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お花見と食事 [和食の店]

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今年の桜は、早く開花したけれど、その後は曇りで寒い日続き。
やっぱり桜は青空でなくちゃ、と思っても、天気ばかりは致しかたない。
千葉県・成田公園の桜。
遠くに見えるのが成田山新勝寺。

成田の名物は、うなぎ。新勝寺への参道には鰻屋が並ぶが、ここは公園の池の前の店。
「名取亭」。90年続く老舗なので、建物も少し年季が入っている。大広間がいくつかある料亭
のような造り。通された部屋からは、枝ぶりの良い梅の木のある庭がよく見えた。
鰻重は4500円。鰻が一尾より少し多いのがうれしい。タレはあっさりめ。ふっくらと美味しかった。


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3年ぶりに江戸川公園の桜を見に行った。
江戸川公園は、ホテル椿山荘の庭を通り抜け、裏門を出た所。
神田川沿いに長く続く文京区の公園である。40本のソメイヨシノの枝が川に張り出して咲き誇る。

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西麻布の一軒家レストラン「マキノ」で、Aと毎年3月に会食をしている。
「マキノ」のメニューは、月替わりでコースのみ。3月は、ひな祭りと桜をテーマにしていた。
最初の皿には、桜の枝が添えられている。
タコの手毬寿司が竹の皮に包まれていた。ハートの最中の中はリコッタチーズと果物。
丸いのは、里芋のコロッケ。手前は北海道産ワカサギのマリネを生春巻きの皮でくるんだもの。
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2つ目、草緑色は青豆のスリ流し。しんじょう入り。赤いのは京人参。黒いのは椎茸。
あられが散らしてある。
3つ目、パフェは「マキノ」の名物。中身は甘味でなく、刺身や野菜が何種類も入っていて、まぜて食べる。
4つ目、お吸い物。この出汁が私のお気に入り。昆布と鰹の出汁、和の味。海老のしんじょう入り。
5つ目、豚ばら肉の煮込み。半日煮てあるので、とろっとろ。
6つ目、ごはん(とろろ昆布と何かの雑炊)

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7つ目、デザート、全種類頼んだ。もちろん、1つでも2つでもOK.
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これも江戸川公園の桜、幹から出ていた可愛い花

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ワーグナーのひ孫企画のワーグナーオペラ「さまよえるオランダ人」の帰り、3人でお茶。
メゾンカイザーにて。それぞれお茶と春らしいケーキを頼んだが、右上がこの店の定番と
聞いて追加。大きめだったので3等できた。

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最後は、成城学園前の桜。
コンサートの帰り道。

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ル モンド グルマン [レストラン(フレンチ)]

前記事で、パリの「Will」という美味しいレストラン(ビストロ)を紹介したが、
そこは、自由が丘のレストラン「ル モンド グルマン」のシェフからの紹介だった。


「ル モンド グルマン」は、自由が丘駅から徒歩5分くらい。小さな店だが、
美味しく、値段が手ごろなので、いつも予約でいっぱいとのこと。
昨年12月、私の誕生日に、友達がここで、ごちそうしてくれた。
「どこにしようか考えたんだけど、パリの「ステラマリス」でシェフをしていた人の店で、
美味しいから、きっと気に入ると思う。」


[天秤座]お店の扉を開けると、左手にテーブル席。右手にカウンター席。
カウンターの向こうは厨房で、カウンター席に座って、眼を上げると見える位置に
メニューを書いた小さな黒板が立てかけてある。

まずは、シャンパンをボトルでとっで乾杯。
友達が黒板に書かれたシャンパンの名前を見ながら「いいのがある!ブラン・ド・ブラン
(シャルドネ100%)だし」と、注文。
ところが、これ、だいぶ飲んでから、エチケットをよく見たら、Etienne Lefevre,
BLANC DE NOIRS と書いてある。つまり、エティエンヌ・ルフェーヴルという造り手の
(ブラン・ド・ノワール)。ワイン担当のマダムに言うと、「すみません」と恐縮していた。
頼んだブラン・ド・ブランは、黒板には書いてあるけど、もう売り切れてたんですって。
ブラン・ド・ブランとブラン・ド・ノワールだったら、味も違うんだけど、飲んだことがない
造り手
のだから、ワイン上級の友達もすぐには気づかなかったみたい。
でも、これ、エティエンヌ・ルフェーヴル、私は好きな味で美味しかった。


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さて、お料理はというと、前菜は、丸い型で仕上げた鯛の刺身のカルパッチョ。

ルッコラなどのサラダ用野菜を載せ、上に酸味のある泡のソース(エスプーマ)
さっぱり、さわやかで美味しかった。
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写真が下手で、これは何だったのかと、ひとしきり悩んだ。
温かいじゃがいものスープ(ヴィシソワーズ)。
上に小さく切った生ハムと緑色の葉っぱブロッコリースプラウト載せ。
生ハムの塩気が単調になりがちなじゃがいもスープのアクセントになっていた。
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前菜その2は、ここのシェフの得意料理。パテアンクルート。
パイ生地で包まれた鴨、フォアグラ、鶏肉のテリーヌ。ピスタチオ入り。
大きいので半分で供される。ボイルした蓮、カリフラワー、ルッコラ、野菜添え。

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赤ワインに移る。
サヴィニー・レ・ボーヌ。2001年。ピエール・ブレ。
ブルゴーニュ地方のボーヌは、上質なワインの生産地。
香りも良くしっかりとした味わいだった。


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肉料理は、和牛のステーキだったから、赤ワインと合う。

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デザートは、友達が頼んでおいてくれたお誕生日プレート。サンキュー。
キャンドルに火がともり、ふっと消すところ。
年をとってもお誕生日は、うれしい[黒ハート]

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WILL,Paris [Paris レストラン・カフェ]

昨年末、パリに行く4~5日前に行った自由が丘のレストラン「ル モンド グルマン」
は、シェフがパリのレストラン「ステラマリス」で修業をしたとのことだったので、
「来週、パリに行くんだけど、どこかお勧めの店ありますか?」ときいてみると、
一緒にステラマリスで働いていた日本人が、春にお店をオープンしたから、行ってみて、
とのこと。
それが、この店「Will」    住所:75 rue Crozatier 75012 Paris
「明日の予約をしたいのですが」と電話をしたら、発音ですぐに「日本人のかたですか?」
と言われ「場所が少しわかりにくいのですが、どちらからいらっしゃいますか?」
丁寧に目印を教えてくれた。

シンプルな造りの店で、ご主人がシェフ、奥様が接客。お二人とも30代と推察。
奥様はパティシエもなさっている。

シャンパンをボトルで頼み、突き出しに出てきた「豚足コロッケ」がおいしいので、
うれしくなる。
メニューは、プリフィックススタイルで49ユーロ。(6000円)
前菜は、マグロのたたき(マグロのスモーク)に、小さくカットした果物をのせ、
きゅうりで巻いたもの。綺麗で美味しい!

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メインは、私は子羊。

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友達は牛肉の煮込み。別皿に野菜がたくさん載って出てきた。


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デザートは、私が「カカオのクリームブリュレ」
茶色のクリームブリュレで、上にアイスが載っている。網目状のパリパリは、
そば粉で作ってるそうだ。
友達は、ホワイトチョコを張り付けたメレンゲ、中は何だったのか。パッションフルーツの
ソースがけ。


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シャンパンは、これ。

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シャンパン1本+ワインを頼んでも、200ユーロ超。パリではお値打ちだと思う。
パリで日本人夫婦が経営の店は、昨年行った店(Virtus)もそうだったが、最近、
ふえていると聞いている。お料理もサーヴィスも日本の「おもてなし」というより、
一生懸命さ、誠実さが伝わってきた。皆に愛される店として長く続いてほしいと思う。

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河鍋暁斎・その手に描けぬものなし展 [展覧会(日本の絵)]

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サントリー美術館で開催中の「河鍋暁斎」展に行った。
サブタイトルは、「その手に描けぬものなし」。その通り、暁斎の絵の範囲の広さに感心した。

河鍋暁斎(1831~1889)は、天保年間から明治にかけての絵師で、はじめ歌川国芳に弟子入りし、
その後狩野派に学び、さらにさまざまな画法を手掛け、多彩な画業の人である。三菱一号館を
設計したコンドルは、暁斎に弟子入りし、画号をもらうほどであった。


サントリー美術館の展示方法は、見やすく、照明も上手だと思う。
入ってすぐが、「代表作」の展示であった。
一番目は、「枯木寒鴉図」 1881年 栄太楼蔵 
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水墨画、一気に描かれた枝に鴉が一羽。静けさに目を奪われる。
1881年、上野で開催された第2回内国勧業博覧会に出品され、絵画部門での
最高賞を受賞した作品。
戯画で有名だった暁斎だが、狩野派で学んだ実力を活かした正統的な絵画作品。
暁斎は本作に百円という破格の高値を付けたので、鴉一羽にしては高すぎると言われた
が、「これは鴉の値段でなく、長年の苦学の値である」と答えた。それを意気に感じた
日本橋・栄太楼(梅干し飴)の主人が言い値で買ったため、さらに評判になった。


二番目の展示は、「花鳥図」 1881年
水墨画の次は、眼に鮮やかな花鳥図だが、よく見ると雉に蛇がからみついている!
この後、どうなるのか?さらにそれを木の上の鷹が狙っている。美しさと毒気の絵。
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三番目の絵は、「観世音菩薩像」1888年
柳の枝を挿した水瓶を傍らに置き岩の上にすわる観音像は「楊柳観音」。
左下にいるのは善財童子で、仏教に目覚め、善人の教えを受けて歩いているが、
観音様の姿を見て感激、合掌している場面である。
緻密に描きこまれた観音様の顔、衣装、透けるベール、胡粉をまき散らした波の水しぶき
などに高い技術力が現れている。
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暁斎が、狩野洞白に弟子入りをした19才の頃、修業時代の絵。
「毘沙門天像」1848年
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暁斎は狩野洞白の元では極めて優秀な門人だった。
狩野派の得意とするモチーフが龍と虎の図。
「虎図」
元々は、衝立であったが、虫食い箇所があったため、絵となった。
衝立の大きさに収めるため、下半身が不自然にうねっている。
丸まった尻尾が愛らしい。
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幕末から明治への動乱期は、狩野派の絵師としての仕事が少なくなった。
戯画が巧みだった暁斎は、そちらの注文が多くなったが、1870年に政府の役人を
批判する戯画を描いた咎で、牢屋入りとなった。1年後、放免されたのを機に、それまで
の狂斎の字を改め、暁斎(きょうさい)とした。


「蛙の学校」1870年前半
学校教育が始まり、欧米に倣って、大型の地図を壁にかける掛図が教材として使われた。
掛図に見立てた蓮の葉を枝の指棒でさしながら先生が教えると、緑色の生徒が答えている。
「鳥獣戯画」にヒントを得たもの。実に面白い。
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「髑髏と蜥蜴」(風俗鳥獣戯画帖より) 1869~70年
「一度見たら忘れられないインパクトがある」 と説明書きにあったが、その通り。
静かな月夜に地面に置かれた髑髏の眼の間を一匹の蜥蜴が通り抜ける。
胡粉と墨で陰影がつけられた髑髏には、浮かび上がるような立体感があり、
するりと抜ける蜥蜴には生々しさがある。
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「地獄太夫と一休」 
暁斎は、地獄太夫を主題にたくさんの絵を描いている。
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地獄太夫は室町時代の遊女で、山賊にかどわかされて遊女として売られた。
着物には地獄変相図を刺繍していたそうだが、ここでは、七福神や珊瑚、寿の文字が
描かれている。
遊郭を訪れた一休が酒を飲み、鯉を食べるのを訝しく思った太夫が、一旦、外に出て、
部屋を覗いて見ると、三味線を鳴らす芸妓の骸骨の上で一休が踊っていたという図。
艶やかな絵で美しい。

「鯉魚遊泳図」1885年
さまざまな視点から観察した9匹の鯉をひとつの画面に収めている。
円山応挙の「鯉図」に倣った生気あふれる作品。コンドルの旧蔵品だった。
コンドルは、暁斎から、36枚ある鯉の鱗の描き方を学んだ過程をノートに記している。

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「達磨図」 1885年
これもコンドルの旧蔵品。
この絵を見本にコンドルは、暁斎から、頬の毛と胸毛の描き方の違いを習った。
技巧がいる毛を描く細い線と漢画の伝統に則った勢いよく太い衣の線は対照的。
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「貧乏神図」1886年
これもコンドルの旧蔵品。
笠と渋団扇を背負って杖をつく貧乏神。絵から出て来てしまわないよう、結んだ縄の中に
入れられているのが笑える。貧乏の象徴として様々な端切れを使った表装で、ツギまで
あててるのだが、貧相でなく美しい。

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ここに掲載したものは、前期(3月4日まで)の展示。後期は展示替えで約半数が入れ替わる。
図録で見ると、後期の方が見たいものが多いので、行こうと思っている。

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