西麻布いちのや(うなぎ) [和食の店]
連休の時のこと。
M子さんが見たいという映画「8月の家族たち」を見ての帰り、「何、食べる?」
「メリル・ストリーヴの演技がすごすぎて、どっしりきてる。何か和みたい感じ。」
「それなら、ゆっくり何かつまんで飲んでるうちに鰻が焼きあがる「いちのや」が
いいわよ。あいてるかきいてみるわね」と予約の電話をいれてくれた。満席の
ことが多いんですって。
西麻布交差点から3軒目くらい、歩道に面してのれんの下に黒い階段が5段ほど。
それが入口。黒く塗られた板塀から値段の高い割烹の店かと思っていた。。
カウンター席しか空いていないと言われたが、カウンターは作っている所が見える
から好き。
クラゲののったサラダ、鰻巻卵、ゴボウの天ぷらで、白ワインを食べながら、焼く
のに50分かかる主役の鰻重を待つ。鰻巻の甘さに癒される。
映画を見て、「何年後かにあんなになったら、どうしよう。痛いからと薬漬けで」と
重い気持ちだったのが、ワインのおかげで徐々に癒され、会話もはずむ。
「ベネディクト・カンバーバッチって、変わった顔よねー。この間、一緒に見た”12年奴隷の映画”
にも出てたわね」とか、「ジュリア・ロバーツの御主人役がユアン・マクレガーって、
はじめわからなかった。いい感じに年とってきたわね」
「ねぇねぇ、年とったら、かつら、便利かも」「そう!」って、だんだん映画の中でも、
楽しかったシーンの方に話題が向く。
焼きあがった鰻は、ふんわり。少し甘めでおしょうゆ味もしっかりのタレがおいしい。
ワインを続けて頼もうとしたけどボトルは、ハーフだけ。鰻屋さんだから、当然、
日本酒が中心。「まだ、ふたりで1本は飲むわよね」「うん、新しくできた八兵衛に
行って飲みましょう」
と、交差点角にできた八兵衛西麻布店に向かった。
「へぇい、いらっしゃーい!」と威勢のいい声に迎えられ、なじみの板さんがいる
カウンターの前にすわる。鰻を食べて来た、と言ったけど、見繕ったつまみが続々。
さっきは、お刺身がなかったから、丁度いいわと、美味しく食べた。
数日後、うちでT子夫妻、M子さん、私で飲んだ時、M子さんが、この日の私の
食べっぷりを呆れて話したら、T子は少しも驚かず、「私、高校生の時、いっしょに
スキー行ったから、知ってるけど、この人、食べ物に偏りがあって、好きなものを
とことん食べるのよ」 え~、そんな。。。