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ウィレム・デ・クーニング展 [展覧会(西洋画)]

DeKooning.jpg

これも1月12日まで、と期間が残り少ししかない展覧会。
デ・クーニングって誰?と言われるほど日本では知名度の低い画家だが、
ジャクソン・ポロックと共にアクション・ペインティングという抽象表現主義の
先導者で20世紀美術において重要な位置を占めている。

Willem de Kooning(1904‐97)
オランダ生まれ、22歳で渡米。貧しく、看板絵描きで生計をたてていた。
私がデ・クーニングを知ったのは、So-netで2006年頃、カナダ在住のArtist、
Taddyさんがコメントに、「一番好きな画家はデ・クーニング」と書いてくださったので、
デ・クーニング?と調べて、絵を見てびっくり。衝撃的だった。強い色合い。抽象表現で
何を書いてるのかわからない。生涯、好きになれそうもないと思った。

でも、その後、デ・クーニングの作品には、いろいろな所で出会い慣れていった。
たとえば、MOMAで見たこの絵「女」。愛嬌があって可愛いと思えたから、
写真に撮った。具象と抽象の中間にあるような絵。
(今回の展覧会にはありません)

2DeCuning1.jpg


これは、1950年代の作品
今回の展覧会は、アメリカ・コロラド州のジョン・アンド・キミコ・パワーズ・コレクション
からの作品(初公開)がほとんどで、1960年代のもの。
色合いは、どれも赤、ピンク、オレンジ、黄色系で明るい。描く対象は女性。
筆のタッチは激しい。

ちらしの写真から
左:「ふたりの女」 右:「無題」

SdeKooning1.jpg

最初はわからないけれど、絵の前にじっと立って見ていると、顔があって、体が
あって、体の動きが、、とわかってくる。

会場に入ってすぐの場所に展示されていた「マリリン・モンローの習作」は、
抽象化されていても、すぐモンローとわかる特長をよくとらえた楽しいデッサン。

デッサンには、"To John and Kimiko from Bill" と書き添えられものが何枚も。
Bill?あ、そうね、WillemだからBill。オランダ人なので、William が Willem。
パワーズ夫妻がデ・クーニングと親しかったとわかる。

1970年代には彫刻も手掛け、ブロンズの「座る女」が展示されていた。
ムーアふうの温かみを感じる作品だった。

ポロックは若くして自動車事故で亡くなったが、同乗していた恋人ルースは
退院するとすぐに、デ・クーニングに近づき、恋人になった。
ポロック亡き後、デ・クーニングはアメリカ画壇から大きな期待を寄せられ、
重圧に耐えかね、酒に溺れ、アル中になり、晩年はアルツハイマー病であった。

映画「ポロック 2人だけのアトリエ」には、デ・クーニングやルースも出て来て、
面白かった。もう一度、見てみようと思う。


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