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2022夏のビール うちで(1) [シャンパン・ワイン・ビール]

毎日、暑いので、「帰ったらビールを飲もう」と思いながら歩く。
いつも飲んでるのは「アサヒ・スーパードライ」(写真なし)。
ここでは、それ以外のビールを飲んだ時のことを記録。

1,「崎陽軒の焼売と頂き物のビールがたくさんあるので、持っていく」
と言われたので、春巻きと蒸し鶏とキュウリのサラダを作った。
やって来たのは、ベルギービールの「CHIMAY」シメイ。焼売にフルーティな
シメイは、パンチが足りなくて、ちょっと苦みがあるいつものスーパードライ
の方がいいと思った。

cimey2hon.jpg

瓶のラベル後ろ側に書いてある注意書きは、「タンブラーでなくワイングラスで
飲んでください」香りを楽しむために口の広いグラスで、さらにアルコール度数が
高いので、ゆっくり飲むために平たいグラス推奨ということ、ね。
赤はブラウンビールでカシスの香り。白はホップがとても多く白っぽい色。

うちの中華.jpg


2,日曜日の夕方。
ドイツの「ラドラー」RADLERというレモンビールを「暑い日の夕方、
最高においしいから」と一本だけ頂いたので飲んでみた。
レモンスカッシュ感覚。爽やかでおいしい。今度、買おう。
植木鉢のイタリアトマトが食べごろになったので収穫。クリームチーズと
一緒に、川越のクラフトビール「COEDO」を飲んだ。ドイツから技術者を招いて
作っているので、地ビールとは違うのがウリ。美味しい。これは青い缶だが、
次に茶色の缶を飲んだ。

LemonRADLER.jpg


ビールで一服したあと、やおら一人分のごはん作り。簡単なものを。
夏野菜入りアサリのワイン蒸し。ピーマンの肉詰め。

あさり.jpgピーマン肉詰め.jpg


3,「ヒューガルデン、Hoegaarden 好きだったでしょ」と友達が
覚えていてくれた。
ベルギービールが日本に入って来たころは、いろいろなブランドがなくて、
このヒューガルデンがコリアンダーの香りで、す~っとした感じの爽やか
ビールだったので、目新しさもあって好きだった。
ローストビーフと友達が買って来た「ラザニア」で。

Heugaarden.jpg

4,ビールと肉は好きな組み合わせ。
スペアリブ、タレも一緒についてたので、かけて焼いただけ。
ビールは、アメリカの「バドワイザー」Budweiser。
ぐいぐい飲むようにできていて軽くてたくさん飲める。
Budwiserは、アメリカを思い出すので、懐かしさもあり好きだが、
今は国産ビールより安く売っている店がある。

Budweiser.jpg


5,「ホールケーキをもらっちゃったから、明日持って行くわね」と歌姫。
仕事帰りにデパ地下で、鰻弁当を買って帰り、青菜を茹で、だし巻き卵
を作った。鰻だから国産ビールで。
ケーキはホテルオークラの苺のホールケーキ。直径12センチ。苺もクリームも
スポンジも素晴らしく美味しかった。

うなぎ弁当.jpg


まだ7月なので、8月もおいしいビールが飲めることを期待(笑)

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ペレアスとメリザンド(新国立劇場) [オペラ、コンサート、バレエ]

pelleas_panf.jpg

なんで、こんなポスターなんだろう?
と思う人が多いと思う。前記事で紹介したように、メーテルリンク原作の
この作品では、メリザンドの長い髪というのが、大事なモチーフだった。
メリザンドに恋しても、兄嫁ゆえ触れることができないペレアスは、長い髪
の裾に口づけする。
19世紀末当時、男性を誘惑し破滅させる「ファム・ファタール(運命の女性)」
という言葉が流行し、文学や絵画の主題となった。ワイルドの「サロメ」が
その代表格でビアズリィの挿絵、ミュシャによって描かれたサラ・ベルナール主演の
舞台ポスターが評判になった。それらの女性は長い髪である。

「新制作」と書かれているように、今回の演出は、イギリス出身のケイティ・ミッチェル。
独自の感性と論理でのリアリティが評価されている。これは2016年に先鋭的なオペラの
上演で注目されているエクサンプロヴァンス音楽祭で初演されたもの。

新国立劇場では、芸術監督の大野和士が自ら指揮をし、東京フィルハーモニーの演奏。
大野は、ブリュッセル・モネ劇場やリヨン歌劇場でフランス・オペラを数多く手がけてきた
ので、新国立劇場着任以来、年1本はフランス・オペラを欠かさず企画している。
主役の3人は、有名劇場の舞台でその役を演じてきている人たち。
特にゴロー役は、エクサンプロヴァンス音楽祭にも出演し、ゴロー役に定評がある。

舞台装置は池の畔でもお城でもなく、現代の個人宅。2階建て。メリザンドは赤い服。
16年エクサンプロヴァンス音楽祭公演より [コピーライト]Patrick Berger/ArtComPressPelleas_Scene1.jpg

サイトでこの写真を見ていたので、驚きはしなかったが、馴染めない。
幕が開くと、寝室。白いウェディングドレス姿のメリザンドがベッドの上にいる。
そこへゴローが銃を持って、入ってくる。「えっ?出会いは森なのに、、泉はどこ?」
と思っているうちに話が進む。違和感の連続。
ドビュッシーの音楽だから、森や泉という自然の空気感がほしいのに、
この個人宅は。。。塔もなく、左隅にあるらせん階段が塔の役割らしい。
これでは「ウェストサイドストーリー」の舞台のよう。

ペレアスとメリザンドが待ち合わせる「盲目の泉」は庭のプール。
しかもメリザンドは超積極的。ファムファタルや妖精の雰囲気ゼロ。
Pelleas_Pool.jpg


さらに、メリザンドは食卓の上を傍若無人に歩いたり、ベッドに座ってるペレアスの
上に覆いかぶさったりと、行儀が悪い。奔放といえばいいのだろうか。いやいや、、。
現代に置き換えた演出といえど、私はすんなり受け入れられなかった。
最後に、この話は全部メリザンドの夢だったとわかる演出。
だから、最初の場面が寝室だったのだ。銃を持ったゴローが現れたのが夢の
始まり。黙役でメリザンドの分身が登場するが、ちょろちょろ動いて邪魔と
しか思えなかったが、これも夢だからの演出とわかり腑に落ちた。
同行の友だちが一回見ただけではわからないからと、今回2度目なのも納得。


しかし、音楽はすばらしかった。2012年版を見てから行ったので曲が頭に
残っていて、ドビュッシーの軽やかさに浸れる部分、心理的に盛り上げる
部分と緩急つけた演奏が心地よかった。
メリザンド役のカレン・ヴルシュ(ソプラノ)は、きれいな声のソプラノ。
同行の歌姫は、「声が足りない。もう少し大きな声が出ないと」と辛口。
演技部分が多いのだが、俳優なみにこなしていた。
ペレアスのベルナール・リヒター(テノール)は、ハンサム。柔和な顔立ち。
ゴロー役のロラン・ナウリはエクサンプロヴァンスでも同役を歌った人。
フランス一の迫力のあるバリトン。
日本人キャスト妻屋秀和、浜田理恵が、主役の3人に引け劣らず上手く、
自然体で役をこなしていた。


指揮:大野和士
演出:ケイティ・ミッチェル
美術:リジー・クラッチャン
衣裳:クロエ・ランフォード
照明:ジェイムズ・ファーンコム
振付:ジョセフ・アルフォード
演出補:ジル・リコ
舞台監督:髙橋尚史

ペレアス:ベルナール・リヒター
メリザンド:カレン・ヴルシュ
ゴロー:ロラン・ナウリ
アルケル:妻屋秀和
ジュヌヴィエーヴ:浜田理恵
イニョルド:九嶋香奈枝
医師:河野鉄平

合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団


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ペレアスとメリザンド(2012年パリ・オペラ座公演) [オペラ、コンサート、バレエ]

フランスの作曲家ドビュッシー(1862~1918) は、生涯でひとつしかオペラを
作曲しなかったが、それはオペラ史に残る名作となった。「ペレアスとメリザンド」である。
原作は、「青い鳥」で有名なメーテルリンクの戯曲。
日本で上演されることが少ないオペラだが、目下、新国立劇場で公演中。見に行く予定
なので、その前にパリ・オペラ座での2012年3月公演の紹介を書いておく。
私は、NHKーBSの「プレミアムシアター」で日本語字幕で見たが、DVDも発売されている。
(DVDは英語字幕)
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ドビュッシーは、19世紀末、象徴主義、印象派の作曲家と言われている。
メーテルリンクも象徴主義の作家。リアリズムとは正反対の象徴主義ゆえ、
このオペラには、意味ありげな暗示が所々に込められていると思った。


<あらすじ>
【第1幕】いつとも知れない時代、架空のアルモンド王国が舞台である。
アルモンド王の孫のゴローは、森の中で道に迷い、泉のほとりで泣いている
美しい乙女メリザンドに出会う。ゴローはメリザンドを城に連れて帰り、結婚を
取りはからってもらうため異父弟のペレアスに手紙を書いた。
【第2幕】
ペレアスとメリザンドは「盲目の泉」に出かけた。メリザンドは
この泉に結婚指輪を落としてしまう。ちょうどその時、森で狩をしていた
ゴローは落馬で怪我をした。ゴローは怪我の看病をするメリザンドが指輪をしてないと
気付き激昂し、指輪を捜すように命令した。
【第3幕】
星空の美しい夜。城の塔の窓辺でメリザンドは長い髪をとかしていると、ペレアスが現れ、
メリザンドの美しさに惹かれる。窓辺から落ちるメリザンドの長い髪に手を伸ばし抱擁するペレアス。
その光景を見ていたゴローは、ペレアスを咎め、メリザンドが妊娠していると伝えた。
【第4幕】
その後もペレアスとメリザンドが二人でいる時があると知ったゴローは、
怒りをメリザンドにぶつけ、彼女の髪をつかんで手荒な仕打ちをします。
ペレアスは旅に出ることを決意、別れの夜、メリザンドに愛を告白、抱擁する二人。
そこへゴローが現れ、ペレアスを剣で刺し、メリザンドを追う。
【第5幕】
瀕死でベッドに横たわったメリザンドは女の子を授かる。ゴローはメリザンドに
ペレアスとのことを問うと「愛したけれど、罪は犯していない」と答え息を引き取った。

つまり、ストーリーは、美しい不思議な口数少ない女性を巡る兄弟の恋の鞘あてである。
オペラの舞台は、青みがかった照明で幻想的な雰囲気、象徴性を意識した演出。
そして、パントマイム劇のように、ゆったりとした動きで要所、要所でポージング。
衣装は白と黒。シンプルな舞台装置。兄弟2人から想われるメリザンドは美しいことが必須条件。
実際、メリザンド役のエレナ・ツァラゴワは、見とれるほど美しい。
これは始まり。ゴローが森の泉でメリザンドに出会う場面。
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このオペラには、メロディがあるアリアはなく、音楽に合わせてフランス語で
話すように歌う。曲にフランス語の響きが合う。心のざわざわ感や怒り、感情の
高揚、人の気持ちを音で表現しているとわかる。
照明の使い方が上手で、シルエットを使う表現も数か所あり、象徴的だった。
また、満月や三日月、月を照明で表していた。
不思議だったのは、塔から落ちて来るメリザンドの長い髪、これは何かの象徴
なのだろうか。


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出演:

ステファヌ・ドゥグー(Br ペレアス)
エレナ・ツァラゴワ(S メリザンド)
ヴァンサン・ル・テクシエ(Br-Br ゴロー)
フランツ=ヨーゼフ・ゼーリヒ(Bs アルケル)
アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(Ms ジュヌヴィエーヴ)
ジュリー・マトヴェ(S イニョルド)
ジェローム・ヴァルニエ(医師)
フィリップ・ジョルダン(指揮)パリ・オペラ座管弦楽団,合唱団

ロバート・ウイルソン(演出)
フリーダ・パルメッジャーニ(衣装)
ハインリヒ・ブルンケ(照明)



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鈴木優人 バッハ、ピアソラを弾く [オペラ、コンサート、バレエ]

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鈴木優人は、指揮者で鍵盤奏者。パイプオルガン、チェンバロ、ピアノ、キーボード
と鍵盤楽器を何でもこなす。ご尊父は、著名なパイプオルガンの名手鈴木雅明氏。
友達が「鈴木雅明のパイプオルガンコンサート、行ったことあるわ。え~、もう息子さん
の時代なのね」息子の多芸さは父君以上で、このコンサートではタンゴバンドと共演した。


鈴木優人は、1981年オランダ生まれ。父は当時、アムステルダムの音楽院でチェンバロと
オルガンを学んでいた。親子とも得意なのはバッハで、バッハの曲を演奏するバッハ・コレギウム
を結成している。
今回の会場、渋谷のオーチャードホールはパイプオルガンを持っていないので、この日のために
簡易パイプオルガンが舞台に設置され、チェンバロ、ピアノが同じ舞台の上にあった。

第一部はバッハ中心。pipeOrgan.jpg
「トッカータとフーガ」から始まる。タラ・ラーン.....ジャー~ン
サントリーホールの立派なパイプオルガンの長い残響とは違うが、バッハの時代は、
これくらいの感じだったそうだ。調律もそれに合わせてるとのこと。
バッハ3曲のあとは、チェンバロを演奏。クープランの「神秘的なバリケード」は、
単純なメロディが基本だが多様な変奏が楽しい。
ラモー「めんどり」は、コッコッコッコと本当にそこにめんどりがいるかのよう。チェンバロならでは
の曲。武満徹の「夢みる雨」、これも軽やかな雨粒のようすが伝わってきた。
その後、クープランのミサ曲とバッハの小フーガ。

第二部はタンゴバンドとの共演。
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鈴木優人は、ある時、後輩にあたる芸大の学生「鈴木崇朗」に会い、
「同じ鈴木ですね」というと「僕は鈴木3人でタンゴ・トリオをやってるんです」
それは面白い。今度4人の鈴木でコンサートをやりましょうというきっかけだそう。
なので、この日のコンサートは出演者全員鈴木さん。


バッハ「フーガの技法」ではじまる。この曲は、鍵盤楽器で演奏するように
されていながら、オープンスコアで他の楽器でも演奏できるので、主題とその模倣が
繰り返されるフーガは、テーマ+アドリブのJazzには丁度良い。
鈴木優人は、「僕がチェンバロを弾くので、順番にインバイトしてみましょう」
インバイト、これがもうジャズのノリ。
ソプラノサックスとチェンバロ。チェンバロの楚々として美しい音を追いかける
サックスがクラシックの金管楽器の音色で、格調高い演奏。次はギターが呼ばれた。

鈴木優人は、MCも上手い。簡潔で的を得てる。もっと話しててもいいのにと思うが、
すぐに楽器に戻ってしまう。
バンドネオンは、その昔、アルゼンチンに宣教に行く人たちが、パイプオルガン
を持って行かれないので、音色が似ているバンドネオンを持って行ったのだそう。
「パイプオルガンとバンドネオンのフーガ、音色が似ていることを確認しながら
聞いてください」まさにその通りだった。
この日は、ピアソラ特集で、ブエノスアイレスの春、夏、秋、冬を演奏。
私が好きな「リベルタンゴ」は、最後の曲で、鈴木優人は、ピアノを担当。
体をゆすって鍵盤を叩く姿、音は、まさにジャズメンだった。
八面六臂の活躍ぶり、Bach to Piazollaのタイトル通りの素晴らしいコンサート。
同行の友だちが「これで7千円は安いわね」と終わるなり言った。







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