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上野・東天紅から見る不忍池のハス [レストラン(中華)]

上野・不忍池のハスの花。
東天紅へ向かうとき、池の畔に咲いている蓮の花をスマホで撮ったもの。
東天紅_ハス第2.jpg


不忍池の前、不忍通りに面した所にある東天紅はビルなので、池の畔からよく見える。
レストランは9階、一面ガラスの窓からは、眼下に池、遠くにスカイツリーが見える。

東天紅_はす.jpg

東天紅_スカイツリー.jpg

ハスの花を見たかったので、ランチに行った。
ランチコースは、税金を入れて4000円ちょっと。
前菜、フカヒレ入りスープ。
メインは、肉が豚肉と夏野菜の酢豚ふう、魚が海老と野菜の塩炒め。
點心、ザーサイ、豆乳がゆ(白米に変更可)
ココナッツ団子と杏仁豆腐

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東天紅3.jpg

東天紅デザート.jpg


春には上野公園のたくさんの桜が見える。これも素晴らしい。


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ルートヴィヒ美術館展 [展覧会(西洋画)]

国立新美術館へ「ルートヴィヒ美術館」を見に行った。
「ルートヴィヒ美術館」は、ドイツ・ケルン市にある美術館で、20世紀初めから
現代までの作品を
多く所有している。
tirashi.jpg
私は、20世紀美術が好きなので、パリでは、ルーヴルに行くよりポンピドゥ美術館
に行くほうが多い。
20世紀美術は、「へぇ~、こんなのもあるのね」と感心したり、「これ!」と笑い
ながら見たり、気楽に楽しめる。

最初の絵は「ヨーゼフ・ハウプリヒ博士の肖像」1951年 オットー・ディクス
(写真なし)
オットー・ディクスは、ポンピドー・センターで見た絵「ジャーナリストの肖像」
が忘れられない。これ女の人よね、、だけど、こんなに風刺? という衝撃の絵だった。
ヨーゼフ・ハウプリヒ博士は、ドイツ現代美術のコレクターで作品をケルン市に寄贈。
この美術館の中核になっている。
この肖像画は依頼されて描いたものなので、ディクスといえど風刺はなし。知性と品に
あふれた肖像画だった。

並んで展示されていたのは、
「ペーター・ルートヴィヒの肖像」1980年 アンディ・ウォーホル
シルクスクリーンで転写した顔写真に手描きで加えた赤い輪郭線。さらに透過性の
ある青を重ね、次に赤を、緑をという肖像に色彩を加えるウォーホル流。
ウォーホル.jpg


(1)ドイツ・モダニズム
さきほどのオットー・ディクスと並んで風刺の名人といえば、ジョージ・グロス
(ポンピドゥーで見た絵はこちら。横浜美術館の絵はこちらこれもいい。

「エドゥアルト・プリーチュ博士の肖像」1951年 ジョージ・グロス
Gross_DrBriche.jpg

ちょっとクセのある表情。本人は気にいってたかしら?
エドゥアルト・プリーチュ博士は美

術史家で、ナチスの芸術政策に加担。
ナチ嫌いのグロスが描いてるのだから、ダンディな服装の紳士だが、一物ありかな。
座っている椅子は肘掛けが木製だから、当時流行りのリートフェルトかしらと
思ったり、、いろいろ想像して見るのが楽しい。


カンジンスキー「白いストローク」1920年
絵の具を置いたパレットに白いストローク、一筆。
抽象画のカンジンスキーなのに具体的にものが見える作品。
Kandinski.png

ヤウレンスキー「扇を持つおとぎの王女」の派手な色づかいを見た途端、bunkamuraで
見た「カンディンスキーと青騎士展」が良かったことを思い出した。
フランツ・マルクの「牛」1913年は牛と馬が描かれている。私はbunkamuraでの「牛」
3頭の色違い牛のほうが好きだった。
マックス・ベックマン「月夜のヴァルヒェン湖」1933年「恋人たち」1940‐43年
私はどうもベックマンは好きになれない。

レームブルックふりかえる女のトルソー」1913年 精神性の高い彫刻と言われてる

バルラハ「うずくまる老女」1933年 小さな木彫だが三角形構図で精神性が高い。


(2)ロシア・アヴァンギャルド

マレーヴィチ「スプレムス38番」一番上のチラシ写真の左側の絵。
ウクライナ出身。旧ソ連で最初に抽象画を描いた人物。
私は、マレーヴィチの働くおじさんの絵シリーズが、人形のようで
かわいくて好きだ。同じく人形のような服が派手なおばさん。
ゴンチャローヴァ「オレンジ売り」1916年
ゴンチャローヴァ.jpg


(3)ピカソとその周辺
モディリアーニはピカソの周辺に分類されていた。
「アルジェリアの女」1917年
Modiliani.jpg

マティス「静物」1941年
Matisse.png


この美術館は、ピカソ作品を多く持っているので有名。
ピカソ「アーティチョークを持つ女」1941年
第二次世界大戦中の絵。アーティチョークは棒のような武器。左手の爪は尖っている。
まさに今、戦おうとする女。
Picasso.jpg

ピカソ「頭部の描かれた長方形皿」1948年
戦後には、色彩共々こんなに穏やかになり、ユーモアを感じさせる。
自分の部屋に買ったこの絵葉書を飾った。
Picasso頭部の描かれた長方形皿1948.jpg

(5)1960年代から現代まで。ポップアートなど
リキテンスタイン「タッカ、タッカ」1962年
兵士は疲労困憊。毎日少ない睡眠で空腹、細菌や感染症に悩まされながらも戦い
続ける。タッカ、タッカは大砲の音。ベトナム戦争の戦場だろうか。
ぱっと見は、悲惨さを感じさせないコミック調。
リキテンシュタイン.jpg

ウォーホルの「二人のエルヴィス」1963年は、等身大で西部劇姿の拳銃を構えた
エルヴィス写真が2つ並んだもの。思わず「あら、エルヴィスが、、2人も」と
友だちと笑う。
さらに笑ったのは、カーチャ・ノヴィツコバ「ハシビロコウ」2014年
アルミニウムで出来ている。撮影可マークあり。
hasibirokou250.jpg

チラシの写真、右側の作品は、
モーリス・ルイス「夜明けの柱」1961年
カラーフィールド・ペインティングというジャンル。

 友達と一緒に、あ~だ、こうだと(小声で)言いながら見て、楽しいひととき
でした。かなりすいてたので、「暑いし、よくわからないしと敬遠されるのよ。
来たら面白いのにね」と、誘った時は、渋った友達が帰りには上機嫌だった。

コメントでわかったのですが、ルートヴィヒ美術館展は、2010年に横浜の
「そごう美術館」で開催されています。yk2さんが記事を書いています。


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夏の外食(3) [レストラン(イタリアン、スペイン)]

(1)ル・パン・コティディアン(六本木ミッドタウン)
ル・パン・コティディアン、長い名前だけど、ベルギー発で世界に店を持つ人気の
ベーカリー・カフェで東京にも何店舗かある。以前、行ったのは、オペラシティ店。
コンサート前に軽く何かのパンと飲み物だったけど、パンが美味しかった。
(これはお店の写真をお借りしました)
lepain_main_1-thumb.png
国立新美術館で「ルドウィッヒ美術館展」を見た帰り、近くのミッドタウンのどこで
食べようかとネットで検索。ここに夜の「飲み放題」プランがあり、4500円コースは
料理も7品で充実しているので予約した。

ここはゆっくり食事もできる店。
ベーカリー・レストラン。オーガニックな素材にこだわっているのが特徴。

PainQuotidien.jpg
これは最初に撮った写真。
このあと、冷たいコーンスープ、オープンサンド、牛リブロースともち豚のグリル、
デザート盛り合わせと出た。別料金(350円)だったが、オリーブオイルが風味が
よく、パンと合うので、最初から上機嫌。飲み放題だったので、生ビール、ミモザ
(オレンジジュース+スパークリング)、白ワイン、、と飲んだが、これも安いワイン
という感じではなくて、良かった。


(2)PIZZERIA37
目白駅前の商業ビル「トラッド目白」の一階奥。
このお店のことを知ったのは、六本木ミッドタウンの「トリュフのレストラン」に行った時、
レジの横に、「PIZZERIA37」のカードが置いてあったから。同じ経営。青山のブノワも同じ。
外側パリッと、内側モッチモチのピッツア。

日曜の夕方、暑かった日。まだ明るい5時半。ビールで始めた。

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本場イタリア、ナポリとこだわった店なので、イタリアのモレッティ・ビールがある。
ホップ多めのピルスナータイプ。爽やかで軽い口当たり。
ピッツアは種類が多いが、どこかで「ブッラータチーズのは少し高いけど、美味しい」
とすすめられて食べて以来、気に入ってるブッラータチーズのを頼んだ。
その後、生ハムを頼んで、、、あとは何だったか。。


(3)カフェ・ポート・ブルックリン
駒込駅から六義園に向かって本郷通りを歩いて3分くらいの所。
以前、六義園に行った帰りに、ランチをと思ったら満席だった店。
夜なので、入れるのでは、と行ってみた。
そば粉のガレットの店だが、ブルックリンという店名なので、ブルックリンの
ビールがウリ。
グースアイランド(Goose Island) IPA はアメリカで飲んでおいしかったビール。
ここで飲めてうれしかった。
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アヒージョもあって、そちらが先に来たので、熱々アヒージョとフランスパン。
それにビール。ブルックリンだから、取り合わせは、何でもいいかと笑いながら、
食べたが美味しかった。メインのスモークドサーモンをホワイトソースで和えた
ののガレットはボリュームもありおいしかった。
丁度、すいてたので、若いオーナーが、「僕はアメリカ東海岸を旅してた時、
ブルックリンで入ったCaféが良くて、こういう店をやりたいなって思ったんですよ」
と語ると、同行の友だちもアメリカ好きなので、話がはずみ楽しい時間だった。


(4)京橋千疋屋フルーツパーラー
航空便用の封筒を近所で売ってないので、東武デパートの伊東屋へ行った。
隣の鳩居堂のレジにいたのが、ランチ友。「あらぁ~、お茶できる?」と
東武内の京橋千疋屋へ。少しおなかがすいてたので、甘いものでなく、
サラダ付きのハーフサンドイッチを。アボガドとスモークドサーモンのサンド。
見た目の綺麗さだけでなく、具材がパンになじんで美味しかった。
コーヒーとで1700円と安くないが、美味しいし、ゆったりしていて良い。

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2022年夏のビール うちで(2) [シャンパン・ワイン・ビール]

(1)高校の友だちと
時々、顔を合わせる高校同期のOくんが、私に「どこ、住んでるの?」
最寄り駅を答えると、「僕、大学まで、そのすぐそばに住んでたんだよ。懐かしいなぁ」
そこから話が発展し、ご近所つながりの同期4名で、うちでビール会。
いろんなビールを飲みましょうということでのラインアップ。
ビール会.jpg

「丑の日」に近かったので、東武デパートの「日本一」という店で鰻を買って、
「京鳥」で焼き鳥、その近辺でハムを買った。かまぼこを買いたかったのに、
「鈴廣」が見つからなかったが、N嬢が「三浦屋」で「ビールが旨い 枝豆かまぼこ」
を買ってきてくれた。枝豆がごろごろ入っていた。
高校の時は、親しかったわけでない4人なのに、歳月が過ぎ、人見知りもなくなり、
話しが尽きず、あっという間の4時間。楽しかった。写真を撮ってなかったので、
宴のあとに記念撮影。


(2)歌姫と
日曜の夕方、歌姫が「少しだけ会える?」とラインしてきた。渡りに船。
「暑いからビール飲みたいと思ってたの。うちの簡単ごはんで良かったら来て」
サラダ好きの歌姫のために、サラダを用意し、暑いから締めは素麺にしよう。
素麺には天ぷらで、舞茸とナスを揚げた。


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歌姫が「最近、ビールが飲めるようになった」と言うので、「それは、うれしいわ。
また来てね」。翌週の日曜日も2人で。刺身用の本まぐろの柵を焼いてタタキにしてみた。
お刺身と比べて食べたら、タタキの負け。びんちょう鮪だったらタタキの方が美味しいのに。
ハンバーグと冷やしたナス煮、枝豆のせ。
このあとに、写真はないけど佃權のさつま揚げ。
sapporo2.jpg
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(3)M子さんと。
M子さん登場。「今、新宿にいるんだけど、今から行っていい?」
「えっ?いま3時半よ。それに今日、うちはキッチン休みなんだけど。」
「じゃ、キッチン使わないように何か買って行くから」。。負けた(笑)
小樽の政寿司の鰻寿司(美味しかった!)と彩が綺麗な練り物揚げと
きゅうりとキャベツのお漬物。「漬物はサラダがわりよ。キッチン使わないように」
Aug5Beer.jpg
「毎日、違うビール飲んでる、って言ってたじゃない。どこのがおいしいの?」
「その時によるから、飲んでみて」といろいろな種類を飲んだ。
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(4)ドイツビールの日
見たことがないラベルのドイツビールを頂いた。
DUNKEL(=暗い)だから、黒ビール。コクがあるけど苦みがない。
中瓶なので、300ccでなく500㏄。トンカツと一緒に。

Dunkeltonnkatu3.jpg

この日の2本目は、キリンの「豊潤」スプリングバレー。
カツオのタタキと水菜、レタス、キュウリのサラダと。

豊潤_カツオサラダ2.jpg


(5)いい魚を見つけた日
冷蔵庫で冷えてたのは、「よなよなエール」、缶のクラフトビール。
スモーキーな味わいだから、ローストチキンが合うそうだが、この日は、
鮮魚売り場で、大きめの舌平目を見つけた。2年くらい食べてなかったから、
早速ソテーに。付け合わせはインゲンと赤いパプリカ。

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毎日、肉と魚、両方を食べることにしてる。いい魚があった時は肉がひき肉
や薄切り豚肉、高い肉のときは、魚が出来合いの鯵のタタキだったりと。
片方に重点をおく。

別の日:
きれいな鰆だったので味噌漬けにした。これに合うのは、白いエビスビール。
泡が消えないうちに写真を、と急いだら、付け合わせのキュウリ揉みが手前でなく、
向こう側になって(苦笑)
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まだまだ暑いので、ビール三昧の日々は続く予定。

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2022年夏の外食(2) [レストラン(イタリアン、スペイン)]

(1)資生堂パーラー、ザ・ハラジュク
銀座にある資生堂パーラーの原宿店。
原宿駅前のIKEAビルの隣のビルの8階なので、眺めが良い。
台風前の夏の雲。
写真の範囲の外に、東京タワー、国立競技場が見えた。
ビルはどれが何ビルかわからないけど、この2つは、形でわかる。

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「2人で分けてもいいですか?」「どうぞ。取り皿をお持ちします」だったので、
彩りサラダとチキンライスを頼んだ。スープとコーヒーのセットも。
サラダのお皿は、資生堂のアイコン「花椿」の形。

Shiseido_Salada.jpgShiseido_ChikinRice3.jpg

アフタヌーンティが人気なようで、豪華な2段重ねのお皿を隣の2人も、その隣の2人も
嬉しそうに食べていた。私も次は、そうしようかなとチラ見。


(2)ニルヴァーナ(インド料理)

その昔、六本木ミッドタウンがオープンした時、ニューヨークで人気の高級インド料理
と評判になった店。その時、行ったのだけど、昔過ぎて味の覚えがない。辛過ぎず、
雰囲気が高級だったのは覚えてる。
この日は休日、10時半からのサントリーホールのパイプオルガンコンサートに行った帰り。
ランチタイム。ミッドタウンのゆっくり出来るレストランはどこも1時間待ち。
ここは席数も多く、2時間制ビュッフェなので、入れた。
休日3300円だけど、デザートまである充実した内容で、カレーが香り良く美味しい!
まずは前菜部門。タンドリーチキン、ポテト、サラダ類。炒めた野菜もあった。
あっさりめの味付けで食欲が進む。

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カレーは5種類。辛いのに弱い私は初めは少しだけ取って来た。心配するなかれ、
涙するほど辛くないし、それぞれ個性的で風味がよく美味しい。焼きたてナンが
テーブルに運ばれてくるが、サフランライスで食べてみようと思った。
取ったのは、マグロのカレー、キーマカレー。豆のカレーはコーンが入っていて
甘い。デザートのケーキ、小さいけれど、おいしい。赤いトマトのようなフルーツは
何かと思ったらスモモ。母が「うちでは食べません」と言って避けていたので未経験。
なぁんだ、甘くておいしいじゃない。母はよっぽどまずいのを食べたのかしら。
このビュッフェには大満足で、「また来ましょう」と2時間後に店を出た。


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(3)YEBISUバー 上野の森 桜テラス店
上野、都美術館「ボストン美術館展」の帰り、エスカレーターを降りた1階にある店が
気になっていたので、近づいてみると、立て看板にある写真がピザとパスタ。
「ピザとパスタは最近しょちゅう食べてるから避けたい」と友達が言う。
振り返ると反対側はYEBISUバーの店。ちょっとおじさんぽいけど、ビール飲みたいし、
すいてるからはいりましょ。

お料理7品、飲み放題90分つきで3800円。お得!
しかも、あつあつソーセージが美味しくてビールに合う。

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この日は空いていたので、ゆっくり居座ることにした。
飲み放題の時間のあと、ワインをとって、締めにカレーを注文。
半分づつ分けて食べた。
サントリーとかエビス、メーカーの直営店は、お酒がちゃんとしてるし、
店員さんもきちんとしてて良いと思った。ここもリピートあり、かな。

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ボストン美術館展(東京都美術館) [展覧会(西洋画)]

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「ボストン美術館展に行きたいけど、あなたは、ボストンで行ってるから、
見たものばかりでしょ。行かないわよね」とM子さんが言ってきた。
手許にあったパンフを見たら、見たことがあるのは、1点だけ。
なぜなら、この展覧会は、ボストン美術館にある日本絵画の里帰り展で、
日本初お目見えのものが数点。ボストン美術館は、日本美術だけで10万点
所蔵しているので、実際に見に行っても展示されているものは、ごくごく
一部で、いつも変わらずあるのは、障子の部屋に飾られている「大日如来像」くらい。


会場に入ると、まず目に飛び込んでくるのが、2枚の肖像画。
メアリー王女、チャールズ1世の娘」1637年 ヴァン・ダイク。
ヴァン・ダイクは、ファン・ダイクともよばれる。
ベルギー・アントワープの裕福な家庭の出身でルーベンスの筆頭助手を務めた。
芸術好きの英国チャールス1世に招請され、王の一家や貴族たちの肖像画を多く描き、
英国肖像画の発展に寄与した。
この絵は、ボストン美術館の所蔵品の中でも有名な絵であり、ほぼいつも展示されて
いるので、私も何回か見ている。6才の王女が大人の正装と同じドレスを着ているので、
とても違和感があり記憶に残っている。ドレスの描写がすばらしい。
ヴェラスケスの「マルガリータ王女」のような愛らしさがなく大人びた顔立ち。
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この絵の横にあるのが、ナポレオンの肖像画。
戴冠式の正装をしたナポレオン1世の肖像」1812年 ロベール・ルフェーヴルと工房
豪華な衣装の描写、金の刺繍が盛り上がって見え、実際の刺繍のように見える。
Napoleon.jpg


第一室は、「力を示す」というタイトルなので、2つの肖像画の他に
エジプトの「ホルス神のレリーフ」、30㎝くらいの石片の一部にハヤブサの
頭部がある。
古代エジプトのペンダントも展示されていた。
古今東西の芸術品を所蔵しているので、ムガール帝国時代のインドのもの、
南宋時代の「龍虎図」、朝鮮王朝の「架鷹図」、日本の刀剣もあった。

素晴らしかったのは、「平治物語絵巻 三条殿夜討巻」鎌倉時代、13世紀後半。
最初に載せたチラシの絵で、日本絵巻史上最高傑作と言われている。
描かれているのは、藤原信頼と源義朝らが後白河上皇の御所である三条殿を襲撃し、
上皇を拉致した場面。そばで見ると、戦いの混乱の中のそれぞれの人の動き、
弓を構える者、馬で走り去る者の表情までがはっきり見える。

第二室は「聖なる世界」というタイトル。
エル・グレコの大きな絵が目にとまる。
祈る聖ドミニクス」1605年頃
ドラマティックな雲。聖ドミニクスの背後には十字架にかかるキリストが
描かれている。

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日本の平安時代の仏像、大日如来坐像(1105年)も展示されていた。
大日如来は密教の教主で天照大神と同一視される。所々、金箔がわずかに残っていた。
私がボストンで見たものと同じなのだろうか。大日如来坐像だけでも、何点かあるのかも
しれない。
華厳経(二月堂焼経)」は、東大寺に伝来した紺紙に銀字で書かれた経で、楷書の字が
美しい。表装がモダンだと思ったら、杉本博司が巻子であったものを表装に変えたそうだ。
展示される時、巻子より見やすい。


第三室は、「宮廷のくらし」というタイトルで、王侯貴族や枢機卿など権力の座にいた
人びとの贅沢な暮らしぶりを見ることができる絵や工芸品、宝飾品が展示されていて
華やかだった。
「灰色の枢機卿」1873年 ジェローム
パリに今もあるパレ=ロワイヤル宮殿の大階段が舞台の作品。
聖書を読む前方の修道士に向かって、色鮮やかな服を身にまとい頭を下げる貴族たち。
当時、ここはルイ13世の宰相リュシリーの館、この修道士はリュシリーの腹心で、
「灰色の枢機卿」よばれるほど力を持った黒幕だった。大きな絵で印象に残る。

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「1902年8月のエドワード7世の戴冠式にて国家の剣を持つ、第6代ロンデンテリー候爵
チャールズ・スチュワートと従者を務めるW・C・ポーモン」1904年 サージェント
長いタイトル。王様かと思ったら貴族。目を惹く立派な衣装だが、第一室のナポレオンの
戴冠式の正装には負ける。
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ムガール帝国では、
「モンスーンを楽しむマハーラージャ、サングラーム・シング」1720年~25年頃。水彩画
統治者サングラーム・シングが郊外の宮殿を訪れたときの様子を描いている。
屋上から広大な領土を眺めるサングラーム・シングが上段で、下段では傘を捧げ持つ3人の
侍女を従え宮殿に入るサングラーム・シング。彼に権威が集まっているとわかる。

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一番目の保養になったのは、エメラルド6カラットが中央に配置された
アメリカの大富豪、マージョリー・メリウェザー・ポストのブローチ

ナポレオン皇妃ジョセフィーヌのために、セーヴル磁器製作所で作られた
平皿「マルメゾン城の植物のセルヴィス」1803~1804年は、絵柄が
上品で、落ち着いた雰囲気がすてきだった。セルヴィスは食器セットのこと。



第四室は「貢ぐ、与える」というタイトルで、外国への貢ぎ物がなされる場面
を描いた絵の展示。
「韃靼人朝貢図屏風」伝狩野永徳 桃山時代 16世紀後半
韃靼人(ダッタンじん)とは、モンゴルの騎馬民族のことで、上部に貢ぎ物を積んだ
唐舟に乗った一行が描かれ、下部にはそれを受け取る準備をしている馬に乗った韃靼人
たちが描かれている。狩野永徳が、外国どうしの貢ぎ物の様子を描いていることに、ほぉうと思った。

第五室は「たしなむ、はぐくむ」、権力者たちは芸術家のパトロンとなり、工芸品にも
すばらしいものが登場した。
ギター(キタラ・バッテンテ) ヤコポ・モスカ・カヴェッリ イタリア 1725年
象牙、鼈甲、真珠母貝など豪華な素材を使用している。金属弦。見とれるほど美しい。
Guiter.jpg
このギターの時代ということで、カナレットの「サン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂」
を描いた絵もあった。

左:「メアリー・トッド・リンカーンのブローチ」アメリカ大統領リンカーンの妻メアリー。
大変な浪費家で宝石が大好きだったそう。ダイヤモンドをふんだんに使い金とエナメルで
縁取り。イヤリングもあった。
右:「日本風のブローチ」ラクロシュ・フレール社 1925年頃
ラクロシュ社はフランスの宝石ブランド。ジャポニスムの影響が濃いアールデコ様式。
縁取りのある長方形にダイヤモンドを敷きつめ、日本画的な白い余白を作り、ルビーで
梅のような花を表現している。英国王ジョージ5世の妻が注文。孫の結婚式のお祝いに
贈った。
Broach_mary-todd-lincoln150.jpg  日本ふうのブローチ_ラクロシュ社200.jpg
「吉備大臣入唐絵巻」 平安時代後期〜鎌倉時代初期 12世紀末
遣唐使として海を渡った吉備真備は高楼に幽閉され、難題を吹っかけられるが、
先に入唐して現地で亡くなった阿倍仲麻呂の亡霊(赤鬼)の力を借りてこれを
退ける話を絵巻にした。鎌倉絵巻の傑作。
絵の下に説明がついているので、この箇所はこう、とわかりやすい。見に来ている
人たちが全員、ここで文字を読みながら絵と照らし合わせるので混みあう。
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急いで駆けつける場面の描写、漫画で笑える。この図柄のTシャツを売っていた。
kibi_daijin266.jpg
日本初公開の狩野派の絵もあった。
狩野山雪「老子・西王母図屏風」 江戸時代 17世紀前半
狩野探幽「楊貴妃・牡丹に尾長鳥図」平安時代後期~鎌倉時代初期
 
修復して日本初公開の孔雀図」 増山雪斎 江戸時代(1801年)
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