SSブログ

仁阿弥道八展 [展覧会(絵以外)]

douhati1.jpg

「何て読むの?」ときかれた。「にんなみ・どうはち、京焼きの人なの」
「お正月だから、七福神、見るの?」 「あ~、チラシ正面にいる「寿老人」のことを
言ってるのね。こんなのばっかりじゃないと思うわ。私、上野の博物館で、道八
の陶器をいくつか見たけど、乾山ふうだったり、仁清ふうだったりで素敵なのよ」
「あなたがそう言うなら、、」と、しぶしぶついて来た友達も、帰りには、「意外、
面白かったわー!特に下の部屋、笑えたわね」と、ご機嫌。

道八は、代々の陶工の名前で、この展覧会では、二代目道八の作品が
多かった。道八は高い技術を持っていたので、過去の名匠をまねた作品を
造った。それらは「写し」と言われ、時には、お手本以上のもので人気があった。

色絵筋文入り子茶碗(一双)
美しい!見とれる。仁清の写しだそう。こんなに美しく「写し」を造れるのだから、
茶道具の注文が殺到したというのがわかる。

270iroe.jpg

黒と赤の一双、楽(らく)茶碗。銘は「寒山」、「拾得」

raku.jpg

お煎茶の道具もあり、漢詩がびっしり書き込まれている「きゅうす」が素晴らしかった。

菓子鉢だろうか?「色絵桜楓文鉢」。赤が鮮やかで美しい。

sakurakaede1.jpg

東京博物館で見て、すばらしいと思ったのも、道八の桜模様の鉢だった。
  (yk2さんの記事に、道八の鉢の写真がいくつかあります)

尾形乾山、野々村仁清の写しは、特に素晴らしく、本家以上かとも思われる
作品があった。

時節柄、「雪竹模様小鉢」も良いなーと思った。

階段を下りて、3階へ行くと、ようすが一変する。
3階には、彫刻っぽい作品が勢ぞろい。
ちらしにある愛嬌あふれる顔の「寿老人」
かわいくて気に入ったのは、「猿」。そばで見ると、猿の毛のふさふさした感じが
ホンモノそっくりにできている!顔もポーズも愛らしい。
「たぬき」は、なんと炉の蓋になっている。座ってる座布団が炉の蓋である。
得意げな顔が何とも言えず、笑いが込み上げる。「俺が炉の番をしてるんだぜ」。
裏にまわって見ると、尻尾がちょんと出ていた。

saru.jpgtanu.jpg

猫の手あぶり(火鉢)、山羊の手あぶりもあって、どれも、表情がかわいい。
道八の観察眼の素晴らしさ、ユーモアたっぷりに造形して行く力、まさに天才。

160点と作品の数が多いので、見応えがあった。
気楽に見れるし、楽しいしで、おすすめの展覧会です。


nice!(47)  コメント(14)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート