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赤坂サカス文楽 [演劇、ミュージカル、Jazz]

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赤坂ACTシアターで、「能」と「文楽」がいっしょに見れる公演を見に行った。
前の職場の友達が文楽好きだったので、時々、国立劇場に見に行っていた。
能は、親友E子のお母様が習っていたので、毎年、観世能楽堂に見に行っていた。
能と文楽、それぞれ、舞台の設えが違うのに、それを同じ場所、しかもミュージカルを
するような舞台でやるという大胆な試みに興味津々。

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劇場入り口の「しだれ桜」が、ちょうど満開。設えたようだった。
朝のニュースでも、どこだかが開花宣言と言ってたっけ。

第一部が「能」、観世流の家元「観世清和」が謡い舞う「翁」。
「翁」は天下泰平を祈る神事のため、祝い事の催しに演じられる。
次、文楽で「二人三番そう」、これも祝い事の演目で、歌舞伎で新年などに、
よく行われるから、何回も見ている。小さな人形が踊り、足さばきが宙を舞うのが
文楽ならでは、だろう。人形が背中を向け、手を真横に広げた時、衣装の美しさ、
豪華さに目を奪われた。
それから、文楽についての、わかりやすい解説があった。

第二部は、文楽「壺坂観音霊験」は世話物。これも歌舞伎で見たことがある。
盲目の夫「沢市」のために妻「お里」が、3年間、毎日、観音様にお参りをして祈り、
、ついに沢市の眼が開くというわかりやすい話。

最後に、浄瑠璃の太夫、「豊竹英太夫」が、挨拶。
「いつも、国立劇場でやってるけど、今日は、ここに来たのですから、ぜひ、皆さん、
携帯で写真をとって、ブログやフェイスブックで宣伝してください。もっと前に来て
いいんですよ、ほら、もっと前で」
でも、ピンボケ。歌舞伎の口上のような雰囲気だけでも伝われば。。

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能と文楽は、共に、世界文化遺産。
若い世代の新しい観客を取り込みたいという意欲が伝わってきた。


アップルパイ [ケーキ、チョコ、和菓子、フルーツ]

アップルパイ、素朴な味で好きです。
毎冬、何度も作ってたけれど、今年は2回だけで終わり。
12月頃からバターが品薄で、店頭から消え、以来、なかなか入荷せず状態。
先日、新聞に「バター、4月に値上げ」と発表されたので、店頭に出るのは、
もうすぐでしょう。品薄は値上げのための業界戦略な気がするけど。

青山、骨董通りにいつも行列の美味しいアップルパイの店がある、ときいて、
行ってみた。行列は、店内で食べる人の列で、持ち帰りは待たずに買えた。
店の名は、「グラニースミス」、アメリカのおばあちゃんのパイというコンセプト。
3種類買ってみた。
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一番手前が、ダッチ・クランブル。
クランブルというのは、粉とバターと砂糖をボロボロっとそぼろにしたもの。それが上に
のっているパイ。昔、青山に「アンナミラーズ」というパイの店があり、そこで、初めて
クランブルパイを食べて、好きになった。
真ん中が普通のアップルパイ。奥がカスタードクリーム入りのアップルパイ。
どれも400円。
さくさくっとしたリンゴの食感は、私には出せないので、買う価値があると思った。
お店で食べる場合は、クリームが添えられ、もう少し値段が高い。

アメリカふうのアップルパイに対して、フランスふうアップルパイは、「タルトタタン」
よく煮たりんごを台に敷きつめ、上にパイの皮をのせてオーブンで焼く。
焼き上がってから、上下を逆にひっくり返す。つまり、パイ皮が下になる。
これは、「オーバカナル」で、食べたときのもの。
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最近、多いのが、「パンケーキの店」。
恵比寿のアトレ内の「バターグランデ」で、「窯出しフレンチパンケーキ」を頼んでみた。
あつあつのフライパンにはいって出てくる、それだけのことだった。
朝食がテーマというこの店は、いつも混んでいて活気がある。女子率80%。

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私が好きなのは、自分で作るサワークリーム入りパンケーキ。
卵を泡立て、砂糖とサワークリームを入れて泡立て、粉+BPを入れたもの。
ふわーっとした出来上がりで、優しく上品な味。

春は、いろいろな種類のみかんがおいしい。
大阪在のグルメな友達Dが、和歌山県の畑まで出向き、買いつけ送ってくれた
「春の柑橘 詰め合わせ」
愛須さんという生産者さんのもので、冬には、みかん、次は、「べにばえ」を送ってくれた。
ジューシーで甘く、柑橘の美味しさがぎゅっっと凝縮されている「べにばえ」は実においしかった。
今回は、いろいろな種類なので、食べ比べて楽しい。

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マノン・レスコー [オペラ、コンサート、バレエ]

 きょうは東日本大震災から4年目を迎えた日。
3年前の3月15日に、このオペラを見に行く予定だったが、震災が発生。
舞台稽古で来日していた歌手たちは、急遽、国に帰り公演は中止になった。
そのオペラ「マノン・レスコー」が、同じスタッフ・歌手で、公演されることになり、初日
(9日)に出かけた。

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マノン・レスコーは、親友歌姫が、「一番好き」というオペラで、話は何回もきいているが、
私は見るのが初めてだった。同行の友達は、飼っている犬の名前が、マノン。
「あら、やだ、マノンって女の人の名前だったのね。うちはオス犬なのよ」

歌姫がなぜマノンを好きかというと、「まず、プッチーニの曲、アリアがすばらしい、
次にストーリーが面白い。ああいうタイプの女の人は、日本にはいない!激しい」
実際、見て、その通りだと思った。

ストーリーは、
18世紀後半、フランス、アミアン(大聖堂が有名)の近くの旅籠。
騎士デ・グリューは、旅籠にぽつんと一人座っているマノン・レスコーの美しさに
惹かれ、声をかけると、「修道院に入るので、連れて行ってくれる兄を待っている
」との答え。大蔵大臣ジェロンドは、美しいマノンを愛人にしたいとマノンの兄に
話をもちかけていた。それを知ったデ・グリューは、マノンに積極的に言い寄り、
パリへ駆け落ちする。

マノンはデグリューとの貧乏くらしに耐えられなくなり、大臣ジェロンデの愛人
となって、贅沢三昧な暮らしをしている。しかし、デグリューとの愛の生活が
忘れられずにいると、突然、デ・グリューが現れる。マノンは許しを求め、熱い抱擁。

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そこにジェロンデが帰宅し、「警察を呼ぶ」と怒って去る。マノンは宝石類を持って
逃げなくちゃと荷造りに手間取り、逮捕されてしまう。
アメリカに流刑されるマノンの乗る船に水夫として乗船させてもらうデグリュー。

アメリカでもマノンは問題を起こし、デグリューと荒野へと逃げるが、疲れて、
歩けなくなり、デ・グリューの腕の中で愛を語り息絶え、デ・グリューは号泣する。

[台風]

美貌のマノンは、ブルガリア人のスヴェトラ・ヴァッシレヴァ。顔が小さく細身。
宝石への執着ぶりを滑稽に演じて上手だった。アリアも素晴らしかった。
後半、荒野で死にそうな場面でのアリアは、前半の軽さと対照的でみごとだった。

ひたすらマノンを愛し続ける誠実なデグリューは、イタリア人のグスターヴォ・ポルタ。
甘いだけでなく、豊かな表現の声。マノンを愛したゆえの苦悩がじーんと伝わる。

衣装は、マリーアントワネットと同時代なので、ロココ調。白を基調にしていて
お洒落で豪華。
マノンの兄、レスコー役のダリポール・イェニスが長身でかっこよかった。
大臣ジェロンドは、妻屋秀和。この人は、声も体格も良いので、外人キャストに交じっても
ひけをとらない。

指揮: ピエール・ジョルジョ・モランディ
演出: ジルベール・デフロ


大原美術館 [日本の美術館]

 大原美術館は日本を代表する美術館の1つで、岡山県倉敷市にある。
倉敷の実業家 大原孫三郎が1930年に創設した日本初の西洋近代美術館
である。大原氏は、倉敷の洋画家 児島虎次郎をヨーロッパに留学させ、西洋
の優れた絵画を収集させた。さらに、第二次世界大戦後、孫三郎の嫡子、総一郎
がコレクションを拡大した。

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建物は、ギリシア神殿のような太い柱を持つ堂々としたものだ。
入口左には、ロダンの「洗礼者ヨハネ」、右には「カレー市民のジャンデール」の
彫刻がある。洗礼者ヨハネは、東京上野の西洋美術館にもあるが、右手は天を
指している。「カレー市民」全員も西洋美術館の前庭にあるが、その中の一人で
カレー市の鍵を持っているのが、ジャンデールである。

所蔵品の中での一番は、エルグレコの「受胎告知」。
日本にあるのが不思議とまで言われている。
そのせいか、元大原孫三郎の事務所だったという人目をひくツタのからまる情緒
あるレトロな建物は、「カフェ・エルグレコ」という喫茶店。
「ずっと昔に来た時もはいったっけ」と思い出しながら、今回もここで休憩。
コーヒーが美味しい。

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「睡蓮」は、児島虎次郎がモネから直接購入。ゴーギャンも虎次郎の購入品。
セガンティーニの「アルプスの真昼」、シャバンヌの「幻想」、セザンヌの「水浴」
シニャック「オーヴェルシーの運河」、ロートレック「マルトX夫人の肖像、ボルドー」
ピサロ「りんご採り」、ホドラー「木を伐る人」など、今まで、東京で開催された
企画展で見たものが多い。つまり有名な作品をたくさん所蔵している。
ひとつ、ひとつの展示室は小さく、見やすい。

虎次郎のコレクション第一号は、アマン=ジャンの「髪」。
アマン=ジャンは当時、フランスで人気の画家。この絵を買ったことから、
アマンジャンと親交ができ、モネやマティスを紹介してもらったそうだ。
虎次郎の絵は、こちらで。http://taekoparis.blog.so-net.ne.jp/2013-07-15

初めは西洋美術だけだったコレクションも、今では、日本の近代から現代洋画を
分館に展示し、浜田庄司、バーナードリーチなどの陶器を工芸館に置いている。

中庭には、彫刻がある。正面の白い漆喰壁の建物が工芸館。
彫刻は、ロダンの「歩く人」。

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奥は、ヘンリームーアの「横たわる母と子」、手前は、イサムノグチの「山つくり」
工芸館の方には、柳原義達の「道標、鳩」があった。

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モネの「睡蓮」にちなんで、水蓮の池が作ってあった。
これは、昨年秋なので、花が咲いていたが、3月の今は咲いてないでしょう。

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倉敷市は、掘割と柳で江戸の風情を残した街。
散歩やショッピングが楽しい場所です。


フランス印象派の陶磁器展(2014年6月) [展覧会(絵以外)]

前記事のケーキが、アビランド社のお皿にのり、コーヒーカップもアビランドの
だったので、パナソニック汐留ミュージアムで昨年6月に見た「フランス印象派の陶器展」
の記事を仕上げていなかったのを思い出した。

「フランス印象派の陶磁器展」は、フランスのリモージュ陶器会社アビランド社の
コレクションを中心に構成されていた。
アビランド社は、当時、人気があった画家・版画家のフェリックス・ブラックモンに
絵を依頼、デザインをウジェーヌ・ルソーが担当した「ルソーシリーズ」を製作、
第一回印象派展に出品し、人気をよんだ。
ブラックモンは北斎漫画にヒントを得たジャポニズムのモチーフで鳥を描き、
ルソーはそれまでの皿は左右対称、という構図から脱した自由なデザインをした。
左)雄鶏に熊蜂図皿(1867年)  「ルソーシリーズ」
右)「花鳥図大皿」(1878年)レオン・パリゾ作、ボルドーの工房作品。日本の花鳥図
に見えるが、こんな鮮やかな色の鳥は日本画にない。

 

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「ルソーシリーズ」のテーブルセッティング(テーブルセッティングのみ写真撮影可だった)

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ナフキンは青。花は青と補色の黄色。色の構成がすっきりしていた。

この展覧会では、テーブルセッティングと壁に名画、という展示もあった。
「海草シリーズ」(アビランド社リモージュ、1874年) ティータイムセッティング。
壁の絵は、左はギュスターブ・ロワゾ―の「フレール岬」1906年
右は、ルノワール「帽子をかぶった2人の少女」 パステル画

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小さくて見えないが、壁の絵、2つともルノワール。左は「桃」(1871年)、右、「カーニュの農園」
                                    
赤い花はアマリリス。8人用のフォーマルセッティングで、食器は「パリの花シリーズ」
アビランド社リモージュ。1883年

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アビランド社の芸術監督となっていたブラックモンは、新しい技術を持っていた
陶芸家エルネスト・シャプレと出会い、「バルボティーヌ」という絵柄が従来より
いきいきとする技法で作品製作を開始した。
左)秋景図大皿 ブラックモン アビランド社 オートゥイーユ工房 1874年 
この皿はアビランド社に芸術品として保存され、販売はされなかった。

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 右)シスレーの絵「マントからジョワジェル・ロワへの道」(吉野石膏財団)


印象派やジャポニズムの影響を受けて、1866~1886年当時、どんな陶器が制作
されていたのかを見ることができた。また、同時代のルノワールやシスレーの絵も
展示してあるのがよかった。

左)草花燕図水さし レオン・パリゾ アビランド社 オートゥイーユ工房 1876~83年
右)黒地金才彩花図水さし アビランド社 オートゥイーユ工房 シャルル・ミドゥー
1876~83年 濃い紫色の地に金色の草花は、日本の漆工芸の蒔絵にそっくり。
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日本に憧れた19世紀後半のパリでの作品、そっくりなものから、似かたが変
なものまで、それなりに面白かった。