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リヴァ・デリ・エトゥルスキ [レストラン(イタリアン、スペイン)]

親友歌姫&M子さんと土曜日にランチ。
「表参道の交差点からわりと近い、、リヴァ・デリ・エトゥルスキっていう店」と
場所決め担当のM子さんから電話。
「その長い名前、前に行ったことあるわ。木造の2階建てのイタリアン」
「そう、その店が、隣に新しく建てなおしたのよ。角の店になったの」

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あまり、イタリアンっていう外観じゃないけど、明るい店。
1階と2階があって、1階は大広間形式。私たちは声が通るから、片隅で話せる
2階にしましょう、と行ってみたら、2階には、ランチタイムビュッフェがあった。
イタリアンの前菜ビュッフェは、好きなものがとれるので、大好き。

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自家製のパンもおいしい。
M子さんが、「この前、来たときは、テーブルの上にグリッシーニがあったけど。
私、スプマンテにグリッシーニが好きなのよ」と言うと、「ただいまお持ちします」
イタリアンなので、シャンパンでなく、スプマンテ。
ワインリストを眺めながら、M子さんが、「フェラーリにする?あ、ちょっと待って。
フランチャコルタがあるわ。どう?」

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イタリアのスプマンテには、アルファロメオ、フェラーリと車の名前のがあって、
かなり、おいしい。このフランチャコルタも香りが良くて、泡が細かく、長持ちだった。
イタリアンの前菜によく合った。

本日のパスタは、「かぼちゃのパスタ、香草のせ」
やさしい味。パンチはない。「ね、M子さん、かぼちゃ、嫌いじゃなかった?」
それを聞きつけたサービスの人が、「お嫌いでしたら、子羊のクリームソースの
パスタにお取替えします」。でも、もうこの時点で、前菜をたくさん食べ、かなり
おなかいっぱいだったので、「大丈夫です」。

メインは別オーダー。
イノシシの赤ワイン煮。「また、嫌いなかぼちゃが飾りに」、と、大笑い。
柔らかく煮えていて、野菜のとろみと肉が混じりあい、コクがあって、おいしかった。
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ジビエ系が苦手な歌姫は、牛ヒレステーキ

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デザートは、アイスクリーム&フルーツ。ラングドシャ生地の器。

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さらに食後のお菓子として、クッキー類。

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ウェディングに使えるよう、しゃれたインテリア。隣の席では、若いカップルが、お店の
人と、ウェディングの打ち合わせをしていた。

値段は、ランチビュッフェだけなら、2200円と非常にお得。
コースでもランチなら5000円。

食後は、ここから徒歩5,6分の根津美術館に行った。企画展は禅僧の墨蹟、墨絵の
「墨宝」展だった。

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琳派芸術(光悦・宗達から江戸琳派へ)展 [展覧会(日本の絵)]

 昨年の2月に、出光美術館で見た光琳の「紅白梅図屏風」と、抱一の「紅白梅図屏風」は、
忘れられない豪華絢爛さだった。光琳の金色の一対の屏風と、抱一の銀色の一対の屏風。

 ところが今年は、光琳と抱一の「紅白梅図屏風」を会期を分けて展示するとのこと。
「じゃ、抱一の銀のだけでいいわ」(光琳のは前にも見ていて、抱一のは昨年始めて)
と、思っていたら、朝のNHKの日曜美術館が、この展覧会の特集。金色屏風の豪華さ、
扇を貼り付けたものも見たい、思い立ったが吉日!と出かけた。

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 琳派とは、光悦・宗達から、光琳、抱一、其一と継承されていった日本画の形式
のことである。

 1、俵屋宗達
 宗達は、江戸時代前期(17世紀)に、京都で新しい装飾画の様式を生み出した。
当時の徳川幕府の御用絵師は、桃山時代から続く「狩野派」であったから、宗達の
顧客は、寺院、公家、富裕な町人であった。

 「扇面散図屏風」、六曲一双。金色の地に金色の扇を描き巡らした金ピカの屏風。
扇には、それぞれ違った模様が描かれている。草花が多いが百人一首のような
人物画、月に雲もあった。豪華で派手。

扇面散図屏風.JPG

 「扇面散貼付屏風」、六曲一双。
上の金ピカは、扇の数が数えられないが、こちらは10枚の扇が貼られている。
屏風の地の遠景に山、手前に水辺が描かれ、水辺の植物が描かれている。
金箔や銀の砂子が撒かれ、景色全体が扇を引き立たせている。
上の金ピカに比べると、こちらの方が上品で、落ち着いた佇まいだった。

扇面散貼付屏風.JPG

 有名な「月に秋草図屏風」、よく目を凝らして見ると、すすきが全体に背景のように
あるのが見える。これに色がついていて、さらに他の花ももっと色鮮やかだったら、
と描かれた当時の原型を想像してみた。花の競演だったのだろう。


 「四季草花図屏風」、六曲一双 (根津美術館蔵)
右から左へ向かって、春から夏にかけての花が描かれている。一双なので、もう一面
は、秋から冬の花。一つ一つの葉や花が細かく、正確に描かれている。しかも下の金地
が、少し透けて見えるような薄塗りの技法。背景に溶け込むようにということだったのだろう。
上段に丈の高い花、下段に草花と、きちんとした配列。

四季草花図屏風根津.JPG

 これを発展させた形として、後の時代の弟子の「四季草図屏風」に、どの花も全部同じ
大きさ、さながら花図鑑というのがあって、面白かった。

 宗達は、水墨画にも長けていて、「墨梅図」は、墨の濃淡と緩急だけで、梅の枝と花を
みごとに表現していた。宗達の筆運びは、おおらかさがあって、見ていると和む。
「龍虎図」、この時代、虎を実際に見た人がいなかったので、丸顔の虎。[猫]
龍も空に浮かんでいるかのようで、睨み合っている位置だけど、ちっともこわくない(笑)
虎龍.JPG

2、尾形光琳
 宗達が亡くなって50年後、宗達の画風は工房で引き継がれていた。
京都の高級呉服商の生まれた光琳は、宗達派の草花図に学び、発展させ、独特の
大胆な構図の作品を制作した。

 紅白梅図屏風 (図録のスキャンで、白い線の光がはいってます。スミマセン)
有名なので、部分だけの写真が多いけれど、これが全貌。六曲一双。
上の屏風の大きな木の複雑な枝ぶり。白い花と赤い花が、画面で絡み合う。
下の屏風の広い空間、右端に一部だけ見える梅の木。下には水や岩。

光琳紅梅図屏風1.JPG

              光琳紅梅図屏風2.JPG

 光琳の墨絵画「蹴鞠布袋図」もあった。布袋を描くのが得意だったそうだ。
宗達同様、ユーモアのある墨絵だ。

 弟の陶芸家、尾形乾山のために描いた「茶碗絵手本」。簡単に描いたようだが、的確。
茶碗絵.JPG

 
尾形乾山作の鉢
(上)色絵芦雁文透彫反鉢
金泥の雁、銹絵の芦。器の反部に大胆に穴を開ける事で、更に先の風景までも
想像させる大変面白い形。  
(下)色絵竜田川文透彫反鉢  
奔流する波の動きの立体的な表現、波に呑み込まれる紅葉の姿、色合いも美しい。
乾山小鉢.JPG

   

3、酒井抱一   
抱一は、徳川10代将軍家治の時代に、姫路藩主酒井家の次男として、江戸の別邸
で生まれた。絵は幕府奥絵師の江戸狩野派より手ほどきを受けたが、30歳の頃より
光琳に惹かれ、光琳風の草花図を描き始めた。
抱一の作品展示は、第二章ということで、次回(2月11日~3月21日)になる。
今回は、「白蓮図」だけ。水墨画のような表現、蓮の白さが際立って清楚で美しかった。

           抱一蓮.JPG

    ☆第二期の記事は、こちらです。                                       


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カンディンスキーと青騎士展 [展覧会(西洋画)]

 「抽象絵画の始まりはいつ?」「1900年、カンディンスキーから」と、言われることの
多いカンディンスキー(1866~1944)。
カンディンスキーと彼が所属していたグループ「青騎士」の作品をたくさん持っている
ミュンヘンの「レンバッハハウス美術館」が、改装のため、作品を貸し出してくれた
展覧会。100年前に建てられた邸宅美術館の絵なので、丸の内の「三菱一号館」と
いうレトロな雰囲気の場所は、ぴったりだった。

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 レンバッハは、19世紀末に勢いのあったバイエルン王国の首都ミュンヘンで人気の
あった肖像画家。鉄血宰相ビスマルクの肖像画も描いている。だからお金持ちで邸宅
も立派。だが、市立の美術館となったレンバッハハウスは、カンディンスキーと青騎士
グループの絵が中心で、レンバッハ本人の絵は少ない。

 カンディンスキーが、どのようにして抽象画に到達したかの展示構成。
1、若い頃
カンディンスキーは、ロシアの裕福な家の出身。モスクワ大学法学部を卒業、弁護士
になるはずが、絵が好きだったので、当時勢いのあったミュンヘンに来て、美術アカ
デミーで、ウィーン分離派のシュトックに学んだ。さらにその後、美術アカデミーで、
教えるようになる。そこに入学して来たのが、ガブリエーレ・ミュンター(1877~1962)。
従兄弟で6歳年上の妻がいたにもかかわらず、カンディンスキーは、ミュンターと親密
な仲になってしまう。
左:ミュンターの肖像画(1905年)
右:庭で絵を描くミュンター(1903年)

Munstar1905.JPG Munstar1903.JPG

右の絵は、恋人ミュンターへの愛おしさがこめられている日常風景。
当時、カンディンスキーは、まだ具象の絵を描いていた。

「花嫁」 1903年 大きな斑点の点描。背景は故郷のロシア正教会。
幻想的で装飾的な絵なのは、ウィーン分離派、クリムトの影響?

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同じ頃のミュンターの作品「風景を描くカンディンスキー」は、ペインティングナイフを
使った手法。カンディンスキーの作品に似た手法、色彩で描かれていた。
お互いに惹かれあっていたのだろう。


2、アルプスの麓ムルナウでの制作時代
ずっと旅をしていたカンディンスキーとミュンターだが、アルプスの麓のムルナウに
居を構えた。ヤウレンスキーと恋人ヴェレフキンも加わり、共に制作に励んだ。

ムルナウ近郊の鉄道(1909年)
子供の絵本にでてくるようなかわいい絵。
この頃から作風が変わってくる。強い色彩で平面化された構成。
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大きな作品。これ以降は全部、これは、何?だが、タイトルを見て、なるほどと理解。
山(1909年)
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ミュンターは、クロワソニズムの技法で、輪郭線をはっきり描いた絵を制作していた。
「ヴェレフキンの肖像」 (1909年)     
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3、青騎士の時代
1911年の元旦に、シェーンベルグのコンサートに出かけ感動したカンディンスキーは、
「コンサート」を描いた。
一番上のチラシに使われている絵。黒いのは、グランドピアノ、白いのは柱、そして聴衆。


カンディンスキーは、作品が「ミュンヘン新芸術家協会」展に落選したことに、怒って、
ミュンター、マルク、マッケを誘って、「青騎士」を立ち上げた。のちに、、シェーンベルグ、
アンリ・ルソー、ロベール・ドローネーが加わった。

コンポジションのための習作 (1913年)
このあたりになると、豊かな色彩、明確でない形。私の知っているカンディンスキー作品
に近くなってきている。音楽の感動を絵で表現したもの。
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他の青騎士メンバーは、どんな絵だったのかというと、
フランツ・マルク「虎」(1912年)  
フォービズムの色彩で、キュビズム。
                     アレクセイ・ヤウレンスキー「スペインの女」(1913年)
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フランツ・マルク「牛」 マルクは、神秘的かつダイナミックな動物画を描いた。
牡牛が緑、子牛が赤、雌牛は黄色。
牛の喜びを表現。

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アウグスト・マッケ「遊歩道」(1913年)
単純化された形は、アンリ・ルソーに通じるものがある。

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才能豊かなマルクもマッケも志願兵として 第一次世界大戦で戦死。
カンディンスキーはミュンターと別れ、ロシアに帰り、青騎士の時代は終わった。

ミュンターとカンディンスキーは、再会したものの、カンディンスキーが、若いロシア人
女性と結婚していたので、ミュンターは怒り、離別した。
後に、ミュンターは10歳年下の哲学者と再婚するが、カンディンスキーの絵をナチ
政権下の戦時中、地下室に隠して守り続け、80歳の誕生日に、青騎士メンバーの
作品や資料と共にミュンヘン市に寄贈した。これが、現在のレンバッハハウス美術館
の主要なコレクションである。

見終わったあと、気になったのは、ミュンターのことだった。再婚後もこんなにたくさん
の良い作品を大事に保管しておいたのは、やはり、カンディンスキーの才能に一目
置いていたからなのだろう。そのおかげで、若い時代の絵や、抽象へ移行する時代の
絵が見れたのだから、ありがたい。

<付記>[かわいい]モネからの影響
カンディンスキーは、とある展覧会で、モネの「積みわら」を見たとき、光の輝きと色彩
の美しさに、感銘をうけたそうです。でも、それが「積んだわら」とは、ぱっと見、気付か
なかったので、絵画で大事なのは、形よりも色彩と考え、実践し、抽象画への道を切り
開いたのです。


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冬の高級中華料理 [レストラン(中華)]

 12月28日、銀座維新号新館で、T氏主催の歌姫たち音楽家仲間8人の会食会。
私は、音楽家じゃなくて、裏方だけど、よんでいただけてうれしい。

1、前菜盛り合わせ。
中央くらげ、上はあわび、時計まわりにチャーシュー、下の緑は? 渦巻きは湯葉、
カブ、トマト、上海カニの紹興酒漬け。このカニは絶品、最後までしゃぶって食べる。

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テーブルの上に置かれたメニュー(菜単)。

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2、夏草と木茸の澄ましスープ
冬中夏草は、虫からはえるキノコで、疲労回復の効果がある秘薬。
乾燥させて使う。草のようなの見えますか?               3、海老の香味揚げ
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 ここで、T氏からのワインも登場。
ボルドーのポムロール、シャトーガザン(POMEROL, ChateauGazin)
果実の香り、しっかりとした味、タンニンもあって滋味。

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4、気仙沼産ふかひれの姿煮込み。これは9人分だけど、一人前がすごく大きかった!
黒酢をかけて食べると風味が増して、いっそうおいしかった。
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5、北京ダック
もちろん、このあと、皮が白髪ネギ、味噌といっしょに包まれて出てきた。
歌姫が、「このあとのお肉は?」「持って帰りますか?肉と白菜を順番に重ねて、鍋にすると、
おいしいんですよ」 翌日、歌姫から、「鍋にして、すごく、おいしかった」とメールがあった。
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6、野菜の湯葉巻き
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7、白身魚の甘酢かけ
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8、特製雪菜入りつゆそば。横は、紹興酒。      9、デザート、メロン、杏仁豆腐のシロップ。
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 初め、メニューを見たときは、こんなにたくさん、と思い、ふかひれで、かなり、満腹になったはずが、
その後も、「あら、おいしそう」、と、結局、全部(笑)。
紹興酒もワインもおいしくて、幸せだった。欠席のOさん、Fさん、残念でしたねー。
話題は、もちろん音楽のこと。演出家のHくんは、ライプチヒに留学目指して、ゲーテで、ドイツ語を
習い始めたそう。実現するといいね。

 ★忙しいので、コメントへのお返事は、できないかもしれません。


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トリスタンとイゾルデ [オペラ、コンサート、バレエ]

 ワーグナーのオペラ「トリスタンとイゾルデ」を新国立劇場に見に行った。
この公演は、あっという間にチケットが完売になり、出演者ですら席をとれないと話題に
なった。私も新国の会員なので、先行発売日に朝から電話をしたが通じず、お昼頃、
つながったと思ったら、「○日と○日は、完売です。それ以外のかた、電話が混んでおり
ますので、もう少々お待ちください」。こんなの初めて。
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 なんで、そんなに評判かというと、「トリスタンとイゾルデ」は、新国立劇場では、初演。
さらに、指揮者が、大野和士。大野さんに関する前記事はここ。
ベルギーの王立歌劇場の音楽監督として、数々のオペラの指揮をこなし、ワーグナー
で定評のあるドイツ・バーデン州立劇場で、日本人として初めて、ワーグナーの殆どの
作品を振った。
大野さんの有名な逸話は、2005年パリでの公演の際、オーケストラがスト、公演は
中止かと思われたが、大野さんは、3日間で、オケ部分を3台のピアノに編集して、
初演を乗り切った。公演は大絶賛、この評判で、リヨンに抜擢されたそうだ。
大野さんは、ピアノが上手い。歌が好き。語学が得意。そしてユーモアたっぷりの
柔軟なお人柄。国際的に活躍する要素を備えている。

 さて、オペラ。
「トリスタンとイゾルデ」は、ロミオとジュリエットの下地になった話ときいてるけれど、
ちょっと違う。かわいい恋愛ではなく、パワフルな身体全体を使った情念。

 前奏曲。ピアニッシモから始まり、徐々に音が高まり、ワーグナーの和音が聞こえて
くると、舞台に月がゆっくりと上り、紗幕にさざなみがうつっている。ドラマが始まる期待
感と共に音楽に身をゆだねていると、右手から木の枠組だけの廃船が出て来る。
船に乗ってるイゾルデが歌い始める。その声のすごいこと!圧倒され、引き込まれる。
ワーグナーは、オペラというより楽劇だから、ほとんどセリフはなく、すべてが歌。

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 とにかく歌に圧倒された。イゾルデ役のイレーネ・テオリンの歌唱力は、「神々の黄昏」
で、わかっていたので、はまり役だろうなと思ったけれど、それ以上の熱唱。2,3歩前
に進んで客席を見据えて歌うときなど、目が合いそうで、こわいほどだった。
トリスタン役のステファン・グールドも素晴らしく、重厚で響きわたる声。時々、
「イゾルデ~」と歌う柔らかな高音に、「あ、テノールだったんだ」、と思いだすほど。

 イゾルデの侍女役のエレナ・ツィトコワは、細い体だが声がよく通る。イゾルデを怖がり
ながらお仕えしているようすが、かわいくいじらしい。この人の「ばらの騎士」のオクタヴィアン
男爵役がとてもすてきだった。
 トリスタンの親友で最期を看取る役は、ユッカ・ライジネン。「ジークフリート」の「さすらい人」
役がとてもよかったので楽しみにしていた。トリスタンを刺すメロート役は、星野淳。

 最後の場面は、月もイゾルデの衣装も赤、海へと向かって歩む姿がじんと来る。
演出は、象徴的でよかった。ただ、イゾルデの衣装が、、とても姫とは思えず。。。

 歌の素晴らしさにこれほど浸ったことはなかった。45分の休憩を2度はさんで5時間45分。
それでもあまり長いと思わなかったのは、この演目を見るのが初めてで、歌手もオケも
すばらしかったからだと思う。歌がよく聞こえるようにと、いつもより深めのオケピット。
時折、見える大野さんの指揮棒が、いっそうの臨場感を与えてくれた。
 


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新年会2011年 [シャンパン・ワイン・ビール]

 悠遊会の新年会。N嬢宅にて。
もう20年以上続いている親友新年会。

 「何か手伝う?」と、朝、今年の会場N嬢宅に電話をいれると、「歌う歯医者の
Yさんが、早く来て手伝ってくれるから、大丈夫よ。奇特な人よね、男一人で、
女9人、アマゾネスの新年会に来るんだから。」  
特別ゲストのYさん。結城の紡ぎでのご登場だから、写真を一枚。
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乾杯のシャンパンは、重厚な化粧箱入りのドンペリ、ロゼ。Neが持参。
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欠席のM子ちゃんと、Aさん、残念だったわね。
だって、コレ、買うと4万円くらいするのよ。
私もロゼは飲むの初めて。香りも泡も味も、すべてが優雅で、やわらかい。
包み込まれるやさしさと洗練。

 
総勢10名なので、次のシャンパンは、「ハイパーエドシックのロゼ」(私持参)
泡がピシピシきて、味もつよーい。洗練されたのを飲んだあとには。。。
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  お料理は、あらかじめ、メールで知らせてある持ち寄りと、N嬢が会費で用意したもの。
ほたてとスモークサーモンのカルパッチョ(N嬢)、お煮しめ(歌姫)、イタリア風サラダ(N嬢)

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上段:白和え(Hさん)、ポテトグラタン(Y子さん)
下段:なすの揚げ浸し(Hさん)、ローストビーフ(歌姫)、
    R子さんのレシピの大根と柚子のサラダ(Hさん)、小樽空港で買ったさつまあげ(Yさん)

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左:くるみ入りパンではなくて
、黒い部分は乾燥イチジクの練ったもの 右:シェーブルチーズ、フィグ(乾燥いちじく)入り

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 さて、食べ始めたとたん、「このニンニク、なぁに?」

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あー、そこに入っちゃったのね、ブイヤベースに入れるつもりだったのよ」
「ローストしたニンニクがはいったサラダは、あるけど、これ生」と、呆れ顔の歌姫。
歌姫はスイスのコルドンブルーにお通いになったので、お料理には一家言あり。

 しばらくして、出てきたブイヤベース。
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あちらこちらから、批判の声。「これ、味が足りないんだけど、塩とかじゃなくて、
コクがないし、風味が、、」「あーだから、そこに、さっきのニンニクを入れるはずだったのよ」
「ニンジンの皮、剥いてないでしょ」「せっかく材料は、いいのにね」
 

 昨年は、ショパンに沸いたわねー。ショパンコンクールの審査方法が変わって、アジア人が
全然入れなかったのよ。。。今年はリストの生誕200年でしょ。。でも来年、2012年はドビュッシー
の生誕150年だから
何かコンサート、やらない?」 
「小沢征爾がカーネギーで復活したって言うけど、実際、どうなのかしら?」「小沢征爾は、
交響曲はいいけど、オペラはね。。」「オペラはやっぱり大野さんでしょ、5年先までスケジュール
が埋まっているっていうし」、
などなど、音楽話題が続いたところで、
「今年の抱負を順番に言いましょ。」で、ひとりづつスピーチ。  その後、歌姫作のラザニア。

 それからティータイム。
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 新年会は、7時間も続き、毎年恒例、歌姫からの「お年賀」が配られ、お開きとなった。
N嬢、文句の多い面々だけど、いろいろ準備&片付け、ありがとう。とっても感謝してます。


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