ルノワールはもう2点、3人の裸婦から選ばれた娘ににりんごを差し出す構図の
「パリスの審判」*fig1と、「麦わら帽子の女性」もあった。
最初の部屋にはいってすぐ、暖炉の上の絵に目がとまる。「あら、ラファエロ!」
ドガによるラファエロの「アテネの学園」の模写。ラファエロの自画像部分だけ。
天井画の厚塗りではなく、薄い油彩で、やさしいラファエロの顔立ちがくっきり。
ミレーの「ミルク缶に水を注ぐ農婦」、小さいが、すぐ、ミレーとわかる作品。
ピサロの「エラニー」の風景2点、シスレーの風景と、フランスの農村風景で、
なごやかな気持ちになる。モネ「草原の夕暮れ」は手前に木の葉が垂れている
浮世絵ふうの構図。(チラシ左一番上だけど見えるかしら?)* fig2
セザンヌのりんごもあった。*fig3
この部屋を出ると、次は、ロートレックのリトグラフ部屋。
明るく楽しい雰囲気。まずは、御馴染みの「ムーランルージュのラ・グリュ」。
「メイ・ベルフォール」fig4 「メイ・ミルトン」fig5、共に1895年の作品。並んで展示されていた。
歌手ベルフォールと踊り子ミルトン、静と動、黒髪に金髪、衣装も赤と白と対照的。
fig4 fig5
この横には、コーナーをはさんで、アリステッド・ブリュアンの後ろ姿の文字色違いのポスター
2枚。これも上手い展示と思った。
「レ・スタンプ・オリジナル」というリトグラフの雑誌が発刊され、創刊号の表紙は、ロートレッック
が担当した。試し刷りを見るジャンヌ・アブリール(ロートレックの絵に度々登場するダンサー)
が中央、左奥に人気刷り師のおじいさんが、「気に入ってもらえるか」と心配そうな顔で、
ジャンヌの方を見ているという構図が面白い。カラーのリトグラフ。
この雑誌の最終号の表紙もロートレックが担当し、舞台の幕引きの場面が右半分、左半分は
楽屋で化粧台に向かう女優という構図だった。
この「レスタンプ・オリジナル」には、私の好きなファンタン・ラトゥールの「聖アントニウスの誘惑」
(モノクロ)もあった。内装や彫刻で有名なシャルパンティエの「ヴァイオリンを弾く少女」は、
やさしい色合い、浮世絵の刷りの技術を取り入れているそうだ。
ポスターで有名なジュール・シェレの「ダンス」も茶の濃淡だけで描かれているが、踊る動きが
軽やかで幻想的。さらにブラッックモン、カリエール、シャヴァンヌの作品もあった。
そして、フェリックス・ヴァロットンの版画。これは面白かった。来年、ここでヴァロットンの
展覧会があるそうなので、楽しみ。(ヴァロットンって?というかたはココを参考に)
連作アンティミテの中から、「Le confiant」信頼
「ご信頼申し上げております、奥様」 という場面だが、本心は?
男女の微妙な駆け引きに皮肉を込めてタイトルをつけている。
「少女たち」 少女のうちから、もうマダムの要素がいっぱい。
版画の白黒が絵として、とても綺麗なヴァロットン。
私にとって良かったのは、ドニの版画「アムール(愛)」シリーズ。
愛がもたらすゆったりとした雰囲気。明るい色合わせが美しい。
出かけるので、中途半端だけど。。あとで付け足すことにしてこれで更新。
いつまでも同じお店の記事だと、宣伝してるみたいで気になるので。
ー続きー
本文中の絵
fig1 fig2
fig3 fig4
この展覧会は、「印象派と世紀末美術」というタイトルだが、版画が多かった。
ロートレック、ヴァロットン、ドニ、ルドン。点数が多く、見たことのないものもかなり
あったので、楽しめた。
ルドンは、モノクロの版画「夢の中で」のシリーズが多く展示されていたが、
私は、パステル画のこれがいいと思った。「小舟(聖女)」
二人の女性が帆を掛けた小舟に寄り添って座っている。一人は青い服に
赤いヴェール、もう一人は白い服と対照的。ヴェールと背後の光が二人が
聖女であることを表しているのだろうか。
この美術館の一番の目玉は、ルドンの「グランブーケ」。パステル画。
高さが2m以上、とても大きな絵で、一部屋がこの絵のために用意されている。
照明が当たって、それぞれの花の色、織りなす色がとても綺麗だった。