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パリ市立プティ・パレ美術館 [☆彡Paris 美術館]

前回の記事、「クノップフ展」を開催していたプティ・パレ美術館は、1900年の万博の時
に向かいのグラン・パレと共に出来た美術展示場。正面はイオニア式の列柱が並び、

天井が高い宮殿風建物。中に入ると明るく開放的ながら荘厳な雰囲気がある。
ブルーっぽい天井画が白亜の内装に映え美しい。
床まである窓から向かいにあるグランパレが見える。

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ここは、常設展示もあり、開館当時の1900年前後の作品が中心である。
一番上の台形の絵は、モーリスドニ、「ダンス、歌、水浴、詩」という4部作の中の「歌」。
左右対称にできている。この4部作は、ボッカチオの「デカメロン」にインスパイアされ、
制作された。

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PetitParais2.jpg
この台形の絵もモーリス・ドニ作で、「フィレンツェの宵」1910年。
上の「歌」と同じシリーズなので、横に並んで展示されている。
ドニは妻マルト、長女ノエルと共に、音楽家ショウソンのフィレンツェ近くの
別荘で過ごした。その時の楽しい宴の様子で、イタリアの景色が背景である。

下は、ケル・グザヴィエ・ルーセルの「海辺で」1910年


これは、マイヨール「波」1891~98年
マイヨールは、フランス南部、地中海に面するバニュルスで生まれたので、海は
なじみ深いものだったろう。40才を過ぎてから彫刻に転向した。

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モネの有名な「印象・日の出」
に似た絵。(名前わからず)
「ラヴァクールのセーヌ川の日没、冬の効果」Inatimyさん、ありがとう。


PetitParais3.jpg



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ウードンの「ボルテールの胸像」もあった。数年前に「ルーヴル、ランス別館」で
見たっけと思い出し、「ルーヴル、ランス別館」は、ルーヴルやここから、作品を
貸し出していることを思い出した。


ルドンの「青い花瓶の花」

青い花瓶のアネモネとリラ1912ルドン.jpg


あまり広くないので、ルーヴルやオルセーに行く時間がないときは、ここだけでも見る
こと、おすすめです。

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フェルナン・クノップフ展~(謎めいた絵の巨匠) [☆彡Paris  展覧会]

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昨年12月にパリのプティ・パレ美術館で見た展覧会。
クノップフは、ベルギー幻想美術の範疇の人で、このブログでもベルギー幻想美術展
ベルギー王立美術館展、で取り上げているが、知名度は低い。

回顧展だったので、まとまって150点と、絵だけでなく彫刻や写真も見れた。

最初の展示は、クノップフのアトリエ兼自宅の紙で出来た模型。
この展覧会は彼の家の中にいるように、間仕切りや窓を作り、彼が気に入っていた
青色の部屋を再現と、工夫がなされていた。


初期の作品から
「フォセにて ある夕方」 1886年
モデルは妹マルグリット。若い頃に住んでいたフォッセ村。ポンと人を置いた
ように不思議で静かな絵。

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「バラと日本の扇」1888年
当時、流行のジャポニズムの影響で掛け軸ふうの縦長の作品。扇は団扇(うちわ)。

クノップフ_バラと扇.jpg


「マルグリット・クノップフの肖像画」1887年
マルグリットは妹。クノップフのほとんどすべての作品のモデルを務めた。
モノクロの絵に金を効果的に使った祭壇のような額縁が印象に残る。

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展覧会の入り口にあった細長い大きな絵の拡大写真もマルグリットがモデル。
実物は、クノップフの自宅に飾られていた。
写真の下の方をカットしたもの。
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7人の女性たちと見えるが、よく見ると、モデルはすべてマルグリット。
マルグリットに異なるテニスウェアを着せて写真を撮り、それをもとに描いたもの。
描くプロセスも展示されていた。絵のタイトルは「記憶」1889年
写実性と非現実的な雰囲気が入り混じっている。

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フェルナン・クノップフ(1858~1921)は、
裕福な家の出身。裁判所判事であった父親の転勤で、8歳までブルージュに住む。
18歳で大学の法学部に通うが、退学し、画家を志し、王立芸術アカデミーに通い、
数回パリに滞在。ドラクロワやアングルに感銘を受け、ギュスターブ・モローとも
知り合う。
1883年にアンソールたちと「二十人会」を結成。その時の出品作品は、母が
モデルの「シューマンを聞きながら」である。

1889年、イギリスの「ラファエル前派」のウィリアム・ハント、
ダンテ・ガブリエル・ロセッティ、エドワード・バーンジョーンズらと親交を持つ。

1891年「I lock the door upon myself」
ガブリエル・ロセッティの妹のクリスティーナ・ロセッティの同名の詩にインスパイア
された絵。当時、クノップフはHypnos(ギリシア神話の眠りの神)、、人の死はHypnosが与える最後の眠り
に関心を持っていた。女性の右上にブルーの布を右耳につけたHypnosの像と一輪の芥子の花。芥子は
死の象徴で、手前にあるオレンジ色のユリは萎れている。

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1898年、「ウィーン分離派展」へ「愛撫」を出品し、クリムトの作品形成にも
影響を与えた。横長の絵。

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オイディプスとスフィンクスの出会いを描いた絵。
チーターの身体と女性の顔を持つスフィンクスが若者に顔を摺り寄せる。
スフィンクスは通りかかる者に謎を出し解けないと食い殺すというギリシア神話
がもとになっている。

スフィンクスのうっとり表情が見てとれる顔の部分を表紙にした展覧会の案内本。
やはり、これがクノップフの代表作なのだろう。

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神話の世界に惹かれたクノップフは、ブロンズ彫刻で、メドゥーサも作った。
メドゥーサなので、髪の毛はたくさんの蛇から成り、叫び、威嚇をしている。

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「眠れるメドゥーサ」1896年。身体がふくろうのメドゥーサ。不気味で恐ろしい。
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クノップフは神話の世界に惹かれる一方で、子供の頃、住んだブルージュの景色を描き、
傑作と評判になった。
「忘れられた村」Une ville abndonnee 1904年

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ブルージュの聖ヨハネ施療院(*参照)を描いた絵の写真と
マルグリットをモデルに「ヘルメスとプシュケ」を描いた絵を一つの額に
入れた作品。「Secret-Reflet」
1902年

クノップフ_Secret_Reflet.jpg

マルグリットをモデルにした上の絵の制作過程の写真も展示されていた。
こんなふうに衣装を着せ、ポーズをとらせるのね、と思った。


神話の世界だけでなく、日常生活の一コマも描いた。「アジサイ」1894年

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「Neve氏の子供たちの肖像」1893年

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ベルギー王立美術館展で見た黒い毛皮の襟がついた白い服の
かわいい少女の絵もあった。、

象徴的で考えさせられる絵と、和む愛らしい子供や家族の絵、神話からのイメージ絵と
多岐にわたる絵。個人蔵をたくさん集めて来ての回顧展ならでは、だった。




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ウィーン・モダン(クリムト、シーレ世紀末への道) [展覧会(西洋画)]

国立新美術館で「ウィーン・モダン(クリムト、シーレ世紀末への道)」を見てから
かなりの時間が経ち、忘れていることだらけ。だからこそ、書いておかなくては、と、
*ミニ図録*を見ながら思い出し中。
 (今回、通常の図録の他に、ミニ図録13.5×15×2㎝、1000円が販売されていた。かさばらず便利)

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クリムトとシーレの展覧会かと思って行くと、違う。
ウィーン・モダンのタイトル通り、1740年代から世紀末1900年代までの
ウィーン美術の変遷をたどる展覧会である。

最初の展示は、大きなマリア・テレジアの肖像画、上に息子の幼いヨーゼフ2世の像が
ついている。ここから始まる時代である、という暗示。
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ヨーゼフ2世の時代は、啓蒙主義を取り入れた近代化の時代だった。
農奴制を廃止、病院を建設、王室の庭園だったプラター広場を市民に開放した。
そして、カソリック以外の宗教を容認したので、フリーメイソンは全盛期を迎えた。
「ウィーンのフリーメイソンのロッジ」という絵の右端には、モーツァルトと
「魔笛」の台本を書いたシカネーダーが描きこまれていた。

 

その後、ナポレオン戦争が起き、終結後の1814年が有名な「ウィーン会議」である。
「ウィーン会議の各国出席者たち」という会議室に全員集合の絵もあった。
ブルジョワたちの邸宅では、くつろぎの空間が誕生し、椅子も今までの権威的なもの
から、家具として軽い動かせるものになった。

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銀器も装飾を排し、素材の本質を追求するシンプルな形になった。
左はベッヒェのティーセット。エンボス加工された銀。右はホフマンデザインのバスケット
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当時人気の音楽家シューベルトの肖像画があり、
「ウィーンの邸宅で開かれたシューベルトの夜会」という絵もあった。
美しく着飾った大勢の人たちがシャンデリアの輝く部屋で、ピアノの前にすわる
シューベルトを囲む絵。


ブルジョワたちには、都会や田舎の風景画が好まれた。
田舎の風景では、ヴァルトミュラーの作品が多かったが、「バラの季節」
が光あふれる絵で、山間の畑ののどかさ、楽しそうな若い2人、いいなと思った。
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都会、ウィーンのシュテファン教会、リング通り、国会議事堂などを描いたのは、
ルドルフ・フォン・アルトだった。



フランツ・ヨーゼフ1世と皇后エリザベートの時代となり、2人の肖像画があった。
当時の人気画家ハンス・マカルトは、皇帝夫妻の銀婚式を祝うパレードの演出を
任されたので、横3mの大きなデッサン画が2枚展示されていた。ネオ・バロックの
画風だが、見ていると、ウィーンの栄華が伝わってくる。

マカルト作の肖像画も何枚もあった。
「メッサリナの役に扮する女優シャルロット・ヴォルター」
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社交場だった「マカルトのアトリエ」を描いた他の画家の絵もあった。


クリムトは「旧ブルグ劇場の観客席」という絵に100人以上の人間を写真かと思える
ほど細かい線でていねいに描きこみ、皇帝から高く評価され、「皇帝賞」をもらった。
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ウィーンでは万博が開かれ、日本は庭園を造営した。万博の記念品(グッズ)や
会場の絵柄の傘のお土産品が展示されていた。
ヨハン・シュトラウスの胸像があり、ワルツを踊る「宮廷舞踏会」の絵があった。


絵や工芸品を見ながら、ウィーンの歴史をたどっていく展覧会。

時はすすみ世紀末へ。
オットー・ヴァーグナーがウィーンの都市デザイン・プロジェクトを
いくつも提案し、絵画の分野では、クリムトに率いられた若い画家たちが
「ウィーン分離派」を結成した。
オットー・ヴァーグナーの「カール・エルガー市長の椅子」
市長の60才の誕生日を記念して,
オットー・ヴァーグナーがデザインした。
ローズウッドに真珠母貝を加工したものをリベットのように象嵌細工。
実際、キラキラ輝いていた。座り心地は?

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ヴァーグナーの建築模型がたくさんあり、これが絢爛豪華で金ピカ、美しいのだが、
実現には至らなかったものが多い。当時の新素材、アルミや鉄、ガラスを使った
機能的な「郵便貯金局メインホール」は写真展示だが、この建物は実現し、今も
使われている。


ここで、ようやくクリムト作品が登場。
初期の作品「寓話」などは古典的な画風だが、1895年の「愛」から作風が変わる。
日本美術の影響といわれているが、画面両端に金箔を施し、表装のようにしている。
主題の「愛」のカップルは朦朧と描かれた人々の視線の先、白いドレスの女性が
浮き立つ。

「パラスアテナ」1898年
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この絵を始めてみた人は、ドキッとするだろう。次にこの人は誰?
「パラスアテナ」はラテン語で、アテナ神。黄金の兜、手に金の棒を持ち、

金のうろこ模様の胸当て。胸当ての上には、人の顔?(ゴルゴン)がつき、
すざましい目力でこちらをみつめている。恐ろしさを覚えるのだが、このアテナ神は
男を惑わすファム・ファタルだそう。



クリムトのデッサンもたくさん展示されていた。
ウィーン分離派の画家たちというコーナーでは、目黒美術館で見たカール・モルや
コロマン・モーザーの絵があった。

次は、ポスターのコーナーで、お馴染みのクリムトのウィーン分離派のポスターもあった。
ココシュカの「夢見る少年たち」という自作の詩入りの木版画のリトグラフ8枚連作は、
以前、三越のウィーン展で見たと思う。
ベルトルト・レフラー「キャバレー・フレーダーマウスのちらし」

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工芸品もあり、ヨーゼフ・ホフマンのブローチが3点あった。
ブローチの縁の象嵌は、オットー・ヴァーグナーの椅子にも通じるものがある。

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次の部屋では、遠くからもはっきりわかる大きな絵にひきつけられる。
分離派のクルツヴァイル「黄色いドレスの女性」

wien黄色いドレスの女性.jpg


クリムトは28才年下のシーレの才能を高く評価していたが、シーレは若くして亡くなった。
シーレの絵は、クリムトとは違う画風。
自画像。 細い指先と視線に独特のものがある。
wien_シーレ自画像 (1).jpg

シーレの支援者で美術批評家レスラーの肖像画もあったが、やはり細い指先と視線が
めだっていた。その妻を描いた「イーダ・レスラーの肖像」は美しいが、冷たい視線が
気になった。
wienシーレ_イーダの肖像.jpg

ゴッホに刺激されて描いた細長い絵「ひまわり」もあった。

最後に近い部屋には、クリムトが描いた恋人エミーリエ・フレーゲの等身大ほどの
細長い絵があり、撮影可能だった。ドレスはクリムトのデザイン。
Wien_EmilyFrage.jpg

会場を出た国立新美術館のロビーには、クリムトが蓋に絵を描いたピアノがあり、
それを使ったコンサートが丁度、終わったところだった。
wien_ClimtPiano.jpg

ベーゼンドルファー社製で、細部にまでクリムトの趣向が見られる。
黒を背景に輝く抑えた金色、ここでもクリムトが時代の寵児だったことがわかる。

wienPiano_ClimtSignature.jpg

追記:
私は最終日近くに行ったので、記事を書かなかったけれど、都美術館でのクリムト展、
とてもよかったです。mozさんがくわしく記事をかいていらっしゃいます。

ここと合わせてお読みになると、私がさらっとしか書いていないクリムトへの理解が
深まりますよ。

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梅雨とシャンパン [シャンパン・ワイン・ビール]

今年の梅雨は、どんより曇り、時々小雨という日々が続き、日照時間が短い。
記録的な日照時間不足で、梅雨明けは20日過ぎとの予報。


友達の海の別荘に行った日も曇り。
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待ち合わせが恵比寿だったので、アトレ(駅ビル)で、ランチ用の品々を買い、友達の車に乗った。
1時間半で海に到着。家の中から海を見ながらシャンパンと共に、ゆったりとした時を過ごした。


海2.jpg


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たっぷりと昼寝をし、酔いも抜けた夜になってから帰路についた。



[雨][雨][霧]

日曜日、「また雨でやぁね~。出かけるのもね、、、」と電話の向こうでため息のM子さん。
「じゃ、うちでシャンパン飲む? たいしたもの用意できないけど」と言うと
「昨日、明治屋の上等なステーキ肉頂いたから、持って行くわ。焼いて食べましょう」
それ最高。

食べた後のボトル記念撮影。お料理は撮り忘れ。
ステーキに合わせたドメーヌ・ロウの赤(ピノ・ノワール)は、サシが入った肉にも、まずまずだった。

うちでJune24.jpg



[曇り][霧][バー]

別の日、3人でコンサートの打ち合わせ。
一人飲まないけど、私は泡が飲みたかったので、ハーフサイズのボトルを頼んだ。
これも、お料理写真を撮り忘れて、デザートになってから、「あ、写真」と
写し、空になったシャンパン「DELAMOTTE」瓶も撮った。

打合せ.jpg


打合せ2.jpg


青空が見たいです。。



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美味しかった頂き物(4) [ケーキ、チョコ、和菓子、フルーツ]

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最近は、食パンの美味しい店がいろいろあり、「買ったから」と頂くことが多い。
「ペリカン」は、浅草の通りに面している古くからある有名店。売り切れると
閉店してしまうので、車で前を通っても、いつも閉まっている。
予約して買ったからと、友達が持ってきてくれた。
昔ふうの厚切りトーストがおいしい食パン。



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弟が、「予約したから明日買いに行くので、帰りに届ける」と持ってきてくれたのは、
麻布十番が本店・のがみの食パン。生クリームやバターが入ってるので、ほんのり甘く
しっとり。そのまま美味しい。でもパンだけでは。。
私は食パンは、ハムと薄いきゅうりのサンドイッチが一番好き。
http://nogaminopan.com/


M子さんが、「ここのオリーブのパンが最高」オリーブ入り食パンを買ってきてくれた。
(写真なし)




ゴディバの2段ボックスは、頂くとうれしい。たくさんあるので、豪快に食べられる。


ゴディバ2段no2.jpg


ダンディライオンというブランドのチョコ。
「クラフトチョコ」という手造りのチョコ
https://dandelionchocolate.jp/


ダンディライオンチョコ.jpg



これは、ポテトチップス。
DRIED FRIET 何種類かフレーバーがあるが、私がいただいたのは、
黒トリュフ塩味。高級ポテチ。
http://andthefriet.com/driedfriet/

dried friet.jpg




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